万引き(窃盗罪)で勾留決定に対する準抗告
50代女性Aさんは、宮城県名取市のドラッグストアで、化粧品(3000円相当)を鞄の中に入れ、そのままレジで精算せずに店を出ました。
店を出てすぐに、ドラッグストアの私服警備員に呼びとめられ、精算していない商品があることを指摘されました。
Aさんは、店からの通報を受けて駆け付けた宮城県岩沼警察署の警察官に万引き(窃盗罪)の疑いで現行犯逮捕され、そのまま勾留されてしまいました。
(フィクションです。)
~窃盗罪~
窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立します(刑法235条)。
窃盗罪で起訴されて有罪となると、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。
事例のAさんは万引きを行って窃盗罪で逮捕されています。
「万引き」というと、いかにも軽いように用いられている言葉ですが、他人の財物を盗む点で、まぎれもなく窃盗罪にあたります。
万引きをしてしまった場合、初犯であれば被害品を還付した場合は厳重注意で済むこともありますが、被害店舗と示談できない場合は、罰金刑となって罰金を納付することになる場合があります。
繰り返し万引きを行ってしまうと、次第に罰金額は高額になっていき、それでも万引きを辞められなかった場合は、正式裁判になり、しまいに懲役刑を受けることになることもあります。
~逮捕・勾留による身体拘束~
窃盗事件が発覚すると捜査機関による捜査が始まります。
捜査機関に窃盗事件の犯人と判断された人は,逮捕される可能性があります。
万引きなど刑事事件を起こし逮捕された場合、最長で72時間身体拘束されることになります。
逮捕から検察への送致までの最長48時間(刑事訴訟法第203条1項、216条)、検察官が送致を受けた時から勾留を請求するまでの最長24時間(同法205条1項、216条)が、この72時間の内訳です。
しかし、身柄拘束は最長72時間で終わりというわけではなく、裁判官によって勾留が認められた場合、その後最長20日間もの間身体拘束を受け続けることになります。
裁判官が勾留を認める場合、身体拘束期間は原則10日間(同法208条1項、216条)ですが、勾留延長が認められればさらに10日間(同法208条2項、216条)もの間身体を拘束することが可能なのです。
逮捕・勾留による身体拘束を受けている間、被疑者は通勤・通学することができないため、身体拘束の期間が長引くほど、被疑者の社会的地位に影響が出ることになります。
逮捕・勾留が行われるのは,犯人の身柄の確保と当該窃盗事件について証拠を確保するためです。
逆に言えば,犯人の身柄の確保や証拠の確保をする必要がない場合,逮捕・勾留をする必要はなく逮捕・勾留されないということができます。
~勾留阻止~
勾留の要件として、「勾留の理由」と「勾留の必要性」がありますが、実際には多くの事件で簡単に勾留決定が出てしまう現実があります。
不当な勾留が決定されてしまった場合は、勾留決定に対して不服申立をすることができます。
不服申立制度としては、勾留理由開示請求・勾留取消請求・準抗告などが挙げられます。
「準抗告」(刑事訴訟法429条)という不服申立て手段は、裁判官が単独裁判官の資格でした裁判(命令)に対する不服申し立てのことをいいます。
勾留に対して不服申し立てをする場合は、刑事訴訟法第429条1項2号に基づき勾留の取消し・変更を求めることになります。
勾留決定に対する準抗告は、法律上は被疑者本人が行うことも可能です。
しかし、刑事事件の専門的な法律知識が必要となりますし、勾留による身体拘束を受けながら有利な証拠を収集し、かつ、効果的な準抗告申立書を作成するのは至難の技でしょう。
勾留決定が出されてしまい準抗告したい場合は、法律の専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士がおこなう初回接見サービスや無料法律相談を24時間受付中です。
万引き事件で逮捕されてお困りの場合、勾留決定が出されたが釈放を望む場合は、まずはフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
(宮城県岩沼警察署までの初回接見費用:38,400円)