コンビニコーヒーのサイズだましで逮捕

コンビニコーヒーのサイズだましで逮捕

通常サイズのコーヒー料金で、大きいサイズのコーヒーを注いで逮捕されたという事件がありました。

コンビニコーヒー、通常料金でLサイズ 熊本市職員を現行犯逮捕
Yahoo!ニュース(熊本日日新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~よくあるコンビニコーヒー犯罪~

この事件は、熊本市の非常勤職員の男が、通常サイズのコーヒーの料金100円を支払ったにもかかわらず、200円のラージサイズのカフェラテをマシンで注いで逮捕されたというものです。

男は20回ほどやったと述べ、容疑を認めています。
その店では1週間ほど前から被害が出ており、警察署に相談。
警察官が店内で捜査中に男が犯行に及び、現行犯逮捕されたとのことです。

この手の犯行は以前からたびたび報道されています。

たしかに、自分でコーヒーマシンを操作してコーヒーを注ぐタイプの店では、注文したサイズよりも大きなサイズのコーヒーを注ぐこともできてしまいます。
しかし、どのサイズがいくつ注文され、実際にどのサイズがいくつ注がれたのか、店側は把握することができます。

数が合わなければ、当然ながら店側も警戒し、警察に相談することもありうるわけです。
しかもコンビニですから、防犯カメラもしっかり設置されています。
犯行が発覚する可能性は十分あるわけです。

~成立する犯罪は?~

今回の逮捕容疑は窃盗罪
条文を見てみましょう。

第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

余分な量のコーヒーを黙って盗んだということで、窃盗罪が成立する可能性があるわけです。

また、状況によっては詐欺罪に問われる可能性もあります。

第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

店員を、通常サイズのコーヒーを注ぐとだましたわけですから、詐欺罪も成立しうるのです。

詐欺罪の方は、刑罰として罰金刑が定められておらず、有罪となれば最低でも(罰金より重い判決とされている)執行猶予付きの懲役判決になるということになります。

ただ、被害金額が小さいことから、万引き事件と比べても、執行猶予付きの懲役判決にするのは重すぎる場合も多いでしょう。
そうなると、より軽い罰金刑にはできないわけですから、あとは不起訴処分にしかできないことになります。

不起訴処分とは、裁判にかけずに刑事手続きが終わることを言います。
刑罰も受けず、前科も付かずに終わることになります。
今回は大目に見てもらうということです。

そこで、理論的にはどちらの犯罪も成立しうるところですが、あえて罰金刑の余地を残すため、窃盗罪で検挙するということもありうるところだと思います。

なお、うっかり大きいサイズのボタンを押して注いでしまい、そのまま持ち帰った場合も、より軽い占有離脱物横領罪が成立する可能性があります。

第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

うっかりであっても、出来る限り店員に報告しないと、大ごとになってしまう可能性があるのです。

~弁護士にご相談ください~

あなた自身やご家族が、何らかの犯罪で突然逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやってすればよいのかなど、わからないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

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