自転車を壊し、器物損壊罪で逮捕された少年

自転車を壊し、器物損壊罪で逮捕された少年

器物損壊事件を参考に少年事件の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県名取市に住んでいる高校生の少年Aさんは、クラスメイトのVさんと喧嘩になったことで苛立っていました。

Aさんは学校から帰る際にVさんの家を通りかかると、Vさんの所持する自転車を蹴って倒し、踏みつけるなどして自転車の一部を壊しました。

自転車が壊されていることに気付いたVさんは、警察に被害届を提出しました。

その後、岩沼警察署の捜査によってAさんの犯行であることが分かり、Aさんは器物破損の容疑で逮捕されました。 (この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

Aさんの逮捕容疑は器物損壊罪です。

これは他人の物を損壊、又は傷害した者に適用される犯罪で、刑法第261条に定められています。

器物損壊罪における損壊及び傷害とは、物の効用を害する行為です。

そのため、この条文における損壊とは物理的に物を破壊するだけでなく、汚したり、隠したりして、その物を本来の用途に従って使用できなくしたりする行為も含まれています。例えば、食器に小便をかけて汚す行為や、不法領得の意思がなく、自転車を隠して、その自転車を使用できなくする行為も器物損壊罪となる場合があります。

「物」の中には人が飼っているペットも含まれており、ペットを殺傷する行為にも、器物損壊罪が適用されることがあります。

器物損壊罪の刑罰は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」となります。

少年事件

成人が器物損壊事件をおこせば、上記の器物損壊罪の刑罰が適用されます。

しかし、参考事件のAさんは少年(少年法における20歳に満たない者)であるため、Aさんには「少年法」が適用され、この事件は少年事件として扱われます。

少年事件は、警察官や検察官などによる捜査が行われた後に、原則として全ての事件は家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。

成人事件の場合、警察、検察の事件捜査を終えると、検察官が起訴するか否かを判断し、起訴後の勾留によって身体拘束が続く場合がありますが、少年事件の場合は、逆送されない限り、起訴という概念はなく、警察、検察の事件捜査を終えると家庭裁判所に送致されて、その後、少年事件特有の手続きを踏むことになり、場合によっては観護措置によって、少年鑑別所で身体拘束を受けることがあります。

また、少年の処分も少年法に則って少年審判で決定されますが、そこで懲役や罰金といった処分がくだることはありません。

少年事件の処分には、環境を変えずに指導する保護観察、施設で矯正教育を行う少年院送致などが挙げられます。

これは少年事件の処分が、少年に対する制裁や処罰を目的としたものではなく、少年の更生を目指すための教育と保護が目的となっているためです。

そのため少年事件では、少年に更生の余地があること、少年院などの施設に送致せずとも更生のための環境が整っていることなどを、家庭裁判所にアピールすることが重要な弁護活動になります。

少年事件の弁護活動

上記のように少年事件は成人の刑事事件とは異なった手続きが多く取られます。

そのため少年事件の際には、少年事件の手続きに詳しい弁護士に相談することで、少年事件の流れや見通しを把握することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は刑事事件、そして少年事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。

当事務所では、法律相談を初回であれば無料でご利用いただけます。

また、逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスも実施しております。

少年事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」に、お気軽にご相談ください。

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