介護職員を傷害で逮捕
介護施設の職員が、入所者への傷害で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県名取市にある老人介護施設で働くAさん。
入所者に対し、たびたび暴力を振るっていました。
入所所の家族が入所者の体にあざができていることに気が付き、警察に相談。
岩沼警察署が捜査の結果、Aさんの犯行と発覚。
Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~傷害罪や暴行罪が成立~
福祉施設の職員が、入所者に暴力を振るうというニュースは、たまに聞くかと思います。
福祉施設では低賃金で過酷な労働を強いられているケースもあり、職員の方も不満がたまることもあると思います。
ただ、一線を越えてしまうと、取り返しのつかないことになってしまうことも。
上記事例のように、入所者に暴力を振るうと、傷害罪や暴行罪が成立することになるでしょう。
刑法
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
人に暴力を振るい、ケガをさせた場合には204条の傷害罪が成立します。
幸いケガはしなかった場合には、208条の暴行罪が成立します。
暴力を振るって、あざやかすり傷などの軽傷を負わせた場合にも、傷害罪が成立します。
そして傷害罪は、最高で15年の懲役という重い刑罰が定められています。
もちろんこの条文は、命の危険があるような重傷を負わせたような事件にも対応できるように重い刑罰が定められているので、軽傷で長年に渡るような懲役刑を受ける可能性は低いでしょう。
ただ、最高でも2年の懲役とされている暴行罪と比べると、雲泥の差と言えます。
また、罰金刑などで済む場合も、傷害か暴行かで、金額に差が出てくる可能性があります。
さらに、犯罪をしたとしても、事件の内容によっては逮捕されずに、自宅から捜査機関に出向いて取調べを受けるという「在宅事件」になる場合もありますが、逮捕されるのか、在宅事件で済むのかといったところにも、影響する可能性があります。
人に暴力を振るうというのは、その時点で少なくとも暴行罪が成立してしまう可能性が高い上、必然的にケガをさせて傷害罪まで成立し、被害者と加害者両方にとって、重大な結果となってしまう危険があるわけです。
~逮捕後の流れは?~
逮捕後の手続きの流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
【刑事事件の流れ】
できる限り軽い結果で終わるために、事件後にできることとして重要なので、被害者の方に謝罪・賠償して、示談を結ぶことです。
また、謝罪・賠償をする意向を早期に示すことは、早期釈放にとっても重要となります。
とはいえ、何と言って示談をお願いしたらいいのか、示談金はいくらにしたらいいのか、示談書の文言はどうしたらいいのかなど、わからないことだらけだと思います。
他にも、あなた自身やご家族が急に逮捕されたり、取調べを受けに来るよう警察に呼び出されたといった場合には、今後逮捕されるのか、いつ釈放されるのか、取調べではどう受け答えすべきか、どれくらいの刑罰を受けそうかなど、わからないことだらけでご不安だと思います。
事件の細かい内容によって変わってくるところでもございますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。