自殺幇助事件で情状酌量

自殺幇助事件で情状酌量

宮城県村田町で高齢の母Vさんの看病をしている60代女性Aさんは、
Vさんは、病状の悪化に伴い、「死にたい。」と口にすることが増えてきていました。
ある日、Aさんが外出から帰宅すると、Vさんが自殺しようとしているところでした。
Vさんに「もう死なせてほしい。」と懇願されたAさんは、Vさんの看病で体力的にも精神的にも疲弊していたこともあって、Vさんの自殺の手助けをしてしまいました。
しかし、自責と後悔の念に駆られたAさんは、宮城県大河原警察署に自首しました。
(フィクションです。)

~自殺を手助けすると~

自殺をすること自体は、犯罪ではなく、自殺者本人に対しては刑事罰の対象とされません。
一方で、他人の自殺を手助けする行為は「自殺幇助罪」という犯罪となります。
自殺幇助罪とは、自殺のための道具や場所、知識などを提供するなどをし、人を幇助して自殺させることをいいます。
自殺幇助罪は、刑法第202条に規定があります。

刑法202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

刑法202条の前半部分が自殺関与罪に関する規定で、後半部分が同意殺人の罪に関する規定です。
自殺関与罪には、自殺教唆罪及び自殺幇助罪があります。

(1)自殺教唆罪
人を教唆して自殺させる犯罪です。
「教唆」とは、自殺意思のない者に、故意に基づく何等かの手段を講じて、自殺意思を起こさせることをいいます。
簡単にいうと、「教唆」は「自殺する意思がない人をそそのかす」ことをいいます。

(2)自殺幇助罪
人を幇助して自殺させた場合に成立する犯罪です。
「幇助」とは、すでに自殺の決意がある者に対して、その自殺行為を援助し、自殺を容易にさせることをいいます。
簡単にいうと、「幇助」は「自殺する意思がある人の手助けをする」ことを指します。
自殺の幇助に当たる例としては、自殺する意図のある人に道具を渡す、自殺のやり方を教えることなどがあります。

「自殺教唆罪」と「自殺幇助罪」の違いは、自殺をする人が既に自殺を決意しているかどうかという点です。

自殺を教唆された、あるいは自殺の幇助を受けた本人が、自殺を実行した時点で、教唆者・幇助者に自殺関与罪が成立します。
また、自殺者が結果的に死に至らなかった場合であっても、他人の生命を危険にさらす行為であることに重きを置き、自殺関与罪には未遂罪の処罰規定が設けられています。
そのため、自殺の実行がなされなかったケースであっても、自殺関与未遂罪に問われる可能性があります。

今回の事例のAさんは、自殺意思のあるVさんの自殺行為を手助けしているため、自殺幇助罪となる可能性が高いと考えられます。
自殺幇助罪の法定刑は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮です。
もし、Aさんが自殺幇助罪で起訴されてしまうと、懲役刑または禁錮刑という重い処罰を受けることになるおそれがあります。

~情状弁護~

刑務所に入らなくて済むように執行猶予付き判決を得たいという場合は、弁護士が情状弁護を行って少しでも量刑を軽くすることが重要となります。
情状弁護というのは、過度に重い判決が下されないよう、情状弁護とは、被告人にとって有利な事情を集め、裁判で主張することを指します。
背景事情として情状酌量の余地があるような場合には、情状弁護として弁護士がその点を客観的証拠とともに説得的に主張することで、実刑を回避し執行猶予付き判決獲得を目指します。

自殺幇助罪のような重大事件においては、懲役刑または禁錮刑の実刑を受けるおそれがあるだけに、いかに情状弁護に力を入れるかが裁判の結果を大きく左右すると言えます。
そのため、弁護活動は、刑事事件を専門とする弁護士にお任せされるのがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、個々の事件内容をしっかりと把握して処分の見通しを適切に立てたうえで、説得的に主張をしていきます。
自殺幇助罪でお困りの場合は、まずはお気軽に、無料法律相談もしくは初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県大河原警察署への初回接見費用:41,600円)

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