一関警察署が逮捕

一関警察署が逮捕

強制わいせつ罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

岩手県一関市に住むAさん。
居酒屋で友人と飲み会をした後、1人で家に向かって歩いていました。
すると向こうから女性が歩いて来るのが見えました。
「いい女だな」
と思ったAさんは、女性をナンパしました。
女性が無視して立ち去ろうとしたところ、Aさんは、
「おい、無視すんなよ」
などと言って女性の腕をつかみ、抵抗する女性の胸を無理やり触りました。
Aさんは、通報を受けて駆け付けた一関警察署の警察官によって逮捕されました。
翌朝、留置場で目が覚めたAさん。
女性を触ったことについて全く覚えていませんでした。
(フィクションです)

~強制わいせつ罪~

女性の胸を無理やり触ったAさんの行為には、強制わいせつ罪が成立するでしょう。

刑法第176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

抵抗する女性の胸を無理やり触ったということは、「暴行…を用いてわいせつな行為をした」といえるわけです。

~責任能力はある?~

Aさんは犯行時に泥酔しており、翌日も女性を触ったことを覚えていません。
このような場合、責任能力がないとして犯罪が成立しなかったり、責任能力が減少しているとして刑が軽くならないか問題となることがあります。
条文を見てみましょう。

刑法第39条1項
心神喪失者の行為は、罰しない。
第2項
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

責任能力とは、物事の善悪を判断し、それに従って行動する能力をいいます。
飲酒、薬物摂取、精神疾患などを原因として、責任能力が完全になくなっている状態を、刑法では心神喪失(39条1項)といい、原則として罰することは出来ません。
また、責任能力が弱っている状態を心神耗弱(しんしんこうじゃく・39条2項)といい、刑罰が軽くなります。

そして飲酒の場合、どの程度酔っているかによって、①単純酩酊②複雑酩酊③病的酩酊の3つに分けることができます。
①単純酩酊であれば、完全な責任能力が認められるでしょう。
②複雑酩酊だと、39条2項の心神耗弱として刑が軽くなる可能性があります。
③病的酩酊に至ると、39条1項の心神喪失として、罰せられない可能性があります。

しかし、ちょっと酔ったくらいで②や③になる可能性は低いです。
犯行時の記憶が残っていなかったとしても、それだけで②や③になるわけでもありません。
意識が朦朧としている、まともに歩けない、奇声を上げたり意味不明な発言をするなどの異常な言動が見られるような場合に、②や③に該当する可能性が出てきます。

Aさんの場合、酔って記憶をなくすくらいだったとはいえ、1人で家に向かって歩くことができています。
また、女性が歩いて来るのを認識し、ナンパをしていることから、気が大きくなっていたところはあるかもしれませんが、胸に触ったという犯行そのものを除けば、奇声を上げたり意味不明な発言をするなどの異常な言動が見られたわけでもありません。

したがって①単純酩酊として、完全な責任能力が認められて罰せられる可能性が高いといえるでしょう。

~弁護士にご相談を~

逮捕されると最大で23日間拘束され、その後に刑事裁判を受けるという流れになります。
刑事裁判を受けている最中も、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
拘束されていれば当然ながら仕事などに行くこともできず、社会生活に大きな影響があります。
また、被害者の方にしっかり賠償して示談を締結しないと、重い判決を受ける可能性も上がってしまいます。

弁護士としては、早期に釈放されるように検察官や裁判官に要請する、あるいは被害者と示談を締結するなどの弁護活動を行っていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、事務所での法律相談は初回無料で行っておりますので、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合にはこちらをご利用ください。

強制わいせつなどで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

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