Archive for the ‘刑事事件’ Category
ケンカで死亡
ケンカで死亡
駅で倒れている男性が見つかり、その後死亡が確認されたという事件がありました。
関内駅で男性が死亡 うつぶせで倒れ、顔に擦り傷やあざ
Yahoo!ニュース(朝日新聞提供)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~傷害致死罪か殺人罪か~
この事件は、横浜市中区のJR関内駅南口付近で、男性が倒れているのを通行人が見つけ、病院に運ばれたが死亡が確認されたというものです。
顔に擦り傷やあざがあり、防犯カメラには他の人物ともめるような様子が映っていたということです。
現時点で死亡の原因はわかりませんが、ケンカ相手から暴行を受け、死亡してしまった可能性があります。
ケンカに関する相談を受けることは弊所でもよくあります。
しかし、そのうちの多くは相手にケガをさせてしまい傷害罪に問われていたり、飲食店などで物を壊してしまい器物損壊罪に問われるといったものです。
刑法第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第261条(器物損壊等)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
※ 科料とは罰金とほぼ同じですが、徴収される金額が1000円以上1万円未満の場合を言います。
ところが、相手が死亡してしまった場合には、より重い刑罰が定められた殺人罪や傷害致死罪が成立してしまう可能性があります。
第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第205条(傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
※ 有期懲役とは、余罪がなければ上限は20年です。
傷害致死罪も殺人罪も、被害者が死亡したという点では同じですが、殺すつもりがあった場合が殺人罪、殺すつもりがなかった場合が傷害致死罪になります。
「殺意の有無」や「殺人の故意の有無」により区別されるという言い方もできます。
たとえば、相手が死ぬとまでは思わず、打ちどころが悪かったりして死亡させてしまった場合には、傷害致死罪になるわけです。
しかし、殺意の有無は内心のことなので、後から客観的に判断することはできません。
そこで、本人の供述の他、殺傷能力がある凶器を使ったか、頭部や腹部など身体の重要な部分に攻撃をしていたか、何回も執拗に攻撃したのかなど、客観的にわかる事情から、当時の殺意の有無を推測することになります。
いくら取調べで「殺すつもりはなかった」と言っても、攻撃の態様などから殺意があったと判断される可能性もあるわけです。
~弁護士のご相談を~
被害者側の方々のためにも、また、出来るだけ軽い処分や判決を得るためにも、しっかり謝罪・賠償し、示談を締結するといった対応をすることが重要です。
これは傷害罪にとどまった事件でも、あるいは交通事故や性犯罪などでも、被害者のいる事件であれば多くの事件に当てはまります。
しかし、何と言って示談をお願いしたらよいのか、示談書の文言はどうしたらよいのか、示談金はいくらにしたらよいのかなど、わからないことが多くて不安だと思います。
ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での無料法律相談をご利用いただけます。
ご連絡をお待ちしております。
子供を骨折させて逮捕
子供を骨折させて逮捕
父親が子供を踏みつけて骨折させ逮捕された事件がありました。
生後1カ月の娘を踏みつけ足の骨折ったか 父親逮捕
Yahoo!ニュース(テレビ朝日提供)
この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~虐待で成立する犯罪~
いわゆる虐待事件では、多くの犯罪が成立する可能性があります。
まず、暴力を振るった場合、子供がケガをすれば傷害罪、ケガに至らなければ暴行罪が成立します。
刑法
第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
子供が死亡してしまうと傷害致死罪が成立する可能性がありますし、その際、死んでもいいとまで思っていれば、殺人罪まで成立する可能性があります。
第205条(傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
また、あからさまな暴力はしなくても、食事を与えないなどのネグレクトをした場合、保護責任者遺棄罪が成立する可能性があります。
また、これによって子供が健康を害すれば保護責任者遺棄致傷罪が、死亡すれば保護責任者遺棄致死罪が成立する可能性もあります。
第218条(保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
第219条(遺棄等致死傷)
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
罰則について219条には「傷害の罪と比較して、重い刑」とあります。
具体的には保護責任者遺棄致傷罪が3か月以上15年以下の懲役、保護責任者遺棄致死罪が3年以上の有期懲役(余罪がなければ上限は20年)となっています。
~刑事事件の手続きの流れ~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
勾留期間が終われば刑事裁判が始まり、保釈が認められない限り身体拘束が続くことになります。
~弁護士にご相談ください~
あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合、今後の流れがわからずに不安だと思います。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での無料法律相談をご利用いただけます。
ご連絡をお待ちしております。
警察官がストーカーで書類送検
警察官がストーカーで書類送検
警察官がストーカーで書類送検されたという事件がありました。
栃木県警警部補がストーカー疑いで書類送検 捜査で知り合った女性に
Yahoo!ニュース(産経新聞提供)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~警察官がストーカー~
この事件は、警察官が事件の相談に訪れた女性と交際をはじめ、関係が破綻した後に、家に複数回押しかけたというものです。
女性から警察に相談があり、逮捕こそしなかったものの警察の捜査が進められ、捜査書類が検察官に送られた(書類送検された)という段階になっています。
今後、検察官がさらに取調べなどの必要な捜査をした上で、刑事裁判にかけるか(起訴)、今回は大目に見て不起訴処分にするかという判断がなされます。
起訴されれば裁判の末、無罪判決や執行猶予判決とならない限り、刑罰を受けることになります。
なお、この警察官は減給6か月の懲戒処分を受けた上で、依願退職したとのことです。
~ストーカー規制法の内容~
今回問題となっているストーカー規制法は内容が複雑なのでご説明いたします。
恋愛感情やその裏返しの恨みなどを原因として、つきまといや待ち伏せをしたり、拒まれても電話やメール送信などを繰り返し行うことを、ストーカ規制法では「つきまとい等」と呼んでいます(2条1項・2項参照)。
このような「つきまとい等」を行い、今後も違反を続けるおそれがある場合、警察がやめるよう警告したり、公安委員会が禁止命令を出すことができます(4条1項・5条1項)。
また、「つきまとい等」を繰り返すことを「ストーカー行為」と呼んでいます(2条3項)。
公安委員会からつきまとい等の禁止命令を出されたが、それでもやめずに「ストーカー行為」に至った場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科される可能性があります。
さらに、「つきまとい等」を繰り返して「ストーカー行為」に至っていれば、警告や禁止命令をせずに逮捕したり、裁判にかけて刑罰を科すこともできます。
この場合の刑罰は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
今回の事件では捜査関係者が、「現職の警察官であることを重くみて、行為への禁止命令や警告ではなく、厳正に対処した」と話しているとのことです。
このコメントが正しければ、警告や禁止命令の前にいきなり罰則を与えるパターンで進んでいるということになります。
~お早めにご相談ください~
もしあなたやご家族がストーカー規制法違反で逮捕されたり、取調べを受けているといった場合で、判決などを軽くするためには、被害者に謝罪賠償して示談するなどの対応が重要となってきます。
しかし性犯罪などでは、被害者の方々が、加害者やその家族に対して連絡先を教えたくない、あるいは直接交渉したくないということも当然ながら多く、弁護士が間に入って示談するしかない場合も多いです。
そこでぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご依頼を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談をご利用いただけます。
ぜひお早めのご連絡をお待ちしております。
隣人トラブルから殺人未遂罪で逮捕
隣人トラブルから殺人未遂罪で逮捕
マンションの騒音トラブルが原因で殺人未遂事件が起きたとのニュースがありました。
ハンマーで殴り首を圧迫 “音量”トラブル…隣人の男逮捕
Yahoo!ニュース(テレビ静岡提供)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~隣人トラブルから成立しうる犯罪~
この事件は、マンションの隣の部屋から聞こえてくるクラシック音楽の音量を原因として、ハンマーを持参して隣の部屋を訪れた加害者が、被害者をハンマーで数回殴り、首を圧迫するなどして殺害しようとしたとして、殺人未遂の容疑で逮捕されたという事件です。
客観的にみて本当にうるさかったのかはわかりませんが、今回のようにマンションやアパートの騒音トラブルなどから犯罪に発展してしまうケースはよくあると言えます。
一般的に、隣人トラブルを原因として成立しうる犯罪としては、以下のように様々なものが考えられます。
①脅迫罪
苦情の入れ方を間違い、たとえば「ぶっ殺すぞ」などと強い言葉を使ってしまった場合には、脅迫罪が成立する可能性があります。
刑法222条1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2項
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
②強要罪・強要未遂罪
「ぶっ殺すぞ」などの強い言葉を使ったり、暴力をした上で、土下座させるなどの行為をさせた場合には強要罪が成立する可能性があります。
また、土下座などをさせようとしたが、させるに至らなかった場合でも強要未遂罪が成立する可能性があります。
第223条1項
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
③暴行罪・傷害罪
相手に暴力をふるい、ケガをさせれば傷害罪が、幸いケガまではしなかった場合でも暴行罪が成立するでしょう。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
④傷害致死罪
相手を殺すつもりはなかったが、暴力をふるった結果、相手が死亡してしまった場合には傷害致死罪が成立するでしょう。
第205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
⑤殺人罪・殺人未遂罪
相手を殺すつもりで暴力をふるい、実際に死亡させた場合には殺人罪が、死亡させるに至らなかった場合には殺人未遂罪が成立するでしょう。
第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第203条
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
~殺人罪と傷害致死罪・殺人未遂罪と傷害罪の区別は?~
このように隣人トラブルから様々な犯罪が成立することがあります。
ここで、相手が死亡した場合でも殺人罪になる場合と傷害致死罪になる場合とがあります。
また、死亡しなかった場合でも殺人未遂罪になる場合と傷害罪になる場合があります。
これらの区別は、殺すつもりがあったかどうか(故意があったかどうか)によって区別します。
殺人の故意があって殺害すれば殺人罪に、殺人の故意があったが殺害に至らなかった場合が殺人未遂罪になります。
一方、殺人の故意がないのに死亡させてしまうと傷害致死罪に、殺人の故意がなくケガをさせたにとどまれば傷害罪ということになります。
とはいえ、被疑者の犯行当時の内心のことですから、後から裁判で客観的に判断することは難しいところがあります。
そこで、実際には諸事情を総合的に考慮して、故意があったかどうかが判断されます。
たとえば被疑者が自ら殺すつもりであったと認めているかどうかはもちろん重要な事情の1つになります。
また、犯行に使われた凶器が殺傷能力の高いもの(大きなナイフやピストルなど)であれば、命への危険性が高い行為をしていたわけですので、故意が認められやすくなります。
殴ったり刺したりした部位が、頭部や腹部など命にかかわりやすい場所であれば、殺すつもりだったのだろうと判断されやすくなります。
また、執拗に攻撃を続けていたのであれば、やはり殺すつもりだったのだろうと判断されやすくなります。
今回の事件では、逮捕された被疑者が犯行を認めているかどうかは、警察が発表していないということです。
しかし、頭部という重要な部分を、ハンマーという強力な武器で数回殴ったうえ、首を圧迫したというのが事実であれば、殺人の故意があったと認められやすい事情があったといえます。
そこで警察も殺人未遂の疑いで逮捕したといえるでしょう。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族が隣人トラブルなどで何らかの犯罪を起こしたとして警察に逮捕されたり、取調べを受けているといった場合には、今後どうなってしまうのか不安だと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
検察事務官が痴漢で懲戒処分
検察事務官が痴漢で懲戒処分
検察事務官が痴漢をしたとして懲戒処分を受けた事件がありました。
停職3ヵ月の懲戒処分 検察事務官が女性の尻を触る【岩手】
FNN PRIME online
この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~検察事務官とは~
この事件は岩手県内を走行中のJR東北本線の車内で、検察事務官の男性が、隣に座る女性の尻を手の甲で触った疑いが持たれたというものです。
この検察事務官というのはどんな仕事なのでしょうか。
一般に、犯罪が起こるとまずは警察が捜査します。
一通り警察の捜査がされた後、今度は検察官に事件が送られ(送検)、さらに検察官が取調べ等の捜査を行い、犯罪をしたと疑われている被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
起訴して裁判が始まると、検察官は被告人が犯罪を行った証拠を示し、しっかり処罰してほしいと主張する役割を担います。
検察事務官というのは、この検察官の仕事をサポートする事務職員(公務員)です。
犯罪の捜査に携わっている検察事務官が痴漢の疑いをかけられたということです。
~迷惑行為防止条例違反に問われた~
痴漢をした場合、各都道府県が制定する迷惑行為防止条例違反に問われたり、特に悪質な態様の場合には刑法の強制わいせつ罪に問われたりします。
岩手県の条例と刑法の条文を見てみましょう。
岩手県・公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例
第8条
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を生じさせ、若しくは嫌悪の情を催させる方法で、卑わいな行為であって次に掲げるものをしてはならない。
(1) みだりに他人の胸部、臀(でん)部、下腹部等(以下「胸部等」という。)の身体の一部に触れること(着衣の上からこれらの身体の一部に触れることを含む。)。
第12 条1項
第8条又は第9条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50 万円以下の罰金に処する。
第2項
常習として第8条又は第9条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100 万円以下の罰金に処する。
刑法176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
この男性事務官は、岩手県の迷惑防止条例違反の疑いで書類送検されました。
書類送検というのは、前述の送検の中でも、逮捕されていない事件、または逮捕されたが逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして裁判の前に釈放された事件で、警察から検察に捜査書類が送られ、捜査の担当が検察に移るパターンのことを言います。
しかし最終的に男性事務官は不起訴処分となりました。
刑事裁判にかけられず、前科も付かずに刑事手続が終了したということです。
不起訴処分がなされるのは、犯罪をした証拠がない、あるいは証拠が不十分な場合や、行った犯罪が比較的軽いものであったり、被害者に謝罪賠償して示談が成立しているもの、被害者が犯人を処罰してほしいという感情が弱い事件などが考えられます。
今回の事件がどのような理由で不起訴処分となったのかはわかりませんが、男性事務官は刑事裁判を受けず、前科も付かずに終わったということになります。
~懲戒処分に~
一方で、男性事務官は、職場である検察庁から停職3か月の懲戒処分を受けたとのことです。
偶然、勤務先が検察庁なのでややこしいですが、一般の方が犯罪をした場合に、国から罰則を受ける他に、会社からも処分を受けたのと同じということになります。
ここからは推測になりますが、検察庁としては、この男性事務官が本当に痴漢を行っていると判断したのだと思います。
しかし前述の不起訴処分がなされやすいパターンのいずれかに当たったので不起訴処分とした上で、あくまでも勤務先による処分として停職3か月の懲戒処分にしたということだと思われます。
~痴漢を疑われたら弁護士に相談を~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
痴漢をしたとして逮捕されたり取調べを受けた場合には、ぜひご相談ください。
本当にやっていない場合には不起訴処分や無罪判決を目指して弁護活動を致します。
やってしまっている場合にも、示談交渉をして示談を締結することなどにより、被害者の方の被害を少しでも回復するとともに、不起訴処分などの軽い結果となるよう弁護活動をしてまいります。
まずは、逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
私有地での飲酒運転
私有地での飲酒運転
私有地での飲酒運転には道路交通法が適用されないとの記載があるニュースを見つけました。
カメラが捉えた! “罪に問えない飲酒運転” 現役運転手「みんな分かって飲んでいる」 福岡県
Yahoo!ニュース(テレビ西日本提供)
このニュースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~道路交通法は適用されないが~
このニュース映像では、愛媛県の松山港でトラックの運転手が飲酒運転をしている様子が映し出されています。
場所が私有地内なので道路交通法が適用されず、酒気帯び運転の罪や酒酔い運転の罪などに問われないので、飲酒運転をしている人がいるということです。
たしかに私有地であれば道路交通法が適用されないのが原則です。
しかし、私有地であっても不特定または多数の人が乗り入れる場所では道路交通法が適用される可能性があります。
たとえばショッピングセンターの駐車場などでは道路交通法が適用され、飲酒運転も処罰される可能性があります。
さらに、人身事故を起こした場合には、純粋な私有地であっても、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪で処罰される可能性があります。
これらの罪は道路交通法ではなく自動車運転死傷行為処罰法という別の法律で定められており、私有地内でも適用されるからです。
実際に貨物船の中で飲酒運転をしたトレーラーの運転手が誘導員をひいて死亡させ、過失運転致死罪に問われている事故もあります。
公道でないため道路交通法が適用できず…飲酒運転事故で息子を亡くした両親が訴える法整備の必要性
FNN PRIME(テレビ西日本)
このような事故を起こした場合の罰則はどれくらい深く酔っていたかにもよりますが、正常な運転が困難なほど深く酔った状態で運転して人を負傷させると15年以下の懲役に、死亡させると1年以上の有期懲役(上限は20年)となる可能性があります。
(参考)
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
第3条1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
~飲酒運転してしまったら~
私有地でも公道でも飲酒運転は絶対にいけません。
しかし、飲酒運転に限らず、普段は犯罪に縁がない人でも犯罪に当たる行為をしてしまう可能性があるのが交通事故です。
あなたやご家族が何らかの交通事故を起こし、警察に逮捕された、取調べを受けているといった場合には、分からないことが多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談をご利用をお待ちしております。
警察官が腕時計を盗む
警察官が腕時計を盗む
警察官が検視現場で高級腕時計を盗み、占有離脱物横領罪で執行猶予判決を受けた事件がありました。
検視現場から腕時計持ち去り 元巡査部長に猶予判決 宇都宮地裁
(下野新聞)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~警察官が盗みを働く~
この事件は、元巡査部長の男性が、遺体の検視で訪れた宇都宮市内のマンションから、約350万円相当の高級腕時計を持ち去ったというものです。
元巡査部長は占有離脱物横領罪に問われ、懲役1年、執行猶予3年の判決を受けました。
なお「検視」とは、主に病院以外で人が死亡した場合に、事件性がないかどうか、ご遺体を確認することをいいます。
物を盗み去ったわけですから、窃盗罪が成立するのではないかと思われるかもしれませんが、今回は占有離脱物横領罪という犯罪に問われました。
なぜでしょうか。
まずは両罪の条文を見てみましょう。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
占有離脱物横領罪が定められた254条を見ると、遺失物など、他人の占有を離れた物を盗った場合の規定であることがわかるかもしれません。
落とし物などを持ち去るネコババなどを処罰する条文ということになります。
一方、235条の窃盗罪の方は、他人が占有している物を盗った場合の規定ということになります。
万引きや住居に忍び込んで物を盗んだ場合に成立する犯罪です。
どちらも犯罪であることに変りはありませんが、落とし物を持ち去るよりも、万引きや住居侵入窃盗などの方が悪質なので、窃盗罪の方が刑罰も重くなっているわけです。
~腕時計は誰の占有にもなかった~
今回の事件で、腕時計が誰かの占有に属していたのであれば、窃盗罪に問われていたはずです。
しかし占有離脱物横領罪に問われたということは、腕時計は誰の占有にもなかったと判断されたことになります。
報道からは詳しい事情まではわかりませんが、元警部補は現場となったマンションを検視で訪れています。
ということは、腕時計の持ち主がすでに死亡しており、持ち主の占有から離れてしまったのでしょう。
それでも同居人や、その部屋を管理している親族などがいれば、その人に占有が移ったことになり、窃盗罪に問われていたでしょう。
しかし今回はそういった事情もなく、腕時計を含めその部屋の中にある物が誰の占有にも属していなかった状態だったのだろうと思われます。
このような理由により窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪に問われたのでしょう。
物を落とした場合だけでなく、持ち主が死亡した場合にも、物の占有が人から離れたと解釈される可能性があるわけです。
~犯罪に問われたら弁護士に相談を~
あなたやご家族が隣人トラブルなどで何らかの犯罪を起こしたとして警察に逮捕されたり、取調べを受けているといった場合には、いつ釈放されるのか、どんな犯罪でどれくらいの刑罰を受けるのか、被害者との示談はどうしたらよいのかなど、わからないことが多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
飲酒運転で弁護士が書類送検
飲酒運転で弁護士が書類送検
飲酒運転をして物損事故を起こし、弁護士が書類送検された事件がありました。
60歳弁護士 “酒酔い運転”で書類送検 物損事故の後 現場から立ち去る 福岡市
テレビ西日本
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~成立する犯罪は?~
弁護士がこのような事件を起こすのは恥ずかしい限りですが、まずは成立する犯罪を確認しておきましょう。
どれくらい酔っていたかによって、成立する犯罪は変わってきます。
呼気1リットルにつき0.15mg以上のアルコールが検出されると、酒気帯び運転の罪となります。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です(道路交通法117条の2の2第3号)。
アルコールの数値に関わらず、正常な運転ができない状態での運転をすると、酒酔い運転の罪となります。
罰則は5年以下の懲役または100万円以下の罰金です(道路交通法117条の2第1号)。
酒酔い運転の方が罰則が重いことからもわかるように、通常は、より強く酔っている場合に酒酔い運転が成立することになります。
しかし、酒酔い運転の方は基準値が明確に決まっているわけではないので、酒に弱い人であれば、アルコール濃度が低くても、酒酔い運転に該当してしまうおそれもあります。
これらの刑罰とは他に違反点数も引かれます。
酒気帯びはアルコール数値により13点または25点、酒酔いは35点ですので、免許停止や取消しが避けられません。
違反点数について詳しくはこちらをご覧ください↓
交通違反点数制度と一覧表
~なぜ逮捕されなかった?~
この事件で飲酒運転をした弁護士は逮捕されず、在宅事件として捜査を受けています。
なぜでしょうか。
成立する犯罪にもよりますが、逮捕するためには、その人が犯罪をした可能性が高いということの他に、逃亡や証拠隠滅をするおそれがあるという条件が必要とされています。
裁判で有罪が確定するまでは無罪が推定され、出来るだけ一般人と同様に扱うべきという原則があることから、逮捕の条件が絞られているのです。
報道によると今回の事件でも警察は、弁護士を逮捕しなかった理由について、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断したからという旨を述べています。
では、逃亡や証拠隠滅のおそれはどうやって判断するのでしょうか。
まず、犯罪の重さが重要となります。
重い犯罪ほど、重い刑罰を受ける可能性が上がるため、逃げたくなったり証拠隠滅したくなるのではないかということで、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されやすくなります。
今回の事件の弁護士は物損事故を起こしていますが、人身事故を起こさなかったため、過失運転致死傷罪などのより重い犯罪には問われないことから、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断される事情の1つになったと思われます。
似たような事情として、前科の有無も影響してきます。
前科の内容にもよりますが、前科があると、今回はより重い処罰が予想されるので、逃亡や証拠隠滅のおそれが高まると判断されやすくなります。
また、共犯者がいるような事件では、相談して証拠隠滅をするおそれがあるのではないかと判断されることもあります。
たとえば、オレオレ詐欺や還付金詐欺などに代表される特殊詐欺などでは、グループで犯行に及ぶことから、逮捕されやすいといえるでしょう。
今回の事故はそういった共犯者がいるような事件ではないでしょうから、証拠隠滅のおそれがないと判断される事情の1つになった可能性があります。
また、被疑者の職業や家族の有無なども影響する可能性があります。
たとえば、ほとんど仕事をしていない方に比べると、安定した職業の人の方が、逃亡や証拠隠滅をしないだろうと考えられる可能性があります(どこまで正しいかはわかりませんが)。
また、家族がいる場合には、家族を捨ててまで逃亡しないだろう、あるいは家族がしっかり監督されるだろうから逃亡や証拠隠滅をしないだろうなどと判断される可能性もあります。
よくネットなどで、上級国民だから逮捕されないなどという書き込みがあります。
弁護士が上級国民かはわかりませんし、今回の事件ではそもそも人身事故に至っていないという点が、逮捕に至らなかった理由として大きいかもしれません。
しかし一般論として、身元がしっかりしている方が、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断される可能性が上がるという意味では、必ずしも間違いとは言い切れない書き込みであるともいえます。
~弁護士にご相談ください~
あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕された、取調べを受けたといった場合には、釈放させられるのか、逮捕を防げるのか、どんな刑事手続きが待っているのか、どれくらいの処罰を受けるのかなど、不安点が尽きないと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
警察官が犯人隠避罪で書類送検
警察官が犯人隠避罪で書類送検
秋田県警の警察官らが、警察署職員の犯罪を隠ぺいし、犯人隠避罪(ハンニンインピザイ)で書類送検された事件がありました。
車検切れの車運転隠蔽 秋田県警警部ら4人、犯人隠避容疑で書類送検
毎日新聞
この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~犯人隠避罪とは~
この事件の発端は、秋田県警の職員が、自家用車の車検が切れていることを出先で気が付きましたが、そのまま運転して帰宅したことでした。
車検が切れていることを知りながら乗り続けることは道路運送車両法に違反する犯罪であり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります(同法108条1号・58条1項参照)。
しかし、車検切れと知らなければ処罰の対象外となっています。
そこで、運転した職員からの自主的な報告を受けた警察官らは、業務が増えることを避けるといった理由で、車検切れを知った後は乗っていないというウソの供述調書を作成するなどして、犯罪をもみ消してしまったのです。
しかし、この犯罪をもみ消した行為が別の警察官に発覚し、犯人隠避罪が成立するとして捜査を受けることとなったのです。
犯人隠避罪の条文を見てみましょう。
刑法103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
「蔵匿」とは、場所を提供してかくまうことを言います。
「隠避」とは、蔵匿以外の方法により、捜査機関による逮捕や発見を妨げる行為を言います。
今回は、ウソの調書の作成という方法を用いているので、「隠避」に当たるということになります。
罰則は3年以下の懲役または30万円以下の罰金ですから、車検切れに気付きながら運転してしまった職員よりも重い罪に問われていることになります。
~虚偽公文書作成罪の可能性も~
また、虚偽の内容の供述調書を作成したことには、虚偽公文書作成罪も成立する可能性があります。
刑法156条
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。
今回の事件の場合、「公務員」である警察官が、取調べをしてその内容を書面に残すという「職務に関し」、内容が正しい書面として他の警察官らに見せるといった「行使の目的で」、車検切れを認識した時点以降は運転していないという内容の「虚偽の文書…を作成」したものとして、虚偽公文書作成罪が成立する可能性もあるわけです。
罰則については、「印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による」とあります。
供述調書には、作成した警察官の署名・押印がなされるので、署名・押印がなされた公文書の偽造に関する155条1項と同じく、1年以上10年以下の懲役ということになります。
押印や署名がある文書の方が正式な内容・手続きで作られた文書であると認識されやすく、それが虚偽だった場合の影響がより大きいということで、押印や署名がない文書の場合より重く処罰されることになっています。
~今後の刑事手続は?~
今回のニュース記事は、警察官らが書類送検されたというものです。
犯罪が起こると、①最初に警察官が捜査し、②次に検察官が捜査し、③その後に裁判が始まるというのが基本的な流れです。
書類送検というのは、比較的軽い事件で被疑者が逮捕されていない事件について、①で作られた捜査書類が、②のために検察官に送付されることを言います。
※ 逮捕されている事件について、身柄と捜査書類が両方送られることは単に「送検」と呼ばれます。
したがって今回関与した警察官らは今後、②検察官の取調べを受け、不起訴処分とならない限り、③裁判を受けるという形になるでしょう。
ただ、罰金刑で済ますのであれば、簡易な手続で罰金刑にする略式裁判の手続が採られ、公開の法廷での刑事裁判は開かれない可能性もあります。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族が、犯人隠避罪や虚偽公文書作成罪など何らかの犯罪で捜査を受けた、逮捕されたといった場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。
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福島県でのDV・虐待で逮捕
福島県でのDV・虐待で逮捕
DV(家庭内暴力)や虐待が原因で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
福島県福島市に住む男性Aさん。
妻や子供に対し度々暴力を振るっていました。
ある日、Aさんが再び妻に暴力を振るったところ、妻が骨折。
Aさん自らこれはやりすぎたと思い、病院に搬送しました。
Aさんの暴力が原因であることが病院にも伝わり、妻も助けてほしい旨を病院側に伝えたことから、病院は警察等の関係機関に連絡。
Aさんは福島県福島北警察署の警察官により、傷害の容疑で逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~DVで成立しうる犯罪~
最近、新型コロナウイルスにより外出が自粛される傾向にありますが、これによるストレスを原因として、DV(家庭内暴力)や虐待などが増加するのではないかという懸念がされています。
今回はDVで成立しうる犯罪について解説していきたいと思います。
まずは当然ながら、傷害罪が成立することは多いでしょう。
刑法204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
今回の事例のような骨折はもちろん、アザが出来たりするくらいでも、ケガをしている以上は傷害罪が成立することになります。
また、暴力の結果、被害者が死亡してしまった場合、傷害致死罪や殺人罪が成立することになります。
第205条(傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
被害者を殺すつもりまではなかった場合には傷害致死罪が、殺すつもりであったり死んでもかまわないと思っていた場合には殺人罪が成立します。
一方、被害者が子供の場合、これらの罪が成立する可能性があるほか、保護責任者遺棄等罪や保護責任者遺棄等致死傷罪が成立する可能性もあります。
第218条(保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
第219条(遺棄等致死傷)
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
たとえば、子供に満足な食事を与えなければ保護責任者遺棄等罪になり、その結果子供が健康を害すれば保護責任者遺棄等致傷罪に、死亡するにまで至れば保護責任者遺棄等致死罪が成立する可能性があります。
なお、保護責任者遺棄等致傷罪は3か月以上15年以下の懲役、保護責任者遺棄等致死罪は3年以上の有期懲役(余罪がなければ上限は20年)となっています。
そして保護責任者遺棄等致死罪は、死亡するとまでは思っていないような場合に成立するものです。
死亡してもよいと思って、あるいはまさに殺すつもりで食事を与えなかったような場合には、より重い殺人罪に問われる可能性もあります。
このように、DVや虐待で様々な犯罪が成立する可能性があるのです。
~弁護士にご相談ください~
逮捕された後の刑事手続きの流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
刑事事件の流れ
あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合、どれくらいの刑罰を受けるのか、家族関係の調整はどうすればよいのかなど、不安だらけだと思います。
出来得る限りのアドバイスを致しますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
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福島県の事件にも対応しておりますので、ご連絡をお待ちしております。