Archive for the ‘財産事件’ Category

交通費を私的に使い業務上横領罪

2024-02-28

交通費を私的に使い業務上横領罪

業務上横領罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県塩竈市に住んでいる会社員のAさんは、同市内の勤めている会社から交通費を払うためのクレジットカードを支給されていました。
しかしAさんは仕事と無関係の移動で公共交通機関を使う際も、会社支給のクレジットカードを使用していました。
その後、会社側にAさんのクレジットカードが不正に利用されていることが発覚し、会社側は警察に被害届を提出しました。
そしてAさんは、塩釜警察署業務上横領罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

業務上横領罪

横領の罪は業務上横領罪遺失物等横領罪、(単純)横領罪といった3種類が刑法に定められています。
Aさんの逮捕容疑である業務上横領罪刑法第253条に「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」と定められています。
業務上横領罪における業務とは、「人が社会生活上の地位に基づき、反復継続して行う行為」を意味しており、ボランティアや慣例などの仕事以外の行為も業務となります。
占有とは物に対する事実的支配のことです。
この条文における占有は業務上の委託信頼関係に基づく財物の支配も意味しており、物理的な所持だけでなく、財産の処分権限などの法的支配関係も含んでいます。
参考事件のクレジットカードは、仕事の交通費を使うために支給されている者であるため、その用途以外に使う権限はAさんにありません。
したがって会社の業務の際に使用するべきクレジットカードを私的に使い込んだAさんの行為は、業務上横領罪に該当します。
業務上横領罪の法定刑は上記の通り「10年以下の懲役」です。
(単純)横領罪は「5年以下の懲役」、遺失物等横領罪は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料」が法定刑であるため、他の横領の罪に比べ刑罰が重くなっています。
これは、業務関係に基づく物の横領が犯人と多数人との間の信頼関係を破るものである点において、法益侵害の範囲が広いと考えられているためです。

法人との示談交渉

横領の罪は被害者がいる事件であるため、弁護活動として示談交渉が考えられます。
示談交渉を締結することができれば、減刑を求めたり執行猶予を獲得したりといった効果が期待できます。
しかし、業務上横領罪の被害者は個人ではなく、法人などの会社となります。
個人ではなく会社に対して示談交渉を行う場合では、弁護士を通さなければ示談交渉に応じないと言われてしまうケースが多く見られます。
また、刑事処分に影響を与える形で示談交渉を行うのであれば、法的な専門知識は必須と言えます。
業務上横領事件示談の締結を目指すのであれば、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼し、示談交渉を進めることが大切です。

横領事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所は初回であれば無料の法律相談逮捕・勾留されているの方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスを実施しております。
どちらのご予約も24時間体制で受け付けておりますので、業務上横領事件を起こしてしまった方、またはご家族が業務上横領罪の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

窃盗後に持ち主を殴り事後強盗罪

2024-02-25

窃盗後に持ち主を殴り事後強盗罪

事後強盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県大崎市に住んでいる大学生のAさんは、駅前のベンチにバッグが置き忘れられているところを発見しました。
Aさんはバッグの中にサイフを見つけると、そのまま自身の懐に入れました。
そこにバッグの持ち主であるVさんがバッグを取りに戻って来て、「サイフ返してくださいよ」とAさんに言いました。
Aさんは誤魔化しましたが、「見えてました」と言われるとVさんを殴って逃走しました。
その後、鳴子警察署の捜査でAさんの身元が判明し、事後強盗罪の容疑でAさんは逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

事後強盗罪

参考事件でAさんはまずVさんのバッグからサイフを抜き取りましたが、この時点ではまだAさんに成立する罪は刑法に定められた窃盗罪です。
窃盗罪は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と刑法第235条と定められています。
忘れ物(持ち主の占有を離れた物)を持ち去ろうとしているのなら遺失物等横領罪占有離脱物横領罪)ではないかと疑問に思うかもしれません。
しかし参考事件の場合は、Aさんがサイフを抜き取った時点のVさんはバッグの近くいたことから、占有を離れていないと判断され窃盗罪となる可能性が高いです。
そしてAさんは取ったサイフを返すよう要求され、暴力を振るって逃走しました。
これは「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」と事後強盗罪を定めた刑法第238条の条文に該当する行為です。
通常の強盗罪は、暴行や脅迫を用いて財物を盗むことで成立しますが、事後強盗罪はその順番が逆になっているケースの強盗事件です。
条文には「強盗として論ずる」と規定されているため、事後強盗罪強盗罪と同じ法定刑である「5年以上の有期懲役」が科せられます。
窃盗から発生する罪ですが、事後強盗罪の刑罰は窃盗罪よりもはるかに重いものとなってしまいます。

執行猶予

罰金刑のない「5年以上の有期懲役」である事後強盗罪は、このままでは執行猶予を取り付けることができないため、有罪となれば刑務所への服役が避けられません。
これは刑法第25条執行猶予の条件の1つを「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し」と定めているからです。
しかし、弁護活動によって拘禁刑を3年以下に減刑することができれば、執行猶予を獲得することができます。
実刑を回避するには処分が決定する前に弁護士に相談し、弁護活動を速やかに依頼することが重要です。

強盗事件で頼りになる弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件及び少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料の法律相談の他、逮捕及び勾留中の方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
どちらも24時間対応しておりますので、強盗事件を起こしてしまった、またはご家族が事後強盗罪の容疑で逮捕されてしまった場合は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、ご相談ください。

闇バイトの受け子が詐欺罪で逮捕

2024-01-08

闇バイトの受け子が詐欺罪で逮捕

特殊詐欺と詐欺罪の刑罰について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県気仙沼市に住んでいる大学生のAさんは、インターネットから闇バイトの募集に応募していました。
そしてAさんは指示役に従って被害者宅に向かい、そこで被害者家族の同僚や友人を偽って現金を受け取る役割を担当していました。
その後、警察が特殊詐欺事件として捜査を進めた結果、Aさんが事件に関与していたことが分かりました。
その後、Aさんの自宅に気仙沼警察署の警察官が訪ねて来て、詐欺罪の疑いでAさんは逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

特殊詐欺事件

特殊詐欺とは、被害者と対面しない手段(電話やハガキなどを)用いて被害者を信用させ、指定口座への振り込みやそれ以外の方法により、不特定多数から現金などを騙し取る詐欺事件の通称です。
この詐欺事件は複数人がそれぞれ役割を担い、計画的に実行されているのが特徴です(稀にすべての役割を1人で行っている場合もあります)。
被害者に電話をして騙し、現金などを要求するのが架け子と呼ばれ、口座から現金を引き出す役割は出し子と呼ばれます。
参考事件のAさんのような直接被害者と対面して現金などを受け取る役割は、「受け子」と言われます。
この役割は被害者に顔を覚えられやすい、詐欺だと被害者が気付いた場合に警察から待ち伏せされやすいといった、特殊詐欺の役割の中でも逮捕リスクが非常に高い役割になっています。
そのため、Aさんのようにネットで応募した闇バイトが担当するケースが多いです。
また、監視カメラに顔が写りやすい性質上、出し子も逮捕される可能性が高く、受け子が兼任していることもあります。
また、架け子は逮捕リスクが低いため、指示役が行っているケースが多くなっています。

特殊詐欺の弁護活動

Aさんには刑法に定められた詐欺罪が適用されています。
詐欺罪刑法第246条第1項に「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されているため、Aさんの法定刑も「10年以下の懲役」となります。
特殊詐欺は悪質だと判断されやすい犯罪であり、Aさんの担った受け子のように犯罪者グループ利用された闇バイトであっても、実行犯として重く受け止められます。
そのため刑務所へ服役することになる可能性も高く、もし3年を超える拘禁刑になれば、刑法第25条の規定により執行猶予を取り付けることもできません。
そのため執行猶予を獲得するためには弁護士に依頼し、減刑を求めるための弁護活動を行う必要があります。
より良い結果を得るには早期に弁護士が行動することが重要であるため、特殊詐欺事件の際には速やかに詐欺事件に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

特殊詐欺に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
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フリーダイヤル「0120-631-881」にて24時間お電話を受け付けておりますので、特殊詐欺事件の一端を担ってしまった方、もしくはご家族が詐欺罪の疑いで逮捕・勾留中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご相談ください。

住居に侵入し窃盗、空き巣事件

2024-01-02

住居に侵入し窃盗、空き巣事件

窃盗罪と住居侵入罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県富谷市に住んでいる無職のAさんは、近所にあるアパートの窓が空いている部屋を見つけました。
Aさんはその部屋のインターホンを鳴らして、人がいないことを確認すると、窓から部屋に侵入しました。
そこで現金やその他の貴重品をバッグに入れると、Aさんはドアから部屋を出ました。
しかし、帰ってきた部屋の住人Vさんが自身の部屋からAさんが出てくるのを目撃したため、Aさんを取り押さえて警察に通報しました。
その後、現場に大和警察署の警察官が到着し、Aさんは窃盗罪住居侵入罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪と住居侵入罪

Aさんの逮捕容疑である窃盗罪住居侵入罪はどちらも刑法に定められた犯罪です。
窃盗罪は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と刑法第235条に、住居侵入罪は「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と刑法第130条の前段(後段は「不退去罪」を指しています)に、それぞれ定められています。
まずAさんは、居住者の意思に反して規定の場所に立ち入る侵入行為をしているため、住居侵入罪が成立します。
そして現金やその他の貴重品を持ち主の意思に反して持ち出していることから、窃盗罪も成立しました。

この場合、法定刑どのように決定されるでしょうか。
Aさんには2つの罪が同時に成立していますが、この場合は刑法第54条が適用されます。
この条文には「1個の行為が2個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。」とあります。
例えば警察官を殴って怪我をさせ、公務執行妨害罪傷害罪で逮捕される場合は、「1個の行為が2個以上の罪名に触れ」たと言えます。
そして参考事件のような空き巣は「犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるとき」の代表例であり、これを「牽連犯」と言います。
そのためいわゆる空き巣を行ったAさんの法定刑は、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。

弁護活動

被害者がいる事件の場合、弁護活動の中では示談交渉が最も重要と言えます。
被害弁償が済んでおり、示談が締結できていれば減刑の可能性も大きくなります。
参考事件のように被害者が知人などでない場合、示談のために連絡先を知る必要があります。
しかし、被害者の連絡先を警察が教えることはまずないため、示談交渉を行うには弁護士の存在は必須と言えます。
刑事事件に詳しい弁護士のアドバイスを受ければ、よりスムーズな示談の締結も望めるため、刑事事件の際は速やかに弁護士に相談することがお勧めです。

刑事事件を中心に扱う弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う弁護士事務所です。
当事務所では、フリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料でご利用いただける法律相談、そして逮捕されている方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を、24時間体制で受け付けております。
参考事件のように窃盗罪住居侵入罪で刑事事件を起こしてしまった、もしくはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

万引きを複数回行った事件

2023-12-12

万引きを複数回行った事件

万引きと呼ばれる窃盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは、経済的に厳しい状態になったことで焦っていました。
そしてAさんは近所のコンビニに行き、人目を盗んでは万引きを繰り返していました。
しかし万引きしているところを店員に見つかってしまい、Aさんは警察に通報されました。
その後、Aさんは窃盗罪の容疑で若柳警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗事件である万引き事件

万引きは、店舗などから商品を無断で持ち去る行為を指します。
あまり重大でない犯罪と捉えられていることもありますが、実際は刑法に定められた窃盗罪が適用される法的に重大な犯罪行為です。
窃盗罪は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と刑法第235条に定められています。
窃取とは人の財物の占有(財物に対する実質的な支配および管理)を、その財物を占有している人物(占有者)の意思に反して、自己または第三者へと占有を移すことを意味します。
つまり、万引きを行うことは、店舗が占有する商品を店舗の意思に反して自己の占有下に移す行為であり、これが窃盗罪の「窃取」に該当します。
つまり万引きをした際の法的な罰則は最大で「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるため、万引きが決して軽い犯罪ではないことが分かります。

万引きの弁護活動

万引き事件の場合、初犯であれば略式罰金で済み、正式な裁判を避けることもできます。
しかし、繰り返し万引きが行われていたり、転売を目的として万引きが行われていたりといったケースの場合、法定刑はより重いものになってしまいます。
参考事件の場合、Aさんは万引きを繰り返して行っていたことから、罰金刑にはとどまらない可能性があります。
万引き事件で正式な裁判を避けるためには、被害店舗に対する示談交渉を進めることが必要です。
商品の買い取りを済ませる等の被害弁償を行い示談が締結できた場合、状況次第ではありますが、不起訴処分を獲得できる可能性もあります。
しかし、個人から財物を窃取した窃盗事件と違い、万引き事件の場合は個人ではなく会社が被害者となります。
会社が被害者である事件の場合、弁護士がいなければ示談交渉には応じられないと言われてしまうケースも少なくありません。
そうでなくともよりスムーズに示談交渉を進め、法的な効力を発揮する形で示談を締結させるためには、弁護士の存在は必須と言えます。
万引きなどの窃盗事件を起こしてしまった場合、速やかに弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。

万引き事件に詳しい弁護士

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どちらも24時間対応しているフリーダイヤル、「0120-631-881」にてご予約いただけますので、万引き事件を起こしてしまった、ご家族が窃盗罪の容疑で逮捕されてしまった際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

器物損壊事件、窃盗罪と似通るケース

2023-12-03

器物損壊事件、窃盗罪と似通るケース

器物損壊罪と窃盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県本吉郡に住んでいる大学生のAさんは、知人であるVさんと喧嘩をしました。
Vさんに腹を立てていたAさんは、Vさんの自宅にある自転車を持ち去りました。
自転車が無くなっていることに気付いたVさんは、泥棒にあったのだと思い、警察に通報しました。
南三陸警察署の捜査で自転車を持ち去ったのはAさんであることがわかり、Aさんは逮捕されました。
Aさんの逮捕容疑は窃盗罪ではなく、器物損壊罪となりました。
(この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

器物損壊罪は、「他人の物を損壊し、又は傷害した者」に適用される犯罪で、刑法第261条に定められています。
参考事件のAさんが窃盗罪ではなく、器物損壊罪で逮捕されたことに違和感を覚える人もいるかもしれません。
しかし器物損壊罪は、物を物理的に破壊することだけでなく、「物の効用を害する一切の行為」が損壊の条件になっています。
例えば、物を隠す行為は、その物を持ち主が使用できなくなるため、効用を害すると見なされます。
物を汚す行為も、その物の外観や機能が損なわれることにより、効用を害すると判断されることがあります。
心理的な影響を考慮に入れると、被害者が物を以前のように気兼ねなく使用できない状態にすることも、効用を害すると解釈されます。
このように物の効用を害する行為によって、物を容易に元の状態に戻すことができなくなった場合に、器物損壊罪は適用されます。

窃盗罪

他人の財物を窃取した者」には刑法に定められた第235条窃盗罪が適用されますが、参考事件で事実上Vさんの物を盗んだAさんには、なぜ窃盗罪が適用されないのでしょうか。
それは窃盗罪が成立するためには、「不法領得の意思」が必要になるからです。
不法領得の意思とは、簡単に説明すると権利者を排除し、他人の物を不法に自己の所有物にしてしまおうとする意思のことです。
参考事件の場合、Aさんは確かにVさんの自転車を持ち去りましたが、それはVさんへの嫌がらせが目的であり、その自転車に乗ろうとしたり、売ろうとしたりはしていませんでした。
不法領得の意思が欠けていたことから、Aさんには窃盗罪は適用されず、物の効用を害したことによる器物損壊罪が適用されたということです。

弁護士による弁護活動

一般的なイメージと法的な運用が違うケースは多々あります。
そのため参考事件のように予想と違う罪名などが適用された場合は、事件の全貌をいち早く把握するためにも、弁護士に相談しアドバイスを求めることがお勧めです。
また、被害者が存在する事件である場合、不起訴処分や減刑を求めるために示談交渉が重要になりますが、示談交渉をする際に弁護士の存在は大きな力になります。
加害者が直接被害者と連絡を取って示談交渉を進めようとして、かえって事態が拗れてしまったというケースもあるため、速やかな示談締結を目指すのであれば、刑事事件の知識と経験が豊富な弁護士を間に入れて示談交渉を行う方が、より確実と言えます。

刑事事件の知識と経験が豊富な弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
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器物損壊事件を起こしてしまった方、ご家族が器物損壊罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご連絡ください。

恐喝罪を脅迫罪・強盗罪と比較

2023-11-30

恐喝罪を脅迫罪・強盗罪と比較

恐喝罪と脅迫罪・強盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県亘理郡に住んでいる大学生のAさんは、後輩のVさんがコンビニで年齢を偽ってワインを買っているところを目撃しました。
後日、AさんはVさんにワインを買っていたところを見たことを伝え、大学に言わないことの代わりに現金や食事を奢らせることを条件に出しました。
Vさんはその要求に従いましたが、要求は1回で済まず、何度も行われました。
Vさんは現状がどれだけ続くのか不安になり、両親に相談することにしました。
相談を受けたVさんの両親は、その後すぐに警察に連絡しました。
そしてAさんはしばらくして、亘理警察署恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

恐喝罪

刑法第249条第1項には「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と明記され、続く同条第2項には「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められています。
上記の条文が恐喝罪を定める条文となります。
人を恐喝して」とは、人に対して相手を畏怖させるような行為をすることを意味します。
そしてその暴行や脅迫により畏怖した相手に対して、財物の交付などをさせることで恐喝罪は成立します。
そのため恐喝と財産上の利益の取得、財物の交付の間には、因果関係が存在しなければなりません。
参考事件ならば、恐喝されなければ現金を渡したり食事を奢ったりしなかったという関係になります。
また、刑法第250条には「この章の罪の未遂は、罰する。」と定められています。
つまり、未遂罪の規定があるため、仮にVさんがAさんの要求に従わず警察に相談していたとしても、恐喝を行った時点でAさんには恐喝未遂罪が成立しています。

脅迫罪と強盗罪

刑法第222条には脅迫罪が定められています。
この脅迫罪恐喝罪は混合されることもありますが、法律上は明確な違いがあります。
脅迫罪は「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者」に適用されます。
脅迫罪は人を脅すこと(それにより人の自由を害すること)を目的としていますが、恐喝罪は脅迫を用いて財物などを不当に得ることを目的としています。
例えば、暴力を振るうことをほのめかして金銭を要求する行為は恐喝罪に該当しますが、単に暴力を振るうことをほのめかすだけでは脅迫罪になります。
恐喝罪が適用される範囲と似通ったものには強盗罪もあります。
強盗罪刑法第236条に定められており、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」に適用されます。
この場合の「暴行又は脅迫」は相手方の反抗を著しく困難にする程度が必要になるため、その強度に満たないのであれば強盗罪は成立しません。
例えば、生命を脅かすことを告知して金銭を要求する行為は恐喝罪に該当しますが、包丁などの刃物を示しながら金銭を要求する場合は強盗罪となります。

詳細を弁護士に相談

このように、恐喝罪脅迫罪強盗罪は目的とする結果や具体的なケースによって区別されるため、どの罪が適用されるかはその状況によって異なります。
恐喝事件に詳しい弁護士であれば、豊富な知識と経験から正確に事件の状況を把握し、どの罪に問われる可能性が高いかを判断して対策を講じることができます。
また、恐喝罪脅迫罪強盗罪はどれも被害者が存在する事件であるため、減刑を求めるためには示談交渉が重要になり、弁護士はその時強い味方になります。
恐喝事件の他、脅迫事件強盗事件の際にも、刑事事件に強い弁護士事務所に相談し、アドバイスを求めることがお勧めです。

刑事事件に強い弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
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ご予約はどちらもフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間体制で受け付けておりますので、参考事件のように恐喝罪の容疑がかかっている方、ご家族が恐喝罪で逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご相談ください。

インターネットを利用した詐欺事件

2023-11-18

インターネットを利用した詐欺事件

インターネット上の詐欺事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる無職のAさんは、インターネット上でVさんと交流を持ちました。
AさんはVさんと交友を深めた後、「私には50万円の借金がある」と嘘を付きました。
そしてAさんは自身の口座番号を教え、Vさんに50万円を指定の口座に振り込ませました。
VさんはそれからAさんと連絡が取れなくなり、不審に感じてAさんのことを警察に相談しました。
その後、若林警察署の捜査によってAさんの身元が判明し、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

詐欺罪

詐欺罪は、他人を欺き、その結果として財物を不正に取得する行為を指します。
日本の刑法第246条第1項によれば、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
この「人を欺いて」という表現から、詐欺罪には人間に対する欺罔行為が必要不可欠であることがわかります。
欺罔行為(欺く行為)は、事実と異なる情報を故意に提供することで、被害者に誤った判断基準を思い抱かせる行為を指します。
次に、この欺罔行為によって被害者が「錯誤」に陥り、被害者がその虚偽を信じた結果として財産の「処分行為」を行います。
そして最後に、これらの行為が「因果関係」を持ち、犯人または第三者が実際に財物か財産上の利益を取得する。
上記のような法的要件が連鎖することで、詐欺罪は成立します。
そのためAさんはVさんに「借金がある」と言う欺罔行為を行い、Vさんはその誤った情報に基づいて現金50万円を振り込む財産の処分行為を行っているため、Aさんに詐欺罪が成立するのは明白です。
このようなインターネットを利用した詐欺事件は、日常生活で起こりうる事件として増加傾向にあり、匿名性が詐欺を容易にしていることを示しています。

インターネット上で起きた事件の弁護活動

犯人が意図的に虚偽の情報を提供し、被害者を欺くことで財産を不正に取得する構造であるため、詐欺罪は「10年以下の懲役」と非常に重い刑罰が科されています。
このような重大な犯罪である詐欺事件で重要になるのは、被害者との示談交渉です。
示談交渉が締結できれば処分の軽減を求めることができ、事件の内容次第で不起訴処分も期待できます。
示談交渉では、被害者への補償として、損害賠償をすることが一般的です。
しかし、Vさんのようにインターネットを利用した詐欺事件の被害者は、直接連絡を取ることが困難なことが多く、弁護士が仲介者として示談交渉を行うことが必要不可欠になります。
詐欺事件において、専門知識を持つ弁護士の役割は非常に大きいため、参考事件のような詐欺事件の場合、弁護活動を弁護士に依頼することが重要です。

詐欺に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談や、逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
ご予約はフリーダイヤル「0120-631-881」で24時間受け付けておりますので、詐欺事件を起こしてしまった方、詐欺罪の容疑で家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

強盗の際に人が負傷、裁判員裁判対象の事件に

2023-11-03

強盗の際に人が負傷、裁判員裁判対象の事件に

刑法第240条と裁判員対象事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県気仙沼市に住んでいる会社員のAさんは、コンビニのレジでナイフを出して「金をバックに入れろ」と店員を脅しました
店員が指示に従いAさんに現金を入れたバックを渡すと、後ろから近づいていた別の店員がAさんを拘束しようとしました。
そしてAさんが店員を振り払うと店員は壁にぶつかって怪我を負い、バックを持ってそのままAさんは逃走しました。
その後、気仙沼警察署の捜査によってAさんの身元が割れ。強盗致傷罪の容疑でAさんは逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗致傷罪

参考事件でもしAさんが店員に怪我をさせなかった場合、前回のブログで紹介した強盗罪が適用されていました。
しかし店員が怪我を負ったため、Aさんには強盗致傷罪が適用されています。
刑法第240条には「強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。」と定められており、これが強盗致傷罪の条文です。
この条文には4つの強盗罪が規定されています。
故意なく傷付けた場合に強盗致傷罪が適用され、逆に故意に人を傷つけると強盗傷人罪になります。
そして故意なく人を死亡させると強盗致死罪、故意に人を死亡させると強盗殺人罪となります。
参考事件のAさんはまずナイフを示して現金を出すことを要求しました。
この時点で脅迫を用いて財物を奪おうとしているため、「強盗」は成立します。
そして店員がAさんを捕えようとした時にAさんは暴行を加え、結果店員が怪我を負いました。
そのため「人を負傷させたとき」に該当しますが、Aさんは拘束から逃れることを目的として暴行を加えており、怪我をさせることが目的ではなかった可能性が高いことから、故意のある強盗傷人罪ではなく、故意がない強盗致傷罪が適用されたと考えられます。

裁判員裁判対象事件

強盗致傷罪は「無期又は6年以上の懲役」が法定刑となっています。
そのため「死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に係る事件」を対象とした、裁判員裁判対象事件となります。
裁判員裁判とは国民の中からランダムで選ばれた人が裁判員として裁判に参加する制度です。
一般の裁判とは異なった形式であるため、裁判前に争点を明確にする公判前整理手続がとられたり、裁判が不公平にならないよう裁判員の選任手続に弁護士が立ち会ったりします。
そのため強盗致傷事件の際には、通常の裁判だけでなく裁判員裁判にも詳しい弁護士からサポートを受けることが重要になります。

裁判員裁判の知識と経験が豊富な弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を、24時間体制で受け付けております。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」で承っておりますので、強盗致傷罪の容疑で家族が逮捕されてしまった方、裁判員裁判の対象となる事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

強盗事件が発生、執行猶予獲得のためには

2023-10-31

強盗事件が発生、執行猶予獲得のためには

強盗罪と執行猶予について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県大崎市に住んでいる会社員のAさんは、家にある包丁を持って家をでました。
そして夜道を歩いている女性を見つけると後ろから羽交い絞めにし、包丁を突き立てて「金を寄越せ」と言って脅しました。
Vさんがカバンから財布を出して渡すと、そのままAさんは財布を持って現場から逃走しました。
Vさんはすぐに警察に通報し、その後古川警察署の捜査でAさんの身元が判明しました。
そしてAさんは強盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗罪

刑法第236条第1項は「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。」と定めており、これが参考事件でAさんの逮捕容疑となった強盗罪の条文です。
強盗罪に用いられる「暴行又は脅迫」は、相手方の反抗を著しく困難にする程度の強度が必要になります。
暴行や脅迫が反抗を著しく困難にする強度にあるかは、事件当時の状況を見て総合的に判断されます。
参考事件のように、夜に人通りのない場所、身体を押さえつけた上で凶器を示す行為は、相手方の反抗を著しく困難にする強度があると判断されるでしょう。

執行猶予の条件

刑の執行を一定期間猶予し、その間に何もしなければ刑を免除する執行猶予は、取り付ける条件の1つに「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し」と刑法第25条が定めています。
強盗罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」で罰金刑も存在しないため、そのままでは執行猶予を取り付けることができず、有罪の場合は実刑になってしまいます。
強盗事件で刑務所への服役を避けるためには、弁護士による減刑のための弁護活動が必要になります。
減刑によって法定刑が3年以下の懲役に抑えられれば、執行猶予獲得の可能性が出てきます。
強盗事件は被害者が存在する事件であるため、減刑と執行猶予を獲得するためには被害者と示談交渉を締結することが最も重要です。
しかし、参考事件のように脅迫や暴行を受けた被害者は、恐怖心や怒りから加害者の連絡を拒否することがほとんどです。
そのため示談を速やかに締結するためにも、被害者との間に入って示談交渉を行う弁護士の存在は不可欠と言えます。

強盗事件に詳しい弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」で初回無料の法律相談のご予約を受け付けております。
また、逮捕されている方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスも同じフリーダイヤルでご予約いただけますので、強盗事件を起こしてしまった、強盗罪でご家族が逮捕されてしまった際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

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