Archive for the ‘刑事事件’ Category

万引きで常習累犯窃盗

2020-06-19

万引き常習累犯窃盗となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~

Aさんは、令和2年6月19日に、宮城県名取市のスーパーマーケット店内において、食料品5点を万引きしました。
Aさんには前科があり、窃盗の前科2つは、夜間に他人宅に工具を使用して忍び込み、現金を窃取するもので、1つはコンビニエンスストア内の万引きです。
Aさんは、店の通報を受けて駆け付けた宮城県岩沼警察署の警察官に、窃盗の容疑で逮捕されました。
しかし、その後の取調べでは、常習累犯窃盗に当たると取調官から言われ、厳しい処分が科されるのではないかと不安です。
(フィクションです。)

常習累犯窃盗とは

窃盗事件を起こした者を窃盗犯として検挙したが、その者が多数の類似の窃盗の前科があることが判明すると、窃盗罪ではなく、常習累犯窃盗罪が成立する可能性が出てきます。

常習累犯窃盗とは、窃盗罪や窃盗未遂罪にあたる行為を常習的に行う犯罪で、昭和5年施行の「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」(以下、「盗犯等防止法」といいます。)に規定されています。

第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル

とても古い法律ですので、なかなか読み辛いですね。

常習累犯窃盗は、常習として、窃盗罪、強盗罪、強盗利得罪、事後強盗罪、こん睡強盗罪、またはこれらの未遂罪を犯した者で、その行為の前の10年以内にそれらの罪またはこれらの罪と他の罪との併合罪で3回以上6月以上の懲役刑の執行を受けた、もしくはその執行を免除された場合に成立する罪です。

◇形式的要件◇

常習累犯窃盗の形式的要件は、「行為前の10年以内に、窃盗、窃盗未遂などについて、懲役6月以上の刑の執行を受けるなどしたことが3回以上あること」です。

「行為前の10年以内」というのは、窃取行為などが開始される前の10年以内という意味です。
Aさんは、令和2年6月19日にスーパーマーケット店内で万引きをしましたので、行為開始日は令和2年6月19日となり、「行為前の10年以内」は、平成22年6月19日以後ということになります。

「窃盗、窃盗未遂など」について、前科の内容として、幇助犯や教唆犯も含まれます。
また、窃盗、強盗、事後強盗、こん睡強盗の他に、常習累犯窃盗、強盗致死傷も含まれます。

「刑の執行を受け」たとは、10年以内の3回の刑のうち最初の刑の執行終了日が10年以内であれば足ります。
留意すべきは、懲役刑の執行猶予判決を受け、執行猶予期間を経過した場合や執行猶予期間中である場合には、刑の執行を受けたことにならず、執行の免除を受けたことにもならない点です。

◇実質的要件◇

常習累犯窃盗の実質的要件として、「常習として犯した」ことが必要です。
「常習として犯した」というのは、反復して窃盗罪などを犯す習癖を有するということです。
この要件については、行為者の前科前歴の内容、動機、手口や態様、犯行回数、性格などを総合的に考慮して判断されます。

常習累犯窃盗の実質的要件を満たしているかどうかを判断するにあたっては、前科の内容と本件犯行との間に手口や態様が類似している場合には、容易に常習性が肯定することができます。
しかし、手口や態様に類似性がない場合であっても、動機、犯行回数、犯行に及ぶ生活状況などを考慮し、窃盗の習癖に基づく犯行と認められれば、常習性が肯定されることになります。

Aさんの前科の内容について、2つは現金の侵入盗であるのに対して、本件犯行は店舗内での食料品の万引きです。
一見、その手口や態様において異なるように思えますが、容易に窃盗に及ぶ動機などが認められれば、本件犯行は窃盗を犯す習癖に基づくものと言えます。
また、Aさんには、コンビニエンスストアでの万引きの前科もあり、手口や様態も全く異なるものとは言えず、本件犯行が窃盗を犯す習癖に基づくものと認められるでしょう。

常習累犯窃盗の法定刑は、3年以上の有期懲役となっており、窃盗の法定刑よりも重くなっています。
常習性を否定する事情や被告人に有利な事情を収集し、出来る限り寛大な判決となるよう弁護活動する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が窃盗や常習累犯窃盗に問われお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881へお電話ください。

覚せい剤の再犯で一部執行猶予

2020-06-12

覚せい剤再犯一部執行猶予となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
Aさんは、3年前、仙台地方裁判所覚せい剤の使用および所持で懲役1年6月執行猶予3年が言い渡されました。
その後、Aさんは覚せい剤とは縁を切り、職にも就くことが出来ました。
しかし、職場の人間関係のトラブルから強いストレスを感じるようになったAさんは、再び覚せい剤に手を出すようになりました。
そして、Aさんは、宮城県仙台南警察署覚せい剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕されました。
Aさんは、再び覚せい剤に手を出してしまったことを大変後悔していますが、今度こそは実刑になるのではと不安でなりません。
(フィクションです。)

覚せい剤の使用および所持については、10年以下の懲役が法定刑となっています。

懲役刑というのは、刑務所に収容され、刑務作業を負う刑罰のことです。
懲役刑が執行されると、刑務所に収監されることになります。
ただ、刑の執行が猶予されると、直ちに刑務所に収監されることはなく、社会で通常の生活を起こることができます。
言い渡された刑の執行が猶予されることを「執行猶予」といいます。

執行猶予について

執行猶予は、判決で刑を言い渡すにあたり、一定の期間その刑の執行を猶予し、その猶予期間中罪を犯さず経過すれば、刑の言い渡しの効力を失わせる制度です。

執行猶予の要件

執行猶予には、刑の全部の執行猶予と刑の一部の執行猶予とがありますが、まずは前者の要件について説明します。

刑の全部の執行を猶予することができるのは、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、または、
②前に禁固以上の刑に処せられた者であっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑の処せられたことがない者
が、3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金の言い渡しがなされる場合です。

この場合、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間で刑の全部の執行を猶予することができます。

覚せい剤の使用・所持の法定刑は10年以下の懲役ですので、3年以下の懲役を言い渡すことは可能です。
初犯であれば、執行猶予が付くことが多いようです。

覚せい剤事件で再度の執行猶予の可能性は?

覚せい剤のような薬物事犯は、残念ながら再犯率が高いです。
上のケースのように、執行猶予期間中に再び薬物に手を出してしまう事案は少なくありません。
実は、執行猶予期間中に再び罪を犯してしまった場合でも、再度執行猶予となる可能性はあります。
それを「再度の執行猶予」といいます。

再度の執行猶予となるには、以下の要件を全て満たす必要があります。

①前に刑の全部の執行猶予が付された懲役または禁固の判決を受けていること。
執行猶予期間中に、1年以下の懲役または禁錮の判決を受けること。
③情状に特に酌量すべきものがあること。
④保護観察中に罪を犯したものでないこと。

覚せい剤事件では、初犯で懲役1年6月執行猶予3年となるのが相場となっています。
再犯の場合、1年以上の懲役の判決が言い渡される可能性が極めて高く、覚せい剤事件で、再度の執行猶予となる可能性はかなり低いと言えるでしょう。

一部執行猶予について

執行猶予期間中に覚せい剤再犯で有罪判決を受けた場合、実刑となる可能性は極めて高いです。
しかしながら、実刑の場合にも、刑の一部の執行を猶予することを目指すという選択肢もあります。

服役期間の一部の執行を猶予する「一部執行猶予制度」は、2016年6月から施行されています。
一部執行猶予を定めているのは、刑法と、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律です。

◇刑法上の一部執行猶予◇
(1)前科要件
・初めて刑に服する者。
・禁固以上の前科の執行終了または免除後、5年以内に禁固以上の刑に処せられていない者。
(2)宣告刑
3年以下の懲役または禁固。
(3)再犯防止の必要性・相当性
犯情の軽重及び犯人の境遇その他の事情を考慮して、再犯防止に必要かつ相当であること。

◇薬物法上の一部執行猶予◇
(1)前科要件
刑法、大麻取締法、毒物及び劇物取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法及びあへん法に定める薬物使用等の罪を犯した者。
(2)宣告刑
3年以下の懲役または禁錮。
(3)再犯防止の必要性・相当性
刑法上の要件に加えて、刑事施設内処遇に引き続き、薬物依存の改善に資する社会内処遇を実施する必要性があること。
こちらは、保護観察が必要的に付されます。

一部執行猶予は、全部実刑と比べると、刑務所に服する期間が短くなる等のメリットがあります。
他方、ほぼすべての一部執行猶予に保護観察が付されるため、全部実刑に比べ、服役期間と出所後の猶予期間の全体をみれば、公的機関の干渉を受ける期間は長い等といったデメリットもあります。

一部執行猶予を目指すべきか否かは、刑事事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚せい剤事件も含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

親権者が娘に性交等をさせた場合②:児童福祉法違反

2020-05-29

親権者性交等をさせ児童福祉法違反が成立するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
宮城県多賀城市に住む会社員のAさんは、実の娘のVさんと同居していましたが、Vさんが幼い時から、口腔性交をさせており、Vさんにそれが当たり前のように思い込ませていました。
Vさんは、中学生になってもAさんから口腔性交を命じられ、それに応じていましたが、次第にそれが普通ではないことに気が付き、学校の先生に相談しました。
学校は、児童相談所に報告し、Vさんは保護されることになりました。
児童相談所からの連絡を受けたVさんは、「警察にも報告することになります。」と言われており、事実、その後、宮城県塩釜警察署から出頭要請の連絡が来ました。
Aさんは、自分の行為がどのような罪に当たるのか、今後どのような流れになるのか、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

上記の事例では、親権者であるAさんが、同居しているのVさんに対し口腔性交をさせていました。
それが、幼少時からの性的な支配関係の中で行われた場合、監護者性交等罪が成立する可能性があることを前回のブログで説明しましたが、監護者性交等罪と児童福祉法違反が成立し得るため、今回は児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)について解説します。

児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)とは

児童福祉法は、児童の福祉を保障するための法律です。

児童福祉法は、その34条1項6号において、児童に淫行をさせる行為を禁止しています。

◇犯行の主体◇

本罪の犯行の主体には特に制限はなく、誰でも行えます。

◇犯行の対象◇

本罪の犯行の対象は「児童」です。
児童福祉法における「児童」とは、18歳未満の者です。

◇行為◇

本罪の実行行為は「淫行」を「させる」ことです。
「淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交または性交類似行為であって、児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として取り扱っているとしか認められないような者を相手とする性交または性交類似行為を含みます。
性交・性交類似行為には、性交、手淫、口淫、素股、肛淫などを含みます。
また、判例では、バイブレーターを調達して児童に手渡し、自己の面前において、児童をしてこれを性器に挿入させる行為も該当するとしています。(東京高裁平成8年10月30日)
淫行を「させる」行為については、児童に働きかけて淫行をするよう仕向ける行為のことをいい、直接・間接を問わず、児童に対して事実上の影響力を及ぼして、児童が淫行をすることを助長し促進する行為を含みます。
強制や直接的な勧誘等がなくとも、雇用関係等があり、児童に対して影響力を及ぼしやすい場合には消極的な関与でも足り、特別な関係がない場合であっても、児童の淫行を容易にさせ、助長、促進する事実上の影響力がある行為があれば足ります。
また、自己を相手に性交等をさせる場合も、淫行を「させる」行為に当たります。

◇故意◇

対象が18歳未満であることの認識・認容がなくても、過失があれば、本罪は成立します。

これに対する罰則は、10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科です。

監護者性交等は、その保護法益を個人の性的自由とする犯罪であるのに対して、児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)のそれは、社会における児童の福祉であり、異なる犯罪類型ではありますが、その適用要件は近似しており、児童に淫行をさせる罪の方が適用できる範囲は広くなっています。

上の事例において、Aさんは、同居しているとの間で、経済的な依存・被依存の関係にあるだけでなく、幼少時から口腔性交をさせ、これを当たり前のように思い込ませ精神的に支配していたという影響力に基づいて、Vさんに口腔性交をさせています。
これより、Vさんは「現に監護される者」であり、かつ「児童」でもあり、経済的・精神的依存・被依存関係に基づく影響力によってVさんに口腔性交をさせているのため、「現に監護する者であることに乗じて」、かつ「事実上の影響力を行使して」性交等をしていると言え、Aさんは、監護者性交等罪と児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)の罪責を負うことになります。
この場合、両者は観念的競合(1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合)となり、処罰については、その最も重い刑により処断されることとなります。
つまり、5年以上の有期懲役の範囲内で刑が科されます。

以上のように、親権者性交等をさせた場合には、監護者性交等罪と児童福祉法違反の両方が成立することがあります。
その場合、両者は観念的競合となり、重い方の監護者性交等罪の法定刑の範囲内で刑罰が科されることになります。
非常に重い刑が科される可能性がありますので、容疑を認めている場合には、より軽い刑となるよう弁護する必要がありますし、えん罪であれば無罪を証明するため動くことになります。
どちらにせよ、早い段階から刑事事件に強い弁護士に相談・依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

秋田県で盗撮規制が強化

2020-04-25

秋田県で盗撮規制が強化

秋田県の迷惑行為防止条例が改正され、盗撮規制が強化されました。

秋田県警作成リーフレット

改正内容について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

~処罰対象となる場所や行為が追加~

盗撮は各都道府県が制定する迷惑行為防止条例で規制されています。
秋田県でも従来から、

①電車やお店など不特定の人が利用する公共の場所や公共の乗物
②住居、浴場、更衣場、便所など、通常、人が衣服の全部または一部を着けない状態でいる可能性がある場所

において、衣服等で覆われている下着や身体を盗撮した場合は処罰の対象となっていました。

しかし昨年、秋田県内の中学校の教室で臨時講師が女性教師のスカート内を盗撮した事件で、臨時講師を処罰することができませんでした。
学校の教室は上記②には当たりませんし、特定の人しか入ることができないため、①不特定の人が利用する「公共の場所」に当たるとも言い切れないと判断されたからです。

そこで令和2年4月1日から、

③事務所、教室、貸切バスなど、特定かつ多数の人が集まる場所や乗物での盗撮

も処罰対象に含まれることになりました。
これにより同じ事件が起きた場合には処罰することができるようになります。

他にも、これまでは衣服等で覆われている下着や身体を実際に盗撮した場合にのみ処罰の対象とされていました。
しかし今回の改正で、盗撮するためにカメラを向けたり設置した時点で、処罰対象になりました。
たとえば、隠しカメラを設置したが、下着や身体を盗撮する前にカメラを発見されて盗撮できなかった場合にも処罰の対象となるわけです。

罰則は、盗撮の非常習者は従来から6か月以下の懲役または50万円以下の罰金でした。
今回の改正で、前科があるなど盗撮の常習者として扱われるとより重く、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という処罰を受けることになりました。

前述の中学校の盗撮事件では、被疑者の自宅を捜索・差押えした結果、公共の場所で盗撮したデータも見つかり、そちらで処罰することができました。
しかし今後は余罪のあるなしに関わらず、学校の教室などでの盗撮も処罰されることになります。

~刑事事件の手続きの流れ~

盗撮などの犯罪が警察に発覚した場合も、逃亡や証拠隠滅のおそれまではないと判断されれば逮捕されず、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという在宅事件として扱われる可能性があります。

一方、逮捕された場合は最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

勾留された場合はその期間の最後に、在宅事件では必要な捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

起訴されると罰金刑や懲役刑(執行猶予の場合もある)を受ける流れになるでしょう。
一方、比較的軽い事件や示談が成立した事件などでは不起訴処分となり、裁判を受けずに前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

弁護士とはしては、まずは逃亡や証拠隠滅のおそれがない理由を検察官や裁判官に主張するなどして、勾留されずに早期に釈放されることを目指します。
早期釈放が実現すれば、たとえば会社に出勤できずに逮捕されたことが発覚して解雇されるといった事態を避けられるかもしれません。

また、被害者の方に謝罪・賠償して示談を締結して不起訴処分や罰金などの軽い結果となるように弁護活動をしてまいります。
示談が成立した場合などには意外と不起訴処分となる例はよくあります。

~ご相談ください~

あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合、いつ釈放されるのか、どれくらいの処罰を受けるのか、被害者との示談はどうやって行えばよいのか、解雇されるのかなど、分からないことが多く不安だと思います。

事件の内容をお聞き取りした上でご説明いたしますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談をご利用ください。

東北各県からの事件に対応しておりますので、ご連絡をお待ちしております。

覚せい剤を無理やり打たれて無罪?

2020-04-21

覚せい剤を無理やり打たれて無罪?

覚せい剤を使用した罪に問われるも、無罪判決が出された事件がありました。

「無理やり注射された可能性」 覚醒剤使用男性に無罪判決 佐賀地裁
Yahoo!ニュース(佐賀新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~尿検査で検出されるも無罪に~

この事件では、佐賀県内や福岡県内で覚せい剤を使用したとして男性が逮捕されました。
男性は尿検査で覚せい剤の成分が検出されていました。

しかし男性は逮捕時から、「知人から覚醒剤を強制的に注射された」といった供述をして容疑を否認しました。
覚せい剤使用の罪は、自分の意思で摂取しなければ成立しないからです。

そして佐賀地方裁判所は、「自らの意思で使用したことについて合理的な疑いが残る」として無罪判決を出しました。

多くの方は、「そんなことあるか?」と思われるかもしれません。
弊所も詳しい事情は分かりませんが、男性の供述が嘘とは言い切れない事情があったのだろうと思われます。

~有罪とする条件は?~

そもそも刑事裁判では、裁判にかけられている人(被告人)が、本当に犯罪をしたと言うには合理的な疑いが残る場合には有罪判決をすることができません。

「合理的な疑いが残る」というのを具体的な数値に表すのは難しいですが、たとえば99%以上、ほぼ間違いなくやっていると判断された場合には、合理的な疑いは残っていないとして有罪となるでしょう。
仮に被告人が、「私が寝ている間に、小学生の子供が勝手に私に覚せい剤を注射した」という主張をした場合、理論上はその可能性はゼロではないと思いますが、極めて可能性が低い弁解と言えるので、有罪にできるでしょう。

一方、犯罪をしている確率が90%、80%、70%…と下がってくると、有罪にはしづらくなってきます。
無実の罪で処罰を受けるという冤罪を防ぐために、犯罪をしていない可能性もある程度ある場合には、有罪とできないのです。
「無罪推定の原則」や「疑わしきは被告人の利益に」といった言葉で現されます。

今回の事件でいうと、たしかに知人から無理やり注射を打たれたという主張は、一般的な感覚からすると信じられないかもしれません。
しかし被告人と知人の関係性や当時の状況などから考えると不合理な弁解とは言い切れず、自らの意思で覚せい剤を摂取していない可能性も否定しきれないと判断されたのでしょう。
そこで無罪判決が出されたわけです。

~犯罪を証明するのは検察官~

このように考えると、被告人は無実である証明まではする必要がなく、逆に検察官が、犯罪をしたという証明をしなければならないことになります。

つまり、被告人としては、犯罪をしていないと言える可能性もある程度あると言える理由さえ示せれば無罪となるので、犯罪をしていないという証明までする必要はないのです。

一方、検察官としては、ほぼ間違いなく被告人が犯罪をしたと言う理由を示さなければ、有罪判決を得ることができないわけですから、検察官が証明責任を負っているということになるのです。

被告人にとって有利に思われるかもしれませんが、犯罪をしていないことを証明するのは「悪魔の証明」と言われる困難なものであり、それを要求すると、冤罪が生まれやすくなってしまうのです。

先日、国外逃亡したカルロス・ゴーン被告について森法務大臣が、「潔白というのならば、司法の場で正々堂々と無罪を証明すべき」と発言して、後日、発言を「無罪を主張すべき」に訂正したということがありました。
被告人のカルロス・ゴーンさんは無罪の証明をする必要はないのですから、おかしな発言だとして国内外から批判されたわけです。

~お困りの方は弁護士にご相談を~

身に覚えのない犯罪を疑われて困っている場合には、無罪判決に向けて弁護活動を致しますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
また、本当に犯行をしており無罪獲得が不可能なケースでも、早期釈放や軽い判決に向けて活動を致しますので、ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

弁護士事務所職員をかたり詐欺で逮捕

2020-04-19

弁護士事務所職員をかたり詐欺で逮捕

弁護士事務所職員を装って300万円をだまし取った事件がありました。

弁護士事務所職員装い…90歳男性から300万円詐取 名古屋・瑞穂区
Yahoo!ニュース(CBCテレビ)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

~特殊詐欺で弁護士事務所も利用される~

この事件は、オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺の1つです。
共犯者の1人が名古屋市内の90歳男性宅に電話し、息子を装って「親父、マスクあるけど、どうする」などと話を切り出した上で、「仮想通貨でもうかった」「脱税の処理に金が必要」などと言ってお金を用意させました。

そしてもう1人の共犯者が弁護士事務所職員を装って被害者の自宅を訪れ、現金300万円をだまし取ったとして逮捕されたものです。

お金を実際に受け取りに行く「受け子」役は、自治体職員や銀行員、警察官など様々な職業をかたってお金をだまし取りますが、弁護士事務所職員という弊所にとっても身近な存在を利用するケースもあるということなので、やるせないところです。

特殊詐欺をすると、当然ながら詐欺罪が成立します。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺罪は条文にある通り懲役刑しか規定されておらず、罰金で済む可能性がありません。

また、特殊詐欺は被害が重大なものになる傾向があることから、初犯であっても執行猶予にならず、刑務所に入れられてしまうことが十分考えられます。
特殊詐欺は、同じ詐欺罪が成立する無銭飲食などと比べると、被害額が高くなりがちです。
今回の事例でだまし取られたのも300万円という大金です。

しかも、だまし取ったお金を使ってしまって、返還できないという例も多いです。
そこで判決も厳しいものになる傾向があるのです。

~刑事手続きの流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、刑事裁判が始まります。
保釈が認められない限り、身柄拘束が続いてしまうことになります。

弁護士としては、勾留を防いだり保釈を認めてもらうことにより、ご本人が釈放されることを目指します。
ただし、被害金額が高かったり、共犯者がいるといった事例では、逃亡や証拠隠滅のおそれが高いと判断されて、なかなか釈放が認められない傾向にあります。

~判決を軽くするには~

前述のように特殊詐欺は被害が重大なので判決が重くなる傾向にあります。
少しでも軽い判決を得るためには、被害者にだまし取ったお金を返還して示談を結ぶことが重要です。

しかし、だまし取ったお金を使ってしまって本人が返還できない場合には、場合によってはご家族にご協力いただいて返還するという方法もあります。

もちろん、ご家族は法的には返還義務はありません
しかし、ご家族が協力できる余裕がある場合には、代わりに返還することによって被害が回復できるので、被害者にとってもプラスですし、結果として判決が軽くなる可能性もあります。

~弁護士にご相談ください~

とはいえ、示談交渉はどうやって行えばよいのか、また釈放に向けてどう動けばよいのかなど、わからない方がほとんどだと思います。
あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合にはぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

ベランダからごみを捨てて逮捕【廃棄物処理法違反】

2020-04-17

ベランダからごみを捨てて逮捕【廃棄物処理法違反】

マンションのベランダから土鍋などのゴミを捨てた人が逮捕される事件がありました。

“カリスマ美容師”6階から『土鍋投げ捨てた』疑いで逮捕…テレビなども投げたか
Yahoo!ニュース(MBSニュース)

この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

~廃棄物処理法違反に~

この事件は美容師の男性が、自宅マンションの6階のベランダから土鍋を投げて捨てたとして、廃棄物処理法違反の容疑で逮捕されたというものです。
土鍋の他にもテレビやCDプレーヤーも投げ捨てた疑いが持たれています。

やや珍しい犯行内容で逮捕されたように思いますが、具体的にどういう規定に違反したのでしょうか。
条文を見てみましょう。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律
第16条
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
第25条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第14号 第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者

16条の「廃棄物」には産業廃棄物のような事業活動によって生じるゴミだけでなく、一般家庭で出るゴミ・粗大ゴミなども含まれます。
これを正しくない方法で捨てると「みだりに廃棄物を捨て」たことになり、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれらの両方を科される可能性があるわけです。

時々、空き地や高架の下などゴミが捨てられそうな場所に、「不法投棄は5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方を科されます」といった看板が立てられていることがあるのですが、この規定に従って作られたものと言えます。

罰金の金額は、せいぜい50万円や100万円が上限となっている犯罪が多い中、1000万円という高額になっています。
主に業者が不法投棄をして利益を得ることを防ぐために、高額に設定されています。

したがって今回の事件のように一般人がごみを捨てた事例で巨額の罰金となる可能性は低いでしょう。
ただ、逮捕されて懲役刑や罰金刑を受ける可能性がある以上、大きなリスクがある行為と言えます。

~重過失致死傷罪なども~

今回の事件では6階からごみを捨てています。
幸いケガ人は出ていないとのことですが、万が一ごみを捨てた時に人に当たって怪我をさせた場合には過失致傷罪重過失致傷罪に、死亡させた場合には過失致死罪重過失致死罪に問われる可能性があります。

刑法第209条1項(過失致傷)
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第210条(過失致死)
過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
第211条(重過失致死傷等)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

死傷者が出て、これらの犯罪も成立してしまった場合には、廃棄物処理法違反だけの場合よりも判決が重くなることが予想されます。

特に、重大な過失がある方が、すなわち不注意の程度が重い方が重く処罰されます。
不注意の程度の重さは、死傷者が出ることが予想できたかといった点から判断することになります。
たとえば人が立ち入る可能性があるような場所に投げた場合には、不注意の程度が重いと判断される可能性が上がるでしょう。

~犯罪に問われたら弁護士にご相談を~

犯罪になると思っていなかった行為で逮捕や取調べをされてしまい、どうしたらよいかわからないという場合があるかもしれません。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

宮城県大崎市の保護責任者遺棄致死事件

2020-04-15

宮城県大崎市の保護責任者遺棄致死事件

【参考ニュース】
体調不良の父親を放置し死亡 息子を逮捕
KHB東日本放送

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~保護責任者遺棄致死罪とは~

この事件は、62歳の男性が、同居する87歳の父親が体調不良だったことを知りながら外出し、翌日まで放置し死亡させた疑いが持たれているというものです。
容疑者の男性は、「面倒になって救急車を呼ばなかった」と述べ、容疑を認めているとのことです。

今回問題となっている保護責任者遺棄致死罪とはどんな犯罪でしょうか。
まずは関係する条文を見てみましょう。

刑法217条(遺棄)
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。
第218条(保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
第219条(遺棄等致死傷)
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

まず、今回の容疑者の行為は217条の遺棄罪に該当するように思えます。
体調不良の87歳の男性は、「老年…又は疾病のために扶助を必要とする者」に当たり、容疑者はこの男性の扶助をしなかったからです。

しかし217条は、たとえば偶然家を訪ねるなどして体調不良の人を発見したアカの他人が、そのまま体調不良者を放置した場合などを想定した条文です。
今回の容疑者と87歳の男性は同居する親子ですから、息子である容疑者はむしろ218条の「老年者…又は病者を保護する責任のある者」に該当するでしょう。

アカの他人が遺棄するよりも、特別な関係にある者が遺棄した場合の方が悪質性が強いといった理由により、より重い刑罰が定められている218条の保護責任者遺棄罪が優先的に成立することになるのです。

しかも今回は息子が父親を遺棄した結果、父親が死亡していますから、219条の保護責任者遺棄致死罪が成立することになります。
罰則は「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と書かれていますが、具体的には3か月以上15年以下の懲役となります。

余談ですが、218条には「遺棄」「その生存に必要な保護をしなかった」(=不保護)という2つの行為が規定されています。
どちらも必要な保護をしなかった点では同じですが、「遺棄」は場所的に離れてしまったパターン、不保護は場所的に離れずに必要な保護をしなかったパターンが該当します。

今回の事件の容疑者は父親を放置して外出したので、場所的に離れており、「遺棄」に該当します。
親が一緒に住んでいる幼児に食事を与えなかったような場合は不保護に該当するでしょう。

~殺人罪の可能性も~

今回のような事件では、殺人罪に問われる可能性もあります。

第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

理論上、殺人罪と保護責任者遺棄致死罪の区別は、このまま放置すれば死亡してしまうかもしれないとわかっており、それでもいいと思って放置したような場合には殺人罪に、そこまでの思ってなければ保護責任者遺棄致死罪に問われるということになります。

ただ、実際には両者の区別は非常に難しいです。
今回の事件では保護責任者遺棄致死罪の容疑で逮捕されていますが、最終的に殺人罪の容疑に切り替わって裁判を受けるという可能性も否定できません。

~弁護士にご相談を~

今回の事件について、犯行理由などの詳しい事情は分かりませんが、介護が必要な高齢者が増えていくわけですので、今後こういった事件が増えてしまうかもしれません。
あなたやご家族がこういった犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、お早めに弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

殺人事件の再審で無罪判決

2020-04-12

殺人事件の再審で無罪判決

殺人罪で服役後に再審で無罪判決が出た事件がありました。

滋賀「呼吸器外し殺人」再審で無罪判決、でっちあげ捜査の怖さ実感
Yahoo!ニュース(ダイヤモンド・オンライン)
冤罪の調査報道の始まりは仰天。「離れたくない」と刑事に抱きついた?|#供述弱者を知る
Yahoo!ニュース(Forbes JAPAN)

この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

~看護助手が殺人罪で服役~

この事件は2003年、滋賀県の病院に勤務していた看護助手の女性が、患者の人工呼吸器を外して殺害したと疑われたことから始まりました。
看護助手の女性は、裁判で懲役12年の判決を受けて刑務所に服役し、満期出所しました。
その後に再審の裁判が開かれ、2020年3月31日に無罪判決が出されて確定しました。

どうやら実際は患者の不整脈による自然死だったようです。
しかし、女性が人工呼吸器を外したというウソの自白をさせられたことなどから、殺人罪で有罪となり、10年以上に渡り服役する結果となってしまいました。

~なぜ自白したか~

女性はなぜウソの自白をしたのでしょうか。

一般にウソの自白をさせられた冤罪事件では、連日、長時間に渡る厳しい取調べがなされたケースがよくあります。
いくら自分はしていないと主張しても全く取り合ってもらえなかったり、強い口調で責められたり、時には被疑者に寄り添うかのような発言や認めたら有利になる旨を伝えるなど、アメとムチを使い分ける取調べがなされます。

その結果、信じてもらえないことに絶望したり、自白すれば厳しい取調べから逃れられるという精神状態になってしまったり、自分の記憶が間違いで本当はやったんじゃないかとさえ思うケースもあります。

中には、いったんは自白して後で裁判で争うしかないと考えて自白するケースもあります。
実際には、一度自白してしまうと、裁判官もその自白を信用してしまい、覆せずに有罪判決を受けてしまうケースもあります。

やっていないことをやったと言ってしまうのは、外から見ると不利になることが分かるので信じられない事態かもしれません。
しかし、厳しい取調べを受けるという極限状態では、認めてしまった方がよいという判断に至ってしまうことは誰でもありうるのです。

特に今回の事件では、看護助手の女性が軽度の知的障害を持っていたというのもウソの自白の原因となってしまいました。
相手の発言に合わせるような発言をしてしまう可能性が上がる場合があるようです。

筆者は小学生時代、先生から悪いことをしたのではと強い口調で聞かれた時に、本当はやっていないのに、恐怖心から否定することができませんでした。
子供にはよくあることですが、大人の場合にも同じ状態になることがあるのです。

また、今回の事件では、アメとムチの取調べが上手くいってしまい、女性が警察官に恋心を抱いてしまったという原因もあるようです。
さらには、自分が犯行を認めないと、当時一緒に勤務していた同僚の看護師が、患者の異変に気付かなかったなどとして業務上過失致死罪に問われる可能性もあり、仲の良かった同僚看護師をかばうために自白したという事情もあったようです。

このような事情から、虚偽の自白をするに至ってしまったようです。

~厳しい取調べは必要?~

ここで、真犯人を逃さないためには、厳しい取調べもやむを得ないのではと思う方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに真犯人を逃すわけにもいきませんし、警察官検察官が取り調べる相手のほとんどは真犯人ですから、厳しい取調べになってしまうことも全く理解できないわけではありません。

しかし、心の片隅には、「犯人ではないのではないか」という気持ちを持って取調べに臨んでほしいところです。
真犯人であるとの先入観を持っていると、有罪とするのに都合の良い供述をするよう無理に誘導したり、取調べている相手が真犯人ではないことを示証拠を見落としたり、あるいは都合の悪い証拠は隠すといったことが起こりかねないからです。

今回の事件でも、「患者は痰詰まりで死亡した可能性」との医師の所見が記載された捜査報告書を、再審が開始されるまで警察が隠していました。

わざと犯人に仕立て上げるような行為は断じて許されません。

~お困りの方はご相談を~

このように身に覚えのない犯罪を疑われて困っている場合には、無罪判決に向けて弁護活動を致しますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
また、本当に犯行をしているケースでも、罪を認めた上で早期釈放軽い判決に向けて活動を致しますので、ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

自転車でひき逃げ

2020-04-11

自転車でひき逃げ

自転車事故でひき逃げをした場合に成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
自転車で走行中に誤って歩行者をはねてしまい、ケガを負わせてしまいました。
気が動転してしまったAさんは、その場から逃げてしまいました。
事故現場周辺の防犯カメラ映像からAさんが犯人だと割り出され、Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~ひいてケガをさせた点について~

歩道を高速で走っている自転車をみかけることがよくあります。
また、雨の日の傘さし運転をしている人や、ちょっとブレーキを踏んだら雨でスリップして転倒するのではと心配になる運転をしている人もいます。
このような運転をしていると、人身事故を起こして犯罪が成立して処罰される可能性が上がってしまいます。

Aさんのように誤って自転車で人をはねてしまうと、過失傷害罪または重過失傷害罪が成立する可能性があります。

刑法209条1項
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

209条1項の過失傷害罪は、わざとやったわけではなく、被害者も死亡していないということで、最高でも30万円の罰金となっており、懲役刑になる可能性はありません。

しかし、211条の重過失傷害罪は、わざとではないとはいえ、重大な過失があった場合(重い落ち度がある場合)に成立する犯罪です。
被害者死亡の場合も含めての刑罰ではありますが、条文上は最高で5年の懲役まで科される可能性があるわけです。

どういった場合に重い落ち度があるとして重過失傷害罪となるのかは具体的な状況により、ますが、たとえば、歩行者が多い中スピードを出しすぎていた、ながら運転をしていた、傘さし運転をしていた、無灯火だったなどの事情があればあるほど、重過失傷害罪に問われる可能性が高くなってしまいます。

~逃亡した点について~

自転車で歩行者に衝突し、ケガをさせたにも関わらず、その場から逃げてしまったAさん。
この点には別途、道路交通法に定められた救護義務違反や、警察官への報告義務違反に問われることになるでしょう。

①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条の5第1号)
 →1年以下の懲役または10万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
 →3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

①の救護義務違反は、自動車の場合には10年以下の懲役または100万円以下の罰金なので、10分の1に軽くなっています。
しかし、逃げなかった場合に比べると、判決が重くなることが予想されます。

~お早めに弁護士にご相談ください~

このように、自転車の場合も事故を起こすと様々な犯罪に問われるおそれがあります。

あなた自身やご家族が、交通事件を含め何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、どんな犯罪が成立するのか、いつ釈放される見込みなのか、処分・判決の内容はどうなりそうか、刑事手続きの流れはどうなるのかなど、不安な点が多いと思います。

事件・事故の内容をお聞き取りした上で、それに応じたご説明を致しますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

« Older Entries

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー