宮城県での往来妨害で逮捕

宮城県での往来妨害で逮捕

往来妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県美里町に住むAさん。
友人の家に遊びに来ていましたが、大げんかになったことから友人宅を飛び出しました。
怒りが治まらないAさんは、玄関前に停めてあった友人の自転車を道路に投げ捨てて帰りました。
その直後、その道路を通ろうとしたバイクが自転車の存在に気が付き急ブレーキ。
しかし、路面が雨でぬれていたこともあり、スリップして転倒。
バイクの運転手は骨折の重傷を負いました。
遠田警察署の警察官が自転車の防犯登録番号を調べ、持ち主がAさんの友人であるとわかり事情を聞いたところ、Aさんの仕業ではないかと答えました。
Aさんに事情を聞いたところ、道路に投げ捨てたことを認めたことから、Aさんは往来妨害致傷の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

~往来妨害とは~

道路に通行の妨げとなる物を置くなどし、道路をふさぐと、往来妨害罪に問われることになります。
さらにケガ人が出た場合には、往来妨害致傷罪が成立することになるでしょう。

条文を確認してみます。

刑法第124条1項
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第2項
前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

Aさんの行為は、124条1項の「陸路…を…閉塞して往来の妨害を生じさせた」という文言に該当することになるでしょう。
また、バイクの運転手がケガをしたので、同条2項の「よって人を死傷させた」に当たることになります。

往来妨害致傷罪の罰則は、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とあります。
バイクの運転手が傷害を負った今回の場合、傷害罪(204条)と124条1項の往来妨害罪を比較して、上限も下限も重い方を選ぶということになります。
傷害罪が15年以下の懲役または50万円以下の罰金、往来妨害罪が2年以下の懲役または20万円以下の罰金であり、下限は同じですが、上限は傷害罪の方が重いので、結局は傷害罪と同じ15年以下の懲役または50万円以下の罰金ということになります。

~器物損壊罪も~

また、友人の自転車を道路に投げ捨てた際に自転車が壊れていれば、器物損壊罪も成立するでしょう。

第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

~どんな手続が待っているか~

逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留請求または勾留決定を防ぎ、早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を検察官や裁判官に提出するなどの活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

比較的軽い事件では、検察官が不起訴処分として前科も付かずに手続が終わる場合があります。
また、起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴とする場合もあります。
弁護士としては、被害者と示談を締結するなどして、少しでも軽い処分となるように活動していきます。

~ご相談ください~

逮捕されると、ご本人やご家族としては、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

往来妨害致傷罪逮捕された、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

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