塩釜警察署が逮捕

塩釜警察署が逮捕

少年が傷害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県塩竈市に住む高校生のAくん。
塩釜駅近くで友人と遊んでいた時、他の高校に通う高校生とケンカになりました。
体格に勝っていたAくんは一方的に相手を暴行する形になり、大ケガを負わせてしまいました。
被害届の提出を受けた塩釜警察署の捜査の結果、Aくんの犯行が発覚し、Aくんは逮捕されました。
(フィクションです)

~傷害罪が成立~

ケンカで相手に大けがを負わせてしまったAくんには、傷害罪が成立します。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ただし、Aくんよりも先に相手が殴りかかってきていたような場合、過剰防衛として処分が軽くなる可能性はあります。

第36条1項
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
第2項
防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

仮に正当防衛となれば、36条1項に「罰しない」とあるように、犯罪は成立しません。
しかし、今回Aくんは一方的に相手を暴行する展開になっているので、相手から先に殴りかかってきていたとしても、反撃としてやりすぎだということで、36条2項の過剰防衛となる可能性があります。
正当防衛のように無罪とはいきませんが、過剰防衛すら成立しない場合に比べれば、処分が軽くなる可能性があるわけです。

~少年事件の手続・家庭裁判所送致前~

逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。

その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。

なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。

~少年審判の内容にはどんなものがあるか?~

調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
Aくんに対する少年審判の結果としては以下のものが考えられます。

①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性がないような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。

③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。

④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。

~弁護士の活動~

弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。

たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、反省していること、非行性が進んでおらず再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していること、家族の監督が期待できることなど、本人に有利な事情があればできる限り主張し、勾留観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。

少年審判では、成人事件と比べて、今回の犯罪の重さだけでなく、少年の非行が進んでいるかといった点が重視される傾向にあります。
今回の事件内容に割に審判内容が軽い、逆に重いということもありえます。
いずれにしろ少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、成立する犯罪や今後の手続の流れ、予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。

傷害罪などの少年事件でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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