刑法改正で新設された面会要求罪

刑法改正で新設された面会要求罪

面会要求罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県角田市に住んでいる21歳大学生のAさんは、13歳中学生のVさんとSNS上で交流がありました。
AさんはVさんに性的な関心があり、現金を渡すことを条件に会ってもらえないかとVさんを誘いました。
しかしVさんは誘われたことを警察に相談し、被害届を出すことにしました。
その後、警察の捜査によって身元が割れたAさんは、角田警察署面会要求罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

16歳未満の者に対する面会要求等

Aさんの逮捕容疑となったのは、刑法に令和5年7月13日から施行されている「16歳未満の者に対する面会要求等」と言う犯罪です(今回のブログでは「面会要求罪」と略しています)。
刑法第182条第1項には「わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
そして「次の各号」はそれぞれ、第1号威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。」、第2号拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。」、第3号金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。」と定められています。
Aさんは現金を渡すことを条件にわいせつな行為を要求していることから、該当するのは第3号となります。

仮にAさんとVさんが実際に会ってしまった場合は、「前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該16歳未満の者と面会をした者は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。」と定めた刑法第182条第2項の条文が適用され、より重い刑罰が科されます。
また、「(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)」とあることから、例えばAさんが18歳でVさんが15歳といった年齢差が5歳未満の場合であれば、面会要求罪は成立し難くなります。

面会要求罪の弁護活動

面会要求罪は被害者がいる事件であるため、減刑や不起訴を求めるのであれば示談交渉が不可欠です。
面会要求罪は被害者が未成年であるため、被害者の保護者と示談交渉を進めることになります。
しかし、被害者が未成年の性犯罪であることから、示談交渉は難航しやすく、場合によっては連絡を取ってもらえない可能性も十分考えられます。
そのため性犯罪に詳しい弁護士に依頼し、弁護士限りの連絡にする等の方法をとることが、スムーズに示談を締結させる鍵になります。
また、面会要求罪は比較的に新しい犯罪であり、一般にはまだ馴染みがありません。
現状を正しく把握するためにも、弁護士にアドバイスを求めることは重要です。

刑事事件に詳しい弁護士にお任せください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談や、逮捕・勾留中の方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
面会要求罪の疑いがかかっている方、またはご家族が面会要求罪の容疑で逮捕・勾留されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

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