Archive for the ‘財産事件’ Category

窃盗症で刑罰が軽くなる?

2020-04-06

窃盗症で刑罰が軽くなる?

万引きがやめられない窃盗症であることを理由として刑罰が軽くなったという事件がありました。

保釈中の万引き、異例の減刑 窃盗症による心神耗弱認定
Yahoo!ニュース(朝日新聞提供) 

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~窃盗症(クレプトマニア)とは~

覚せい剤や大麻などの薬物やアルコールなどは、依存症になると自分の意志ではやめることが難しくなり、病院での治療などが必要になってくるという話は聞いたことがある方も多いと思います。
これと同じように、窃盗についても依存症のような状態になってしまい、簡単にはやめられなくなってしまうケースがあります。

窃盗症クレプトマニアと呼ばれており、精神疾患の1つとされています。

窃盗症になると、経済的に困っているわけではなくても万引きを繰り返してしまうのです。
悪いことだとはわかっていても、成功した時に感じる達成感などが忘れられず、犯行を繰り返してしまいます。

窃盗症は薬物依存症と同じく、専門的な治療を行っている病院に通ったり、窃盗症で悩んでいる方々が集うグループミーティングに通うなどの対策が必要となってきます。

~刑罰が軽くなった判決~

通常、犯罪を繰り返すと、受ける刑罰は重くなっていきます。
万引きの場合も、最初は不起訴処分罰金刑、次は執行猶予付きの懲役刑、それでも再びしてしまった場合には実刑判決などというように、判決が重くなっていくのが通常です。

しかし今回のニュースの東京地裁判決は、重度の窃盗症による心神耗弱(シンシンコウジャク)状態にあったことを理由に刑を軽くしました。
求刑懲役1年6か月に対し、実刑判決ではあるものの、懲役4カ月という軽い判決を下したのです。

心神耗弱というのは、①物事の善悪を判断し、②その判断に従って行動する能力が弱まっている場合に、刑罰を軽くするというものです(刑法39条2項)。
単に①②の能力が弱まっているのではなく、どちらかが完全に欠いていれば、心神喪失により刑罰は免除されます(刑法39条1項)。

精神疾患などにより犯罪をしないという選択が難しい、あるいはできない場合には、後で責めてもしょうがないから、刑務所には入れずに病院で治療を受けさせた方がいいといった判断がされるということです。
よく重大犯罪のニュースで聞かれる、「裁判で責任能力が争われている」というのは、心神喪失心神耗弱の状態にあったのではないかと争われているということです。

今回の判決は、窃盗症であることのみを理由として減刑されたという珍しい判決でした。

~社会の中で更生させる~

窃盗症の人は、万引きを繰り返すわけですから、今回の判決に対しては、犯罪を繰り返す人ほど刑罰が軽くなってしまうという反対意見もあるでしょう。
しかし、万引きを繰り返しているということは、それだけ適切な治療を受けなければ回復が難しいとも言えます。

もちろん刑務所の中でも治療が受けられないわけではありません。
しかし、依存症の治療には、社会の中に身を置き、犯行をやろうと思えばやれる環境の中で、いかに思いとどまるかという訓練をする必要があるとも言われています。

刑務所に長期間入れたとしても、単にその期間中に万引きできなくなるだけであり、必ずしもベストな治療が受けられるわけではないから、真に更生させるためには、刑罰以外の方法によるべき、という考え方を強く押し出したのが今回の判決ということになります。

このような考え方などに基づき、すでに刑の一部執行猶予という制度も出来ています(刑法27条の2以下)。
これは一度刑務所に入れるものの、その期間を短くして、残りの期間を執行猶予とし、社会の中で更生を目指していくというものです。
薬物犯罪などで利用されています。

今回の判決がこのまま確定するかわかりませんが、今後、心神耗弱や刑の一部執行猶予の判決が増えていくかもしれません。

~弁護士にご相談ください~

窃盗症からの更生および軽い判決を目指すためには、専門的な治療や被害店舗に謝罪・賠償して示談を結ぶといった対応が必要となってきます。

しかし、あなたやご家族が万引きをしてしまった場合、具体的にどのように対応して行けばよいのかわからないと思います。
事件に応じたアドバイス及びサポートをさせていただきますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

警察官が腕時計を盗む

2020-03-28

警察官が腕時計を盗む

警察官が検視現場で高級腕時計を盗み、占有離脱物横領罪執行猶予判決を受けた事件がありました。

検視現場から腕時計持ち去り 元巡査部長に猶予判決 宇都宮地裁
(下野新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~警察官が盗みを働く~

この事件は、元巡査部長の男性が、遺体の検視で訪れた宇都宮市内のマンションから、約350万円相当の高級腕時計を持ち去ったというものです。
元巡査部長は占有離脱物横領罪に問われ、懲役1年、執行猶予3年の判決を受けました。
なお「検視」とは、主に病院以外で人が死亡した場合に、事件性がないかどうか、ご遺体を確認することをいいます。

物を盗み去ったわけですから、窃盗罪が成立するのではないかと思われるかもしれませんが、今回は占有離脱物横領罪という犯罪に問われました。
なぜでしょうか。

まずは両罪の条文を見てみましょう。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

占有離脱物横領罪が定められた254条を見ると、遺失物など、他人の占有を離れた物を盗った場合の規定であることがわかるかもしれません。
落とし物などを持ち去るネコババなどを処罰する条文ということになります。

一方、235条の窃盗罪の方は、他人が占有している物を盗った場合の規定ということになります。
万引きや住居に忍び込んで物を盗んだ場合に成立する犯罪です。

どちらも犯罪であることに変りはありませんが、落とし物を持ち去るよりも、万引きや住居侵入窃盗などの方が悪質なので、窃盗罪の方が刑罰も重くなっているわけです。

~腕時計は誰の占有にもなかった~

今回の事件で、腕時計が誰かの占有に属していたのであれば、窃盗罪に問われていたはずです。
しかし占有離脱物横領罪に問われたということは、腕時計は誰の占有にもなかったと判断されたことになります。

報道からは詳しい事情まではわかりませんが、元警部補は現場となったマンションを検視で訪れています。
ということは、腕時計の持ち主がすでに死亡しており、持ち主の占有から離れてしまったのでしょう。

それでも同居人や、その部屋を管理している親族などがいれば、その人に占有が移ったことになり、窃盗罪に問われていたでしょう。
しかし今回はそういった事情もなく、腕時計を含めその部屋の中にある物が誰の占有にも属していなかった状態だったのだろうと思われます。

このような理由により窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪に問われたのでしょう。

物を落とした場合だけでなく、持ち主が死亡した場合にも、物の占有が人から離れたと解釈される可能性があるわけです。

~犯罪に問われたら弁護士に相談を~

あなたやご家族が隣人トラブルなどで何らかの犯罪を起こしたとして警察に逮捕されたり、取調べ受けているといった場合には、いつ釈放されるのか、どんな犯罪でどれくらいの刑罰を受けるのか、被害者との示談はどうしたらよいのかなど、わからないことが多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

福島県での万引きで逮捕【窃盗罪】

2020-03-23

福島県での万引きで逮捕【窃盗罪】

万引きをして窃盗罪逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
福島県福島市に住むAさん。
コンビニやスーパーなどで万引きを繰り返していました。
ある日、いつものように商品をカバンに入れ、会計をせずに店を出ようとしたAさん。
しかし店員に呼び止められ、
「お客さん、会計してないでしょ!?」
と言われてしまいました。
事務所に連れて行かれ、駆け付けた福島県福島警察署の警察官によって逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~窃盗罪が成立~

いつものように万引きをしようとしたAさん。
今回は店員に見つかり失敗に終わった上、逮捕されてしまいました。
失敗に終わってはいますが、窃盗未遂罪ではなく窃盗罪が成立することになるでしょう。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃取」(セッシュ)というなじみのない言葉が使われていますが、簡単に言うと、他人が占有している物を自分の占有下に移すことをいいます。

どの時点で自分の占有下に移ったと言えるかは状況によることになります。
たとえば、あまり大きくない商品であれば、カバンに入れてしまえば未会計の商品が入っていることはわかりませんから、そのまま持ち帰ることも容易です。
したがってカバンに入れた時点で自分の占有下に移ったとして、窃盗罪が成立してしまうでしょう。
その後に店員に声をかけられて失敗に終わったとしても、窃盗罪がすでに成立した後の事情にすぎません。

なお、理論的には、万引きしようとして商品を手に取った時点ですでに、商品の占有が店から犯人に移る危険が生じているため、窃盗未遂罪が成立するでしょう。

第243条
第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。

未遂にとどまれば、後述の検察官による起訴不起訴の判断裁判所の判決が軽くなる可能性があります。
しかし万引きの場合、あとで会計するつもりだったという言い逃れを許さないため、店を出たあたりで店員や万引きGメンが声をかけることが多いので、捕まった時点では窃盗罪が成立していることが多いです。

~刑事事件の手続きの流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件や示談が成立した事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

万引きの場合、たとえば初犯だと不起訴処分や罰金処分、2回目が執行猶予付きの懲役刑、3回目が実刑判決といったように、だんだんと重い結果となっていくことが多いです。

弁護士としては示談締結に向けて被害店舗と示談交渉する他、窃盗がやめられない依存症的な状態(クレプトマニア)になっているのであれば、専門的な治療を行っている病院を紹介し、更生に向けて動き出していることを主張するなどして、不起訴処分などの軽い結果を目指して弁護活動をしてまいります。

~弁護士にご相談ください~

あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合、今後の流れがわからずに不安だと思います。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談をご利用ください。
福島県の事件にも対応しておりますので、ご連絡をお待ちしております。

自販機に放火して窃盗未遂

2020-03-20

自販機に放火して窃盗未遂

仙台市内で少年2人が、自動販売機に火を付けて現金を盗もうとしたとして、窃盗未遂の容疑で書類送検される事件がありました。

自販機を燃やし 現金盗もうとした疑い…17歳の少年2人 書類送検〈仙台市・泉区〉
Yahoo!ニュース(仙台放送提供)

成立する犯罪などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~窃盗未遂罪~

少年2人は、自動販売機の中の現金を盗もうとして火を付けましたが、盗めずに終わったということで、窃盗未遂罪に問われています。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第243条
第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。

少年事件の場合はそもそも刑事手続きや処遇が成人事件と異なりますが、成人の場合は窃盗未遂罪も条文上は懲役10年にすることもできる重い犯罪です。

~放火にはならない?~

少年らは自動販売機に火を付けています。
状況によっては、建造物等以外放火罪という犯罪が成立する可能性もありました。
条文を見てみましょう。

第110条1項
①放火して②前二条に規定する物以外の物③焼損し④よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

実際の条文には①~④の数字は振られていませんが、建造物等以外放火罪が成立するためには、①から④の条件を満たす必要があります。
今回の事件では満たすのか検討してみます。

少年らは火を付ける行為をしたでしょうから、①放火してに該当するでしょう。
また、②前二条に規定する物以外の物とは、住居や建造物等以外の物のことを指すので、自動販売機も該当します。

しかし、③焼損とは、ある程度継続して火が燃え上がり続ける状態になることを言います。
たとえば今回、自動販売機に火を付けようとしたがそれほど燃上がらず、少し焦げたくらいで終わったのであれば、③焼損に該当しないでしょう。

また、④よって公共の危険を生じさせたとは、不特定または多数人の生命・身体・財産に対し脅威が及ぶ状態にしたことを言うとされています。
仮に今回、周りに燃え移るような建物や物がなく人もいなかったような場合や、ほとんど自動販売機が燃え上がらなかった場合には、このような脅威が生じたとはいえず、④よって公共の危険を生じさせたとは言えないことになるでしょう。

このような理由から、建造物等以外放火罪には問われていないものと思われます。

ただし、自動販売機が正常に使えない状態になっていれば、器物損壊罪は成立することになるでしょう。

第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

~弁護士にご相談ください~

少年事件の手続などについて、詳しくはこちらをご覧ください。

少年事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人・付添人】

今回の事件の少年らは逮捕まではされていないようです。
警察が一通りの捜査を終えて、捜査資料を検察に送る書類送検の段階にあります。
この後は、検察官も必要な取調べをした後、事件は家庭裁判所に送られ、少年の処遇が決められるということになります。

もしあなたのお子さんが犯罪をしたとして逮捕されたり、警察の取調べを受けたといった場合には、今後のお子さんの人生に関わるところですので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

セルフレジでの万引きで逮捕

2020-02-18

セルフレジでの万引きで逮捕

セルフレジで一部の商品の会計をせずに商品を持ち帰って逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県塩釜市に住む女性Aさん。
コンビニのセルフレジで万引きをしようと考えました。
カゴに入れた商品すべてのバーコードを読み取ったかのように装い、実は一部の商品のバーコードを読み取らずに買い物袋に入れ、そのまま店を後にしました。
売上金額と商品の数が合わないことから、店側と警察が防犯カメラを調べたところ、女性客が一部の商品のバーコードを読み取らせていない様子が写っていました。
さらなる捜査の結果、その女性客がAさんであることも判明。
Aさんは、宮城県塩釜警察署の警察官によって逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~セルフレジ万引き~

人手不足が叫ばれている昨今、セルフレジを導入する店が増えてきました。

そこで心配されるのが万引きの増加。
万引き対策として商品の重量を図り、バーコードを読み込んだ商品と袋に入れた商品が一致しているかチェックする機能を有するレジもあります。
しかし、こういった機能があるかないかに関わらず、店員がレジ対応をする場合よりも、その場では気づかれずに万引きする余地が増えているかもしれません。

とはいえ、犯行後に防犯カメラでセルフレジ利用者の不審な動きをチェックすることもできるので、店や警察に最後までバレずに万引きがしやすい状況になったとまでは言い切れないでしょう。
結局、窃盗罪で後日逮捕される可能性が十分考えられるわけです。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

~刑事事件の手続~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決執行猶予判決罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~軽い処分・判決と更生を目指して~

被害金額にもよりますが、一般的に万引き事件では、初犯だと警察による注意のみで終わる(微罪処分)、あるいは不起訴処分で終わり、再犯すると罰金刑、さらに再犯すると執行猶予の付いた懲役刑の判決、最後に実刑判決というように、だんだんと重い処分・判決がなされる傾向にあります。

いずれにしろ出来るだけ軽い処分や判決目指すには、被害店舗に謝罪・賠償して示談が締結できている、万引きがやめられない依存症のような状況(クレプトマニア)なのであれば治療をはじめた、といった事情があることが重要です。

弁護士は示談交渉を行ったり、クレプトマニアの治療を行っている病院を紹介するなどして、軽い処分・判決を目指すとともに更生に向けたお手伝いを致します。
ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料でご利用いただけます。

0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。

バスの無賃乗車で取調べ

2020-02-16

バスの無賃乗車で取調べ

バスの無賃乗車を繰り返し、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
バスに乗車した際、運転手に対し、
「財布を忘れてしまって…」
などとウソをつき、
「今度ちゃんと払ってくださいね」
などと言ってもらって、料金の支払いを免れる行為を繰り返していました。
同じ運転手に対し同じ手を使ったことから怪しまれるようになり、バス会社の中で情報共有がなされるように。
再びAさんが同じ手口を使おうとしたとき、運転手が気が付き、
「いつも払ってないよね?身分証見せてもらえる?」
と言いました。
「ついに見つかったか」
と観念したAさん。
素直に身分証を提示し、その日はバスを降ろされました。
後日、相談を受けた仙台中央警察署からAさんに電話があり、取調べのために警察署に来るよう言われました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~詐欺罪が成立~

バスで運転手をだまし、無賃乗車を繰り返していたAさん。
詐欺罪が成立することになるでしょう。
条文を見てみます。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

第1項が、物をだまし取った場合の規定で、第2項が人をだまして財産上の利益を得た場合の規定です。
今回は物をだまし取ったのではなく、運転手をだまして乗車料金を免れるという財産上不法の利益を得たパターンなので、2項が成立することになります。

罰則は10年以下の懲役なので、条文上は長期間の懲役の可能性もある立派な犯罪になってしまうわけです。

~今後の展開は?~

今回のように逮捕されずに捜査が進められる事件を在宅事件と言います。

在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べ現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決執行猶予判決罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~軽い結果を目指すには~

前述のように、条文上は長期間の懲役もありえます。
しかし、特殊詐欺などに比べると今回のような無賃乗車は被害金額も少ないでしょうし、前科の有無などにもよりますが、不起訴処分略式起訴で罰金に終わる可能性も十分考えられます。

ただ、軽い結果を目指すうえでは、バス会社に謝罪・弁償して示談することも重要となってきます
示談を締結できたか否かによって結果が変わってくることも多くあります。

しかしご自身やご家族では、相手に何と言って示談をお願いすればいいのか、示談金額をいくらにしたらよいのか、示談書の文言はどうしたらよいのかなど、わからないことも多いと思います。
また、警察の取調べではどんなことを聞かれるのかなど、不安も強いと思います。

そこでぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

恐喝で取調べ

2020-02-10

恐喝で取調べ

自動車事故の被害者が、加害者への恐喝の疑いで警察から取調べ受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県七ヶ浜町に住むAさん。
自動車を運転中に後ろから追突されました。
比較的軽くぶつかったということもあり、ケガはありませんでしたが、車両後部がへこんでしまいました。
いい機会だから、ふんだくってやろうと考えたAさん。
後日、実際に修理費を大きく上回る金銭を要求し、払わない場合はうちの若い者に取り立てに行かせるなどと言って、支払わせました。
相手が警察に相談したことから、塩釜警察署からAさんの下に連絡が入り、取調べ受けに来るよう言われました。
逮捕されないか心配になったAさんは、取調べの前に弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~被害者でも恐喝罪~

車をぶつけられたAさん。
修理費など実際に生じた損害について賠償請求する権利はあるわけですが、それを超える金銭を支払わせると、恐喝罪が成立する可能性があります。

条文を見てみましょう。

刑法第249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

仮に、ナイフを突きつけるなど、相手が全く抵抗できないような強い態様での脅迫や暴行をして物を奪った場合は強盗罪となります。
そこまでは至らないが、相手方が怖がるような脅迫や暴行をして、金銭や物などの財物を交付させると、この恐喝罪が成立するわけです。

たとえば、示談交渉の場で、単に適切な価格よりも高い金額を提示しただけでは、恐喝罪恐喝未遂罪成立しません。
しかし、今回のAさんのように、「うちの若い者に取り立てに行かせる」という発言は、Aさんの風貌や口調などその時の状況にもよりますが、手荒なことをされるのではないかという恐怖を感じさせることになるでしょう。

そうすると、この時点で恐喝未遂罪が成立する可能性がありますし、実際に金銭を受け取れば、恐喝罪が成立してしまう可能性が高いわけです。

~刑事手続きは?~

今回のように、被疑者を逮捕せずに捜査を進める事件を在宅事件と言います。

在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べや現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決執行猶予判決罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~逮捕の可能性も~

ここまでは在宅事件の手続きについて説明いたしましたが、取調べの結果、容疑が固まったとして逮捕される可能性も否定できません。

逮捕されると、最初に最大3日間警察署等に収容され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後は、起訴・不起訴の判断がなされるのは在宅事件の場合と同じです。

逮捕された場合に弁護士は、勾留を防いだり、保釈による釈放を目指しつつ、裁判に備えることなります。

釈放・保釈について詳しくはこちら

~軽い結果を目指すには~

今回の事例では、ある程度悪質な事案なので、不起訴処分を狙うのは難しいかもしれません。
それでも、出来るだけ軽い結果になるためには、相手に謝罪・弁償して示談するといったことが重要です。

しかし相手にとって、恐喝した本人と示談交渉をするのは心理的負担が大きく、スムーズに進まない可能性もあります。
仮に逮捕されていれば示談交渉はできません。
お困りの場合はぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

盗難自転車をもらい取調べ

2020-02-09

盗難自転車をもらい取調べ

盗難自転車であることを知らずに譲り受け、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県仙台市泉区に住むAさん。
知人から使わなくなった自転車をもらい、日常的に乗っていました。
ある日、無灯火運転が警察官に見つかり、停車させられました。
警察官が防犯登録ナンバーを調べたところ、盗難被害に遭った自転車であることが判明。
Aさんは、知人からもらったものだと答えましたが、改めて後日、泉警察署にて事情聴取を受けることになりました。
不安になったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~疑われている犯罪は?~

知人からもらった自転車が盗難品であることが判明したAさん。
Aさん自身が盗んだとして窃盗罪、あるいは盗難品であることを知って譲り受けたとして盗品無償譲受罪盗品有償譲受罪が成立しないか疑われていることになるでしょう。

まずは窃盗罪の条文を見てみます。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

Aさん自ら盗んだとなれば、この犯罪が成立することになります。

続いて、盗品無償譲受罪の条文を見てみます。

第256条1項
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。

盗品などを無料でもらった場合にはこの条文に該当することになります。

続いて、盗品有償譲受罪の条文を見てみましょう。

第256条2項
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

盗品をお金を払って買うなどした場合には、この犯罪が成立することになります。
タダでもらった場合(256条1項)よりお金を払って買った場合の方が刑罰が重いのは不思議な感じがするかもしれません。
これは、
①お金を払って買ってくれる人がいると、物を盗んで売りさばこうといったインセンティブが働いて犯罪を助長する
②窃盗犯人が転売利益を得ようと盗品を売りさばいて第三者の手に渡ってしまうと、被害者が物を取り戻すのが難しくなる
といった事態を防ぐという趣旨になります。

なお、自転車の無灯火運転5万円以下の罰金となるので要注意です(道路交通法52条1項、120条1項5号、同条2項)。

~盗品と知らなかった場合は無罪~

無灯火運転は自分で気付いていなくても5万円以下の罰金です。
しかし、盗品無償譲受罪盗品有償譲受罪は、盗品だと知らずに譲り受けた場合は、犯罪が成立しません

ただし、ひょっとすると盗品かもしれないと思っていた場合には、犯罪が成立します
未必の故意があると言われる状態です。

警察の取調べでは、盗品だと知っていたか、盗品かもしれないと思わなかったかといった点を追及される可能性があります。
知らなかったと答えても、自転車をもらった当時の状況からすると、知らなかったという弁解は通用しないのではないか、といった言われ方もされるかもしれません。

警察の取調べを受けるという経験がない、あるいは少ない人がほとんどでしょうから、うっかり罪を認めるような発言をしてしまう可能性もあります。
このようなことがないように、事前に弁護士から取調べを受ける際のアドバイスを受けておくのがよいでしょう。

また、盗品であると知っていた、あるいは盗品かもしれないと思っていた場合には、被害者に謝罪・賠償して示談を結ぶことによって、刑事裁判を受けず前科も付かずに終わる不起訴処分など、軽い結果で終わる可能性を上げることができます。
弁護士は示談締結に向けた弁護活動も行いますので、ぜひご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、万が一逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。

詐欺罪で取調べ

2020-02-07

詐欺罪で取調べ

詐欺事件に関わり、警察から取調べのために呼び出しを受けている場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県内に住む男性Aさん。
知人のBさんが特殊詐欺を行っている集団のメンバーであり、Aさんも加わらないかと持ち掛けられました。
金に困っていたAさんは承諾し、まずは被害者から現金を受け取る受け子や、被害者から振り込まれたお金をATMから下ろす出し子の役割を担うことになりました。
ある日、受け子としての仕事を振られ、宮城県大崎市内の指定された受取場所に行きましたが、被害者は現れませんでした。
後日、特殊詐欺のメンバーが逮捕されたとの情報がAさんに入りました。
マズいなと思っていたところ、Aさんの下に古川警察署から連絡が入り、
「君の知り合いのBさんの件で聞きたいことがある。警察まで来てくれるか」
と言われました。
自分も逮捕されるのではないかと不安になったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~詐欺未遂罪に問われる可能性が~

特殊詐欺とは、オレオレ詐欺や還付金詐欺、口座が不正利用されているといってキャッシュカードをだまし取る詐欺などの総称です。
この
特殊詐欺
の受け子や出し子を行おうとしていたAさんでしたが、警察に関与が発覚したようです。
一度も成功していない段階で発覚したことから、詐欺未遂罪に問われる可能性があるでしょう。

条文を確認してみます。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第250条
この章の罪の未遂は、罰する。

一般に特殊詐欺は、被害金額が大きくなりがちな上、すでに使ってしまっており弁償もできない状態であることが多く、刑事裁判は執行猶予が付かない懲役刑の判決(実刑判決)などの重い結果となることが多いです。
Aさんのような受け子や出し子は、詐欺グループの末端のメンバーにすぎず、しかもAさんは一度も詐欺に成功していませんが、それでも1~2年程度の実刑判決を出されてしまうことも覚悟しておいた方がいいでしょう。

~逮捕される?~

このように実刑判決が予想される犯罪ですので、Aさんもいきなり逮捕されていてもおかしくなかったと思います。
それでも任意の取調べに来るよう言われるにとどまった理由としては、詐欺グループの全容解明に時間がかかることが考慮された可能性があります。

すなわち、今回よりも軽い犯罪の場合は別ですが、犯罪をしたと疑われている被疑者を逮捕すると、最大で23日間の身柄拘束をした後に、刑事裁判にかける判断(起訴)をするという流れになります。
この間に必要な取調べなどの捜査を終える必要があるわけです。
しかし複雑な事件で、この期間内に捜査を終えることが難しいが当事者の取調べはしたい、という場合に、まずは逮捕せずに任意で警察署に来させて取調べをして、その後に逮捕するケースがあります。

捜査機関が時間稼ぎをするわけです。

もちろん、単に警察が、Aさんが関与したのかどうかよくわかっておらず、逮捕に踏み切れていないといったパターンもありえます。
いずれにしても、今後必要な捜査がなされた段階で、Aさんも逮捕されてしまう可能性は十分考えられます。
とはいえ、逃亡をしたところで見つかってしまい、かえって重い判決を受けてしまいますので、逃亡はしないようにしましょう。

なお、末端の人物にすぎないことや反省態度などから逃亡や証拠隠滅のおそれが少ないと判断されると、このまま逮捕されずに捜査や刑事裁判を受け、実刑判決が確定した時点で刑務所に入るという可能性もゼロではありません。

~弁護士にご相談を~

このように、特殊詐欺は重い結果が予想される犯罪です。
それだけにAさんのような犯罪をしたご本人はもちろん、そのご家族もとっても、やはり逮捕されるのか、どれくらいの刑罰を受けそうか、取調べにはどう対応したらよいのかなど、不安な点が多いと思います。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

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窃盗罪で取調べ

2020-02-05

窃盗罪で取調べ

窃盗事件を起こし、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県大和町に住むAさん。
スーパーで万引きをしようと、カバンに商品を入れ、店の出入り口を出ました。
しかし様子を見ていた店員から声をかけられ、事務所まで連れて行かれました。
大和警察署の警察官も到着し、一通り事情聴取を受け、
「また警察署に来てもらうから」
と言われて、その日は帰宅を許されました。
今後どうなってしまうのか不安になったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~窃盗罪が成立~

万引きをしようとしたAさん。
結局失敗に終わりましたが、窃盗未遂罪ではなく、通常の窃盗罪に問われることになるでしょう。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

この条文の中の「窃取」とは、簡単に言うと、他人の物を勝手に自分の占有に移すことを言います。
商品の大きさなどにもよりますが、カバンに入る小さめな商品であれば、カバンに入れた瞬間に、外から見て商品が入っているとわからなくなり、持ち出すことが容易になります。
したがってこの時点で、商品を勝手に自分の占有に移したとして、窃盗罪が成立してしまっているでしょう。

そうすると、店を出た時点で店員に声をかけられ、万引きが失敗に終わったとしても、すでに窃盗罪が成立しているのですから、窃盗未遂罪にはならないわけです。

~今後の捜査の流れは?~

この日は帰宅を許されたAさん。
警察官としてはその場で逮捕することも出来たわけですが、比較的軽い事件であるということで逮捕はせずに捜査を進めていくつもりでしょう。
このように逮捕せずに捜査を進める事件を在宅事件と言います。

在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べ現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決執行猶予判決罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~軽い結果を目指すには~

被害金額にもよりますが、一般的に万引き事件では、初犯だと警察による注意のみで終わる(微罪処分)、あるいは不起訴処分で終わり、再犯すると罰金刑、さらに再犯すると執行猶予の付いた懲役刑の判決、最後に実刑判決というように、だんだんと重い処分・判決がなされる傾向にあります。

前科の有無や回数については変えることはできません。
しかし、出来るだけ軽い処分や判決
目指すために事件後に出来ることとしては、被害店舗に謝罪・賠償して示談を締結する、万引きがやめられない依存症のような状況(クレプトマニア)なのであれば専門の病院で治療をはじめる、といったことが重要です。

このような事情の有無によって、不起訴処分になるかどうかといった結果が変わってくることもあります。
しかし示談は、何と言ってお願いしたらよいか、示談金はいくらにしたらよいか、示談書の文言はどうしたらよいかなど、わからない点が多いと思います。
そこでぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。

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