Archive for the ‘刑事事件’ Category
背任罪における刑事弁護
背任事件が起きた場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県本吉郡在住で信用組合の理事をしているAさんは、友人が経営する会社に対し、十分な担保を取らないまま、貸付限度額を超えた高額の融資を行いました。
その後、融資先の会社は経営状況が悪化してしまい、十分な担保が設定されていないこともあり、融資額の回収は困難になってしまいました。
不適切な融資が発覚して組合から被害届が出されたことで、Aさんは南三陸警察署に連行され、背任罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(実際に報道された事例を基にしています)
【背任罪の法定刑と成立要件】
上記の刑事事件例で、Aさんは背任罪の容疑で逮捕されています。
背任罪については、刑法247条にて定められています。
刑法 第247条
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
他人のためにその事務を処理する者とは、一定の信任関係に基づき、他人の事務をその他人のために処理する者を指します。
背任罪の成立には、自己若しくは第三者の利益を図る目的または、本人に損害を加える目的(図利加害目的)も必要です。
もっぱら本人の利益を図る目的であった場合は、財産上の損害が生じても背任罪は成立しません。
本人の利益を図る目的と図利加害目的が併存する場合は、図利加害目的が主たる目的と判断された場合に、背任罪が成立します。
任務に背く行為について、判例は、代理権濫用の法律行為に限定されず、事実行為も含めて信任関係を害する行為を含むと解釈しています。
事件例のAさんは、信用組合の理事という他人のためにその事務を処理する者にあたります。
友人が経営する会社に対し、条件を満たさない融資を行っているため、もっぱら第三者の利益を図る目的も認められます。
適切な担保の設定や貸付限度額の遵守といった、組合の利益を図るために理事として求められる手続を踏んでいないため、任務に背く行為が認められ、融資額の回収困難という財産上の損害をもたらしています。
【背任罪と関連する犯罪】
取締役や執行役など、特に権限のある者が背任に及んだ場合、より法定刑が重い特別背任罪が適用されます。
特別背任罪は刑法ではなく、会社法の960条1項に規定があります。
(取締役等の特別背任罪)
会社法 960条1項
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
次に掲げる者には取締役や執行役、支配人などが列挙されています。
なお、横領罪(刑法252条)も信任関係に背く財産犯であることなど、背任罪との共通点がありますが、財産上の利益に対しては背任罪しか成立しない、といった相違点もあります。
成立しうる犯罪が横領罪なのか背任罪なのかといった区分を正確に行うのは困難であるため、犯罪となってしまう疑いがある場合は、速やかに弁護士に相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門的に扱う法律事務所であり、背任事件をはじめとする刑事事件の経験が豊富な弁護士が対応いたします。
背任事件などの刑事事件でお困りの方、及び家族が逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に、是非ご連絡ください。
キャッシュカードの不正利用【電子計算機使用詐欺罪】
電子計算機使用詐欺事件を起こしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
【刑事事件例】
宮城県大崎市に住んでいる会社員のAさんは、自宅の周辺に落ちていた財布を拾いました。
財布にはキャッシュカードとそのパスワードのメモが入っていたため、Aさんは銀行のATMを使い、自身の口座に送金を行いました。
後日、財布の持ち主であるVさんが口座の残高が減っていることに気付き、古川警察署に被害届を出しました。
古川警察署の捜査によって身元が割れたAさんは、電子計算機使用詐欺罪の疑いで逮捕されました。
(この刑事事件例はフィクションです。)
【電子計算機使用詐欺罪の成立】
刑事事件例のAさんは電子計算機使用詐欺罪の疑いで逮捕されています。
※刑事事件例の場合、Aさんは遺失物等横領罪(刑法254条)も適用されますが、ここでは割愛しています。
電子計算機使用詐欺罪は刑法246条の2で定められています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
前条とは刑法246条の詐欺罪を指しています。
第246条(詐欺)
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪は人を欺く場合に適用されるので人以外には適用されません。
そのため計算や演算などを電気信号を用いて電子回路、記憶素子などで処理する機械である、コンピューターなどの電子機器を使った詐欺には電子計算機使用詐欺罪が適用されます。
電磁的記録とは記録の作出や変更が直接に財産権の得喪や変更を生じさせるようなものを指し、虚偽の情報とは真実に反する情報のことです。
刑事事件例のAさんは、拾った財布の中に入っていたキャッシュカードを警察に届け出ずにATMに使用し、自身をVさんと偽って送金を行っているので、Aさんは電子計算機使用詐欺罪が成立します。
【電子計算機使用詐欺罪の弁護活動】
電子計算機使用詐欺罪の法定刑は、懲役刑のみが定められています。
そのため、初犯であったとしても検察官に起訴されてしまうと、必ず刑事裁判を受けることになり、実刑判決が下されれば刑務所に服役することになります。
そういった事態を避けるためには不起訴処分を獲得する、起訴されてしまったとしても執行猶予を勝ち取って実刑を回避する必要があります。
上記の刑事事件例のような被害者がいる事件では、被害額の弁償をはじめとする示談交渉を進めることが重要です。
示談を速やかに締結するためには、刑事事件に精通した経験豊富な弁護士に依頼することが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門的に扱う法律事務所です。
宮城県内で電子計算機使用詐欺事件などの刑事事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部をご相談ください。
ご家族が逮捕されてお困りの場合は、弁護士が逮捕されているご本人のもとまで面会に向かう初回接見サービスも実施しています。
初回接見サービスや無料相談の申し込みは24時間体制で相談を受け付けておりますので、まずは弊所までご連絡ください。
無賃乗車を行い詐欺罪で逮捕
無賃乗車を起こしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県刈田郡に住んでいる無職のAさんは、仙台方面に移動するつもりでタクシーに乗りました。
もっとも、Aさんは所持金がほとんどない状態でした。
目的地に到着し、タクシーの運転手はAさんにタクシー代を請求しましたが、Aさんはその分のお金を持っていなかったためタクシー代を払えませんでした。
タクシーの運転手がその場で警察に通報したため、Aさんは仙台中央警察署から駆け付けた警察官に、詐欺罪の疑いで逮捕されました。
(報道された事件の一部事実を改変しています)
【詐欺罪の成立】
上記の刑事事件例で、Aさんは詐欺罪の疑いで逮捕されています。
詐欺罪について刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と定めています。
また、刑法246条2項では「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められています。
刑法 第246条
第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
刑法246条2項に該当する場合は、特に2項詐欺と呼ばれます。
財物とは有体物のことであり、財産上の利益は財物を除いた全ての財産を指し、財産的情報や企業秘密などがこれにあたります。
ここでいう欺くとは人に錯誤(思い違い・勘違い)を生じさせる行為のことです。
刑事事件例でAさんはタクシーの運転手に行き先を告げることで、代金を支払う意思と資力があると欺き、錯誤が生じた状態のタクシー運転手が目的地に向かっているため2項詐欺が成立します。
【詐欺罪の弁護】
警察官は被疑者を逮捕した場合、被疑者を釈放するか検察官に送致するかを48時間以内に決定します。
そして警察官から被疑者の送致を受けた検察官は、同じく被疑者を釈放するか裁判官への勾留を申請するかを24時間以内に決定します。
さらに裁判官が勾留を決定すると、留置所で10日間身体を拘束されることになります。
勾留は検察官が請求することにより、追加で更に最大10日間身体拘束を延長することが可能となっています。
このように、逮捕・勾留されてしまうと最大で23日間も身体拘束が続くことになり、外部との連絡も制限され連日の取調べにより多大な精神的苦痛も被ることになります。
そうならないためにも、早期に刑事事件の経験と実績が豊富な弁護士に依頼し、1日でも早い釈放を求める身柄解放の活動が重要になります。
勾留やその延長が決定するまでの期間が限られているため、釈放を求めるための書面や身元引受人の準備など、弁護士を通じて速やかに対応することが求められます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無賃乗車をはじめとする詐欺事件など、多種多様な刑事事件の経験豊富な弁護士による速やかな対応が可能です。
詐欺事件によりご家族が逮捕されてお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスも実施しております。
申込、お問い合わせはフリーダイヤル0120-631-881で24時間対応しております。
喫煙トラブルによる暴力犯罪
喫煙トラブルから暴行罪や傷害罪などの暴力犯罪になってしまった場合の刑事手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
【刑事事件の例】
宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは近所にある誰もいない公園で煙草を吸っていました。
そこに偶然通りかかったVさんが「公園で煙草を吸うのはやめてほしい」と注意をしました。
Aさんは注意をされたことに怒り、Vさんに殴るなどの暴行を加えました。
その後、近隣の住民が通報したことでAさんは暴行罪の疑いで若柳警察署に連行され、取調べを受けることになりました。
(報道された事例を一部、個人情報等の関係から修正した事例です)
【暴力犯罪の取り扱い】
上記の刑事事件例でAさんは暴行罪の疑いで捜査を受けることになりました。
暴行罪について、刑法208条は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定めています。
刑法 第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪における暴行とは、人または物に対する有形力(物理力)の行使を言います。
また、傷害とは、人の生理的機能に障害を与えることと、健康状態を不良にすることを指します。
暴行を加えられた相手が怪我をしてしまった場合は傷害罪に問われる可能性もあります。
傷害罪について、刑法204条は「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定めています。
刑法 第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
刑事事件例でのAさんはVさんに殴るなどの暴行を加えているため、暴行罪が成立します。
ですが、VさんがAさんの暴行によって怪我をしていればより重い罪である傷害罪に問われる可能性もあります。
実際に、当初は暴行罪で捜査されていた事件が後に傷害事件に切り替わることもあります。
【暴行事件の刑事弁護】
このような暴力行為による刑事事件の場合に不起訴処分を勝ち取るためには、被害者との示談の締結が重要になります。
なぜなら検察官が処分を決めるにあたって、被害者の処罰感情は重要な事情として扱われるからです。
ただし、被害者に対しての示談金の提示や具体的な示談条件の設定などを行うには、専門的な知識が不可欠です。
被害者との早期かつ確実な示談締結のためには、刑事事件の知識と経験が豊富な弁護士に依頼することが望ましいです。
刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、示談交渉にあたっての要点をはじめとして、弁護士が懇切丁寧にご説明いたします。
初回の相談は無料で行っておりますので、暴行罪や傷害罪などの刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に是非ご相談ください。
落とし物を拾って占有離脱物横領罪に。弁護士による早期の対応
占有離脱物横領事件を起こしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
【刑事事件例】
宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは、仕事終わりの帰宅途中に道に落ちているバッグを見つけました。
Aさんはバッグを拾いましたが交番には向かわず、中にあった財布から現金を引き抜き、バッグは途中で捨ててしまいました。
数週間後、付近の防犯カメラ映像が証拠となり、Aさんは占有離脱物横領罪の疑いで、築館警察署に取調べのため呼ばれることになりました。
(報道された事例を一部、個人情報等の関係から修正した事例です)
【占有離脱物横領罪の成立と窃盗罪との相違点】
上記の刑事事件例で、Aさんは占有離脱物横領罪の容疑で捜査を受けることになりました。
占有離脱物横領罪は、遺失物等横領罪とも呼ばれます。
刑法254条では「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定められています。
刑法 第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
遺失物はいわゆる落とし物のことで、持ち主の意思によらずに占有を離れ、誰の占有にも属さない物を指します。
漂流物はそれらの中でも特に水面、または水中に存在する物を表します。
いずれも占有を離れた他人の物の一例となります。
横領とは不法領得の意思をもって占有離脱物を自己の事実上の支配下に置くことを指します。
同じ財産犯である窃盗罪(刑法235条)とは、領得した物に占有が及んでいるかどうかで区別がされます。
占有が及んでいれば占有離脱物横領罪ではなく窃盗罪が成立します。
例えば、ホテルにスマートフォンが置き忘れてあった場合、ホテルの側に排他的支配性が認められると考えることができるため、これを領得すれば占有離脱物横領罪ではなく窃盗罪が成立します。
刑事事件例でのAさんは、路上に置き忘れて所有者の占有が及ばなくなったバッグを拾っています。
その後、警察に届け出ることなく、中にあった現金を自分の物にしようとしたため、Aさんには占有離脱物横領罪が成立します。
【占有離脱物横領罪の弁護活動】
先ほども確認したとおり、占有離脱物横領罪の法定刑は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。」とされており、窃盗罪(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)などと比較すると、軽い部類にはなります。
そのため、刑事事件例のAさんのように、いきなり逮捕まではされず、まずは任意で取調べに呼ばれることもあります。
もっとも、たとえ逮捕されなくても、流れに任せているだけでは、いずれ検察官によって処分を受けるリスクがあります。
Aさんの場合、バッグの中にあった現金を盗ってしまって、いまだ弁償できていないため、不起訴処分にならず、前科がついてしまう可能性も否定できません。
検察官による処分を軽くするためには、例えばバッグの落とし主である被害者と示談をすることが考えられますが、弁護士がついていない場合、警察官や検察官から落とし主の連絡先を教えてもらえず、示談ができないおそれがあります。
そのため、たとえ逮捕がされなかったとしても、早い段階で弁護士に相談を行い、示談対応などの依頼を行うことが重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、占有離脱物横領罪をはじめとして、様々な刑事事件を専門的に扱う弁護士事務所です。
落とし物を拾って刑事事件となってしまいお困りの方は、是非ともあいち刑事事件総合法律事務所の無料相談をご利用ください。
相談予約は24時間体制で受付けておりますので、お悩みの場合はまずは弊所までご連絡ください。
業務上横領罪での逮捕と弁護活動
横領事件が起きた場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
【刑事事件例】
宮城県仙台市に住んでいる駅員のAさんは、乗客の落とし物を管理する職務に従事していました。
Aさんは財布などの落とし物から、現金を抜き取る行為を繰り返し行っていました。
しかし、犯行を同僚に目撃されたことが原因で、Aさんは仙台中央警察署に連行され、業務上横領罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(この刑事事件例はすべてフィクションです)
【業務上横領罪とは】
上記の刑事事件例で、Aさんは業務上横領罪の容疑で逮捕されています。
業務上横領罪は刑法253条に記載があり、「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。」と定められています。
刑法 第253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
ここでいう業務とは、社会生活上の地位に基づき、反復継続して行う事務のことを指します。
この業務は他人の物を保管することを内容とするもので、法令や契約だけでなく慣例も含まれています。
横領罪における占有とは物に対する事実的支配に加えて、法的支配関係も含まれます。
自己の占有する他人の物における占有は委託信任関係に基づくものでなくてはいけません。
事件例でAさんは、業務として管理を任されている遺失物から現金を盗み取っているため、業務上横領罪が成立します。
【業務上横領罪の刑罰と弁護】
業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役となっており、横領した金額が多いほど言い渡される刑罰も厳しくなっていきます。
金額次第では初犯であっても実刑判決が下されることも考えられます。
懲役が3年を超えてしまうと刑法25条1項柱書の規定により執行猶予を付けることもできなくなってしまいます。
横領は被害者がいる事件であるため、被害額の弁償をはじめとする示談交渉を進めることが重要です。
とりわけ業務上横領事件では、犯行期間が相応に長くなり、弁償の範囲などを定めるにあたり示談交渉が紛糾することも多々あります。
そのため、刑事事件に詳しい専門の弁護士に示談交渉や示談書の作成を依頼することが紛争の解決に繋がります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱っている法律事務所であり、業務上横領事件を取り扱った多くの経験があります。
無料法律相談のご予約はフリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
宮城県の業務上横領事件などの刑事事件でお困りの方、もしくは家族が逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部を是非ご利用ください。
空き巣で逮捕、住居侵入罪と窃盗罪の弁護活動
空き巣事件が起きた場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県名取市在住の会社員であるAさんは、近所に住んでいるVさんの自宅の窓が開いたままになっているところを見かけました。
Aさんはそのまま開いた窓からVさんの自宅に侵入し、室内にあった現金数十万円を盗んでしまいました。
目撃者はいませんでしたが、防犯カメラにAさんの犯行が映っていたため、後日Aさんは岩沼警察署に住居侵入罪と窃盗罪の容疑で逮捕されてしましました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの家族は、刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所に、初回接見の依頼を行いました。
(この刑事事件例はフィクションです。)
【空き巣を行った場合の刑事責任】
刑事事件例のAさんは住居侵入罪と窃盗罪の疑いで逮捕されています。
窃盗罪については刑法235条に、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取とは、他人が占有する財物の占有を、占有者の意思に反して侵害し、自己または第三者の占有に移すことです。
占有とは財物に対する事実上の支配を指します。
住居侵入罪については刑法130条の前段に、正当な理由がないのに、人の住居に侵入した者は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。と定められています。
侵入とは、居住者や管理者の意思に反して人の住居等に立ち入ることを指します。
刑事事件例でAさんは、Vさんの住居に許可なく侵入し、Vさんの財物である現金を盗んでいるため、住居侵入罪と窃盗罪が成立します。
いわゆる空き巣事件の場合、住居侵入罪と窃盗罪に問われる可能性が高いです。
盗撮するために住居に侵入した、又は住居に侵入した際に窃盗も行ったなどの、2個以上の犯罪行為の間に、一方が他方の手段であるか、他方が一方の結果であるという関係が存在する場合を、牽連犯(けんれんはん)と言います。
刑事事件例のAさんのようにいわゆる空き巣事件を起こした場合は、住居侵入罪と窃盗罪の牽連犯と言えます。
牽連犯の処罰は、それぞれの犯罪行為のうち、刑罰がより重い方の法定刑が適用されます。
上記の刑事事件例の場合、住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっていますが、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金なので、この刑事事件例では10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が適用されることになります。
【速やかな弁護活動の必要性】
いわゆる空き巣事件は逮捕される可能性が高いといえます。
そのため逮捕を防ぐためには、速やかに弁護士に相談することが重要です。
逮捕されてしまった場合でも、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことなどを主張することで、早期の釈放を目指すことができます。
また、弁護士を通すことで被害者に対する弁償や謝罪などの速やかな示談交渉も可能になってきます。
早期の示談が締結されれば、不起訴処分となる可能性も高まります。
窃盗罪や住居侵入罪などでご家族が逮捕されてお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスのご利用をご検討ください。
万引きによる逮捕と弁護士による示談
窃盗罪の中でも件数が多い、万引き事件が起きた場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県柴田郡に住む飲食店勤務の男性Aさんは、大河原町にあるコンビニエンスストアで菓子パン等数点を万引きしてしまいました。
Aさんは商品をレジに通さず店の外へ出ようとしたところ、万引きを目撃していた従業員に声をかけられました。
従業員は警察への通報を行い、Aさんは大河原警察署の警察官に、窃盗罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんが万引きをしたのは今回が初めてではなく、以前にも万引きをして警察に発覚し、罰金処分を受けたことがありました。
(実際に報道された事件の事実関係の一部を変更しています。)
【窃盗罪での逮捕】
上記の刑事事件例で、Aさんは窃盗罪で逮捕されています。
刑法235条は窃盗罪について、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定めています。
窃取とは、他人が占有する財物の占有を、占有者の意思に反して侵害し、自己または第三者の占有に移すことを指します。占有とは、財物に対する事実上の支配を指します。
【窃盗罪での刑事処分】
事例でのAさんは、以前にも万引き事件を起こして罰金処分を受けています。
統計上、万引きは窃盗罪の中でも再犯率が高い傾向にあります。
万引きを繰り返した場合、刑事処分もそれに比例して重くなっていきます。
刑法235条は、窃盗罪の法定刑として10年以下の懲役と50万円以下の罰金を定めているため、罰金処分で済むこともあれば、刑事裁判となって懲役刑が言い渡されることもあり得ます。
Aさんのように、過去にも罰金処分を受けている場合、処分を決める権限を持つ検察官から、反省がないと見られて、より重い処分が言い渡される可能性が高くなります。
具体的には、罰金処分では済まずに、法廷で裁判を受けることになる、正式裁判となるおそれがあります。
執行猶予がつけば刑務所に行くことはありませんが、実刑判決が言い渡されてしまうと、刑務所に服役することになります。
再犯率が高い万引き事件は、繰り返し行うことで、実刑判決となるおそれも強くなっていきます。
刑事処分を軽くし、実刑判決や正式裁判を回避するためには、被害に遭った店舗への弁償や示談が欠かせません。
もっとも、Aさんのように逮捕されてしまえば、直接お店に弁償しに行くことはできませんし、幸いにして逮捕されなかった場合でも、刑事処分が決まるまでは、現場となった店舗に立ち寄らないようにと、警察官から警告されることもあります。
そのため、万引き事件で刑事処分を軽くするためには、速やかに弁護士に依頼をし、お店との示談を進めていく必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う弁護士が、示談交渉をはじめとする弁護対応を行います。
万引きをはじめとする、窃盗罪による逮捕や刑事処分についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。
万引きによる逮捕と窃盗罪での弁護
窃盗事件の中でも特に件数が多い、万引き事件が起きた場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県角田市在住の会社員Aさんは、近所のスーパーで惣菜など数点をエコバッグに詰めて、万引きをしてしまいました。
しかし、店内の私服警備員に見つかり、Aさんは店の外に出た時点で声をかけられ、万引きをしたことが発覚しました。Aさんは店の通報によって駆けつけた角田警察署の警察官により、窃盗罪で現行犯逮捕されました。
警察からの連絡でAさんが逮捕されたことを知ったAさんの家族は、刑事事件を専門的に扱っている弁護士事務所に、初回接見の依頼を行いました。
(報道された事件を基にした事例です)
【窃盗罪の成立要件】
上記の刑事事件例で、Aさんは窃盗罪で逮捕されています。
窃盗罪について、刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定めています。
窃取とは、他人が占有する財物の占有を、占有者の意思に反して侵害し、自己または第三者の占有に移すことを指します。占有とは、財物に対する事実上の支配を指します。
事例では、Aさんは販売商品としてスーパーが事実上の支配をしている惣菜などを、代金を払わないという、店の意思に反した形でエコバッグに詰めることで、自分の事実上の支配下に移しているため、窃盗罪が成立します。
【窃盗罪で逮捕された場合】
事例でのAさんは、万引きの直後に私服警備員に声をかけられ、通報によって臨場した警察官に現行犯(刑事訴訟法212条1項)として逮捕されています(刑事訴訟法213条)。
被疑者(罪を犯した疑いのある人)を逮捕した警察官は、直ちに被疑者を釈放するか、48時間以内に検察官に送致するかを決めます(刑事訴訟法216条、同法203条1項)。
警察官から被疑者の送致を受けた検察官は、被疑者の釈放をするか、24時間以内に裁判官へ勾留の請求をするかを決定します(刑事訴訟法216条、同法205条1項)。
勾留とは逮捕に引き続き身体を拘束する手続です。
検察官が勾留の請求を行い、裁判官が勾留を決定すると、留置所で10日間の身体拘束がされます(刑事訴訟法216条、同法208条1項)。
勾留はさらに10日間の延長ができるため(同法208条2項)、逮捕から数えると最大で23日間も身体拘束がされることになります。
このように、逮捕・勾留と刑事手続が進んでしまうと、留置所での身体拘束の期間がどんどん長くなってしまいます。
そうならないようにするためには、刑事事件の経験・実績が豊富な弁護士に依頼をし、検察官や裁判官に対して、勾留を行わないように働きかけることが大切になってきます。
もちろん、ただ働きかけるだけではだめなので、身元引受人を準備したり、早期の釈放が必要な事情を書面にして提出したりすることが必要です。
検察官や裁判官が勾留を決定するまでの時間は限られているので、速やかに弁護士を通じた対応を図ることが不可欠です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接赴く、初回接見サービスを実施しています。
刑事事件を専門的の取り扱う弁護士が早期に対応することで、長期間の身体拘束につながる勾留を回避できる余地も生まれてきます。初回接見サービスのお申し込みは24時間体制で受け付けておりますので、窃盗罪でご家族が逮捕されてお困りの方は、まずは弊所までご連絡ください。
強制性交等罪で逮捕された場合の弁護活動
強制性交等罪の疑いで逮捕された場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県亘理郡に住む20代の会社員の男性Aさんは、駐車場に車を停め、知人である20代の女性Vさんを呼び出しました。
Vさんが駐車場に到着すると、AさんはVさんを車内に連れ込み、右腕を掴んで身体を押さえつけて、無理やり性交に及びました。
後日、Vさんが亘理警察署に被害届を出し、Aさんは強制性交等罪の疑いで逮捕されました。
(実際に報道された事件の事実関係の一部を変更しています。)
【強制性交等罪で逮捕】
上記の刑事事件例で、Aさんは強制性交等罪で逮捕されています。
強制性交等罪については、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。」と刑法177条で定められています。
強制性交等罪に問われた場合の刑罰は懲役刑のみとされているため、検察官が起訴処分を選択した場合は、刑事裁判になってしまいます。
刑法177条に記載されている暴行と脅迫とは、相手の抵抗を著しく困難にする程度の行為を指します。
刑事事件例のAさんは、Vさんの身体を押さえつけて無理やり性交に及んでいるため、相手の抵抗を著しく困難にする程度の暴行があったとして、強制性交等罪に問われる可能性があります。
【強制性交等罪で逮捕された場合の弁護活動】
上記のように、強制性交等罪の法定刑は、懲役刑しか定められていません。
そのため、初犯であったとしても、強制性交等罪で検察官に起訴されてしまうと、必ず刑事裁判を受けることになります。
刑事裁判で実刑判決が下されれば、刑務所に行くことになります。
刑事裁判で刑の全部の執行猶予を受けた場合は、刑務所に行くことはありません。しかし、執行猶予について定める刑法25条1項柱書では、執行猶予をつける条件の一つとして、3年以下の懲役の言い渡しであることが要求されています。
刑法 第25条
次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
強制性交等罪では、法定刑が5年以上の有期懲役と定められているため、刑の減軽がなければ、そもそも執行猶予がつけられず、実刑判決が言い渡されてしまいます。
このように、法定刑が重く定められている強制性交等罪に問われた場合、ひとたび検察官に起訴されてしまうと、実刑判決が言い渡されて刑務所に服役する可能性が高くなります。
執行猶予を得て実刑判決を回避する、そもそも起訴されないように不起訴処分を獲得するには、被害者との間で示談を締結するといったことが必要になります。
それゆえ、強制性交等罪で逮捕された場合、強い処罰感情を抱いている可能性が高い被害者との間で速やかに示談を締結するためにも、強制性交等罪をはじめとする刑事事件に精通し、示談交渉の経験も豊富な弁護士に依頼をすることが重要になります。
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