Archive for the ‘刑事事件’ Category

【事例解説】ストーカー行為をして警告を受けるも、形を変えてストーカーを続けたためストーカー規制法違反

2024-12-25

【事例解説】ストーカー行為をして警告を受けるも、形を変えてストーカーを続けたためストーカー規制法違反

ストーカー規制法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県本吉郡に住んでいる会社員のAさんは、帰り道でいつも同じ時間、場所で見かけるVさんに魅かれていました。
AさんはVさんの後をつけて、自宅や勤め先を把握するなどしていました。
ある日、AさんがVさんの自宅付近に行こうとしたした際、警察官に声をかけられました。
そしてAさんはストーカー行為をやめるように警告を受けました。
警告を受けてAさんは自宅や職場に行くことはやめましたが、いつもの場所でAさんが通りかかるの待つようになりました。
その後、Vさんが再度Aさんのことを相談したため、警察官はAさんをストーカー規制法違反の容疑で南三陸警察署に呼び出しました。
(この参考事件はフィクションです。)

ストーカー規制法

ストーカー規制法は、正式名称をストーカー行為等の規制等に関する法律と言います。
この法律では同一の者に対して「つきまとい等」又は「位置情報無承諾取得等」を反復して行うことをストーカー行為としており、ストーカー行為をした者には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せられます。
つきまとい等」とは、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」て、特定の行為を行うことです。
この特定の行動はストーカー規制法第2条第8項まで定められており、その第1項には「つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。」があります。
Aさんはこの第1項に該当する行為を恋愛感情からVさんにしたため、ストーカー行為をしたことになります。
そしてAさんは警察から警告を受けましたが、ストーカー規制法では、ストーカー行為をした者がストーカーを続ける可能性がある場合、警告や禁止令を出すことができるとしているため、この警告はただの忠告というわけではありません。
しかしこの警告を受けたAさんは、形を変えてストーカー行為を続けたため、警察署に呼び出されてしまいました。

事情聴取

Aさんは警察署に呼び出されたため、警察署で事情聴取を受けることになります。
事情聴取では事件に関することを聞かれることになりますが、ここで話した内容は全て供述調書にまとめられます。
供述調書はその後の捜査にも影響する重大なものであるため、事情聴取での発言は慎重に行う必要があります。
しかし、多くの人は刑事事件に不慣れであるため、適切と言える対応をとることはまずできません。
警察から事情聴取を受けるために呼び出されている場合は、事前に適切な対応を知っておくことが大切です。
そのため事情聴取の前に法律事務所に相談し、弁護士からアドバイスを受けることをお勧めします。

ストーカー規制法違反に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では初回の法律相談を、無料で実施しております。
逮捕されてしまった方には、留置施設まで弁護士が直接赴く初回接見サービスをご提供しています。
どちらも24時間対応可能で、フリーダイヤル「0120-631-881」にてご予約を受け付けております。
ストーカー規制法違反になってしまった方、ストーカー規制法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】家族がいる自宅に火を付けて現住建造物等放火罪、重大な犯罪で開かれる裁判員裁判

2024-12-04

【事例解説】家族がいる自宅に火を付けて現住建造物等放火罪、重大な犯罪で開かれる裁判員裁判

現住建造物等放火罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県富谷市に住んでいる大学生のAさんは、同じ家で暮らすお兄さんと喧嘩をしていました。
怒ったAさんはお兄さんが持っていた本に火を付けました。
すると炎はカーテンに燃え移り、壁にも延焼して燃え続けました。
炎に気付いたAさんの家族は消防車を呼び、その後しばらくして消化されました。
そしてAさんが火を付けたことが分かると、大和警察署の警察官はAさんを現住建造物等放火罪の疑いで逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

放火事件

放火事件は重大な犯罪で、特に現住建造物等放火罪刑法に定められた他の放火の罪よりも刑罰が重く、裁判員裁判が開かれるものになっています。
刑法第108条に「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」とあり、これが現住建造物等放火罪の条文です。
ここで言う「住居」とは、人が起臥寝食の場所として使用している、日常生活を営むための建物を意味しています。
建造物(屋根があり、壁や柱に支持され、土地に固定された家屋やその他建築物)」に放火を行った場合、放火した人物以外の人が建物内にいると現住建造物等放火罪が成立します。
しかし、条文には「現に人が住居に使用し」とあるため、住居の場合は話が変わります。
住居に対して放火する場合、住居として使用されている場所であれば現に人がいなくとも、現住建造物等放火罪となります。
焼損」とは、火が建造物に燃え移り、火が独立して燃焼を継続している状態を意味します。
そのためAさんのように本に火を付けても、住居に燃え移らなかった場合は現住建造物等放火罪にはなりません(建造物等以外放火罪が成立する可能性はあります)。
参考事件の場合、Aさんは家族と住んでいる住居で本に放火したことが原因で、火が燃え移り住居の壁を焼損させているので、現住建造物等放火罪が適用されました。

裁判員裁判対象事件

裁判員裁判が開かれる事件の条件の1つには、「死刑若しくは無期の懲役又は禁錮に当たる罪」があります。
そのため現住建造物等放火罪では裁判員裁判が開かれます。
裁判員裁判は無作為に選ばれた国民が裁判員となって、裁判官と一緒に裁判に参加します。
法律に詳しくない人も参加するため、通常の裁判とは異なる形式がとられます。
裁判前に事件の争点を明確にする公判前整理手続をとったり、公平な裁判にするため裁判員候補者の選任手続きに弁護士が立ち会ったりします。
このような通常の裁判では行わない、裁判員裁判の時だけ行われる手続きも多いため、裁判員裁判の際には、裁判員裁判制度に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することがお勧めです。

裁判員裁判に強い法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件、少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所は初回であれば無料でご利用いただける法律相談や、逮捕、勾留された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
どちらのご予約も、24時間365日受け付けております。
放火事件の当事者となってしまった方、ご家族が現住建造物等放火罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】護身用で包丁を持ち運んでいたため銃刀法違反、包丁を持ち歩く「正当な理由」とは

2024-10-04

【事例解説】護身用で包丁を持ち運んでいたため銃刀法違反、包丁を持ち歩く「正当な理由」とは

銃刀法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる会社員のAさんは、同じ会社に勤めるVさんと喧嘩をしました。
その際にVさんから「夜道には気を付けろよ」と言われ、Vさんに襲われるかもしれないと不安になりました。
それからAさんは夜道を歩く際は包丁を持ち歩いていました。
ある日Aさんが警察官から職務質問を受け、持ち物をチェックされました。
そして警察官から刃渡り7センチメートルほどの包丁を持っていた理由を聞かれ、事情を話しました。
警察官にそれは違法だと伝えられ、Aさんは銃刀法違反の疑いで仙台中央警察署に連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

銃刀法

一般的に銃刀法と呼ばれるこの法律は、正式名称を「銃砲刀剣類所持等取締法」と言います。
包丁を持っていたAさんに適用されたのは銃刀法第22条の「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と定められた条文です。
携帯」とは、自宅以外の場所で刃物を持ち歩くことで、刃物を車の荷台に入れて運転しても携帯したことになります。
業務その他正当な理由による場合を除いて」とあるため、料理人など仕事で刃物を扱う人は取り締まりの対象ではありません。
正当な理由」については、購入した包丁を持ち帰る、キャンプなどで料理をするために持って行くなどが認められます。
ただし、キャンプまたは購入した帰りに包丁を車などに忘れて、その後車で移動した場合は正当な理由がない状態で携帯したことになり、銃刀法違反になります。
そして意外に思う人もいるかもしれませんが、護身用で持ち歩くことは「正当な理由」になりません。
したがって包丁を護身用として持ち歩いていたAさんには、銃刀法違反が成立します。

不起訴処分

銃刀法第31条の18第2項第2号の規定により、Aさんの罰則は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」となります。
実刑もありえますが、参考事件のようなケースだと罰金になる可能性が高いです。
しかし、裁判を避けられたとしても罰金は前科になるため楽観視はできません。
前科を回避し不起訴処分を獲得するためには、弁護士の存在が重要です。
十分に反省していること、再発防止に努めていることを弁護士を通して主張することで、不起訴処分を目指せます。
警察から取調べを受ける際にも、弁護士から事前にアドバイスを受ければ適切な対応ができます。
銃刀法違反不起訴処分の獲得を目指す際は、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することがお勧めです。

銃刀法に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所では法律相談を初回であれば無料で実施しています。
身柄拘束されている場合は、弁護士が直接逮捕された方のもとに赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらも24時間、365日ご予約を承っております。
銃刀法違反で事件化してしまった、またはご家族が銃刀法違反の疑いで逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】店の看板に火を付けたことで建造物等損壊罪、放火の罪が適用されるのに必要な条件

2024-09-16

【事例解説】店の看板に火を付けたことで建造物等損壊罪、放火の罪が適用されるのに必要な条件

建造物等損壊罪と放火の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいる会社員のAさんは、普段の仕事が忙しくストレスを溜めていました。
イライラしていたAさんはたまたま通りかかった飲食店の前でライター取り出すと、看板に火を付けてその場を離れました。
通りかかった通行人が火に気付いて店の人に呼びかけ、しばらくして火は消し止められました。
その後に白石警察署が捜査したことで、Aさんが火を付けたことが分かりました。
そしてAさんは、建造物等損壊罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

建造物等損壊罪

参考事件を見て、Aさんが放火の罪で逮捕されていないことを疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、放火の罪が成立するためには条件があり、Aさんの場合はその条件を満たさなかったため、同じく刑法に定められた建造物等損壊罪が成立するにとどまりました。
建造物等損壊罪とは、「他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。」と刑法第260条に定められている犯罪です。
条文の後段は、建造物等損壊致傷罪建造物損壊致死罪を定めたものです。
建造物」とは屋根のある壁もしくは柱に支えられて土地に定着している、その内部へ人が出入りし得る家屋、その他これに類似する建造物を意味します。
損壊」は「物の効用を害する行為」を指しています。
破壊することはもちろん損壊ですが、外観を著しく損なわせる、容易に回復できないような状態にするといった場合も、物の効用を害したとして損壊に当たります。
飲食店は建造物に該当し、看板はその一部です。
そして看板に火を付けて建造物の効用を害したため、Aさんには建造物等損壊罪が成立しました。

放火の罪

放火の罪には、現住建造物等放火罪建造物等以外放火罪といった罪が定められていますが、Aさんには適用されませんでした。
これは放火の罪が成立するためには、公共の危険が条件の1つにあります。
これは不特定多数の生命や財産等に対しての危険を指す言葉です。
つまり、延焼によって炎が燃え広がり物や人を危険にさらす可能性が高ければ、放火の罪が適用される可能性が高まります。
参考事件の場合、看板に対して放火こそしましたが、そこから燃え広がる危険性がほぼなかったため、建造物等損壊罪が成立したと考えられます。
このように一般的なイメージと実際に適用される条文では違いがあり、どのような罪になるかは法的な専門知識がなければわかりません。
刑事事件を起こしてしまった際は、正しく自身の置かれた状況を把握するためにも、法律事務所に相談することが肝要です。

建造物等損壊罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、主に刑事事件と少年事件を取り扱っている法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回であれば無料の法律相談逮捕または勾留されている方のもとへ弁護士が面会に伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
24時間ご予約可能ですので、放火事件を起こしてしまった、またはご家族が建造物等損壊罪の疑いで逮捕、勾留されてしまった際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】ナイフを持ち歩いていたことで軽犯罪法違反、在宅事件の際に動くことができる弁護士

2024-08-07

【事例解説】ナイフを持ち歩いていたことで軽犯罪法違反、在宅事件の際に動くことができる弁護士

軽犯罪法違反と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県加美郡に住んでいる会社員のAさんは、数日前にキャンプをしていました。
しかし、Aさんはキャンプの際に使っていた刃渡り5センチほどのナイフを、そのままバッグに入れて忘れていました。
後日Aさんが警察に職務質問され、その際にバッグにナイフが入っていることが発覚しました。
Aさんは経緯を説明しましたが、警察にいずれ加美警察署に呼ぶといわれ、軽犯罪法違反の在宅事件として捜査が進むことになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

軽犯罪法

比較的軽い刑罰となる犯罪を定めた軽犯罪法を破ってしまうと、軽犯罪法違反となります。
Aさんが違反したのは軽犯罪法第1条第2条の「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」と定められた条文です。
この条文に違反すると、「拘留又は科料」の刑罰となります。
また、仮にAさんの持っていたナイフが刃渡り6センチを超えていた場合は、銃刀法違反となってしまい、より罪が重くなります。

在宅事件

Aさんは警察に捜査されることになりましたが、逮捕はされませんでした。
刑事訴訟法199条2項には「裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。」と定められています。
そのため刑事事件を起こしてしまった場合でも、逮捕の必要性はないと判断されれば、身柄拘束を受けずに捜査が進むことになり、これを在宅事件と言います 。
逮捕の必要性が認められる場合とは、罪を犯したと疑うに足りる理由があり、逃亡や証拠隠滅などのおそれがあると考えられる場合です。
そのため、犯罪の証拠があったとしても、逃亡や証拠隠滅のおそれがない場合は逮捕されません。
在宅事件は事件として取り扱わないわけではないため、警察署に呼び出すなどして事件の捜査を警察が行い、書類や証拠物は検察官に送られ、検察官は起訴するかどうかを判断します。
在宅事件は逮捕されていないため、逮捕後の身体拘束である勾留も、当然ありません。
国が弁護士を選任する国選弁護人は、勾留されてからでなければ弁護士を選任するこができないため、在宅事件では国選弁護人が利用できません。
そのため、在宅事件においては弁護士を付ける場合、個人で依頼する私選の弁護人を選任することになります。
弁護士がいれば不起訴処分の獲得を目指して弁護活動を行うことができ、前科が付くことを防ぐことができます。
参考事件のように逮捕されない在宅事件であったとしても、弁護士に弁護活動を依頼することが、事件をスムーズに終わらせる鍵になります。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、少年事件、刑事事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料で法律相談をご予約いただけます。
また逮捕されている方には、弁護士が直接面会に伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も、フリーダイヤル「0120-631-881」にて24時間電話対応が可能です。
在宅事件で捜査が進んでいる、または軽犯罪法違反で刑事事件となってしまった、このような際は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご相談ください。

【事例解説】イヤホンをしながら自転車に乗っていたところを警察官に止められ、逃げようとして公務執行妨害罪で逮捕

2024-07-23

【事例解説】イヤホンをしながら自転車に乗っていたところを警察官に止められ、逃げようとして公務執行妨害罪で逮捕

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんは、イヤホンを付け音楽を聴きながら自転車で大学から帰るところでした。
そこをパトカーに見つかったAさんは、警察官から自転車を止められました。
話しをしているうちに逮捕されると思ったAさんは、警察官を突き飛ばすと自転車に乗って逃走しようとしました。
しかしすぐに他の警察官がAさんを取り押さえました。
Aさんは公務執行妨害罪の容疑で泉警察署に現行犯逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

公務執行妨害罪

刑事ドラマなどでは警察官に暴力を振るった、または逃げ出したことで公務執行妨害罪となって逮捕されるシーンがあり、実際に参考事件のようなケースで刑法公務執行妨害罪が成立します。
しかし、刑法第95条には「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
そのため公務員であれば被害者が警察官でなくともよく、市役所や区役所で働いている職員に対して暴行や脅迫を行ったとしても、公務執行妨害罪は適用されます。
職務を執行するに当たり」とあるため、公務員が休暇中である場合は、暴行や脅迫によって職務の執行が妨害されたわけではないので公務執行妨害罪になりません(もちろん暴行罪脅迫罪が適用される可能性はあります)。
ただし厳密には職務中でなかった場合でも、職務の執行と密接に関連している考えられるのであれば(制服への着替え中など)、「職務を執行」している状態に含まれます。
妨害とありますが実際に職務が暴行、脅迫によって滞っている必要はありません。
あくまで妨害の可能性がある行為を行ったことが重要であるため、参考事件のAさんのように、逃走を試みたがすぐに取り押さえられたためそれほど時間をとられていないケースでも、公務執行妨害罪は適用されます。
また、この場合の暴行は、近くにあるものを蹴るなどして直接被害者の身体に接触していないものでも暴行に含まれます。
脅迫も、実際に脅迫された被害者が怖がっていなくとも、一般的に言われたら恐怖を抱く内容と判断されれば脅迫となります。

逮捕後の流れ

逮捕される警察と検察で最長72時間、身体拘束をされながら取調べを受けます。
この取調べが終わってもすぐに釈放されるわけではなく、証拠隠滅や逃亡の恐れがあると判断されれば裁判官に対する勾留請求が行われます。
そして裁判官が認めれば10日間、延長されれば20日間は勾留が続きます。
つまり、逮捕されると最大23日間は身体拘束されることになります。
外部との連絡を制限されるため家族や友人とも会うことが難しく、当然出勤はできないため失職のリスクもあります。
勾留を防ぐためには弁護士に相談し、身柄解放のための弁護活動を行うことが重要です。
すぐに釈放が叶わなくとも、弁護士がいれば伝言を預って家族や職場に連絡をすることもできるようになるため、逮捕されてしまった場合は速やかに弁護士を入れることがお勧めです。

公務執行妨害罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件、少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕、勾留中の方へ弁護士が直接面会に伺う初回接見サービスなどをご利用いただけます。
ご予約はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間受け付けております。
公務執行妨害罪で事件を起こしてしまった方、公務執行妨害罪の容疑でご家族が逮捕、勾留中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】放火事件の際に適用される条文、それぞれの条文に規定された刑罰の違いについて解説

2024-07-01

【事例解説】放火事件の際に適用される条文、それぞれの条文に規定された刑罰の違いについて解説

放火の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県角田市に住んでいる会社員のAさんは、勤めていた同市内にある会社を解雇されました。
解雇された恨みからAさんは、夜中に会社の事業所に行き火を付けました。
その後、煙が上がっていることに気付いた通行人が消防車を呼び、ほどなく消火されました。
警察は放火の可能性が高いと捜査したところ、Aさんが火を付けたことが分かり、Aさんの身元も特定されました。
後日Aさんの自宅に角田警察署の警察官が現れ、Aさんを非現住建造物等放火罪の疑いで逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

非現住建造物等放火罪

刑法には「放火及び失火の罪」の章があり、非現住建造物等放火罪はここに定められています。
刑法第109条第1項がその条文であり、その内容は「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。」となっています。
住居」とは、人が起臥寝食の場所として、日常生活を営む建物を指しています。
そして「建造物」は屋根があり、壁や柱によって支持され、土地に固定されている家屋やその他の建築物を指します。
Aさんはが火を付けたのは、住居ではなく、放火時に人(放火したAさんを除く)がいない場所であったため、非現住建造物等放火罪が適用されました。
仮にAさんが放火した際、人がいた場合は後述のより重い放火の罪が適用されます。

現住建造物等放火罪

刑法第108条には、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と現住建造物等放火罪が定められています。
住居」「建造物」の意味は前述の非現住建造物等放火罪と同じです。
建造物に放火する際に人がいると適用される条文で、Aさんの犯行時、事業所内に人がいれば現住建造物等放火罪となっていました。
建造物等への放火の際に人がいなければ非現住建造物等放火罪が成立しますが、住居への放火の際は違います。
現に人が住居に使用し」ているとあるため、そこが住居であれば放火時は無人である状況でも現住建造物等放火罪が成立するため注意が必要です。

建造物等以外放火罪

放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」と定めた第110条第1項の条文もあり、建造物ではない物に放火すると建造物等以外放火罪が成立します。
放火に関する罪は状況によって異なり、その刑罰も大きく変わります。
特に現住建造物等放火罪は、非現住建造物等放火罪と同じく建物を対象にしたものでも刑罰は非常に重く、裁判員裁判が開かれる可能性もあります。
放火によって刑事事件化してしまった場合は、現状を把握するために刑事事件に詳しい弁護士に相談することが重要です。

放火の罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件に中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談逮捕された方のもとへ弁護士が直接伺う初回接見サービス等のご予約が可能です。
フリーダイヤルは24時間対応可能ですので、現住建造物等放火罪非現住建造物等放火罪建造物等以外放火罪といった放火事件の当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】肝試しの目的で建造物に無断で侵入してしまった一例、適用される法律と条文は

2024-06-25

【事例解説】肝試しの目的で建造物に無断で侵入してしまった一例、適用される法律と条文は

建造物侵入罪と軽犯罪法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんは、友人と一緒に肝試しをすることになりました。
友人に車で連れられて山の中にある廃墟に来たAさんたちは、1時間程廃墟の中を探索しました。
Aさん達はその後何事もなく帰りましたが、後日Aさんは友人が特に許可を得たわけではないのに肝試しをしたことを知りました。
それでは逮捕されるのではないかと不安になった、Aさんは弁護士に相談できないかと宮城県内で法律事務所を探すことにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

建造物侵入罪

Aさんとその友人は、無断で山の中にある廃墟に入り込んでいます。
参考事件を見てまず思い浮かべる犯罪は、建造物侵入罪である方が多いでしょう。
建造物侵入罪刑法第130条に「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する…建造物…に侵入し…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と定められています。
この条文の場合、「人の住居」に侵入した者には住居侵入罪が成立します。
建造物」は住居(および邸宅)以外の建物を意味します。
この建造物は建物だけを指すものではなく、建造物が建てられている塀や堀で囲まれた敷地も建造物の範囲内としています(これは「囲繞地」と呼ばれます)。
人の看守」が必要ですが、侵入時に人(管理人など)がその場にいる必要まではありません。
また、一時的に使用しているだけの建造物に侵入しても建造物侵入罪となります。
参考事件の場合、Aさん達が侵入した廃墟が人に看守さえているのであれば建造物侵入罪ですが、そうでないのなら後述する別の罪が適用される可能性があります。

軽犯罪法違反

比較的軽めの犯罪に適用されるのが、軽犯罪法です。
軽犯罪法第1条第1項では、「人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者」に対して「拘留又は科料」を刑罰として科しています。
参考事件の廃墟が看守されていない建造物であった場合、この条文が適用され、Aさん達には軽犯罪法違反が適用されます。
軽犯罪法違反となって科せられる「拘留又は科料」は、拘留が刑事施設に1日以上、30日未満収監されることを指し、科料が1000円以上、1万円未満の支払いを指しています。
この軽犯罪法違反建造物侵入罪は同じ無断で建物に侵入した場合に成立するものですが、その刑罰は大きく異なっています。
一見同じような犯罪でも細部の違いによって適用される法律、条文が変わりことは多々あります。
そのため自身がしてしまった行為が犯罪になってしまうと思った際、まずは法律の専門家である弁護士に相談しましょう。

刑事事件の際は法律事務所へ

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件、そして少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談をご予約いただけます。
また、同じフリーダイヤルで、逮捕または勾留中の方へ直接弁護士が伺い面会する初回接見サービスもご利用可能です。
軽犯罪法違反となってしまった方、建造物侵入罪となってしまった方は、24時間ご利用いただける弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤルへ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】模造刀を持ち運んでいるところを見つかり警察から事情聴取、銃刀法の詳しい条文について

2024-06-03

【事例解説】模造刀を持ち運んでいるところを見つかり警察から事情聴取、銃刀法の詳しい条文について

銃刀法違反(および軽犯罪法違反)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県気仙沼市に住んでいる会社員のAさんは、金属製の模造刀を購入し、自宅に保管していました。
Aさんは友人宅に行く際に模造刀を持って行き、友人宅で模造刀の自慢をしました。
その後、自宅に帰る際に気仙沼警察署の警察官に模造刀を持っていたため、職務質問を受けることになりました。
そして模造刀を持っていたためAさんは銃刀法違反の容疑で事情聴取を受けることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

銃刀法違反

銃刀法とは銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制を定めた法律です。
この呼び方は略称であり、正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法」となっています。
銃刀法における刀剣類は15cm以上の刀、5.5cm以上の剣、あいくち並びに45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフなどを指しています。
この条文には模造刀の記載がなく、そもそも模造刀であれば刃がないので銃刀法違反にあたらないと思われるかもしれません。
しかし、模造刀については銃刀法22条の4に規定があり、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない」と定められています。
業務以外の「正当な理由による」携帯とは、模造刀を購入し持って帰るまでの間や、修理をするために修理店へ移動する間などが該当します。
たとえ護身用で持ち歩いているという理由でも、「正当な理由」とはなりません。
そのため友人に見せる目的で模造刀を持ち出し、携帯していたAさんは、参考事件では銃刀法違反となっています。

また、Aさんの持っていた模造刀は金属製ですが、木製の模造刀でも安心はできません。
軽犯罪法第1条2号は「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」とあるため、木製の模造刀を隠して所持していると軽犯罪法違反になる可能性もあるため、注意が必要です。

事情聴取への備え

参考事件のAさんは事情聴取(取調べ)を受けることになりました。
事情聴取は実際に警察署に行って行うことになりますが、かかる時間は事件によって変わり、2回目以降も警察署に呼ばれることがあります。
刑事事件に詳しくなければ、いきなりの事情聴取で警察に質問されても、上手くこたえられない人がほとんどだと思われます。。
そのため警察署に事情聴取を受ける前に、刑事事件に詳しい弁護士に相談し対策を立てておくことが重要です。
まずは弁護士に相談しましょう。

刑事事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料で法律相談をご予約いただけます。
また、同じフリーダイヤルで逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約も可能です。
銃刀法違反、および軽犯罪法違反事件の当事者となった、またはご家族が逮捕されてしまった、そのような方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、ご連絡ください。
24時間365日、お電話をお待ちしております。

【事例解説】友人を自宅付近で待ち伏せして警察から警告、ストーカー規制法違反での逮捕リスクは

2024-05-28

【事例解説】友人を自宅付近で待ち伏せして警察から警告、ストーカー規制法違反での逮捕リスクは

ストーカー規制法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県大崎市に住んでいる大学生のAさんは、同じサークルのVさんに興味を持っていました。
AさんはVさんの家を調べて待ち伏せし、通学する時に声をかけるなどしました。
Aさんに対してVさんはそれとなく拒否するような態度を取りましたが、Aさんはやめなかったので警察に通報しました。
そしてAさんは古川警察署からストーカー行為をやめるよう言われました。
逮捕される不安に駆られたAさんは、弁護士に相談することにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

ストーカー規制法違反

Aさんのした行為はストーカー規制法で禁止されている行為です。
ストーカー規制法は正式名称を「ストーカー行為等の規制等に関する法律」と言い、この法律に違反するとストーカー規制法違反になります。
ストーカー規制法第2条第4項ではストーカー行為を、位置情報無承諾取得等とつきまとい等を、同一のものに対して反復して行うこととしています。
同条第1項は、8つの項目をあげそのいずれかを「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」行うことを「つきまとい等」と定義しています。
そして第1号では「つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。」があげられています。
そのため、Vさんを待ち伏せて声をかけるなどの行為を何度かしているAさんはストーカー規制法違反が成立します。
ストーカー規制法第18条は「ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と定めており、仮にAさんが有罪になった場合はこの法定刑が適用されます。

ストーカー規制法違反での逮捕

Aさんは逮捕されることを恐れて相談していますが、警察の言う通りこれ以上ストーカー行為を続けなければ、逮捕される確率は低いと言えます。
しかし、警告を無視してストーカー行為を繰り返してしまうと、逮捕リスクは高くなります。
もちろん、悪質であると判断された場合は警告なしで逮捕の可能性もあります。
どこまでの行為であれば逮捕されないのかは専門知識がなければわからないため、ストーカー行為をした、もしくは自身の行為がストーカー行為に該当するか不安な方は、刑事事件を中心に扱っている法律事務所に相談することをお勧めいたします。

ストーカー規制法違反に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所では初回であれば無料で法律相談をご利用いただくことができます。
また、逮捕された方に対しては、弁護士が留置所などに直接赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間365日ご予約を承ります。
ストーカー規制法違反で事件を起こしてしまった、またはご家族がストーカー規制法違反で逮捕されてしまった、このように時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

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