Archive for the ‘交通事件’ Category
あおり運転の罰則を新設へ
あおり運転の罰則を新設へ
あおり運転の処罰規定の新設などを内容とする道路交通法改正案が閣議決定されたことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【参考ニュース】
あおり運転を規定し、罰則を創設。道交法改正案を閣議決定
近年、社会問題化したあおり運転。
これまでも、あおり運転によって人身事故が起きれば、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問うことができました。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
4号 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
しかし事故に至らない場合、現在の道路交通法では、急ブレーキ禁止違反や車間距離保持義務違反として反則金納付や点数減点をするぐらいしかできません。
苦肉の策として、刑法の暴行罪(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料)などに問う事例もありました。
しかし、罰則を適用しやすくするために、あおり運転そのものが処罰の対象として明確に規定されることになるようです。
~法改正の内容~
今回の改正により、急ブレーキや車間距離の不保持、急な車線変更などを、通行を妨害する目的で、交通の危険のおそれがある方法により行うと、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる予定です。
また、高速道路や自動車専用道路でほかの車を停車させるなどの著しい危険を生じさせた場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となる予定です。
懲役や罰金とともに、免許取消し処分になる規定も設けられるとのことです。
まだ閣議決定の段階ですが、スムーズに法改正が進めば、2022年をめどに施行されるようです。
他にも今回の改正により、75歳以上で一定の交通違反をした人に、運転技能検査を義務づけ、合格するまで免許を更新できない制度なども新設される予定となっています。
~事故を起こしたら弁護士にご相談を~
もし交通事故を起こし、逮捕された、警察の取調べを受けたといった場合には、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやって行えばよいのかなど、わからないことばかりだと思います。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
ひき逃げと時効
ひき逃げと時効
ひき逃げ事件と時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【参考記事】
ひき逃げ死亡事件 時効まであと1年「自首してください…」息子亡くした両親の涙
Yahoo!ニュース(柳原三佳さん執筆)
ひき逃げ犯人が見つからないまま時効が近付いたり、時効が成立してしまったというニュースを見ることがあるかもしれません。
この参考記事は、被害者が路上で倒れているのが発見され、その後死亡した事故に関するものです。
警察はひき逃げと判断しましたが、目撃者や証拠が乏しいためか加害者が見つかっていません。
救護義務違反(助けずに逃げた部分の罪)はすでに時効が成立し、過失運転致死罪(事故を起こして死亡させた部分の罪)についても時効が迫っているとのことです。
~成立する犯罪~
ここで、ひき逃げ事件で成立する犯罪を確認しておきます。
まずは、交通事故を起こしてしまい、被害者を死亡させたことについて、過失運転致死罪が成立する可能性があります。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
さらに、被害者を救助せず逃げてしまった場合、道路交通法に定められた①被害者を救護する義務と、②警察官への報告義務に違反したことになります。
それぞれ以下のような刑罰が定められています。
①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
→10年以下の懲役または100万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
~時効期間が異なる~
前述のように参考記事の事故では、救護義務違反はすでに時効が成立し、過失運転致死罪についても時効が迫っています。
犯罪によって時効期間が異なるので、このような違いが生まれています。
時効制度について詳しくはこちらをご覧ください
昔の犯罪で逮捕【時効】
このリンク先の解説を前提に説明しますと、過失運転致死罪は、①人を死亡させた罪で、②禁錮以上の刑罰が定められており、③死刑は定められていない罪で、最大で懲役7年ですので、刑事訴訟法250条1項3号により、時効期間は10年ということになります。
一方、救護義務違反と報告義務違反は、被害者が死亡したか否かに関わらず成立する犯罪ですし、死亡に至る傷害は自動車がぶつかったこと自体から生じたことから、①人を死亡させた罪には当たらないこととなっています。
したがって250条2項が適用されます。
そして、救護義務違反は最大で10年の懲役ですから、4号に該当し、時効期間は7年となります。
報告義務違反は最大で懲役3か月ですから、6号に該当し、時効期間は3年となります。
したがって事故から9年が経過している参考記事の事故では、救護義務違反と報告義務違反のすでに時効は成立しており、過失運転致死罪については時効まで1年を切ったことになります。
~危険運転致死罪なら時効期間は20年~
仮に、飲酒運転で正常な運転が困難な状態で運転していたり、進行の制御が困難な速いスピードで走行して死亡事故を起こしたといった特に悪質なケースでは、より重い危険運転致死罪(自動車運転処罰法2条)が成立する可能性も考えられます。
この罪は①人を死亡させた罪で、②禁錮以上の刑罰が定められており、③死刑は定められていない罪であり、最大で20年の懲役ですので、刑事訴訟法250条1項2号により、時効期間は20年となります。
そうすると、事故から9年が経過した今回の事故でも、時効まであと11年近くあることになります。
しかし、すでに9年経過していることから、たとえ加害者がわかったとしても、当時のアルコールの数値やスピードを証明できず、危険運転致死罪を適用することは難しいと思われます。
~事故を起こしたら弁護士にご相談を~
時効が問題となっている場合に限らず、あなたやご家族が交通事故を起こした場合には、ぜひお早めに弁護士にご相談ください。
謝罪・賠償・示談締結などにより、被害者の方の被害の回復を図るとともに、加害者の方の早期釈放や軽い処分・判決に向けて活動してまいります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されていない事件では無料法律相談を、逮捕されて身柄拘束中の事件では初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

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当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
脅迫で取調べ
脅迫で取調べ
脅迫の容疑で警察から取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県角田市に住むAさん。
同市内を運転中に、後続車からクラクションを鳴らされました。
カッとなったAさんは車を降りて後続車の運転席横まで行き、
「なに鳴らしてんだ、ナンバー覚えたからな、若い者連れて痛い目にあわせるぞ」
などと怒鳴りつけました。
後日、被害者からの相談を受けた宮城県角田警察署からAさんに連絡が入り、
「事情を聞きたいから角田署まで来てくれますか」
と言われました。
急に不安になったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~脅迫罪の可能性~
クラクションを鳴らされカッとなり、脅し文句を言って怒鳴りつけたAさん。
脅迫罪が成立する可能性があります。
条文を見てみましょう。
刑法第222条1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
Aさんの「なに鳴らしてんだ、ナンバー覚えたからな、若い者連れて痛い目にあわせるぞ」という言葉は、被害者の身元を特定し、複数名で暴行を加えることを想像させ、恐怖を与えるものといえます。
したがって条文の中の、「身体…対し害を加える旨を告知して人を脅迫した」に該当し、脅迫罪が成立する可能性があるわけです。
~道路交通法違反や暴行罪の可能性も~
また、後続車の進路をふさいだり、いわゆるあおり運転などもしていれば、道路交通法の急ブレーキ禁止や車間距離保持義務、安全運転義務に違反したとして、点数減点や反則金納付などを強いられる可能性もあります。
また最近では、悪質なあおり運転を処罰するために、刑法の暴行罪で摘発される例もありますので注意が必要です。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
~今後の刑事手続きは?~
今回のように、被疑者を逮捕せずに捜査を進める事件を在宅事件と言います。
在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べや現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
このうち起訴には①正式起訴と②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。
さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
~軽い結果を目指すには~
出来るだけ軽い結果になるためには、相手に謝罪・賠償して示談するといったことが重要です。
しかし相手にとって、脅迫した本人と示談交渉をするのは心理的負担が大きく、スムーズに進まない可能性もあります。
また、取調べにはどう対応したら良いのかといった不安も強いと思います。
刑事事件に詳しい弁護士がアドバイスさせていただきますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

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交通事故で取調べ
交通事故で取調べ
交通事故で人を死傷させ、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県涌谷町に住むAさん。
自動車を運転中に、一時停止の標識を見落としてしまい、減速せずに直進。
歩行者をはねてしまい、1人を死亡、もう1人を負傷させてしまいました。
Aさんは駆け付けた宮城県遠田警察署の警察官により、一通りの事情聴取を受けました。
後日、再び警察署に呼ぶと言われたAさん。
心配になって弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)
~過失運転致死傷罪に~
自動車を運転中に不注意で交通事故を起こした場合、被害者が負傷すると過失運転致傷罪に、死亡すると過失運転致死罪に問われる可能性があります。
条文を見てみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
この条文の1文目では、被害者の負傷と死亡を合わせて「死傷」と規定し、どちらも法定刑(法律に定められた刑罰)は同じですが、死亡の方が重い判決となる傾向にあります。
また2文目により、被害者が軽い負傷にとどまった場合には、運転者の不注意の程度なども考慮の上、刑罰が免除される可能性があります(執行猶予とは別の制度です)。
Aさんの場合には、死亡と負傷が1人ずつという結果です。
したがって、理論的には過失運転致死罪と過失運転致傷罪が1つずつ成立することになります。
ただ、1つの事故で2人以上の人を死傷させた場合、重い方の過失運転致死罪の法定刑の範囲で処罰されることになるでしょう(刑法54条1項参照)。
したがって、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となり、刑罰が免除される可能性はありません。
執行猶予が付く可能性はありますが、猶予期間中に何らかの犯罪をした場合には、猶予が取り消され刑罰を受けることになるという点が、完全に刑罰を受けることがなくなる刑の免除と違う点です。
なお、この刑事処分とは別に、免許停止や免許取消処分になる可能性もあります。
死亡事故を起こした場合、過去3年間の交通違反での処分歴がなく、今回の事故の過失(不注意の程度)が軽い場合には90日間の免許停止になりますが、それ以外の場合は免許取消となります。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
交通違反点数制度と一覧表
~弁護士にご相談を~
今後Aさんは、自宅から警察署や検察庁に行って取調べを受けたのち、裁判所に行って裁判を受ける流れが予想されます。
このように逮捕されていない事件を「在宅事件」と言います。
在宅事件では、逮捕されないという大きなメリットがありますが、逆に裁判が始まるまでの期間は、国の費用で弁護士を付けてもらえる国選弁護人の制度を利用することができません。
しかし、取調べにはどう対応したら良いのか、謝罪や賠償、示談などはどうやったらいいのかなど、わからない点が多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
在宅事件では無料法律相談を、万が一逮捕されている事件では初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
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ポルシェ暴走で懲役8年判決【危険運転致死罪】
ポルシェ暴走で懲役8年判決【危険運転致死罪】
スピードオーバーで死亡事故を起こし、危険運転致死罪で懲役8年の実刑判決が下った事件の弁護側の主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【参考事例】
ポルシェで医師が暴走・追突…トラック運転手死亡 「危険運転罪」認め懲役8年判決
この事故は、2018年に兵庫県内の阪神高速においてポルシェがトラックに追突して横転させ、トラックの運転手を死亡させたというものです。
検察側は、60キロ制限の道路であおり運転をして216キロで走行して追突しており、危険運転致死罪が成立するとの主張をしていました。
一方、弁護側は、カーナビを操作してわき見運転をしてしまったのであり、過失運転致死罪にとどまるとの主張をしていたようです。
神戸地方裁判所は、検察側の主張の通り危険運転致死罪が成立するとして、懲役8年の実刑判決を下しました。
~弁護側の主張の意味は?~
弁護側の主張を見ると、
「カーナビを操作してわき見運転をしていたというのは、どっちにしろ悪いじゃないか」
と感じるかもしれません。
いったい、どういう趣旨の主張なのか、条文をもとにして考えてみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 省略
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
2条に定められた危険運転致死罪が成立するためには、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為「によって」人を死させたと言えることが必要です。
すなわち、事故の原因がスピード違反にあると言えることが必要なわけです。
そうすると、いくらスピードを出していたとしても、事故の直接の原因がわき見運転であれば、危険運転致死傷罪は成立しない可能性があるのです。
一方、より刑罰が軽い5条の過失運転致死傷罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
わき見運転も、「自動車の運転上必要な注意を怠り」にあたることは間違いないので、弁護側の主張によっても過失運転致死罪は成立することになります。
つまり弁護側としては、何とか刑罰が軽い過失運転致死罪にとどめようとしていたと言えます。
神戸地裁の判決は、この弁護側の主張は退け、検察側の主張を採用したことになります。
もしかすると、弁護士たちも主張が認められる可能性は低いと考えていたかもしれません。
それでも、刑事弁護人としての役割を出来る限り果たそうとしたということだと思われます。
~交通事故でも弁護士にご相談を~
交通事故を起こした場合、被害者への対応や警察の事情聴取にどう対応したらよいか、わからないことが多いと思います。
特に人身事故の場合には、被害者に謝罪・賠償しなければならない他、事故原因によっては逮捕されたり、刑務所に入れられる可能性も上がってしまいます。
弁護士は、被害者に謝罪・賠償して示談をするための仲介役をしたり、取調べの受け答えの仕方をアドバイスするなどの方法により、被害者の被った損害の回復を図るとともに、加害者の早期釈放やできるだけ軽い判決を目指すといった弁護活動をしてまいります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ぜひ一度、初回接見サービスや無料法律相談をご利用ください。

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怖くなって逃げてしまったら~ひき逃げ~
怖くなって逃げてしまったら~ひき逃げ~
人をひいて、怖くなって逃げてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
逮捕の男(64)直後に洗車か 死亡ひき逃げ事件〈宮城・石巻市〉
YAHOO!ニュース(仙台放送提供)
この事件は、自動車で人をひいてそのまま逃走し、自動車を洗車したというものです。
この逮捕された方が、人をひいたことに気付いていたのか、気付いていたとしたらどういう理由で逃げたのか、なぜ事故直後に洗車したのかはわかりません。
しかし、たとえ怖くなって冷静な判断ができなくなり、逃げてしまったという場合であっても、すぐに被害者を助けた場合と比べると、重い責任を負うことになってしまいます。
~人を死亡させた点について~
まず、自動車で人をひき、死亡させたことについては、少なくとも過失運転致死罪が成立するでしょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
さらに、ひいてしまった原因が飲酒運転やスピード違反などで、特に悪質なケースでは、より重い危険運転致死罪が成立する可能性も考えられます。
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(以下略)
~逃げた点について~
さらに、被害者を救助せず逃げてしまった場合、道路交通法に定められた①被害者を救護する義務と、②警察官への報告義務に違反したことになります。
それぞれ以下のような刑罰が定められています。
①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
→10年以下の懲役または100万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
仮に、単純に気が動転して逃げたのではなく、飲酒運転の発覚をおそれて逃げてしまった場合には、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪という犯罪が成立する可能性もあります。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第4条
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。
このように、ひき逃げをすると様々な犯罪が成立し、重い処罰を受ける可能性が出てきてしまいます。
~免許取消しも~
上記の刑事処罰とは別に、救護義務違反(ひき逃げ)の違反点数が35点ですので、一発で免許取消しとなります。
また、欠格期間が3年ですので、免許再取得も3年間はできないことになります。
詳しくはこちらのページをご覧ください
交通違反点数制度と一覧表
~お早めにご相談を~
ひき逃げなどで逮捕されると、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、ご本人やご家族は不安な点が多いと思います。
また、被害者のご遺族に謝罪・賠償できれば、罪が軽くなる可能性があります。
弁護士はこのような不安点に対するアドバイスや、謝罪・賠償に向けたサポートをすることができますので、ぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料を行っております。
逮捕されると一気に手続が進んでいきますので、ぜひお早めにご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
公務員が飲酒運転で現行犯逮捕
公務員が飲酒運転で現行犯逮捕
公務員が飲酒運転をして現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県内の某自治体の職員であるAさん。
ある日の夜、友人と飲み会を行い、遅い時間まで多量の飲酒をしました。
翌日朝、職場に出勤するために自家用車を運転していたところ、前を走る車に軽く追突してしまいました。
駆け付けた宮城県警の警察官が、Aさんが少し眠そうな顔をしていたことから呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールを検出。
Aさんは現行犯逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~酒が抜けずに飲酒運転~
飲酒をして、ある程度時間を空けたから大丈夫だと思って自動車を運転したところ、まだ酒が抜けきっておらず、飲酒運転となってしまうことがあります。
運転する予定が翌日であっても飲みすぎには注意ですし、同じ飲酒量でも人によって基準値を下回るまでの時間が違う点にも注意が必要です。
飲酒運転は、一般的には軽い方が酒気帯び運転、重い方が酒酔い運転となります。
酒気帯び運転(呼気1リットルにつき0.15mg以上)の場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります(道路交通法117条の2の2第3号)。
酒酔い運転(アルコールの数値に関わらず、正常な運転ができない状態での運転)の場合の場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります(道路交通法117条の2第1号)。
ただし、体質によっては少量の飲酒であっても正常な運転ができない状態となり、酒酔い運転と判断され、重く処罰されてしまう可能性があるので注意が必要です。
~ケガ人が出た場合~
追突された車に乗っていた人などがケガをした場合、過失運転致傷罪などに問われることが考えられます。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
また、違反点数も、酒気帯びはアルコール数値により13点または25点、酒酔いは35点です。
ケガ人がいる場合は、ケガの程度に応じてさらに点数が加算されてしまいます。
いずれにせよ免許停止や取消しが避けられません。
違反点数について詳しくはこちらをご覧ください↓
交通違反点数制度と一覧表
~公務員という特殊性~
公務員が飲酒運転をした場合であっても、一般の方と比べた時に、判決などの重さが必ずしも不利になるわけではありません。
しかし、一般の方の場合よりも世間の目が厳しく、刑事処分以外の点で不利になりやすいです。
実名報道がされてしまう可能性も高くなりますし、懲戒免職などの厳しい処分を受けることが予想されます。
職場からの処分や、刑事処分をできるだけ軽くし、再就職へ向けてスタートを切るためには、早期に釈放されることを目指した上で、被害者へ謝罪や賠償をして示談を結ぶといった対応が必要となってきます。
弁護士はこういった点をサポートできますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
0120-631-881まで、ぜひご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
岩手県でのスピード違反で逮捕
岩手県でのスピード違反で逮捕
スピード違反で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
岩手県北上市に住むAさん。
車が好きで、よくドライブに出かけていましたが、スピードを出すことが楽しいと感じていました。
この日もスピードを出しまくり、制限速度を30キロ以上オーバーしてしまいました。
その直後、ハンドル操作を誤り、対向車に衝突。
対向車に乗っていた人にケガを負わせてしまいました。
Aさんは北上警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)
~スピード違反のペナルティ~
スピード違反をして、人にケガを負わせてしまったAさん。
制限速度を大幅にオーバーすると、想定外のことが起こったときに対処が難しくなったりするので、事故が起こりやすくなります。
まずはスピード違反をしたこと自体についての刑事処分についてご説明いたします。
スピード違反等の交通違反をした場合、本来は裁判を受けて罰金刑や懲役刑になり、前科が付いてしまうのが原則的な形です。
しかし、交通違反は数が多いので、この形では検察庁や裁判所がパンクしてしまいます。
そこで、軽微な違反については反則金を支払うことによって、前科も付かずに手続を終了させるという制度が採られています。
しかしながら、重い違反の場合には原則通り、裁判で罰金や懲役となります。
スピード違反の場合には、一般道30キロ以上、高速道路が40キロ以上のオーバーで、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金になってしまいます(道路交通法118条1項1号、22条1項参照)。
したがって30キロ以上オーバーしていたAさんには、前科が付くことになるでしょう。
これに合わせ、30キロ以上50キロ未満のスピードオーバーだと6点の違反点数が科されます。
違反歴がなくても30日間の免許停止となってしまいます。
反則金や違反点数について詳しくはこちらをご覧ください。
【交通違反点数制度と一覧表】
~ケガをさせたことへの罰則~
スピード違反を原因として人にケガをさせてしまったAさんには、危険運転致傷罪または過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
30キロ以上のオーバーをしていたとなると、「その進行を制御することが困難な高速度」に当たり、危険運転致傷罪が成立すると思われるかもしれません。
ただ、危険運転致死傷罪は成立範囲が狭く解されている上、直線道路だったのかカーブだったのか、見通しが良いか、道幅が広いか、雨が降っていたかなどによっても変わりうるため難しいところです。
ただ、これからの季節だと道路が凍結しているので、少しのスピード違反でも危険性が高い運転だったと判断される可能性も否定できません。
なお怪我をさせたことについても別途、違反点数が科されます。
点数は怪我の程度によりますので、詳しくは上記リンクをご覧ください。
~お早めに弁護士にご相談を~
スピード違反などで逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料を行っております。
岩手県の事件の相談も受け付けておりますので、捜査を受けているといった場合には、ぜひお早めにご相談ください。
【関連リンク】
刑事手続きの流れや国選弁護人と私選弁護人の違いなどについてはこちらをご覧ください
逮捕事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
山形県での飲酒運転で逮捕
山形県での飲酒運転で逮捕
飲酒運転をして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
山形県山辺町に住むAさん。
スナックでお酒を飲んだ後、運転代行の料金をケチろうと思い、自ら運転して家に向かっていました。
しかし飲酒の影響で歩行者の存在に気付くのが遅れ、接触して自転車の人にケガを負わせてしまいました。
Aさんは、駆け付けた山形警察署の警察官によって逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~事故を起こさなくても~
飲酒運転に対する世間の目は厳しくなりましたが、それでも完全にはなくなっていません。
仮に事故を起こさなくても、見つかれば違反点数を引かれる上、罰金や懲役となって前科が付く可能性があります。
酒気帯び運転(呼気1リットルにつき0.15mg以上)の場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります(道路交通法117条の2の2第3号)。
酒酔い運転(アルコールの数値に関わらず、正常な運転ができない状態での運転)の場合の場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります(道路交通法117条の2第1号)。
違反点数も、酒気帯びはアルコール数値により13点または25点、酒酔いは35点ですので、免許停止や取消しが避けられません。
違反点数について詳しくはこちらをご覧ください↓
https://koutsu-bengo.com/kotsuihan_tensu_ichiran/
~人身事故を起こすと~
Aさんのように人身事故を起こしてしまうと、以下の①~④のいずれかの罪で罰せられる可能性があります。
①自動車運転処罰法3条1項の危険運転致死傷罪
→12年以下の懲役、被害者死亡15年以下の懲役
②自動車運転処罰法2条1号の危険運転致死傷罪
→被害者負傷15年以下の懲役、被害者死亡1年以上20年以下の懲役
③過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱(自動車運転処罰法4条)
→12年以下の懲役
④自動車運転過失致死傷罪(自動車運転処罰法5条)
→7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金(情状により刑の免除あり)
まずは、①または②のどちらかが成立する可能性があります。
①は正常な運転に支障が生じるおそれがあるにとどまる状態で運転をはじめ、やがて正常な運転が困難な状態に陥って人身事故を起こした場合です。
②は最初から正常な運転が困難な状態で運転して人身事故を起こした場合です。
両者を明確に区別するのは難しいところですが、②の方は最初から安全運転できるような状態では到底ないのに運転をした場合であり、より悪質ということで刑罰が重くなっています。
③は、飲酒運転で人身事故を起こしたが、飲酒運転だったことの発覚を防ぐため逃走し、アルコールが抜けるのを待つといった行為をした場合に成立します。
このような逃走を行った場合に、アルコールの影響が裁判で立証できないからと言って、より軽い④の自動車運転過失致死傷罪でしか処罰できないのは不合理であることから、③の罪が定められています。
④については、飲酒をしていなくても起きていた事故といえる場合、あるいはアルコールの影響による事故なのかはっきりせずに①②③の罪に問えないような場合に、④に問われることになるでしょう。
~弁護士に相談ください~
逮捕された後の刑事手続きの流れや、弁護士を雇うメリット・デメリットなどについてはこちらをご覧ください。
逮捕事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人】
飲酒運転で逮捕された、取調べを受けたといった場合、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、いつ釈放されるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思いますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
山形県での事件にも対応しておりますので、ぜひ一度ご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
強盗をして逃走中に死亡事故【強盗致死?】
強盗をして逃走中に死亡事故【強盗致死?】
強盗後に車で逃走中、死亡事故を起こして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県富谷市の民家に窃盗目的で忍び込んだAさん。
住人に見つかったことから、首元にナイフを突きつけ、
「金を出せ」
と言って、現金や貴金属類を奪い取りました。
その後、自動車で逃走中、早く遠くに逃げたいとの思いから制限速度を大幅にオーバーするスピードで走行していたところ、誤って歩行者をはねて死亡させてしまいました。
駆け付けた大和警察署の警察官から事故について取調べを受けていたAさんですが、実況見分をしていた別の警察官が、Aさんの車にあった紙袋の中に現金や貴金属が入っていることを偶然発見しました。
警察には強盗事件の情報も入っていたため、警察官がAさんに事情を聞いたところ、強盗についても自白。
Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~住居侵入・強盗・自動車運転過失致死罪~
強盗をして逃走中に人をひき殺してしまったAさん。
少なくとも住居侵入罪・強盗罪・自動車運転過失致死罪の3つの犯罪が成立することになるでしょう。
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
ただし、かなりのスピードで走行していたAさんですから、自動車運転過失致死罪ではなく、より重い刑罰が定められた危険運転致死罪が成立する可能性も否定できません。
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
~強盗致死罪は成立しない?~
Aさんは強盗をして、逃走中に人を死亡させてしまったのですから、強盗致死罪は成立しないのかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
たしかに今回のAさんは、形式的には、赤く色付けした部分に該当するようにも思えます。
しかし、強盗致死罪までは成立しない可能性が高いでしょう。
理論的な説明は難しい部分ですが、そもそも強盗致死罪に極めて重い刑罰が定められている理由は、強盗の際に、被害者や犯人を捕まえようとした人を死傷させることが多く、このような死傷者が出ることを防ごうとする点にあります。
また、同条の刑罰が極めて重いので、あまり成立範囲を広げすぎない方がバランスが良いという考え方もあります。
したがって、物を奪う際の被害者への暴行や、追いかけてきた被害者・警察官等に対する暴行については強盗致死罪が成立しますが、それ以外の者を誤って死亡させてしまったような場合には、強盗致死罪は成立しないことになるでしょう。
今回も、ひき殺されてしまった方は、強盗自体の被害者ではなく、Aさんを捕まえようとしたわけでもないですし、Aさんが誤って死亡させた形ですので、強盗致死罪までは成立しないと思われます。
~弁護士に相談を~
逮捕された後の手続について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://sendai-keijibengosi.com/keijijikennonagare/
逮捕されると、ご本人はもちろん、ご家族も、刑事手続はどう進んでいくのか、釈放の見込みはあるのか、どのくらいの刑罰を受けるのかなど、わからないことも多いと思いますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、弁護士事務所での法律相談を初回無料で受けていただけます。
強盗罪や自動車運転過失致死罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。