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【事例解説】性的姿態等撮影罪で逮捕、自身が勤めている病院内で盗撮を行ったことが発覚

2024-07-26

【事例解説】性的姿態等撮影罪で逮捕、自身が勤めている病院内で盗撮を行ったことが発覚

性的姿態等撮影罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる医者のAさんは、自身が勤めている病院でVさんの健康診断をしていました。
AさんはVさんに胸まで服をあげさせ、目を閉じているように指示を出しました。
そしてスマートフォンを出すとAさんは、Vさんの胸を撮影しました。
しかし、不審に思ったVさんは目を少し開けていたため、盗撮を目撃していました。
診断が終わったタイミングで、すぐにVさんは警察に通報しました。
そしてAさんは仙台南警察署から駆け付けた警察官に、性的姿態等撮影罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

性的姿態等撮影罪

性的姿態等撮影罪は「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の映像に係る電磁的記録の消去に関する法律」に定められており、この法律は性的姿態撮影等処罰法とも呼ばれています。
性的姿態撮影等処罰法第2条第1項は「正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為」をした場合、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」を刑罰にしています。
次に掲げる姿態等は「人の性的な部位又は人が身に着けている下着のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分」とそれ以外の「わいせつな行為又は性交等がされている間における人の姿態」です。
AさんはVさんの意思に反して、密かにVさんの性的な部位を撮影しています。
これが健康診断をする上で必要なルールに従っての撮影であれば「正当な理由」があるといえますが、個人のスマホで撮影する行為に正当性はないため、Aさんには性的姿態等撮影罪が適用されました。

示談交渉

参考事件の場合、Vさんという被害者がいるため、弁護活動としては示談交渉が考えられます。
しかし、性犯罪の被害者は加害者に対して恐怖心を抱いたり、怒りを覚えたりと示談交渉を進めることが難しいケースがほとんどです。
こういった場合は弁護士に示談交渉を依頼することがお勧めです。
示談交渉を最初は拒否されてしまったケースでも、弁護士が間に入り弁護士限りで連絡を取り合うような形にすることで、示談交渉を進めることが可能になることがあります。
また、参考事件と違って盗撮を不特定多数に行ったため被害者の連絡先がわからないといったケースでも、弁護士がいれば警察に連絡し協力を求めることができます。
盗撮事件のような性犯罪の際は、示談交渉の知識と経験が豊富な弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。

盗撮事件の知識、経験が豊富な法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回は無料の法律相談逮捕された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を受けております。
フリーダイヤルは24時間、365日電話対応可能です。
盗撮事件を起こしてしまった方、ご家族が性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】イヤホンをしながら自転車に乗っていたところを警察官に止められ、逃げようとして公務執行妨害罪で逮捕

2024-07-23

【事例解説】イヤホンをしながら自転車に乗っていたところを警察官に止められ、逃げようとして公務執行妨害罪で逮捕

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんは、イヤホンを付け音楽を聴きながら自転車で大学から帰るところでした。
そこをパトカーに見つかったAさんは、警察官から自転車を止められました。
話しをしているうちに逮捕されると思ったAさんは、警察官を突き飛ばすと自転車に乗って逃走しようとしました。
しかしすぐに他の警察官がAさんを取り押さえました。
Aさんは公務執行妨害罪の容疑で泉警察署に現行犯逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

公務執行妨害罪

刑事ドラマなどでは警察官に暴力を振るった、または逃げ出したことで公務執行妨害罪となって逮捕されるシーンがあり、実際に参考事件のようなケースで刑法公務執行妨害罪が成立します。
しかし、刑法第95条には「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
そのため公務員であれば被害者が警察官でなくともよく、市役所や区役所で働いている職員に対して暴行や脅迫を行ったとしても、公務執行妨害罪は適用されます。
職務を執行するに当たり」とあるため、公務員が休暇中である場合は、暴行や脅迫によって職務の執行が妨害されたわけではないので公務執行妨害罪になりません(もちろん暴行罪脅迫罪が適用される可能性はあります)。
ただし厳密には職務中でなかった場合でも、職務の執行と密接に関連している考えられるのであれば(制服への着替え中など)、「職務を執行」している状態に含まれます。
妨害とありますが実際に職務が暴行、脅迫によって滞っている必要はありません。
あくまで妨害の可能性がある行為を行ったことが重要であるため、参考事件のAさんのように、逃走を試みたがすぐに取り押さえられたためそれほど時間をとられていないケースでも、公務執行妨害罪は適用されます。
また、この場合の暴行は、近くにあるものを蹴るなどして直接被害者の身体に接触していないものでも暴行に含まれます。
脅迫も、実際に脅迫された被害者が怖がっていなくとも、一般的に言われたら恐怖を抱く内容と判断されれば脅迫となります。

逮捕後の流れ

逮捕される警察と検察で最長72時間、身体拘束をされながら取調べを受けます。
この取調べが終わってもすぐに釈放されるわけではなく、証拠隠滅や逃亡の恐れがあると判断されれば裁判官に対する勾留請求が行われます。
そして裁判官が認めれば10日間、延長されれば20日間は勾留が続きます。
つまり、逮捕されると最大23日間は身体拘束されることになります。
外部との連絡を制限されるため家族や友人とも会うことが難しく、当然出勤はできないため失職のリスクもあります。
勾留を防ぐためには弁護士に相談し、身柄解放のための弁護活動を行うことが重要です。
すぐに釈放が叶わなくとも、弁護士がいれば伝言を預って家族や職場に連絡をすることもできるようになるため、逮捕されてしまった場合は速やかに弁護士を入れることがお勧めです。

公務執行妨害罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件、少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕、勾留中の方へ弁護士が直接面会に伺う初回接見サービスなどをご利用いただけます。
ご予約はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間受け付けております。
公務執行妨害罪で事件を起こしてしまった方、公務執行妨害罪の容疑でご家族が逮捕、勾留中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】SNS上で発生した脅迫事件、示談交渉を行う際の注意点と弁護士を入れるメリット

2024-07-20

【事例解説】SNS上で発生した脅迫事件、示談交渉を行う際の注意点と弁護士を入れるメリット

脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県柴田郡に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学にいるVさんのことを嫌っていました。
AさんはVさんが持つSNSのアカウントに対して、「いつか殺してやるぞ」「学校にいけなくしてやる」などとメッセージを送っていました。
ある日、Aさんの自宅に警察が訪ねて来て、「これを送ったのは君だよね」とAさんがVさんに送ったメッセージを見せました。
Aさんは脅迫罪について認めたため、大河原警察署に連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

脅迫罪

脅迫罪刑法に定められた犯罪です。
刑法第222条第1項には「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定められており、これがAさんに適用された条文です。
脅迫罪における「脅迫」とは、一般に人を畏怖させるに足りる害悪を告知することです。
この脅迫は相手に伝わった時点で成立するため、実際に脅迫によって伝えられた相手方が恐怖心を抱いたかどうかは関係ありません。
そのため脅迫を受けた相手方が、脅迫の内容に全く恐怖心を抱かなかったとしても、脅迫罪は成立します。
この脅迫にはやり方の制限がないため、口頭だけでなく態度や文章で示す、第三者を媒介して間接的に脅迫するケースでも脅迫罪となります。
そのためSNSのアカウントを使ってVさんに脅迫するメッセージを送ったAさんには、脅迫罪が適用されました。
また、刑法第222条第2項には「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」とあるため、例えば「お前の親を殺す」などの脅迫も脅迫罪になります。

示談交渉

被害者が存在する事件は、示談を成立させることが事件を解決する鍵になります。
参考事件の場合、AさんとVさんは同じ大学にいるため、示談交渉のために接触することは比較的簡単です。
しかし、脅迫事件の被害者からは接触を避けられる可能性が高く、仮に示談交渉できたとしても対面したためにかえって拗れてしまう懸念があります。
スムーズに示談交渉を進めるのであれば、専門知識を持った弁護士が間に入り、サポートを受けながら話し合いを続ける方がいいでしょう。
脅迫事件示談交渉をお考えの際は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めいたします。

脅迫事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に扱う法律事務所です。
当事務所は初回であれば無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスなどを実施しています。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」で、土、日、祝日も電話対応可能です。
脅迫事件の当事者となってしまった、脅迫罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような場合は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】落とし物の管理人が起こした業務上横領事件、逮捕後の流れと弁護士の種類について

2024-07-17

【事例解説】落とし物の管理人が起こした業務上横領事件、逮捕後の流れと弁護士の種類について

業務上横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市のスーパーで働いているAさんは、店に来た客の落とし物を管理していました。
しかしAさんは、落とし物にサイフがあった場合、中から現金を抜き取っていました。
それらの行為を繰り返し行っていたところ、その抜き取る瞬間が監視カメラに写ってしまい、犯行が発覚しました。
そしてAさんは業務上横領罪の容疑で、若柳警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

業務上横領罪

刑法には横領の罪が3つ定められており、そのうちの1つが業務上横領罪になります。
刑法第253条がその条文であり、内容は「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」となっています。
横領は不法領得の意思を持って、他人の物の占有を自己の占有に移すことを言います。
占有とは、財物に対する実質的な管理、支配を意味する言葉です。
業務上横領罪における占有は、他人からの委託信任関係に基づいた占有である必要があります。
他人から物を預っている場合、確かに物自体は手元にあり占有していますが、元の持ち主が占有を移したわけではないので、ここには委託信任関係に基づいた占有があります。
そしてその元の持ち主の意思に反して、その財物を不法に自分の物にしようとすれば、横領となります。
業務上横領罪の場合、業務者という立場を有している者が横領行為を行うと成立します。
この場合の業務者は、委託を受けて他人の物を保管・管理する事務を反復又は継続的に行う者です。
質屋や運送業者などはその典型ですが、会社の金銭や物を管理している社員や役員もここに含まれます。
また、この場合の業務にはボランティアなど、仕事ではないものも含まれています。
Aさんはスーパーの従業員の仕事として落とし物の管理を任されていました。
その落とし物から、Aさんは現金を不法に抜き取り自分の物にしています。
そのため、参考事件のAさんには業務上横領罪が適用されます。

逮捕後の流れ

警察官に逮捕されてしまうと、取調べを受けることになります。
そして警察官は48時間以内に事件を検察官に送致するか決めます。
送致されると検察官は、24時間以内に裁判所に勾留請求するかを決めます。
勾留とは10日間の身体拘束のことで、延長されればさらに10日間身体拘束が続きます。
つまり警察に逮捕されてしまうと最大で23日間、外部と連絡を制限された状態で連日取調べを受けることになってしまいます。
長期の身体拘束を避けるのであれば、弁護士による弁護活動が必要になります。
国が選任する国選弁護人は、勾留が付いてからでなければ依頼することができません。
しかし個人で依頼する私選弁護人は、逮捕直後から勾留が行われないように動くことができます。
勾留を避けるためには速やかに弁護士に相談し、身柄解放の弁護活動を依頼することが重要です。

業務上横領罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が多く所属する法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回であれば無料の法律相談、逮捕、勾留された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
業務上横領罪で刑事事件化してしまった方、業務上横領罪の疑いでご家族が逮捕・勾留中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。
24時間365日、お電話をお待ちしております。

司法試験受験生アルバイト求人募集2024

2024-07-14

司法試験受験生アルバイト求人募集2024

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、2024年(令和6年)度の司法試験受験生又は予備試験受験生を対象に、全国12都市にある各法律事務所の事務アルバイトを求人募集致します。司法試験合格に向けて勉強やモチベーション維持をしたい方や、弁護士・検察官・裁判官を目指していて刑事事件又は少年事件に興味のある司法試験・予備試験受験生は、うってつけの法律事務所アルバイト業務ですので是非ご応募下さい。

司法試験受験生アルバイト求人募集情報

あいち刑事事件総合法律事務所の事務アルバイトに採用されると、専門弁護士による刑事・少年事件の弁護活動を間近に見ることができます。司法試験又は予備試験の勉強で学んだ法律知識が弁護士事務所でどのように使われているのかを見ることで、知識の確認と深化定着につながります。深夜早朝アルバイトであれば、冷暖房完備の快適で静かな環境で、電話対応などの簡単な仕事以外の時間は自由に勉強等をしていただけます(深夜早朝手当も出ます)。司法試験合格者のアルバイトを多数受け入れ、当事務所アルバイト経験者の多くが司法試験に合格しているモチベーションの高い職場です。

【事務所概要】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な、刑事事件・少年事件及びその関連事件の弁護をメイン業務とする全国的刑事総合法律事務所です。著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件及びその関連業務をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱っています。全国12都市に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元官僚等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。刑事事件・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び事業部制度を整え、全国に高レベルの弁護サービス普及を目指しています。また、更生支援、犯罪被害者支援や入管事件にも力を入れて取り組んでいますので、当事者の支援や外国人問題に興味のある司法試験・予備試験受験生も歓迎しています。

【募集職種】

・事務アルバイト
・深夜早朝アルバイト

【給与(東京の場合)】

・事務アルバイト:時給1300円+交通費
・深夜早朝アルバイト:時給1300円+深夜早朝割増(25%%UP)+交通費
※時給は勤務地によって異なり、1000〜1300円となります。

【勤務時間】

勤務時間:週1日~、1日3時間~
※業務内容や個人の事情に応じて勤務時間は柔軟に対応いたしますのでご相談下さい。

【執務環境】

・交通費支給
・各事務所とも主要駅近く利便性抜群。
・PC、事務処理環境、インターネット等完備
・刑事事件、少年事件の専門性が高い職場

【仙台支部紹介】

仙台支部は、仙台市地下鉄南北線・広瀬通駅から徒歩2分、JR仙台駅からも徒歩7分という好立地に事務所を構えております。
宮城県や隣県を中心として東北全域の刑事事件・少年事件に対応しており、仙台高等裁判所管内の多くの刑事事件・少年事件の弁護活動に従事しております。
刑事事件専門の弁護士による刑事事件・少年事件の弁護活動又は付添人活動を間近に見ることができ、弁護士実務を肌で感じながら法律知識の確認向上を図ることができます。
特に仙台支部は、弁護士と事務員が1名ずつという小規模な事務所ではありますが、それだけに事件にしっかりと関わっていただけます。
アルバイトをしながら法律事務所の仕事の経験を積めるため、将来法曹になる方にとって必要な能力を少なからず身につけることができると思いますので、是非ご応募ください。

司法試験受験生アルバイト求人応募方法

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のアルバイト求人募集にご興味のある方は、エントリー・説明会参加フォーム又は電子メールnoritakesaiyou@keiji-bengosi.com 宛で事務所までご応募ご質問下さい。5日間程度のうちに採用担当者からメール又は電話でご連絡させていただきます。

【事例解説】バイクで人に接触してしまった際に適用される法律、交通事件で弁護士に依頼するメリット

2024-07-11

【事例解説】バイクで人に接触してしまった際に適用される法律、交通事件で弁護士に依頼するメリット

過失運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいる大学生のAさんは、大学からバイクに乗って帰っていました。
その途中で信号機がない横断歩道の前を通る際に、Aさんは一時停止することなく進もうとしました。
その際に横断歩道を歩いてくるVさんに気が付かず、AさんはVさんに接触しました。
Aさんと近くにいた通行人は怪我をしたVさんの救護と警察への報告をし、しばらくすると現場に白石警察署の警察官が現れました。
そしてAさんは過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律に定められています。
自動車運転処罰法と略されるこの法律の第5条は「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」とあり、これが過失運転致傷罪の条文です。
ほとんどの犯罪は故意犯(意図的に罪を犯す意思を持って実行した者)が処罰を受けることになりますが、過失運転致傷罪のように不注意によって事件を起こした過失犯を処罰する規定もあります。
参考事件のAさんは横断歩道の前で一時停止していません。
自動車の運転手は横断歩道の標識等がある場合、その直前で一時停止をして前方を注意し、歩行者の有無を確認する義務を負っています。
仮にAさんが横断歩道で歩行者が通るという結果を予見していれば、歩行者に接触する結果を回避できていたことから、Aさんは注意義務を怠ったと言えます。
その過失の結果Vさんは怪我を負ってしまったことから、Aさんには過失運転致傷罪が適用されました。
また、参考事件のような過失による交通事件で人の死亡という結果が出てしまった場合は、自動車運転処罰法第5条が適用されるのは同じですが、罪名は過失運転致死罪となり下される処罰もより重いものになってしまいます。

示談交渉

過失運転致傷罪は人の死傷が成立要件になっていることから、被害者が存在する交通事件です。
そのため刑罰を軽くするための弁護活動として、示談交渉が考えられます。
示談交渉は弁護士でなく、保険会社に任せるといったやり方もあります。
しかし、保険会社は減刑や不起訴処分を目的とした示談交渉を行うわけではないため、減刑や不起訴処分の獲得を目指すのであれば、弁護士に依頼する方が効果的と言えます。
過失運転致傷罪などの交通事件で、刑事処分も考えて示談交渉を行いたいのであれば、弁護士に示談交渉を依頼することがお勧めです。

交通事件と示談交渉に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談および逮捕された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を、24時間受け付けております。
交通事件の当事者となってしまった方、過失運転致傷罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】万引き後に脅迫を行ったことで事後強盗罪になったケース、執行猶予を獲得するための条件

2024-07-08

【事例解説】万引き後に脅迫を行ったことで事後強盗罪になったケース、執行猶予を獲得するための条件

事後強盗と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県多賀城市に住んでいる大学生のAさんは、近所のコンビニに来ていました。
そこでAさんはお弁当やおにぎりなどをバッグに入れ、そのままコンビニの外に出ようとしました。
しかし、Aさんが万引きしているところを他のお客が見ており、店員に「あの人万引きしました」と告げられました。
そこで店員がAさんを止めようとすると、懐からナイフを出して「近づくな、刺すぞ」と脅し、そのまま逃走しました。
後日、店員が事件を警察に通報し、塩釜警察署の捜査でAさんの身元は特定されました。
しばらくして、Aさんは事後強盗罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗と事後強盗

参考事件のAさんは万引きをしているので、窃盗罪でないことに疑問を持つ方もいるかもしれません。
窃盗罪刑法に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められており、万引きにはこの条文が適用されます。
しかし、今回Aさんには事後強盗罪が適用されました。
これはAさんが、万引き後にとった行動に理由があります。
刑法第238条には、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」とあり、これが事後強盗罪の条文です。
窃取した財物の奪還阻止の目的や、逮捕免脱、罪証隠滅を目的に暴行や脅迫を行うと、万引きであっても事後強盗罪が適用されます。
この場合の暴行、脅迫は、被害者などの相手方が反抗を抑圧されるに足りる程度の強度である必要があります。
Aさんの場合、ナイフを出した上で「刺すぞ」と脅しています。
凶器を出した上での脅迫は、反抗を抑圧するに足りる強度があると判断されるため、窃盗である万引きを行った後、ナイフを出して脅迫し、逃走したAさんには、事後強盗罪が成立することになります。
強盗罪の刑罰は「5年以上の有期懲役」となっており、事後強盗罪は「強盗として論ずる。」とあります。
そのため事後強盗罪の刑罰も「5年以上の有期懲役」ということになります。

執行猶予

執行猶予とは、刑の執行を一定期間猶予し、その期間に犯罪などで事件を起こさなければ刑の執行を免除できる制度です。
この執行猶予を取り付けるには条件があり、刑法第25条にはその条件の1つとして、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し」が定められています。
そのため、「5年以上の有期懲役」のみが刑罰である事後強盗罪は、執行猶予を取り付けることができません。
しかし、減刑によって刑罰を3年以下にすることができれば、強盗事件であっても執行猶予の獲得が視野に入ります。
強盗事件で減刑を求める際に効果的なのは、被害者と示談を締結することです。
示談交渉の中で、被害者が寛大な処分を求めるなどの条項を認めてくれれば、執行猶予獲得に繋がりやすくなります。
参考事件であればコンビニと示談交渉を進めることになりますが、会社など法人が相手の示談交渉は、弁護士がいなければ断られてしまうケースも多いです。
そのため強盗事件などで執行猶予を獲得したい、会社に対して示談交渉を行いたいといった時は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼しましょう。

強盗事件の弁護活動に強い法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件(少年事件含む)を中心に取り扱っている法律事務所です。
初回であれば無料法律相談逮捕された方のもとへ弁護士が直接面会に向かう初回接見サービスなどを、当事務所ではご予約いただけます。
フリーダイヤル「0120-631-881」にてご予約いただけ、平日はもちろん土、日、祝日も24時間体制でお電話を承ります。
強盗事件の当事者となってしまった、事後強盗罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった時は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】共用トイレに無理矢理連れ込んだ不同意性交等罪、身体拘束からの解放を目指す弁護活動

2024-07-04

不同意性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県大崎市に住んでいる会社員のAさんは、駅構内で見かけたVさんをナンパし、2人で食事をしていました。
その食事終わりにVさんがトイレに寄ろうとすると、Aさんもトイレに行くと言ってついていきました。
そしてトイレに入る寸前に、Aさんは男女共用トイレにVさんを連れ込みました。
Vさんは嫌がりましたが、Aさんは構わずVさんを押さえつけて服を脱がせ、性行為に及びました。
そしてAさんと別れた後、Vさんは警察に被害を相談しました。
後日、Aさんは古川警察署不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

不同意性交等罪

強制性交等罪刑法の改正によって、不同意性交等罪になりました。
特定の「行為又は事由その他これらに類する行為又は事由(刑法第176条第1項各号)」によって、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第179条第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。」と刑法第177条第1項に定められています。
同意しない意思」を「表明」「することが困難な状態」とは、その意思を外部に表すことが難しい状態を言います。
社会的・経済的に優位な者からの頼みを、自分の立場を気にして断れない状態などがこれにあたります。
同意しない意思」を「全うすることが困難な状態」とは、その意思を外部に表すことができても、その意思の通りに振る舞うことが難しい状態と指します。
身体を拘束されて抵抗ができない状態あるなどがこれにあたります。
参考事件ではAさんがVさんを押さえつけています。
刑法第176条第1項第1号には「暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。」とあり、押さえつける行為はこの第1号に含まれます。
そして同意しない意思を全うすることが困難なVさんの服を脱がせ、性交に及んだことからAさんには不同意性交等罪が適用されました。

弁護活動

参考事件のような性犯罪の場合、逮捕後の勾留が長引く可能性があります。
これは犯人の逃亡や証拠隠滅、被害者に接触しての口止めをされないようにする目的があります。
しかし、ナンパして知り合ったなどお互いのことをよく知らないのであれば、その可能性は低いと言えるため、弁護士を雇ってそのことを正式な書面で捜査機関に伝えることができれば、釈放の可能性をあげることができます。
また、弁護士がいれば被害者に直接対面する形を避け、弁護士が代理人となってスムーズに示談交渉を行うことができます。
特に参考事件のような被害者と知り合いでないケースの示談交渉の場合、弁護士であれば捜査機関から被害者の連絡先を聞き、示談交渉を持ちかけることができます。
このように弁護士がいるとできる活動が増えるため、不同意性交等罪で事件を起こしてしまった場合は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めします。

不同意性交等罪に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談や、逮捕・勾留されている方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
どちらのご予約も、24時間、365日対応可能です。
性犯罪を起こしてしまった、不同意性交等罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった、そのような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】放火事件の際に適用される条文、それぞれの条文に規定された刑罰の違いについて解説

2024-07-01

【事例解説】放火事件の際に適用される条文、それぞれの条文に規定された刑罰の違いについて解説

放火の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県角田市に住んでいる会社員のAさんは、勤めていた同市内にある会社を解雇されました。
解雇された恨みからAさんは、夜中に会社の事業所に行き火を付けました。
その後、煙が上がっていることに気付いた通行人が消防車を呼び、ほどなく消火されました。
警察は放火の可能性が高いと捜査したところ、Aさんが火を付けたことが分かり、Aさんの身元も特定されました。
後日Aさんの自宅に角田警察署の警察官が現れ、Aさんを非現住建造物等放火罪の疑いで逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

非現住建造物等放火罪

刑法には「放火及び失火の罪」の章があり、非現住建造物等放火罪はここに定められています。
刑法第109条第1項がその条文であり、その内容は「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。」となっています。
住居」とは、人が起臥寝食の場所として、日常生活を営む建物を指しています。
そして「建造物」は屋根があり、壁や柱によって支持され、土地に固定されている家屋やその他の建築物を指します。
Aさんはが火を付けたのは、住居ではなく、放火時に人(放火したAさんを除く)がいない場所であったため、非現住建造物等放火罪が適用されました。
仮にAさんが放火した際、人がいた場合は後述のより重い放火の罪が適用されます。

現住建造物等放火罪

刑法第108条には、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と現住建造物等放火罪が定められています。
住居」「建造物」の意味は前述の非現住建造物等放火罪と同じです。
建造物に放火する際に人がいると適用される条文で、Aさんの犯行時、事業所内に人がいれば現住建造物等放火罪となっていました。
建造物等への放火の際に人がいなければ非現住建造物等放火罪が成立しますが、住居への放火の際は違います。
現に人が住居に使用し」ているとあるため、そこが住居であれば放火時は無人である状況でも現住建造物等放火罪が成立するため注意が必要です。

建造物等以外放火罪

放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」と定めた第110条第1項の条文もあり、建造物ではない物に放火すると建造物等以外放火罪が成立します。
放火に関する罪は状況によって異なり、その刑罰も大きく変わります。
特に現住建造物等放火罪は、非現住建造物等放火罪と同じく建物を対象にしたものでも刑罰は非常に重く、裁判員裁判が開かれる可能性もあります。
放火によって刑事事件化してしまった場合は、現状を把握するために刑事事件に詳しい弁護士に相談することが重要です。

放火の罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件に中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談逮捕された方のもとへ弁護士が直接伺う初回接見サービス等のご予約が可能です。
フリーダイヤルは24時間対応可能ですので、現住建造物等放火罪非現住建造物等放火罪建造物等以外放火罪といった放火事件の当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】覚醒剤取締法違反で逮捕、起訴後の勾留が付いてしまった際に重要になる保釈請求

2024-06-28

【事例解説】覚醒剤取締法違反で逮捕、起訴後の勾留が付いてしまった際に重要になる保釈請求

参考事件

宮城県亘理郡に住んでいる会社員のAさんは、友人から勧められて覚醒剤を使用していました。
そしてAさんに覚醒剤を勧めた友人が覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまい、Aさんも覚醒剤を使用していることを話しました。
後日、警察官がやって来て、Aさんの家にある覚醒剤使用のための注射器を発見しました。
そのままAさんは亘理警察署覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

覚醒剤取締法

覚醒剤の濫用による保健衛生上の危害を防止することを目的としているのが、覚醒剤取締法です。
この法律において覚醒剤とは、フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類を指しています。
覚醒剤は特定の業種、および許可を得た者以外は、「何人も、覚醒剤を所持してはならない。」と覚醒剤取締法第14条に定められています。
また、覚醒剤取締法第19条では、特定の場合を除き、「何人も、覚醒剤を使用してはならない。」と定めています。
この覚醒剤の「使用」とは、覚醒剤をその用法に従って用いる一切の行為を意味します。
これは自身以外の他人へ使用することをだけでなく、他人に頼んで自己に使用させる場合も含まれます。
人だけでなく、家畜への使用も含まれ、研究や製造のための使用も禁じられています。
そのため所持の許可を得ていないAさんが、使用の許可を得ずに所持した覚醒剤を使用しているため、Aさんは覚醒剤取締法違反となりました。

保釈請求

警察に逮捕されその後検察官に起訴され被告人になると、被告人勾留が付きます。
起訴後は原則2カ月被告人勾留となりますが、継続する必要性があると判断されれば1カ月延長されます。
この延長には制限がないため、裁判が開かれるまで被告人勾留が続きます。

この長期の身体拘束を防ぐためには保釈を行う必要があります。
一定の金額を裁判所に納付し、被告人を勾留から解放するのが保釈です。
この保釈金保釈中に問題を起こさない限りは、裁判が終わると返還されます。
保釈の請求には専門知識が必要であり、主に弁護士を通して行われます(弁護士以外でも行えますが一般的ではありません)。
裁判所に認められなければ保釈はできないため、保釈請求の際には勾留の必要性がないことを弁護士が裁判所に主張します。
保釈が認められる可能性を高めるためにも、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めいたします。

保釈請求の知識と経験が豊富な弁護士

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当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回であれば無料の法律相談の他、逮捕または勾留中の方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
ご予約は平日だけでなく、土、日、祝日も、24時間受け付けております。
覚醒剤取締法違反で刑事事件化してしまった方、またはご家族が覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

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