アーケードで歩行者と接触事故
宮城県仙台市に住むAさんは、仙台市内を車で走行中、歩行者専用のアーケードと自動車通行可の道路との信号のない交差点に差し掛かりました。
この交差点は基本的に歩行者優先となっており、自動車が通るときは、歩行者の切れ目を縫って通り抜ける状態となっています。
アーケードは歩行者も多く、自動車が通り抜けるには一苦労することも多い場所です。
Aさんも、この場所を通り抜けるには時間がかかることは認識していましたが、急いでいたため、やや強引に交差点内に入り、歩行者を停止させて通り抜けようとしました。
しかし歩行者と接触して転倒させ、怪我を負わせてしまいました。
Aさんは宮城県仙台中央警察署の実況見分に立ち会った後、帰宅しましたが、今後どうなるのでしょうか。
(フィクションです)
~自動車運転過失致傷罪~
Aさんの行為には自動車運転処罰法の過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
仙台市内には本件のような歩行者専用アーケードと自動車通行可能な道路の交差点が多くあります。
深夜を除き、完全に歩行者がいなくなる瞬間はあまりないことから、阿吽の呼吸で歩行者が道を譲ってくれることもあります。
しかし、自動車の運転手としては、歩行者と接触しないよう、細心の注意を払って進行する必要があります。
やや強引に進行したAさんには、このような注意を怠ったとして、自動車運転過失致傷罪が成立する可能性があるわけです。
ただし、条文にもある通り、被害者の傷害が軽い場合(例えばかすり傷程度の場合)には、刑が免除される可能性もあります(執行猶予とは別の制度です)。
免除されれば刑罰は受けませんが、有罪であることに変わりはなく、前科は付きます。
~今後の刑事手続の流れ~
刑事事件では、最悪の場合、逮捕・勾留により最大で23日間の身柄拘束がされ取調べ等を受け、その後刑事裁判が始まり、判決が確定するまで身柄拘束が続き、有罪判決が確定すれば懲役等の刑罰を受けるという流れになる可能性があります。
一方、前科の有無等にもよりますが、軽い犯罪の場合、身柄拘束は一切されず在宅のまま捜査を受けることも十分考えられます。
その後、起訴猶予(不起訴)となれば、刑事裁判を受けずに済み、前科は付きません。
また、起訴されたとしても、罪を認めていれば、略式裁判という簡易な手続きにより罰金刑で終わる可能性もあります。
本件のAさんの場合、事故時のAさんの運転の悪質さの程度や、Aさんの前科の有無、被害者のケガの程度等にもよりますが、在宅のまま捜査され、比較的軽い処分で終わる可能性もあります。
~弁護士に頼むメリット~
仮に逮捕されると3日間身柄が拘束されます。
その後、検察官が裁判官に勾留請求し、裁判官がこれを認めると、勾留と呼ばれる身柄拘束が最大で20日間続きます。
弁護士としては勾留請求しないよう検察官に働きかけたり、裁判官の勾留決定に対し準抗告という不服申立て手続を行ったりして、身柄の解放を目指します。
また、刑事裁判の開始後も身柄拘束が続いている場合には、弁護士は保釈請求をすることにより身柄解放を目指します。
さらに、身柄を拘束されているかどうかに関わらず、弁護士は検察官に対し、起訴猶予(不起訴)あるいは略式裁判で済ませられないかといった働きかけを行い、軽い処分で済むように活動します。
こういった弁護活動により、加害者の社会生活への影響を少なくすることにつながります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士による法律相談が初回無料で受けられます。
事件・事故の内容に応じた今後の刑事手続の見通しをお教えしたり、警察官や検察官から取調べを受ける際のアドバイスもできます。
自動車運転過失致傷罪などで捜査を受けている方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
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