反則金を納付せず逮捕【スピード違反】
スピード違反をしたのに反則金を納付をせず、逮捕されてしまったという事件がありました。
速度47キロで運転の男逮捕…速度超過の疑い 反則金未納、出頭せず「まさか逮捕されるとは」/県警
Yahoo!ニュース(埼玉新聞)
この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~スピード違反も犯罪~
この事件は、時速30キロ制限の道路を17キロオーバーの47キロで走行したとして、警察に検挙されたものです。
「17キロオーバー」や「47キロで走行」という文字をそれぞれ見ると、大きな違反ではない気がする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし元々の制限が30キロですから、オーバーした割合で言うとなかなかのスピード違反だったことになります。
スピード違反は道路交通法に違反する犯罪ですから、刑罰を受けて前科が付くのが本来的な形ではあります。
道路交通法
第22条1項
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
第118条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
1号 第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
このように、法律上は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性のある犯罪なわけです。
~反則金制度~
しかし、比較的悪質性が低く件数も多い交通違反を、他の犯罪と同じ手続きで処理しようとすると、警察・検察・裁判所がパンクしてしまいます。
そこで、皆さんご存知の反則金という制度が設けられているわけです。
すなわち、軽い交通違反に限り、簡易な手続で反則金を支払えば、これ以上刑罰を受けることなく、前科も付かずに終わるという制度になっているのです。
※ 別途、違反点数は引かれます。
※ 反則金のことを罰金と言う方も多いと思いますが、法律上は別物です。罰金は裁判を経て科される刑罰であり、前科も付きます。
しかし、あくまでも反則金は刑罰の代わりになるものです。
もし納付しなければ原則通り、他の犯罪と同じ手続きがスタートして刑罰が科されることになります。
つまり、逮捕される可能性もありますし、刑事裁判で懲役刑の判決を受けて刑務所に入れられたり、反則金より高い金額の罰金を支払うことになる上、前科も付くことになります。
~支払いや出頭を拒否していた~
今回のニュースの逮捕された男性は12,000円の反則金を支払わず、警察署からの再三の出頭要請にも応じなかった模様。
逮捕後には、「仕事が忙しくて時間がなかった。まさか逮捕されるとは思わなかった」と供述しているそうです。
素直に支払っておけば12,000円の出費のみで済んだのに、逮捕された上、より高額な罰金を支払うことになるでしょう。
前科があるなどの事情があれば懲役刑となる可能性もあります。
また、逮捕されたとなれば、職場を解雇されるといった社会的な影響も出てくる可能性があります。
反則金の支払いには、素直に応じるようにしましょう。
~交通違反も弁護士に相談を~
仮に交通違反はしていないはずで、反則金の納付するのは納得いかないという場合には、あえて反則金を納付しないで裁判で争うという方法などを採ることになります。
その場合でも、逮捕まではされないようにして、自宅から警察署や検察庁に行って取調べを受けたり、裁判所に出向いて裁判を受けるという在宅事件として扱ってもらうようにしなければなりません。
また、取調べや裁判において、違反していないといえる根拠を出来る限り示していくことも重要となってきます。
さらに今回のニュースの男性のように、単純に反則金を納付せずに、すでに通常の刑事手続きに移行してしまったケースでも、取調べや裁判への対応、釈放に向けた手続きなどを採る必要が出てきます。
ご本人やご家族だけでは対応が難しいと思いますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。