道路にロープを張ってバイクの走行を妨害 殺人未遂罪で逮捕

バイクの走行を妨害する目的で道路にロープを張った事件を参考に、殺人未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

仙台市宮城野区に住むAさんは、近所の駐車場に集まる暴走族の騒音に悩まされていました。
そんな中、暴走行為を繰り返す暴走バイクの走行を妨害する目的で、Aさんは自宅近くの道路にロープを張りました。
そうしたところ、そのロープに引っかかったバイクが転倒し、バイクの運転手は大怪我を負ってしまいました。
宮城県仙台東警察署殺人未遂事件として捜査を始めたことを知ったAさんは、警察に出頭しようか悩んでいます。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

殺人未遂罪

人を殺害しようと、殺害行為に着手したが相手が死ななかった場合、殺人未遂罪となります。
殺人未遂罪の法定刑は、殺人罪と同じ「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」です。
殺人罪は、人の死という結果の重大性から、刑事裁判では厳しい判決が言い渡されることがほとんどですが、殺人未遂罪の場合は、刑法第43条(未遂減免)の適用を受けたり、傷害罪に罪名が変わるなどして、執行猶予付の判決が言い渡されることが珍しくありません。

殺意

殺人未遂罪の刑事裁判で、争点となるのは「殺意」の有無です。
殺意の有無は、加害者の供述だけでなく、犯行方法や、犯行の計画性、被害者の傷害の程度等を総合的に判断されます。

・犯行方法
急所を狙っている暴行や執拗な暴行、凶器を用いた暴行等の場合は殺意が認定されやすい。

・犯行の計画性
事前に被害者の行動パターンを下見している場合や、凶器を準備している場合等は計画性が認められて、殺意が認定されやすい。

・被害者の傷害程度
被害者が急所に傷害を負っている場合や、重傷を負っている場合等は殺意が認定されやすい。

・加害者の意思
殺そうと思って犯行に及んでいる場合は当然のこと、死ぬかもしれない、死んでもかまわないといったように、結果を認識し、それを容認した場合も故意があるとして、殺意が認められます。

殺人未遂罪が成立するか否かは、犯行時に「殺意」があるか否かによります。
そして「殺意」の有無は、犯行行為だけでなく、取調べでの供述内容によって判断されるので、取調べの供述内容には注意しなければなりません。

殺人未遂事件に強い弁護士

仙台市宮城野区の刑事事件でお困りの方、殺人未遂事件を起こしてしまって警察に出頭するか悩んでおられる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。

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