薬局への建造物侵入・窃盗事件
薬局への建造物侵入・窃盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,以前勤務していた宮城県仙台市若林区内の薬局に侵入し、抗がん剤約100万円相当を盗んだとして,宮城県若林警察署の警察官により建造物侵入罪・窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,従業員を装って,卸会社に抗がん剤を注文して薬局に納品させた上,夜間に薬局に侵入し納品された抗がん剤を無断で持ち去ったといいます。
建造物侵入・窃盗事件を起こした動機について,Aさんは,転売してローンに充当するつもりだったといいます。
(2021年8月2日にTBSNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【建造物侵入罪とは】
刑法130条
正当な理由がないのに,…人の看守する…建造物…に侵入した者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
刑事事件例の薬局は建造物侵入罪の要件である「人の看守する…建造物」に当たります。
Aさんは,その建造物侵入罪の「人の看守する…建造物」に無断で立ち入っており,ここに建造物侵入罪の要件である「侵入」が存在します。
よって,Aさんには建造物侵入罪が成立することになるでしょう。
【窃盗罪とは】
刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
Aさんは,納品された抗がん剤を無断で持ち去っており,窃盗罪の「他人の財物を窃取した」という要件を満たします。
よって,Aさんには窃盗罪が成立することになるでしょう。
【建造物侵入・窃盗事件を起こしたらどうすればいいか】
建造物侵入・窃盗事件を起こした場合,被害者の方と示談をするために,すぐに示談交渉を始めましょう。
建造物侵入・窃盗事件の示談では,建造物侵入・窃盗事件を起こしてしまったことへの謝罪,盗品の返還,盗品の返還に代わる被害弁償金の支払い,建造物への立ち入り禁止の誓約などを行うことが考えられます。
刑事事件例のように,転売目的で建造物侵入・窃盗事件を起こし,すでに盗品を売り払ってしまったという場合は,盗品の返還に代わる被害弁償金の支払いをするというところがポイントとなります。
被害弁償金の金額は,盗品自体の金額のほか,慰謝料が含まれることになるのが通常です。
示談といっても,示談締結の内容は様々な態様があります。
例えば,単に示談金を受け取ることには了承する場合や,示談金を受け取ることに了承した上,建造物侵入・窃盗事件の被疑者の方を許すことにするという場合などがあります。
この示談締結のレベル,程度というのは,まさに刑事弁護士のスキルによって左右され得るところですので,刑事事件に強い刑事弁護士に示談を任せることが重要です。
なお,刑事弁護士を付けずに,建造物侵入・窃盗事件の被疑者の方,若しくはそのご家族の方自身で示談交渉を行うというのは十分に注意しなければなりません。
それは,刑事事件に関する知識がない一般の方が示談交渉をする場合,示談書の内容やその効力をよく知らないまま示談締結をしてしまい,後になって示談の内容が自身に不利であったり,望んでいた法的効果が得られる示談内容ではなかったりすることが容易に想定できるからです。
示談をする場合,やはりその道の専門家である刑事弁護士を付けるのが安全でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
薬局への建造物侵入・窃盗事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください(初回接見契約については,こちらをご覧ください)。