盗品をもらい自首

盗品をもらい自首

岩手県奥州市に住むAさんは、高校時代の暴走族仲間であるBさんの家で酒を飲んでいました。
現在、Aさんは会社員として働いていますが、Bさんは暴力団事務所に出入りしています。
Bさんは話の流れで、「こないだ盗みに入ってな。これ盗ってきたんだ。お前には昔から世話になってるからやるよ」と言い、民家から盗んできた貴金属の中の一つをAさんに差し出しました。
Aさんは、「自分が盗ってきたわけじゃないし」という軽い気持ちで、その貴金属をもらって帰りました。
後日、Bさんが窃盗逮捕されたことを聞き、急に不安になったAさん。
弁護士の無料相談を利用してみることにしました。
(フィクションです)

~Aさん・Bさんに成立する犯罪~

まず、Bさんには住居侵入罪窃盗罪が成立するでしょう。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一方、窃盗によって盗まれた品をもらったAさんにも、盗品無償譲受罪が成立します。

第256条1項
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
第2項
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

第256条1項に盗品無償譲受罪が規定されています。
自分が盗んだ物ではなくても、それを譲り受けることは犯罪になるわけです。

また、仮にAさんがBさんに貴金属の対価となる金銭などを支払っていた場合には、より重い刑罰が定められている第2項の盗品有償譲受罪が成立します。
有償で譲り受ける方が、Aさんにとって金銭的メリットが少ないので、悪質性が低いとも思えます。
しかし、お金を払って盗品を買ってくれる人がいると、窃盗などの犯罪を助長する結果となりうるため、より重く罰することとして犯罪を防ごうとしているわけです。

なお、Aさんは、「自分が盗ってきたわけじゃないし」という軽い気持ちで盗品を譲り受けており、これが犯罪になることを知らなかった可能性があります。
しかし、盗品であることを知っていた以上、法律を知らなかったとしても、犯罪が成立することに変わりはありません(刑罰が軽くなる可能性はあります)。

第38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。(以下略)
第3項
法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

~自首を検討~

逮捕されたBさんは、警察官や検察官の取調べを受けることになります。
その際、盗んだ品の行先も聞かれるでしょう。
もしBさんが、Aさんに譲ったことを供述すれば、Aさんも捜査対象になり、逮捕される可能性も出てきます。
もしかすると、Aさんは盗品を譲られただけにとどまらず、住居侵入窃盗共犯であるとの疑いをかけられてしまう可能性も否定できません。

Aさんのように盗品を譲り受けてしまったら、すみやかに被害者への盗品の返還や自首を検討すべきです。
Aさんの関与が警察に発覚する前に自首すれば、刑が軽くなる可能性も出てきます。

第42条1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

~弁護士に相談を~

色々ご説明しましたが、まだまだわからないことが多いかと思いますので、ぜひ一度弁護士に相談することをおすすめします。

あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
仮にすでに逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。

どのような犯罪が成立するか、逮捕されてしまうのか、窃盗共犯者としては処罰されないよう取調べではどのように受け答えすればよいのか、どのくらいの刑罰を受けることになる可能性があるか、自首や被害者への盗品の返還はどう行えばよいのかといった疑問に対し、弁護士としての見通しの説明や、アドバイスをいたします。

盗品無償譲受をしてしまったら、ぜひご相談ください。

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