元本保証して出資金を集め逮捕

元本保証して出資金を集め逮捕

仙台市太白区に住むAさんは、IT関連のベンチャー企業の社長を名乗る30代男性。
ある目ぼしい投資案件を見つけたので投資したいと思いましたが、資金が足りません。
そこで、知人やその紹介者など多くの人に声をかけ、出資をお願いしました。
Aさんは、出資をお願いする際、元本保証、高配当をうたって言葉巧みに相手をその気にさせ、多くの資金を集めていきました。
集めた資金を使って投資をしていたAさん。
最初はうまくいき、約束した配当も支払えていましたが、そのうち大きな損失を出すようになりました。
新たな出資者を募って得た資金で、既存の出資者への配当を支払うなど、自転車操業に陥っていました。
結局、配当が支払えなくなったことから、出資者たちが警察に被害届を出し、Aさんは仙台南警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~出資法違反~

出資法では、出資を募る際、元本保証をすること自体を禁じています。

出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
第1条
何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。

元本保証をうたって出資金を集めた時点で、その後約束通りの配当を支払っているか否かに関係なく、出資法1条違反になるわけです。
元本保証をしている時点で違法なわけですから、もしこのような勧誘をされた場合には、投資はしないという判断をすべきです。

元本保証して出資金を集めた場合の罰則は以下のようになっています。

第8条3項
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第1号
第一条、第二条第一項、第三条又は第四条第一項若しくは第二項の規定に違反した者

3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの両方が科される可能性があります。
なお、法人の代表者や従業員等が元本保証をして資金を集めた場合、法人等も300万円以下の罰金に処せられる可能性があります(9条1項3号)。

~詐欺罪も成立する可能性~

出資法違反の他、元本返金や配当を約束通りに出来ないとわかっていながら出資金を集めたような場合には、刑法の詐欺罪が成立する可能性もあります。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

~早い段階で弁護士に相談を~

犯罪をしてしまった場合、被害者に対し弁償をすることにより、必ずではありませんが、刑罰が軽くなったり、執行猶予となったり、起訴猶予となる可能性が上がります。
しかし、このような投資絡みのケースでは、約束通りの配当が支払われている段階では被害届が出されないため、事件が明るみになった段階では弁償する資金がない場合も多いようです。

そこで、心当たりのある方は、出来るだけ早く弁護士に相談されることをお勧めします。
また、すでに弁償できなくなり、事件化が避けられない状況となっていても、可能な範囲で処分・判決が軽くなるよう弁護活動をします。

さらに、取調べの受け答えの仕方、今後の刑事手続の流れ、成立する犯罪や刑罰の重さなど、不安点を解消するために弁護士による接見法律相談を受けるだけでも意味はあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、まだ逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で受けていただけます。
ぜひ一度ご連絡ください。

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