レジでの追加注文詐欺で逮捕

レジでの追加注文詐欺で逮捕

店員を慌てさせてお釣りを多くもらい、詐欺罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県仙台市青葉区に住むAさん。
コンビニで普通に買い物をするように装い、レジで1万円札を出し、お釣りのお札を受け取ったところで、
「あ、このチキン追加で。あとこれもかな。やっぱりこれはやめてこっちに代えます」
などと矢継ぎ早に追加注文をして、店員を慌てさせました。
そして何とか店員が商品を用意し終えて会計の段階になり、
「さっき渡した1万円でお願いします」
と言いました。
てんやわんやになっていた店員は、お釣りとしてお札をすでに渡したことを忘れてしまい、改めてお札と小銭のお釣りをAさんに渡しました。
Aさんは最初からお札部分のお釣りの二重取りを狙っていたのです。
その日の夜、レジ締めで金額が合わないことが判明した店長は、対応した店員や防犯カメラを確認し、Aさんが二重取りしたことが判明。
店長は、Aさんが二重取りを狙って行ったものだろうと考えたことから、仙台中央警察署に相談。
するとAさんについては他のコンビニからも相談が寄せられていたことから、警察もAさんが狙って行った犯行と判断。
Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~店員を慌てさせて詐欺~

今回のAさんのような手段を用いた犯行は昔からあるようですが、最近でもチラホラ耳にします。
お釣りが自動で出てくるレジを採用している店舗を除き、今後もありうる犯行といえます。

Aさんは、「上手くいけばラッキー」という軽い気持ちでしてしまったのかもしれませんが、立派に詐欺罪が成立してしまうでしょう。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

お札をもらった段階で大量の追加注文をして店員を慌てさせ、まだお釣りをもらっていないと勘違いさせたことは、「人を欺いて」に当たるでしょう。
これにより、改めてお釣りを受け取ったわけですから、「財物を交付させた」といえます。
したがって、10年以下の懲役となってしまう可能性があります。

なお、Aさんの場合は余罪があるようですので、一度に他の犯行も裁判にかけられた場合には、15年以下の懲役ということになってしまいます。

第45条
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。(以下省略)
第47条
併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。(以下省略)

~本当に間違って受け取った場合は?~

Aさんが、詐欺をするつもりではなく、本当にAさん自身もまだお釣りをもらっていないと勘違いして二重取りしてしまった場合には、詐欺罪の故意がなく、犯罪は成立しないのが原則です。

第38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。(以下省略)

ただし、最初から詐欺をするつもりがなかったとしても、二重にお釣りをもらった段階でおかしいと気づいたのに、店員に申し出ないまま店舗から立ち去った場合にも、詐欺罪が成立するでしょう。
また、すでに店舗を離れてから気づいたが、そのまま自分のお金にしてしまった場合にも、少し罪は軽くなりますが占有離脱物横領罪が成立する可能性があります。

第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

いずれにしろ犯罪となってしまうかもしれませんので、気づいた時点で素直に申し出るべきだったということになります。

~弁護士に聞いてみる~

逮捕された後の手続について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://sendai-keijibengosi.com/keijijikennonagare/

逮捕されると、ご本人はもちろん、ご家族も不安な点が多いと思いますので、ぜひお早めにご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、上記の不安点などについてご説明いたします。
接見後にその結果をご家族にご報告致しますので、報告を聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、弁護士事務所での法律相談を初回無料で行っております。

詐欺罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご連絡ください。

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