夫が痴漢で逮捕
夫が痴漢で逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさん(30歳)は,宮城県仙台市青葉区内を走行中の電車内で,20代女性(Vさん)の尻を触るなどしたとして,宮城県仙台北警察署の警察官により,宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の容疑で逮捕されました。
夫が痴漢で逮捕されたと聞いたAさんの妻は,どうしたらよいかと考えています。
(2021年4月8日に山陽新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)とは何か】
宮城県迷惑行為防止条例第3条の2第1項
何人も,公共の場所又は公共の乗物において,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
1号 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
宮城県迷惑行為防止条例では,公共の場所/公共の乗物において,衣類等の上から/直接に,人の身体に触れること(痴漢行為)を禁止しています。
【痴漢した場合,どのような刑罰が科されるか】
宮城県迷惑行為防止条例第17条
次の各号のいずれかに該当する者は,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1号 第3条の2第1項から第3項までの規定に違反した者(前条第1項第1号の規定に該当する者を除く。)
宮城県迷惑行為防止条例に違反して痴漢行為を行った場合,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。
【夫が痴漢で逮捕された場合,いつ帰ってくるか】
夫が痴漢で逮捕されてしまった場合,ご家族の方(奥様)は,「夫はいつ帰ってくるのか」,「いつから会社に行くことができるようになるのか」といったことがご心配になると思います。
この点については,刑事訴訟法に逮捕・勾留に関する規定が定められています。
刑事訴訟法203条1項
司法警察員(注:警察官のことをいいます。)は,逮捕状により被疑者を逮捕したとき…は,…留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し,留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から48時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続きをしなければならない。
宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)で逮捕されると,警察官は,48時間以内に被疑者の方の身柄を検察官に送るか,釈放するかを決定します。
刑事訴訟法205条1項
検察官は,第203条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは,…留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し,留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
警察官から痴漢事件の被疑者の方の身柄を受けると,検察官は,24時間以内に痴漢事件の被疑者の方の勾留を請求するか,釈放するかを決定します。
刑事訴訟法第208条
1項 …被疑者を勾留した事件につき,勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しないときは,検察官は,直ちに被疑者を釈放しなければならない。
2項 裁判官は,やむを得ない事由があると認めるときは,検察官の請求により,前項の期間を延長することができる。
この期間の延長は,通じて10日を超えることができない。
痴漢事件の被疑者の方が勾留された場合,検察官は,10日以内(勾留の延長がある場合は,最大20日以内)に刑事裁判に提起(起訴)するか,釈放をするかを決定します。
痴漢事件の被疑者の方が上記手続きに従って刑事裁判に提訴(起訴)された場合,保釈が許可されない限り,痴漢事件の被告人(被疑者)の方の勾留は継続することになります。
【夫が痴漢で逮捕された場合,どうすればよいか】
以上のように,逮捕から勾留までは最長23日間身柄を拘束される可能性があります。
さらに起訴されてしまった場合は,裁判が終わるまで長期間の身体拘束が継続することがあります。
そこで,逮捕後,一刻も早く刑事弁護士に初回接見を依頼し,本当に痴漢をしているのかなどの事実関係を確認したり,警察官や検察官による取調べにどう対応すればよいか,法的助言を受けたりすることが重要になります。
また,速やかに刑事弁護士による身体解放のための刑事弁護活動を受けることが大切です。
例えば,刑事弁護士は,起訴される前は勾留請求に対する意見書/勾留決定に対する準抗告申立書(不服申立書)を提出したり,起訴された後は保釈請求書を提出したりすることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)事件に強い刑事弁護士による初回接見サービスを行っています。
夫が痴漢で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。