ペットボトルに尿を入れ逮捕【器物損壊罪・ストーカー規制法違反】
他人のペットボトルに尿を入れ、器物損壊罪やストーカー規制法違反で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【参考事例】
同僚女性のペットボトルに「尿」入れる 45歳の男を逮捕 静岡県警
YAHOO!ニュース(テレビ静岡提供)
特殊な犯行内容の事件なので取り上げてみます。
この事件で逮捕された加害者がどのような理由で犯行をしたのかはわかりません。
しかし、同僚女性のペットボトルに尿を入れるという犯行内容からすると、性犯罪の一種という感じもします。
ところが、逮捕容疑は器物損壊罪。
物を壊した場合と同じ犯罪ということになります。
刑法第261条(器物損壊)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
この条文の「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為を指します。
物理的に壊すだけでなく、使い物にならなくすればよいということです。
ペットボトルに尿を入れたら飲めませんから、飲み物としての効用を害していることになり、器物損壊罪が成立するわけです。
また、その飲み物を女性が飲んでしまい、体調を崩したといった事情があれば、傷害罪が成立する可能性もあるでしょう。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
~ストーカー規制法違反の可能性も~
器物損壊罪や傷害罪は、それ自体、性犯罪かどうかに関わらず成立しうる犯罪です。
しかし、この事件は性犯罪の雰囲気もある事件なので、何かしらの性犯罪が成立しないのかと思われるでしょう。
成立しうる性犯罪としては、ストーカー規制法違反が考えられます。
ストーカー規制法
第2条1項
この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
1~5号 省略
6号 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
逮捕された加害者が、恋愛感情などを背景にして尿を入れるという行為をしたのであれば、この条文に違反する可能性があります。
このような行為を繰り返すおそれがある場合、被害者からの申し出があれば、警察や公安委員会は加害者に対し、これ以上行わないように警告や禁止命令を出すことができます(4条・5条参照)。
また、実際にこのような行為を繰り返していれば、ストーカー容疑で逮捕され、最大で2年以下の懲役または200万円以下の罰金となる可能性もあります(18条・19条参照)。
~加害者のご家族は~
被害者が大変な思いを強いられるのはもちろんですが、加害者の家族も、加害者が逮捕されたことにより大きな影響を受けることになってしまうでしょう。
どんな犯行をしたのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けることになるのか、被害者と示談は可能なのかなど、わからない点が多いと思います。
不安をできるだけ解消し、被害者の被害の回復や、加害者の更生のため、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
0120-631-881まで、ぜひご連絡ください。