ナンパから軽犯罪法違反に!?

ナンパから軽犯罪法違反に!?

仙台市に住む大学生のAさんは,友人との飲み会の帰り道,たまたま目があった若い女性にナンパ目的で声をかけました。
Aさんは女性から断られてもそのまま一緒に歩いて声をかけ続けていましたが,たまたま巡回していた宮城県泉警察署の警察官に見つかってしまいました。
Aさんは「何もしていません」と伝えましたが,警察官からは「軽犯罪法違反になる」と言われたため,不安になって弁護士事務所に無料法律相談をしに行きました(フィクションです)。

~痴漢や盗撮をしなくても前科がつく可能性~

Aさんは女性に対して痴漢盗撮を行ったわけではありません。
しかし,Aさんがやったことは軽犯罪法違反になるおそれがあります。
軽犯罪法は「他人の進路に立ちふさがつて,若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず,又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた」場合,処罰の対象としています(軽犯罪法第1条28号)。
軽犯罪法に規定されるつきまとい行為をした場合,「拘留又は科料」処分を受けることになります(軽犯罪法第1条柱書)。
拘留と科料という2つの処分が定められていますが,通常は科料処分となります。

科料処分は金銭の支払いが命じられる処分という点で,罰金処分に類似します。
罰金処分との違いは,科せられる金額です。
科料は「1000円以上1万円未満」の支払いを命じられる場合で(刑法17条),1万円以上の支払いが命じられる場合は罰金となります(刑法15条)。
金額だけに着目すると,科料処分はそこまで重くないようにも見えます。
しかし,科料も罰金と同じように,刑法が定める刑罰の一種なので(刑法9条),科料の支払いを命じられた場合,前科がつくことになります。
設例のAさんのように,これから就職活動を行う大学生のような場合,支払う金額以上の不利益がもたらされることも考えられます。

軽犯罪法に違反した場合,定められている処分は科料と拘留のみなので,犯罪の嫌疑がかけられた人が「定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合」に該当しなければ,逮捕状による逮捕をされることはありません(刑事訴訟法199条1項但書。現行犯の場合は,刑事訴訟法217条によって「氏名が明らかでない場合」も含まれます)。
それゆえ,軽犯罪法違反で逮捕される場面は限られていますが,かえって逮捕されないことで安心してしまい,気が付いたら科料処分によって前科がついてしまったということもあり得ます。

~弁護士を通じた示談による前科の回避~

軽犯罪法違反で前科がつかないようにするには,弁護士を通じて被害者と示談を行うことが考えられます。
弁護士を通じて被害者と示談が成立した場合,検察官が科料処分ではなくて不起訴処分(起訴猶予処分)とすることで,前科を回避できる余地があります。
設例のAさんのように,被害者との面識がない場合でも,弁護士がついている場合は,警察や検察官を通じて,被害者の連絡先を聞ける可能性があります。

また,仮に示談ができない場合でも,反省の態度や再犯防止の環境を整えることで,弁護士を通じて処分権者である検察官を説得し,不起訴処分を求めていくことも考えられます。
いずれにせよ,軽犯罪法違反の疑いをかけられた場合は,早期に弁護士に依頼をして,今後の対応を適切に進めていく必要性が高いといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件少年事件を専門に扱う弁護士事務所として,被害者との示談不起訴処分獲得に向けての弁護プランを提案します。
初回無料の法律相談も実施しておりますので,軽犯罪法違反でお悩みの方は,まずは一度,弊所までご連絡ください。

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