傘さし運転・ながら運転で罰金

傘さし運転・ながら運転で罰金

宮城県名取市に住むAさんが自転車で出かけようと家を出ると、雨が降っていました。
「結構降ってるな。でも歩きだと間に合わないし…」
Aさんは傘さし運転で目的地に向けて自転車をこぎ始めました。
さらに音楽好きのAさんは、イヤホンを耳に付け、大音量で音楽を聴きながら運転していました。
ところが途中で警察官に見つかり、イヤホンと傘さし運転をやめるよう注意され、名前や防犯登録番号などを確認されてしまいました。
Aさんは何らかの処罰を受けることになるのでしょうか。
(事実をもとにしたフィクションです)

~傘さし運転・ながら運転は禁止~

傘さし運転は禁止されているということを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、改めて確認しておきましょう。
道路交通法には以下のような規定があります。

第71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
第6号 道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

これを受けて宮城県公安委員会が定めた宮城県道路交通規則には以下のような規定があります。

第14条
第3号 傘をさし、携帯電話で通話又は操作をし、物を持ち、又はハンドルに掛けるなど視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で自転車を運転しないこと。
第11号 高音量でカーラジオ、カーステレオ等を聞き、ヘッドホン又はイヤホンを使用して音楽を聞くなど、安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にヘッドホン又はイヤホンを使用するときは、この限りでない。

3号により、傘さし運転や携帯電話を操作しながらの運転は禁止されています。
また11号では、イヤホン等で音楽を聴くなどにより、周りの自動車の走行音や踏切の警告音などの音や人の声が聞こえないような状態で、車両(自転車含む)を運転することが禁止されています。

これらに違反した場合、5万円以下の罰金が科される可能性があります(道路交通法120条1項9号参照)。
実際には注意だけで終わることも多いでしょうが、法律の規定上はAさんも5万円以下の罰金を科される可能性があるわけです。

~事故につながると~

さらに、このような危険な運転をしていたことが原因で人をはねるなどの事故を起こした場合、重過失致死傷罪過失致死傷罪が成立する可能性もあります。

刑法
第209条第1項 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第210条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
第211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

実際に行った運転方法の危険性の程度等により、どの条文が適用されるかが変わってきます。
悪質な運転で人を死亡させた場合には、211条後段の重過失致死罪が適用され、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

~道路交通法違反・事故の場合は弁護士に相談を~

傘さし運転ながら運転罰金刑を受けることは少ないかもしれませんが、罰金刑となった場合は前科が付くことになります。
前科は本来、就職の際に提出する履歴書などに書かなければならず、入社してから発覚した場合には解雇されることもあり得ます。
また、国家資格の欠格事由にもなります。

また、人を死傷させた場合には正式な刑事裁判となり、上記のように懲役などの重い刑罰を受ける可能性もなくはありません。

ついついやってしまいがちな道路交通法違反ですが、十分にお気を付けください。
そして罰金以上の刑を受けそうな事態になった場合にはお早めに弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士への法律相談が初回無料となっております。
0120‐631‐881まで、お電話お待ちしております。

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