宮城県仙台市若林区の少年事件
宮城県仙台市若林区の少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【少年事件例】
小学6年生の12歳であるAさんは、宮城県仙台市若林区にある自宅内で、同級生のVさんに対して、Vさんの合意がないまま性交渉をしました。
Vさんがこのことを自身の両親に話したことから、Vさんの両親は若林警察署に通報しました。
後日、若林警察署から連絡が来て、AさんとAさんの父親は若林警察署に調書を作りに行くことになりました。
(この少年事件例はフィクションです)
【12歳の小学生の子どもでも罪に問われるのか】
刑法 177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
刑法 41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。
刑事事件例のAさんの行為自体は、刑法177条に規定する強制性交等罪に当たる可能性が高いです。
そのため、Aさんが成人であれば、Aさんは強制性交等罪の刑事責任を問われることになるでしょう。
もっとも、刑事事件例のAさんの年齢は12歳です。
刑法41条は刑事責任を問うことができる年齢を14歳以上であると規定しています。
14歳に達していないAさんは、この刑法41条の規定により強制性交等罪の刑事責任を問われることはありません。
【触法少年・触法事件とは】
少年法 3条 1項
次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
2 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
少年法 3条 2項
家庭裁判所は、前項第2号に掲げる少年…については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。
14歳に満たないときに犯罪行為を行った少年は、触法少年と呼ばれます。
触法少年についての事件(触法事件)については、簡単に説明すると以下のような流れになります。
触法事件が発覚した場合、警察が触法調査と呼ばれる調査として、証拠の収集・確認などの活動が行われることになります。
その後、警察から児童相談所へ通告され、触法事件が児童相談所へ送致されると、児童相談所による調査が行われることになります。
そして、児童相談所による調査を踏まえて、福祉的措置を取ることが相当と判断されると、児童相談所長により福祉的措置が取られます。
触法事件における児童相談所長の福祉的措置には,児童・保護者へ訓戒を加えること、誓約書を提出させること、児童福祉司等に指導させること、里親に委託させること、児童養護施設や児童自立支援施設へ入所させることがあります。
一方、児童相談所長が家庭裁判所の審判に付するのを相当と認めたとき(少年法3条2項),又は一定の重大犯罪であるとき(少年法6条の7第1項)は,触法事件が児童相談所から家庭裁判所に送致されます。
その後、家庭裁判所による調査、審判が行われ、最終的に家庭裁判所による決定がなされることになります。
少年事件(触法事件)における家庭裁判所による決定は、大きく分けて①そもそも審判手続きを開始しない審判不開始、②審判の結果、保護処分をしないこととする審判不処分、③保護処分、④通常の刑事事件へと移行する検察官送致、⑤都道府県知事または児童相談所長へ少年の身柄を移す措置の5つに分けることができます。
このうち、③の保護処分は更に、保護観察、児童自立支援施設送致、少年院送致の3つの種類があります。
保護観察とは、少年の身柄を拘束しないで、つまり、少年の生活環境を変更することなく、保護監督所と呼ばれる機関による指導監督を受ける処分のことを言います。
次に、児童自立支援施設送致とは、少年を児童自立支援施設に入所させる処分のことを言い、この処分は、少年の生活環境に問題があるような場合に取られるもので、この処分がなされることはあまり多くありません。
最後の少年院送致とは、少年を少年院に収容して、少年に矯正教育を行わせる処分です。
このような触法事件の流れは具体的な触法事件の内容によって変わってきます。
触法少年が起こした触法行為や、触法少年の家庭環境、発達状況、これまでの非行歴など、さまざまな事情が考慮されることになるでしょう。
【触法事件における弁護士の役割】
触法事件において、触法事件を含む少年事件に精通した弁護士を付添人として選任することで、次に挙げられるようなメリットが期待できます。
まず、警察の触法調査についてです。
触法事件については、警察による通常の捜査に代えて触法調査と呼ばれる調査が行われることになります。
触法調査において、警察は、触法少年を呼び出して質問をしたり、証拠となるような物を強制的に取得するといった措置を取ることができます。
この警察の触法調査は、触法少年の情操の保護に配慮しつつ行われるものとされています。
もっとも、必ずしも警察の触法調査が適正に行われるとは限りません。
ここで、少年事件に精通した弁護士を付添人として選任しておけば、少年事件に精通した弁護士が警察の触法調査について、触法事件を起こした触法少年やそのご家族の方に対して法的な観点からアドバイスをすることができますし、また、警察の触法調査が適正に行われているかを少年事件に精通した弁護士がチェックすることができるでしょう。
また、触法事件については、警察が触法少年を逮捕・勾留することはできません。
しかし、触法少年の場合、殺人罪などの重大な触法事件については、児童相談所が一時保護という形で触法少年の身柄を拘束することができます。
児童相談所による一時保護により触法少年の身柄が拘束されてしまえば、触法少年の日常生活に影響が及ぶ可能性は非常に高いと言えるでしょう。
このような場合に備えて、少年事件に精通した弁護士を付添人として選任しておけば、一時保護の必要がないことを児童相談所に対して事前に申し立てることで、一時保護を回避する活動を取ることが期待できます。
【小学生のお子さんが事件を起こしてお悩みの方は】
触法事件の場合、一般の刑事事件とは異なり、警察や児童相談所による調査が在宅で進められることが多く、触法事件を起こしてしまったお子さんのご家族の方にとっては、あまり切迫感が感じられないかもしれません。
しかし、在宅事件であっても警察や児童相談所による調査は着々と進められ、この調査結果に基づいて、児童相談所へ送致され、児童相談所による措置がなされることになります。
また,家庭裁判所に送致されてしまった場合には、家庭裁判所による審判が行われることになります。
そのため、家庭裁判所による審判の結果が適切なものにするためには、いち早く、少年事件に精通した弁護士を付添人として選任し、警察や児童相談所による調査に対する対応や、家庭裁判所での審判での振る舞い方などについて、適宜アドバイスを得ておくことが望ましいでしょう。
弁護人法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、少年事件の付添人としての経験が豊富な少年事件に精通した弁護人が在籍しています。
宮城県仙台市若林区で、小学生のお子さんが少年事件を起こしてしまいでお困りのご家族の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部まで一度ご相談ください。