凶器準備集合・結集罪で逮捕
凶器準備集合罪や凶器準備結集罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県仙台市に住むAさんは、暴走族のリーダーを務め、暴力団事務所にも出入りしています。
他の暴走族のメンバーから因縁を付けられたことをきっかけとして、復讐しなければならないと考え、自分の暴走族メンバーに、凶器を持って勾当台公園に集まるよう指示しました。
これに応じたメンバーのBさんらは、鉄パイプなどの凶器を持って集まりました。
間もなく相手方となる暴走族のメンバーが到着する時間になりましたが、公園内の不審な様子を見た通行人からの通報を受けて駆け付けた宮城県警の警察官がAさんらに職務質問。
そのまま現行犯逮捕されました。
(フィクションです)
~最近は少ない犯罪ですが~
今回のような事例では、凶器準備集合罪や凶器準備結集罪という犯罪が問題となります。
これらの犯罪は、凶器を持って集まるあるいは集めさせることを罰するものです。
主に学生運動が盛んであった頃によく適用されていた条文です。
最近では適用されるケースは少ないですが、事例のような暴走族や暴力団絡みの事件で問題となりえますし、政治運動に関する事例で検挙者が出るということも今後またあるかもしれません。
条文を確認してみましょう。
刑法第208条の2第1項
二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第2項
前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、三年以下の懲役に処する。
まず、凶器を準備して集合したBさんらには、第1項の凶器準備集合罪が成立するでしょう。
凶器を準備せず、他のメンバーが準備していることも知らずに集まった場合は該当しませんが、Bさんらは自ら「凶器を準備して」集まっているのでこの条文に該当するわけです。
次に、凶器を準備させてメンバーを集めたAさんには、第2項の凶器準備結集罪が成立します。
集合させたリーダー格の人物にはより重い責任があるということで、1項と比べて罰則の上限が1年長くなり、罰金刑で済む可能性もなくなっています。
このように、まだ相手に殴りかかってさえいない段階であっても、凶器を持って集合したり、集合させた場合には、被害を未然に防ぐために逮捕され、罰せられる可能性があるわけです。
~刑事手続きの進み方~
逮捕をされたAさんらは、最初に最大で3日間、警察署の留置所等に入れられます。
そして、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。
弁護士は事件を受任すると、まずは弁護士の意見書やご家族の上申書を裁判所や検察庁に提出するなどして、勾留を防ぎ早期釈放を目指すことになります。
釈放された場合もされない場合も、その後検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
比較的軽い事件では、検察官が不起訴処分とし、前科も付かずに事件が終了することもあります。
起訴するとしても、凶器準備集合罪の場合には、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴がなされることもあります。
弁護士としては、ご本人が反省していること、前科がない(少ない)こと、計画性に乏しい犯罪だったこと、重い結果となるとご本人の将来への影響が大きすぎる事情などを主張して、出来るだけ軽い結果となるよう活動していきます。
なお、Aさんらが20歳未満だった場合には手続きが異なってきますので、詳しくはこちらをご覧ください。
https://sendai-keijibengosi.com/syounensinpan/
~すぐに弁護士にご相談を~
逮捕されると、いつ釈放されるのか、前科が付いてしまうのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、取調べにはどう対応したらよいのかなど、不安点が多いと思います。
逮捕されると手続きも一気に進んでいきますので、ぜひお早めにご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、上記の不安点などについてご説明いたします。
接見後にその結果をご家族にご報告致しますので、報告を聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、弁護士事務所での法律相談を初回無料で行っております。
凶器準備集合・結集罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご連絡ください。