恐喝罪を脅迫罪・強盗罪と比較
恐喝罪と脅迫罪・強盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県亘理郡に住んでいる大学生のAさんは、後輩のVさんがコンビニで年齢を偽ってワインを買っているところを目撃しました。
後日、AさんはVさんにワインを買っていたところを見たことを伝え、大学に言わないことの代わりに現金や食事を奢らせることを条件に出しました。
Vさんはその要求に従いましたが、要求は1回で済まず、何度も行われました。
Vさんは現状がどれだけ続くのか不安になり、両親に相談することにしました。
相談を受けたVさんの両親は、その後すぐに警察に連絡しました。
そしてAさんはしばらくして、亘理警察署に恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
恐喝罪
刑法の第249条第1項には「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と明記され、続く同条第2項には「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められています。
上記の条文が恐喝罪を定める条文となります。
「人を恐喝して」とは、人に対して相手を畏怖させるような行為をすることを意味します。
そしてその暴行や脅迫により畏怖した相手に対して、財物の交付などをさせることで恐喝罪は成立します。
そのため恐喝と財産上の利益の取得、財物の交付の間には、因果関係が存在しなければなりません。
参考事件ならば、恐喝されなければ現金を渡したり食事を奢ったりしなかったという関係になります。
また、刑法第250条には「この章の罪の未遂は、罰する。」と定められています。
つまり、未遂罪の規定があるため、仮にVさんがAさんの要求に従わず警察に相談していたとしても、恐喝を行った時点でAさんには恐喝未遂罪が成立しています。
脅迫罪と強盗罪
刑法第222条には脅迫罪が定められています。
この脅迫罪と恐喝罪は混合されることもありますが、法律上は明確な違いがあります。
脅迫罪は「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者」に適用されます。
脅迫罪は人を脅すこと(それにより人の自由を害すること)を目的としていますが、恐喝罪は脅迫を用いて財物などを不当に得ることを目的としています。
例えば、暴力を振るうことをほのめかして金銭を要求する行為は恐喝罪に該当しますが、単に暴力を振るうことをほのめかすだけでは脅迫罪になります。
恐喝罪が適用される範囲と似通ったものには強盗罪もあります。
強盗罪は刑法第236条に定められており、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」に適用されます。
この場合の「暴行又は脅迫」は相手方の反抗を著しく困難にする程度が必要になるため、その強度に満たないのであれば強盗罪は成立しません。
例えば、生命を脅かすことを告知して金銭を要求する行為は恐喝罪に該当しますが、包丁などの刃物を示しながら金銭を要求する場合は強盗罪となります。
詳細を弁護士に相談
このように、恐喝罪と脅迫罪・強盗罪は目的とする結果や具体的なケースによって区別されるため、どの罪が適用されるかはその状況によって異なります。
恐喝事件に詳しい弁護士であれば、豊富な知識と経験から正確に事件の状況を把握し、どの罪に問われる可能性が高いかを判断して対策を講じることができます。
また、恐喝罪・脅迫罪・強盗罪はどれも被害者が存在する事件であるため、減刑を求めるためには示談交渉が重要になり、弁護士はその時強い味方になります。
恐喝事件の他、脅迫事件、強盗事件の際にも、刑事事件に強い弁護士事務所に相談し、アドバイスを求めることがお勧めです。
刑事事件に強い弁護士事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では、初回であれば無料の法律相談、逮捕されているの方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスを実施しております。
ご予約はどちらもフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間体制で受け付けておりますので、参考事件のように恐喝罪の容疑がかかっている方、ご家族が恐喝罪で逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご相談ください。