公然わいせつ罪の取調べ対応(少年事件)
宮城県内の高校に通学する17歳Aさんは、衣類を何も身に着けない状態で雨合羽を羽織り、路上で女性が通るたびに雨合羽の前部分を開けて全裸を見せつけるという行動を繰り返していました。
ある日、Aさんは、目撃者からの通報を受けて駆け付けた宮城県大和警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
息子の身を案じたAさんの両親は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所の弁護士に相談し、弁護士に初回接見に行ってもらうことになりました。
初回接見を依頼された弁護士がAさんに面会に行くと、逮捕されたことでAさんは投げやりになっていました。
弁護士はAさんに辛抱強く向き合い、取調べや今後の手続きについての説明とアドバイスをしました。
(フィクションです。)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
「公然」とは,不特定又は多数の者が認識することができる状態をいいます。
「不特定又は多数の者」であればよいので、不特定であれば少数でも良く、多数であれば特定人の集まりでも構いません。
今回のAさんの行為は、路上を通りがかる女性という不特定の者を対象にしているため「公然と」行っているといえます。
「わいせつな行為」とは,判例では、「行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって,普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの」を指すとされています。
性器の露出や全裸を見せつける行為は、「わいせつな行為」の典型的なものです。
~公然わいせつ罪の取調べ~
公然わいせつ罪の場合、犯人が本件に限らず,これまでにも繰り返し同様のことを行ってきたか,つまり犯行の常習性が認められるかどうかが重要視されます。
よって,取調べでも,捜査官から執拗に「これまでも同じことをやってきたのだろう」などと常習性に関して聴取されることが予想されます。
しかし,取調べで捜査官の話に適当に乗せられてしまうと,その常習性に関し,自分の意に反する供述調書が作成され,その証拠を基に重い刑事処分・Aさんのような少年の場合は重い保護処分を科せられる恐れがあります。
特に、取調べを受けているのが少年である場合は、注意が必要です。
少年は一般に成人に比して未熟であり、表現力や理解力が成人よりも乏しいことから、取調べにおいて捜査官の暗示や暴言等をもって圧迫された場合には、自分の主張をはっきり示して貫くことが難しく、捜査官に迎合してしまう可能性が高いと言われています。
その結果、少年の意に反した供述調書が作成されてしまうと、その供述調書がそのまま裁判官等の事実認定の基礎となってしまう恐れがあり、ひいては冤罪を招くことにもなりかねません。
少年が逮捕・勾留されて取調べで厳しい追及を受けている場合、少年の助けとなれるのが弁護士です。
弁護士は少年に対して、捜査機関の取調べの実態や、供述調書の証拠としての意味や重要性を丁寧に説明し、取調べに対する具体的な対応策のアドバイスを行います。
その際は、逮捕・勾留されている少年に認められた以下の権利について丁寧に説明します。
・黙秘権:取調べの際に答えたくない質問には答えなくてよいこと
・署名押印拒否権:供述調書が自分の意に反する場合には署名に応じなくてもよいこと
・訂正申立権:自分の意に反する供述調書には訂正を求めることができること
弁護士のアドバイスを受けることで、取調べの際に意に反した調書が作成されることを防ぐことができ、ひいては、少年に対する適正な処遇、少年の真の更生につながることになります。
また、弁護士であれば、孤独で過酷な状況下にある少年に寄り添い、少年を安心させて味方になってあげることもできます。
今回の事例のAさんは、逮捕されたことで投げやりになっています。
少年が投げやりになっている場合でも、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、少年に辛抱強く真摯に向き合います。
ご依頼いただいた場合は、少年のご家族の理解と協力の下、少年の環境を整えて更生できるよう全力でサポートを行っていきます。
お子様が公然わいせつ罪などで逮捕されてお困りの場合は、まずは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
(初回接見費用はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)