公然わいせつで逮捕

公然わいせつで逮捕

宮城県松島町に住むAさん。
ある日の夜、観光客が行き交う場所で下半身を露出。
すぐさま逃走しましたが、防犯カメラの映像などからAさんの犯行と発覚。
塩釜警察署の警察官によって逮捕されました。
警察から連絡を受けたAさんの家族は大変驚き、今後どうなってしまうのかという不安から、弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)

~公然わいせつ罪~

Aさんの行為には、公然わいせつ罪が成立します。

刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「公然」とは、不特定又は多数の人が認識できる状態をいいます。
観光客が行き交う場所でのAさんの行為は、「公然」と行われたといえるでしょう。

また、公然わいせつ罪における「わいせつ」とは、性欲を刺激、興奮、または満足させる行為であり、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいいます。
下半身を露出させる行為はまさに「わいせつ」な行為といえるでしょう。

したがって、公然わいせつ罪が成立することになります。

なお、条文にある「拘留」とは1日以上30日未満の身体拘束がされる刑罰で、「科料」とは千円以上一万円未満を徴収される刑罰です。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束されます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになるでしょう。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことにより本人や家族の社会生活に過度の不利益が生じることなどを具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また、検察官が起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そこで、被害者に賠償し示談が成立していること、反省していること、前科がないことなど、ご本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

~示談の重要性~

示談が成立しているか否かは、検察官の処分や判決内容に大きく影響する可能性があります。

性犯罪の被害者の方にとっては、警察の捜査や刑事裁判に協力することは心理的負担が大きく、長く関わりたくはないものです。
そこで、すみやかに被害者の方に賠償し、示談を締結することが考えられます。
さらにその示談書の内容として、「被害者は加害者の処罰を求めない」といった内容の文言を入れていただくことが考えられます。
この文言を、「宥恕条項」(ゆうじょじょうこう)といいます。

検察官としても、被害者に裁判での供述を強いるようなことはしたくありませんから、宥恕条項の入った示談がなされている場合には、不起訴処分にすることも考えられます。
逆に検察官の方から、被害者のためにも示談締結した方が良いといったことを言ってくる場合もあるほどです。

したがって示談をすることはとても重要となります。

しかし、被害者が加害者本人と直接会うことも心理的負担が大きく、会ってくれないことが多いでしょう。
ご家族が交渉するにしても、示談金額や示談書の内容をどうしたらよいのか、なんと言ってお願いすればよいのか、わからないことが多いと思います。

そこで、示談交渉を含めた弁護活動を弁護士に依頼することも、有力な選択肢の一つと言えます。

~弁護士にご相談を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、示談はどう行えばよいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

公然わいせつ罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

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