金庫の盗難事件
重さ150キロ近い金庫が盗まれるという事件がありました。
草津熱帯圏で800万円入りの金庫盗難 ドア蹴破り事務所侵入 コロナ苦境で善意の支援金も奪われる
Yahoo!ニュース(上尾新聞)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~大胆な犯行~
上記ニュースは群馬県での事件ですが、動物園の建物の窓やドアを蹴破るなどして穴を空けて侵入し、重さ150キロ近くある金庫ごと運び出したというものです。
金庫の中には売上金の他、コロナの影響で運営が厳しい同園に寄せられた寄付金200万円以上、合計で800万円以上の現金などが入っていたということです。
極めて大胆な犯行で、複数の者が協力して行ったと思われます。
この事件の犯人らには、建造物侵入罪と窃盗罪が成立することになるでしょう。
刑法の条文を見てみましょう。
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
130条は、人の住んでいる住居に勝手に立ち入った場合に成立する住居侵入罪や、人の住んでいない店舗などの建造物に勝手に立ち入った場合に成立する建造物侵入罪を規定しています。
今回は、人の住んでいない動物園の敷地や建物に勝手に立ち入っているので、建造物侵入罪が成立することになります。
一方、235条は窃盗罪です。
今回も金庫やその中の現金などの「他人の財物」を盗み取ったわけですから、窃盗罪が成立するわけです。
さらに、今回の事件では金庫の中に預金通帳なども入っていたとのことです。
この通帳(あるいはキャッシュカード)を使って、ATMから現金を引き出した場合には別途、窃盗罪がもう1つ成立します。
また、銀行の窓口で、動物園関係者を装って預金を引き出した場合には、詐欺罪も成立します。
第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
預金を引き出すとなると、そこから足がついて逮捕となる可能性も高まることから、犯人らはここまでのことはしないかもしれません。
ただいずれにしろ、金庫を盗んだ時点で、最高で懲役10年と規定されている窃盗罪が成立するわけですので、犯人らが捕まった場合には実刑判決となってある程度の長期間、刑務所に入れられることが予想されます。
~弁護士にご相談ください~
逮捕された場合の刑事手続きの流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
刑事事件の流れ
ここまで大胆な、かつ被害金額が高い犯行ではなくても、万引きなどであなた自身やご家族が逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、不安が大きいでしょう。
いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、謝罪や弁償、示談など、わからないことも多いと思います。
すこしでも不安を解消し、加害者・被害者やそのご家族にとっていい方向に向かうよう、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
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