【事例解説】会社の地位を利用して不同意わいせつ罪、強制わいせつ罪から拡大した成立の範囲
不同意わいせつ罪と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県牡鹿郡に住んでいる会社員のAさんは、同じ会社に勤める部下の女性Vさんからミスをしたと報告を受けました。
Aさんは「お願いを聞いてくれれば、上に報告しない。」と言って、Vさんにキスをしたり胸を触ったりしました。
その後Vさんは警察に性被害を受けたと相談し、被害届を提出しました。
そしてAさんは石巻警察署に不同意わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
不同意わいせつ罪
以前刑法に定められていた強制わいせつ罪は、不同意わいせつ罪に変更され適用の範囲がより広くなりました。
刑法第176条第1項が不同意わいせつ罪の条文で、「次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。」と定められています。
「次に掲げる」項目は、従来の強制わいせつ罪の要素である暴行若しくは脅迫を用いることに加え、虐待に起因する心理的反応を生じさせる、予想と異なる事態に直面させ恐怖・驚愕させるなど全部で8つあります。
参考事件の場合、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。」と定められた同項第8号が適用される可能性があります。
上司の立場であるAさんは、部下であるVさんに対して地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させ、同意しない意思の表明を困難にさせた上でわいせつな行為をしています。
このことから、Aさんには不同意わいせつ罪が成立すると考えられます。
示談交渉
不同意わいせつ罪は被害者がいる事件であるため、弁護活動には示談交渉が考えられます。
示談を締結できれば減刑はもちろん、不起訴処分の獲得も視野に入ります。
しかし、性犯罪の被害者の場合、恐怖や怒りの感情から示談交渉を拒否されるケースも多くなります。
また、被害者が知人の関係にある場合、被害者に接触して口止めするなどの可能性を考え、逮捕後の勾留が長引き、連絡をとることが出来なくなってしまう懸念もあります。
そのためこのような事件の際は、代理人である弁護士を立て、弁護士限りで被害者と連絡を取ることが、示談を締結するために重要になります。
不同意わいせつ事件で示談交渉をお考えの方は、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼しましょう。
不同意わいせつ罪に詳しい法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談、逮捕・勾留中の方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を承っております。
どちらも24時間・365日、ご予約を受け付けております。
不同意わいせつ罪で事件を起こしてしまった方、またはご家族が不同意わいせつ罪の容疑で逮捕・勾留されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。