【ひったくり事件】逮捕前の弁護士への相談
ひったくり事件で問題となる罪と、取調べ前に無料相談を受ける意義について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説致します。
事例
宮城県黒川郡大和町在住のAは、黒川郡大和町内の飲食店でアルバイトをして生計を立てていました。
ある日、黒川郡大和町内において、夜半過ぎ、バイクに乗った加害者がVとのすれ違いざまに、Vのカバンを奪おうとしてこれを遂げなかったという事件が起きました。
黒川郡大和町を管轄する大和警察署の警察官は、捜査を行う過程でAが関与している可能性があるとして、上記事実について話を聞くため、Aに任意で出頭し、事情聴取をしたいと言いました。
Aは、出頭する前に日曜祝日でも相談ができる、刑事事件に強いと評判の弁護士に相談することにしました。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)
~ひったくり事件~
ひったくり事件に関しては、刑法における窃盗罪と強盗罪の双方の成立が考えられます。
ひったくり行為が(未遂を含む)窃盗罪すら成立しないというケースはほとんど考えられないため、ここではまず強盗罪が成立するかどうかを検討してみましょう。
(強盗)
第236条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
本件では、AはVの(財物)を奪おうとしていることから、刑法236条の1項が問題となります。
強盗罪は、窃盗罪と異なり、(被害者の反抗を抑圧するに足る)「暴行」や「脅迫」を用いて「財物」を奪取する犯罪です。
強盗罪が成立するためには、図式的にいうと「暴行・脅迫→(被害者の)反抗抑圧→財物奪取」という関係が認められる必要があります。
そして、強盗罪にいう「暴行」や「脅迫」は、上記にいう財物奪取の手段として行われるのみならず、(被害者の)反抗を抑圧する手段として行われる必要がある点に注意が必要です。
つまり、「暴行」や「脅迫」が行われたとしても、これが直接財物奪取の手段として行われた場合には、刑法236条の強盗罪にいう「暴行」や「脅迫」には該当しないということになります。
したがって、本件のようなひったくり行為が、暴行を伴うものであっても、その暴行が被害者の財物を奪うことに直接的に向けられている場合には、暴行は被害者の反抗抑圧する手段として行われているものとはいえず、強盗罪は成立しないことになります。
したがって、本事例のようなひったくり行為の場合には、通常は窃盗(未遂)罪(刑法243条・235条)が成立するにとどまることになるでしょう。
もっとも、あらゆるひったくり行為が窃盗罪として処理されるわけではなく、強盗罪(場合によって強盗致傷罪)が成立しうるケースも存在することから、安易な即断は禁物といえます。
~任意取調べ段階からの弁護活動~
刑事事件というといわゆる身柄事件(逮捕・勾留されている事件)を想起される方も多いかと思いますが、現実には在宅事件(逮捕・勾留されていない事件)や水面下で捜査中の顕在化していない事件の方が多数を占めます。
特に身柄事件において刑事弁護が重要になることは間違いありませんが、法的なトラブルは早い段階で専門家である弁護士に相談すべきだということは刑事事件でも変わりはありません。
身体拘束がされていない段階での出頭要請は、捜査機関が身体拘束までは必要ないと判断しているケースもありますし、法定の要件が満たされれば逮捕に踏み切るというケースも当然あります。
逮捕・勾留といった身体拘束処分はそれ自体が刑罰ということはありませんが、外界からの遮断を前提とする身体拘束が事実上の不利益を生じさせるということには疑いがありません。
したがって、任意出頭が要請されている段階やそれ以前に弁護士に相談することが、上記のような不利益を最小限化するためには極めて重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、窃盗・強盗事件などを含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
宮城県黒川郡大和町にて、ひったくり事件で任意出頭を要請されている方は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐご連絡ください。