強盗罪の共犯事件

強盗罪の共犯事件

20代男性Aさんは、友人Bさんと宮城県蔵王町コンビニ強盗をすることを計画しました。
AさんとBさんは、事前に付近の監視カメラの位置や逃走経路について話し合い、強盗はBさんが実行して、Bさんが強盗をする間Aさんが見張りをすることになりました。
AさんとBさんは、深夜のコンビニで出刃包丁を使い店員を脅し、現金を奪った後逃走しましたが、後日、二人とも宮城県白石警察署の警察官に強盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親は、本人に反省させるために逮捕は仕方ないとは思う一方で、刑務所に服役することは避けられないか、刑事事件専門の弁護士事務所に相談へ行きました。
(フィクションです)

~強盗罪~

強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて、他人の財物を奪うことや利益を得たりすることによって成立する犯罪です。
強盗罪は、刑事事件の中で特に重大な犯罪で、法定刑は5年以上の有期懲役です。
強盗罪の具体例としては、包丁で店員を脅して金を奪う、タクシーの運転手を脅してタクシー代金を支払わないで立ち去った場合などがあります。

強盗罪の「暴行」や「脅迫」は、「社会通念上一般に被害者の犯行を抑圧する」程度のものである必要があります。
人の反抗を抑圧する程度の暴行、脅迫でなかった場合には、強盗罪が成立せず、恐喝罪などが成立する可能性があります。
犯行抑圧程度かどうかは、①暴行・脅迫の態様、②行為者並びに被害者の性別・年齢・体格・人数、③犯行の時刻・場所、④犯行時の被害者並びに行為者の態度、⑤被害者の心理状況・被害状況、および⑥被告人の意図等の事情を総合考慮して判断されます。
特に,刃物などの凶器を使用した場合は強盗と認定されやすくなります。

~共犯事件~

刑法では、二人以上が共同して犯罪を実行することを「共犯」と定義しています。
共犯事件には、「必要的共犯事件」と「任意的共犯事件」があります。
「必要的共犯事件」は、構成要件の性質上、二人以上によって成立する犯罪をいい、内乱罪や騒乱罪、収賄罪や贈賄罪などがあります。
「任意的共犯事件」は、単独でも成立し得る犯罪を二人以上で行った事件のことを言います。
今回のような強盗事件の場合は、任意的共犯事件になります。
任意的共犯には「共同正犯」「教唆犯」「ほう助犯」の3つの態様があります。
共同正犯は、「二人以上共同して犯罪を実行した」場合に成立し、すべて正犯とされます(刑法60条)。
今回の事件でAさんは、友人Bさんと共同で犯罪行為を実行しているので「共同正犯」となると思われます。
「二人以上共同して犯罪を実行した」(=共同正犯)の場合、たとえ犯罪の一部しか実行していなくてもその犯罪の全部の責任を負います。
例えば、実行者と共に計画を立てたり、情報を提供しただけでも共同正犯としてその犯罪の全部の責任を負うことになる可能性があります。

共同正犯は正犯と同じ刑事罰を受けるので、Aさんは「強盗罪」の刑責を負うことになる可能性が高いでしょう。

強盗罪の共犯事件でお困りの場合は、共犯事件などの複雑な事件の刑事弁護経験豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
宮城県白石警察署への初回接見費用:41,120円

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