偽造免許証提示で無免許運転、有印公文書偽造、同行使の罪に

偽造免許証提示で無免許運転、有印公文書偽造、同行使の罪に

人身事故を起こして運転免許が取消になったトラック運転手のAさんは、仕事を続けていくために、運転免許証を偽造しました。
ある日、宮城県大和町内においてトラックを運転している際に、自動車検問で交通取り締まり中の宮城県大和警察署の警察官に偽造した運転免許証を提示しました。
警察官に偽造免許証であることを見抜かれたAさんは、在宅捜査されることになり、無免許運転の罪と有印公文書偽造・同行使の罪で書類送検されました。
Aさんは、刑事事件交通事件に強い弁護士に、弁護を依頼することにしました。
(フィクションです。)

~無免許運転の罪~

無免許運転とは、運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転することをいい、道路交通法違反にあたる行為です。
運転免許の停止中や取消後、失効後にも関わらず運転した場合、一度も運転免許証の交付を受けたことが無い場合(純無免)など、運転免許がないにもかかわらず自動車等を運転した場合は、道路交通法の無免許運転の罪に該当し、刑罰を受けることとなります。

無免許運転のうち純無免であるケースは少なく、多くは、運転免許の停止中や取消・失効後に,車両を運転し,発覚したケースであると言われています。
なお、運転免許はあるものの免許証を携帯していない場合は、無免許運転の罪には当たらず、「免許証不携帯」として別の罰則が適用されます。

無免許運転の罪は、2013年の道路交通法の改正によって厳罰化されており、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という法定刑が定められています。
「元々運転していた車だから大丈夫」などと軽く考えて無免許運転する方が稀にいらっしゃいますが、無免許運転は重大な交通違反であり、交通違反の中ではかなり重い罰則となっているため、絶対にしないようにしましょう。

~有印公文書偽造・同行使の罪~

文書偽造事件は、偽造した文書の種類、印章または署名の有無、偽造か変造かによって区別されています。
刑法では、文書の種類を、公文書と私文書の2種類に分類しています。
・公文書:公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画
・私文書:権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画

公文書偽造罪は、刑法第155条に定められており、私文書偽造罪は刑法第159条に定められています。
公文書偽造罪と私文書偽造罪は、印章または署名の有無、偽造か変造かによってそれぞれ区別され、
有印公文書偽造罪、有印公文書変造罪、無印公文書偽造(変造)罪
・有印私文書偽造罪、有印私文書変造罪、無印私文書偽造(変造)罪
に分かれます。

事例のAさんが偽造した運転免許証は、上記のうちどの文書になるのでしょうか。
運転免許証をお持ちの方は、運転免許証をご覧いただくと、「〇〇県(府・都・道)公安委員会」という記載とその印章があると思います。
このことから、運転免許証の発行(作成)者が公務所であること、印章もあることから、運転免許証が有印公文書である事がわかります。
有印公文書の偽造・変造の場合、法定刑は1年以上10年以下の懲役となります。

そして偽造文書を使用する事によって、行使罪が適用されます。
「行使」とは、偽造した文書を使用する事を意味し、偽造文書を他人に提出したり、偽造免許証を警察官に提示する行為が「行使」に当たります。

以上のことから、Aさんの行為は、無免許運転の罪、有印公文書偽造・同行使の罪にあたる可能性が極めて高いと言えます。
無免許運転の罪には、罰金刑が定められており、無免許運転(のみ)の初犯であれば略式裁判による罰金処分で済むことが多いと言われています。
一方、有印公文書偽造罪には罰金刑が定められていません。
そのため、運転免許証の偽造によって無免許運転の罪と有印公文書偽造・同行使の罪に問われている場合は、起訴されて正式裁判になる可能性が高くなります。
しかし、弁護士を選任して刑事弁護活動を依頼することで、起訴を免れたり、執行猶予付きの判決を獲得して刑務所への服役を免れたりすることが可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では交通事件刑事事件を専門とする法律事務所です。
偽造免許証を警察官に提示して、無免許運転有印公文書偽造・同行使罪に問われた方の弁護活動のご依頼もいただいています。
弁護士に依頼するか迷っているという場合は、まずは、無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県大和警察署の事件の初回法律相談料:無料)

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