Archive for the ‘暴力事件’ Category

【事例解説】SNS上で誹謗中傷をして逮捕、実名を出さない場合でも名誉棄損罪となるケース

2025-03-24

【事例解説】SNS上で誹謗中傷をして逮捕、実名を出さない場合でも名誉棄損罪となるケース

名誉棄損罪と親告罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学のサークルに入っているVさんのことが嫌いでした。
AさんはVさんが不快と思う行動をする度にSNS上で、Vさんのイニシャルを用いて誹謗中傷を繰り返していました。
ある日、Vさんの友人がたまたまAさんのアカウントを見つけ、Vさんの悪口が投稿されていることに気付きました。
そしてVさんもAさんの投稿を知り、警察に相談することにしました。
その後Aさんの自宅に警察官がやって、Aさんを名誉毀損罪の疑いで仙台南警察署に逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

名誉毀損罪

刑法の「名誉に対する罪」が定められた第34章に、名誉棄損罪の記載があります。
刑法第230条第1項がその条文で、内容は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」となっています。
名誉を毀損」するとは、人の社会的評価を低下させることを指しています。
この場合の「」は個人だけではなく、法人やその他団体も含んでいます。
実際に評価が低下している必要まではなく、その可能性があるだけでも名誉棄損罪は成立します。
事実を摘示」とあるため、名誉棄損罪が成立するためにはある程度具体的な内容がなければならず、個人的な評価などでは成立しません。
名誉棄損罪の成立には「公然性」も重要で、名誉の毀損は不特定又は多数人が認識できる状態で行われている必要があります。
そのため不特定多数の人が使う場であるSNSは、公然性が高い場所と言えます。
参考事件の場合、Aさんはイニシャルを使っており、Vさんの実名を伏せています。
しかしVさんの友人は、Vさんの誹謗中傷をしていると気付きました。
実名を伏せたとしても、断片的な情報から相手の特定が可能な場合は、名誉棄損罪が成立する可能性があります。

親告罪

刑法第34章刑法第232条第1項には、「この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」と定められています。
これは親告罪の条文で、名誉棄損罪は公訴の提起に被害者の刑事告訴が必要となる犯罪になります。
そのため被害者と示談交渉を行い、刑事告訴をしない、または刑事告訴の取消しをする内容で示談を締結すれば、前科を回避することができます。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、弁護士がいればよりスムーズに示談交渉を進めることができます。
親告罪の事件で前科の回避を目指す場合は、法律事務所に相談し、弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件や少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料でご利用いただける法律相談の他、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスを実施しています。
ご予約は24時間365日受け付けているため、名誉毀損罪になる行為をしてしまった、ご家族が名誉毀損罪の疑いで逮捕されてしまった、そんな時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】仲の悪い相手を殴って突き飛ばした暴力事件、弁護士を立てて示談を進めるメリット

2025-03-06

【事例解説】仲の悪い相手を殴って突き飛ばした暴力事件、弁護士を立てて示談を進めるメリット

暴行罪と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学に通うVさんとは仲が良くありませんでした。
Aさんがゲームセンターで遊んでいると、Vさんもやって来てAさんのことを煽るようなことを言いました。
怒ったAさんはVさんの腹を殴って突き飛ばしました。
Vさんはすぐにその場を離れ、警察に通報しました。
現場に仙台中央警察署の警察官が駆け付け、Aさんは暴行罪の容疑で現行犯逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴力事件

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定めた刑法第208条が、暴行罪の条文です。
傷害するに至ってしまった場合は、同じ刑法に定められた傷害罪が適用されます。
この条文にある「暴行」は殴ったり蹴ったりすることも典型的な暴行としていますが、暴行罪にあたる暴行は他にもあります。
例えば太鼓などを相手の耳元で叩いて大音量を出したり、相手に対して砂などを振りかけたり、相手に唾を吐きかける行為も暴行にあたります。
暴行のカバーする範囲は非常に広く、病原菌や毒物の他、光・音・電気・熱などの物理力を行使する場合も暴行と判断されます。
暴行罪ではこれらの暴行が相手の身体に直接加えられたものでなかったとしても、被害者に向けて行われたのであればよいとしています。
例えば、脅すつもりで近くにある椅子などを蹴り飛ばした場合、被害者は触れてはいませんが、被害者に対する暴行を行ったことになります。
また、傷害が発生しないような暴行でもよく、電車に乗ることを邪魔するために服を引っ張る行為は、傷害が生じるほどの行為ではありませんが暴行罪は成立します。
Aさんの場合は相手を殴って突き飛ばしていますが、傷害の結果が出ていない、典型的な暴行罪と言えます。

示談交渉

暴行罪は被害者がいる事件であり、被害者と示談を締結することができれば、不起訴処分で事件を終わらせられる可能性があります。
示談交渉は個人で行うこともできますが、参考事件のように元からお互いに険悪な仲である場合、直接話し合うとかえって拗れてしまうこともあり得ます。
場合によっては話したくないと示談交渉を断られてしまうかもしれません。
しかし、専門知識豊富な弁護士が間に入れば、弁護士からアドバイスを受けながら示談を進めることができます。
また、直接の会う形の示談は断られても、弁護士を介した形であれば示談交渉をしてもいいと被害者が考え直すケースも多いです。
弁護士はよりスムーズに示談交渉を進めるために重要であるため、暴力事件の際は弁護士に依頼し、示談交渉を進めましょう。

暴力事件に強い法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所はフリーダイヤルにて、初回無料でご利用いただける法律相談逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤル「0120-631-881」は24時間体制で、平日だけでなく、土・日・祝日も対応可能です。
暴力事件を起こしてしまった方、暴行罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

【事例解説】放火を仄めかすようなことを言って脅迫罪、事情聴取を受ける前に弁護士に相談を

2025-02-15

【事例解説】放火を仄めかすようなことを言って脅迫罪、事情聴取を受ける前に弁護士に相談を

脅迫罪と事情聴取について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県岩沼市に住んでいる会社員のAさんは、自身が勤めている会社の飲み会に参加していました。
そこで仲の悪かったVさんと席が近かったため、言い争いになりました。
途中で他の人が止めに入ったため大事にはなりませんでしたが、Aさんは去り際に「お前の家ってどこだっけ、今度ガソリン持ってくから」とVさんに言いました。
Vさんは警察に連絡し、「同僚から放火すると脅された」と伝えました。
その後、Aさんの家に警察官がやってきて、脅迫罪の容疑で岩沼警察署にAさんは連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

害悪の告知

脅迫罪刑法の第32章に強要罪とともに定められています。
刑法第222条第1項には「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」とあり、これがAさんに適用された条文です。
この場合の「脅迫」とは、一般に人を畏怖させる(恐怖心を抱かせる)に足りる害悪を告知することです。
この害悪の告知は、相手に伝わった時点で脅迫罪の要件を満たします。
つまり現実に相手が畏怖したかどうかは関係なく、例えば脅迫を受けた相手の精神が強かったがために恐怖しなかったとしても、一般的に怖がるような内容であれば脅迫罪が成立します。
害悪を告知する方法は限定されていないため、口頭での脅迫だけでなく、文章を使った脅迫でも脅迫罪になります。
直接相手を脅迫するのではなく、人に頼んで間接的に脅迫する場合も含まれます。
また、刑法第222条第2項には「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」とあるため、例えば「お前の子供を殺す」などの脅迫にも脅迫罪が成立します。
Aさんの場合、「今度ガソリン持ってく」と言って放火を仄めかし、財産に害を加える旨を告知してVさんを脅迫したことから、脅迫罪が成立しました。

事情聴取

参考事件のAさんは事情聴取を受けるために警察署に連行された状態で、まだ逮捕されたわけではありません。
刑事事件は必ず逮捕されるというわけではなく、事情聴取の時だけ警察署に呼ばれるといったこともあります。
事情聴取で受け答えした内容は供述調書としてまとめられ、今後の捜査に大きく影響します。
そのため事情聴取での受け答えはとても重要ですが、一般の方は何を話していいかわからず、適切な対応をすることが難しいでしょう。
この事情聴取は1回で終わることもありますが、事件の内容次第では複数回行われることもあります。
そのため事情聴取を受ける前に弁護士と相談し、対策をしておくことがお勧めです。
刑事事件の当事者となってしまった際は、刑事事件に詳しい法律事務所に相談し、弁護士からアドバイスを受けることが重要です。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
フリーダイヤルは24時間、365日ご予約を受け付けております。
脅迫罪で刑事事件を起こしてしまった、ご家族が脅迫罪の容疑で逮捕されてしまった、そんな時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】サークルの後輩に対して暴行を加え暴行罪で逮捕、逮捕された場合に考えられる不利益

2025-01-24

【事例解説】サークルの後輩に対して暴行を加え暴行罪で逮捕、逮捕された場合に考えられる不利益

暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいる大学生のAさんは、同じサークルの後輩であるVさんと仲が良くありませんでした。
ある日、AさんはVさんと街中で出会いましたが、Vさんはあいさつしませんでした。
Aさんはそのことに怒って、Vさんの腹を何回か殴りました。
近くにいた通行人がAさんを止め、警察に通報しました。
しばらくして白石警察署の警察官が駆け付け、暴行罪の容疑でAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴行

刑法において暴行は、条文によってその定義がかわります。
刑法第208条暴行罪を「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定めています。
この場合の「暴行」は、人の身体に対して不法な有形力を行使することと定義されています。
Aさんのように腹を殴る行為は典型的な暴行です。
この他、隣で楽器を大音量で鳴らすなどの行為も、暴行罪の要件を満たします。
また、相手の身体に対して触れていなくても、暴行となる可能性はあります。
過去には、いたずら目的で相手方に対して石を投げた場合、当てる気がなく石が相手の足元に落ちただけだったとしても、これは相手の身体に対して暴行を加えたことになります。
逆に接触があったとしても、故意がないのであれば暴行罪になりません。
例えば道を歩いている際、急に立ち止まり後ろを歩いていた人がぶつかって転倒してしまったとしても、暴行を加える気はなかったと判断できるため暴行罪にはなりません。
暴行によって相手を傷害するに至ってしまった(怪我をした)場合は、傷害罪が適用されます。
こちらも暴行の故意は必要ですが、傷害の故意がなくても相手に怪我をさせてしまうと傷害罪となります。
参考事件の場合、Aさんの暴行によってVさんが怪我をしていないため、暴行罪が適用されました。

逮捕後の対応

Aさんのように暴行事件を起こすなどして逮捕されてしまうと、捜査機関の下で最長72時間身柄拘束をされることになります。
さらに、検察が捜査のために身柄拘束を延長する必要性があると判断した場合、検察官は勾留請求することになります。
勾留請求が通ると、原則10日間、場合によっては追加で10日間、身柄拘束が継続されることになります。
その間は通勤や通学もできなくなるため、解雇リスクなどが生じます。
身柄拘束中も取調べはあるため、外部との連絡を制限された状態で取調べが続く日々は、精神的にも疲弊します。
こういった様々な不利益を回避するためには、弁護士による弁護活動が必要です。
弁護士がいれば検察官や裁判所に対して意見書を提出するなどし、身柄拘束しないように働きかけることができます。
勾留が決定される前に行動を起こす必要があるため、身柄拘束を回避したい場合は速やかに弁護士へ相談しましょう。

暴行罪に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、24時間対応しています。
暴行事件を起こしてしまった方、暴行罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】消火器を使って店の床を消火薬剤で汚し威力業務妨害罪、「威力」に該当する行為

2025-01-09

【事例解説】消火器を使って店の床を消火薬剤で汚し威力業務妨害罪、「威力」に該当する行為

威力業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県大崎市に住んでいる大学生のAさんは、飲みに行った居酒屋で騒いで注意されました。
そのことを恨んだAさんは、後日消火器を持って居酒屋に行き、店の床に消火薬剤を放射して退散しました。
しばらくして、店に来た店長が床の状態に気付き、警察に通報しました。
警察が捜査した結果、Aさんが犯行に及んだことが分かり、Aさんの身元も特定されました。
その後、Aさんは鳴子警察署威力業務妨害罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

威力業務妨害罪

刑法第234条には「威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。」とあり、これが威力業務妨害罪の条文です。
前条」とは、同じく刑法に定められた信用毀損罪および偽計業務妨害罪の条文を指します。
そして「前条の例による」とは、この2つの罪と同じ刑罰になることを意味するため、威力業務妨害罪の刑罰は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」になります。
この場合の「威力」とは、「人の意思を抑圧するに足りる勢力」を意味します。
カバーする範囲が非常に広く、暴行や脅迫の他、大声や叫び声を上げる、物を壊したり隠したりする、集団で威圧するなど、これら全て威力を用いていると判断できます。
業務」はその言葉通り仕事を含みますが、報酬をもらっていないボランティアや習慣なども業務として扱います。
この場合、仕事前に着替える時間など、業務をするための準備も業務になります。
このような業務の平穏かつ円滑な遂行を、威力を用いて妨害すると威力業務妨害罪になります。
ただし、妨害された結果は威力業務妨害罪の成立に必須ではありません。
業務を妨害された結果が出ていなくとも、客観的に見て「人の意思を抑圧するに足りる勢力」があり、それによって業務が妨害されるおそれがあると判断できれば、威力業務妨害罪は成立します。

示談交渉

被害者がいる事件では、示談を締結することが最も効果的な弁護活動です。
しかし、減刑などに効果的な示談交渉を行うためには法的な専門知識が必須になります。
そのため被害者との示談交渉をお考えの際は、弁護士に相談することが重要です。
また、個人で示談交渉を申し込んでも断られてしまう可能性がありますが、弁護士がいれば弁護士限りの連絡にすることで、示談交渉の席についてもらえることも多いです。
威力業務妨害罪で事件を起こしてしまった場合は、まず弁護士に相談し、示談交渉を依頼することがお勧めです。

威力業務妨害罪に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回であれば無料の法律相談逮捕中の方のもとまで弁護士が直接伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは土、日、祝日も、24時間ご利用いただけますので、威力業務妨害罪で事件を起こしてしまった、ご家族が威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】カッターナイフを突きつけて女性を脅し脱衣を強要、強要未遂罪について解説

2024-12-16

【事例解説】カッターナイフを突きつけて女性を脅し脱衣を強要、強要未遂罪について解説

強要罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県登米市に住んでいる会社員のAさんは、カッターナイフを持って外に出ました。
そして通りかかった面識のない女性に対して、「怪我をしたくなかったら服を脱ぐんだ」と言ってカッターナイフを突きつけました。
女性はすぐに逃げAさんは追いかけましたが、女性がコンビニに入ったため追うのをやめました。
後日女性が被害届を警察に提出し、警察の捜査でAさんの身元が判明しました。
そしてAさんは強要未遂罪の疑いで佐沼警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

強要未遂

強要罪刑法の第32章に脅迫罪とともに定められています。
刑法第223条第1項には「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。」とあり、これがAさんに適用された条文です。
脅迫」は相手方の生命、身体、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知することで、「暴行」は相手方が恐怖心を抱き、それにより行動の自由が侵害される程度の有形力(物理力)の行使することです。
暴行」の場合、それが直接被害者の身体に向けられている必要まではなく、脅す際に近くにあるものを蹴り飛ばすなどした場合でも、被害者への「暴行」が認められます。
権利の行使を妨害した」とは、法律上の権利行使の妨害を意味します。
例としては、告訴権者に告訴を行わないようにすることが挙げられます。
強要罪は義務のないことをする・権利の行使を妨害という結果を発生させるために、暴行・脅迫が必要であり、この行為と結果に因果関係がなければ罪が成立しません。
例えばAさんに脅迫された女性が、身軽になって逃げるため服を脱いだりしても、それは脅迫によって恐怖したため服を脱いだわけではないため、強要罪は未遂にとどまります。
参考事件ではカッターナイフを女性に突きつけ身体に対し害を加える旨を告知し、服を脱ぐようAさんは脅迫していますが、服を脱がずに女性が逃げているため強要罪は未遂になります。
しかし、同条第3項には「前2項の罪の未遂は、罰する。」と定められているため、Aさんには強要未遂罪が成立します。

示談交渉

強要事件のように被害者が存在する犯罪では、被害者との示談交渉を試みることが出来ます。
強要罪は罰金刑が無いため、起訴されれば裁判を受けなければいけませんが、被害者と示談が成立すれば不起訴処分の獲得も視野に入ります。
逮捕されていた場合でも、示談の締結を検察に伝え早期釈放を目指すことができます。
しかし、参考事件のように被害者が知り合いでない場合、連絡先を警察から聞くためにも弁護士の協力は必要です。
示談交渉も弁護士がいればよりスムーズに進めることができるため、強要事件の際は弁護士に示談交渉を依頼しましょう。

示談交渉に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
ご予約はどちらもフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間対応しております。
強要事件の当事者となってしまった、ご家族が強要罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】口喧嘩になった相手を殴って傷害罪、逮捕後の身体拘束と釈放のために必要なこと

2024-11-28

【事例解説】口喧嘩になった相手を殴って傷害罪、逮捕後の身体拘束と釈放のために必要なこと

傷害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県東松島市に住んでいる大学生のAさんは、飲食店内でVさんからジッと見られていると感じて文句を言いました。
Vさんは「見るわけがないだろ」と言いましたが、Aさんはバカにされていると思ってVさんを殴り、怪我を負わせました。
それを見た店員がすぐに割って入って2人を止めましたが、このままだと大事になると判断した別の店員が警察を呼びました。
ほどなくして石巻警察署から警察官が現れ、Aさんを傷害罪の容疑で逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

傷害罪

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と、傷害罪刑法第204条に定められています。
刑法での「傷害」とは、人の生理的機能に障害を生じさせること、健康状態をひろく不良に変更させることを意味します。
外傷を負わせることは典型的な傷害ですが、傷害は怪我に限定されるものではありません。
脅迫などをしたことでノイローゼやPTSDになった場合、精神的な疾患を生じさせたとして傷害罪が成立する可能性があります。
また、人の意識に障害を与える行為も傷害に該当するため、睡眠薬を使って他人を眠らせても傷害罪は成立します。
その他、めまい、嘔吐、失神も、傷害の範囲です。
AさんはVさんを殴っており、その結果Vさんは怪我をしました。
そのため参考事件は典型的な傷害事件と言えます。

逮捕後の流れ

警察に逮捕されると、警察署で取調べを受けることになります。
そして警察は取調べしながら、事件を検察に送致するかを48時間以内に決定します。
事件が検察へ送致されると、検察は24時間以内に裁判所に勾留請求をするかを決定します。
勾留を裁判所が認めれば、10日間は身体拘束が続くことになります。
この勾留は延長することができ、追加でさらに10日間勾留されることも考えられます。
つまり、逮捕されると身体拘束され連日取調べを受ける日々が、最大で23日間は続くことになります。
証拠隠滅や逃亡の危険があると判断されると勾留され、当然この期間は出勤や通学も出来なくなります。
そのため身体拘束を避けるには弁護士を通じてそれらの危険がない、家族が監督するといった主張をすることが必要になります。
すぐに釈放にならなくとも、弁護士がいれば面会の際に伝言を預り、家族に伝え会社や学校へ連絡してもらうことができます。
ご家族が身体拘束されてしまった場合は、まずは弁護士に相談し、弁護活動を依頼しましょう。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料の法律相談逮捕または勾留された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
24時間365日、ご予約を受け付けておりますので、傷害事件を起こしてしまった、ご家族が傷害罪の容疑で逮捕、勾留されてしまった、そんな時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

【事例解説】他人の車を汚したことで器物損壊罪、「損壊」の定義と事情聴取を受ける際の注意点

2024-10-13

【事例解説】他人の車を汚したことで器物損壊罪、「損壊」の定義と事情聴取を受ける際の注意点

器物損壊罪と事情聴取について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県宮城郡に住んでいる大学生のAさんは、居酒屋でお酒を飲んでいました。
その帰り道、飲み過ぎたことで尿意を催し、酔っ払っていたAさんは近くの駐車場に停めてあった車に放尿しました。
その車の持ち主であるVさんは近くにいて、Aさんに詰め寄りました。
しかし、Aさんが酔っているためまともに話ができないと感じたVさんは、警察に通報しました。
その後、警察官が現れ、器物損壊罪の容疑でAさんを塩釜警察署に連行しました。
(この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

物を壊した際に適用されるのは、刑法に定められ器物損壊罪です。
刑法第261条がその条文であり、「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」といった内容です。
公用文書等毀棄罪私用文書等毀棄罪建造物等損壊罪の条文が「前3条」のことで、この3つに該当しない損壊が器物損壊罪に適用されます。
しかし、Aさんは物を破壊したわけではないので、器物損壊罪が適用されたことに疑問を持つ人もいるかもしれません。
しかし、器物損壊罪における損壊は、物の効用を害する一切の行為と定義されているため、破壊だけが損壊というわけではありません。
例えば、他人の物を隠した場合、持ち主は隠されたその物を使うことができなくなるため、損壊に当たります。
汚す行為も、物の造形が損なわれ元の状態で使えなくなるので、容易に元の状態に戻せないのであれば効用を害されたことになります。
ただし、心理的に使えない状態にすることも効用を害したと言えるため、Aさんのように車に放尿することも器物損壊罪になります。
これは車が洗浄されたとしても、車の持ち主が気にせずに使えるとは言い難いため、容易に元の状態に戻せない状態にあると判断されるからです。

事情聴取

事件を起こして警察署に連行されれば、そこで事情聴取(取調べ)を受けることになります。
事情聴取では受け答えした内容が供述調書にまとめられます。
これは裁判になった場合に証拠としても使われ、後の警察の捜査にも大きく影響します。
そのため事情聴取での発言は重要なものになりますが、ほとんどの人は適切な対応を取れません。
事情聴取で警察に呼ばれている際は、事前に法律相談を受けましょう。
Aさんのように相談する間もなく連行されてしまうこともありますが、事情聴取は1回で終わるとは限りません。
間隔をあけて再度警察に呼ばれることもあり、事件の内容次第で回数、時間が異なってきます。
事情聴取を受ける際は刑事事件に詳しい弁護士に相談し、事情聴取のアドバイスを受けることがお勧めです。

まずはご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件及び少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談をご予約いただけます。
また、同じフリーダイヤルで逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約も受け付けております。
どちらも24時間電話対応可能ですので、刑事事件となり事情聴取に呼ばれている、器物損壊罪でご家族が逮捕されてしまった際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】知人の悪口をSNSでコメントし侮辱罪が適用、逮捕されない事件での注意点

2024-09-22

【事例解説】知人の悪口をSNSでコメントし侮辱罪が適用、逮捕されない事件での注意点

侮辱罪と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県名取市に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学に通っているVさんのことを嫌っていました。
Aさんは自身のSNSで、Vさんに対して「カス」や「バカ」と事あるごとにコメントしていました。
ある日、Aさんの自宅に警察官がやって来て、スマホでAさんのアカウントを見せながら「これはあなたのアカウントで合ってますか」と言われました。
そしてVさんに対する悪口のコメントをしたか聞かれ、Aさんは素直に認めました。
その後Aさんは侮辱罪の疑いで、岩沼警察署に連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

侮辱罪

刑法の「名誉に対する罪」の章に、侮辱罪は定められています。
刑法第231条がその条文であり、「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定められています。
侮辱罪における「公然」とは、不特定多数の人が知り得る状況にあることを意味します。
Aさんはインターネット上で発言していますが、不特定多数の人が閲覧できるインターネットでのコメントは、公然と行っていると考えられるため、侮辱罪の要件を満たします。
事実を摘示しなくても」とありますが、事実を摘示した場合には名誉棄損罪が適用される可能性が高いです。
具体的な事実ではない侮辱を公然と行うと、侮辱罪が成立します。
Aさんは公然性の高いSNS上で、Vさんのことを「カス」や「バカ」と具体的な事実ではないコメントをして侮辱したため、侮辱罪が適用されました。

在宅事件

刑事事件を起こしても必ず逮捕されるわけではなく、身柄拘束の必要性がなければ逮捕されません。
そのことは「裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。」と刑事訴訟法199条2項に定められています。
罪を犯したと疑うに足りる理由があり、逃亡や証拠隠滅などのおそれがあるなら逮捕されますが、ない場合は在宅事件として捜査が進みます 。
また、犯罪の証拠があったとしても、比較的罪が軽く、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されれば在宅事件となることが多いです。
在宅事件は捜査機関が被疑者を取調べに呼び出すなどして、事件の捜査を行います。
身体拘束を受けない在宅事件ですが、これには国選弁護人を選任できないというデメリットがあります。
逮捕されてしまった場合は、取調べ後に警察は事件を検察に送致し、検察は裁判所に勾留請求をするかどうかを決めます。
そして勾留が決まってしまうと身柄を拘束されることになりますが、国選弁護人を選任することができるようになります。
しかし、在宅事件では当然勾留が付かないため、国選弁護人の制度を利用できません。
逮捕されない在宅事件とは言え、有罪となれば前科が付いてしまうので、在宅事件であっても弁護士の存在は重要です。
在宅事件の際は、前科が付くことを防ぐためにも私選の弁護人を選任し、不起訴処分の獲得を目指す弁護活動を依頼しましょう。

侮辱罪に強い法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件に特化している法律事務所です。
初回であれば無料の法律相談や、逮捕または勾留中の方のもとへ直接弁護士が赴く初回接見サービスを、当事務所ではご利用いただけます。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間体制でお電話を承ります。
在宅事件として捜査を受けている、または侮辱罪の疑いでご家族が逮捕、勾留されてしまった、そのような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】職場の同僚と口論になり暴行事件に発展してしまったケース、事情聴取での対応の重要性

2024-09-03

【事例解説】職場の同僚と口論になり暴行事件に発展してしまったケース、事情聴取での対応の重要性

暴行罪と事情聴取について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県亘理郡に住んでいる会社員のAさんは、同僚であるVさんと仕事について話していました。
AさんとVさんで方針が噛み合わず、口論に発展しました。
徐々に内容は相手への悪口に変わっていき、AさんはVさんのことを殴ってしまいました。
殴られたことを怒ったVさんはそのまま帰り、その帰り道で警察に相談しました。
後日、Aさんの自宅に来た警察官が「暴行罪について話を聞きたい」と言って亘理警察署にAさんを連行しました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴行罪

刑法208条に「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と暴行罪は定められています。
刑法における暴行は条文によって様々な意味がありますが、暴行罪における暴行とは、人の身体に対して不法な有形力を行使することを言います。
殴ったり蹴ったりは典型的な暴行ですが、光や音などの物理力を行使することも暴行となります。
この場合の暴行は相手側に対して接触がないものでも暴行罪の要件を満たす可能性があります。
過去の例では、脅し目的で日本刀を抜き身で振り回し、室内の誰にも当たらなかったが暴行とされたケースもあります。
故意に行われたかどうかも重要であり、たまたま歩いていて角から出てきた人とぶつかっただけでは、暴行罪にはなりません。
条文には「傷害するに至らなかったとき」とあるため、傷害に至ってしまった、つまり怪我を負ってしまった場合は暴行罪ではなく、傷害罪になります。
また、こちらは傷害させる故意がなくとも、暴行の故意があればよく、怪我を負わせるつもりまではなかったとしても暴行罪にはならず、傷害罪となります。
AさんはVさんを故意に殴っており、しかしその結果Vさんが傷害にいたらなかったため、暴行罪が成立しました。

事情聴取

参考事件では警察署にAさんが連行されています。
事件が起きた場合は必ず逮捕されるわけではなく、Aさんのように逮捕されずに警察に呼ばれて事情聴取を受けるケースもあります。
事情聴取は1回で終わることもありますが、事件の内容次第では複数回行われたり、長時間かかったりすることもあります。
この事情聴取の内容は供述調書として記録されます。
これは裁判でも使われる重要なものであるため、事情聴取では適切な対応をしなければなりません。
しかし、ほとんどの人は初めての経験で、何を話せばいいかも分からないでしょう。
そのため警察に事情聴取のため呼ばれている時は、弁護士に相談しましょう。
弁護士がいれば事件の内容からどのような発言が適切かわかり、その後の対応でも法的なサポートを受けることができます。
Aさんのように暴行罪で警察に呼ばれている際は弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めします。

暴行罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件に特化した法律事務所です。
初回であれば無料の法律相談の他、逮捕または勾留されてしまった方のもとへ直接弁護士が赴く初回接見サービスを、当事務所ではご利用いただけます。
ご予約はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間年中無休でご利用可能です。
暴行事件を起こしてしまった方、またはご家族が暴行罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

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