Archive for the ‘少年事件’ Category
彼女に暴行した少年
彼女に暴行した少年
宮城県利府町に住む18歳のAさん。
交際相手に暴力をふるい、別れるということを何度か繰り返していました。
現在の交際相手のVさんに対しても暴力をふるいケガをさせたAさん。
Vさんが両親に相談し、塩釜警察署に被害届を提出したことから、少年は警察署に呼び出されて取調べを受けることになりました。
取調べに先立ち、Aさんは両親に連れられ、弁護士の法律相談を受けにきました。
(フィクションです)
~傷害罪が成立~
成人や少年にかかわらず、交際相手や配偶者へのDVを繰り返してしまう人がいます。
早期に心療内科等での治療やカウンセリングが必要となる場合も多いでしょう。
しかし、治療やカウンセリングを受けずに暴力を繰り返してしまい、刑事事件・少年事件へと発展してしまうケースもあります。
Aさんの行為には傷害罪が成立してしまいます。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
~少年事件の手続は?~
逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。
その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。
なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。
~少年審判とは?~
調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。
そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判の内容としては以下のものが考えられます。
①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性がないような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)に近いものといえます。
②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。
③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。
④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。
⑤検察官送致(逆送)
凶悪事件などにおいて、成人の場合と同じ刑罰を受けさせるべきと判断された場合などになされるもので、改めて成人と同じ刑事裁判を受ける流れになります。
~弁護士の活動~
弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。
たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、非行性が進んでいないこと、治療やカウンセリングに通い始めたこと、再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していること、家族の監督が期待できることなど、本人に有利な事情があればできる限り主張し、勾留や観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。
少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
事務所での法律相談を初回無料で行っております。
仮に逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
接見や法律相談では、今後の手続の流れや予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。
DV・傷害などの少年事件でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
暴走族が逮捕
暴走族が逮捕
宮城県富谷市に住む18歳のAさんは、バイク暴走族のメンバーです。
ある日の夜、仲間といつものように暴走行為をしていたところ、運転を誤り転倒。
歩道に突っ込み、歩いていた人に大けがを負わせてしまいました。
Aさんもケガをしていたことから病院に運ばれましたが、回復を待って取調べを受けることになりました。
(フィクションです)
~道路交通法・自動車運転処罰法違反~
まず、暴走行為をした時点で、Aさんらの行為は道路交通法の共同危険行為に当たる可能性があります。
道路交通法第68条(共同危険行為等の禁止)
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
第117条の3
第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
また、歩行者にケガをさせた点につき、自動車運転処罰法の危険運転致傷罪あるいは過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
自動車運転処罰法第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
第2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
この法律の「自動車」には、バイクも含まれます。
2条2号の危険運転致傷罪は、進行を制御することが困難な高速度で走行して人を負傷させた場合に成立します。
過失運転致傷罪よりも刑罰が重いことからもわかるように、危険運転致傷罪の方がより悪質な走行を想定した規定です。
いかなる場合に「進行を制御することが困難な高速度」といえるかは、スピードの他、現場が直線かカーブか、何車線の道路か、周りの車の数などの道路状況等を考慮して総合的に判断されることになるでしょう。
~少年事件の手続~
逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。
その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。
なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。
~少年審判とは?~
調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。
そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判の内容としては以下のものが考えられます。
①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性が低いような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)に近いものといえます。
②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。
③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。
ただし、比較的低年齢の少年が入る場合が多いので、18歳のAさんはこの処分にはならないかもしれません。
④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は前述の条文に書かれた懲役の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。
⑤検察官送致(逆送)
凶悪事件などにおいて、成人の場合と同じ刑罰を受けさせるべきと判断された場合などになされるもので、改めて成人と同じ刑事裁判を受ける流れになります。
ただし、凶悪事件とはいえませんが、過失運転致傷罪などの場合、逆送された後に刑事裁判で罰金処分のみ受けるというパターンもあります。
~弁護士の活動~
弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。
たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、非行性が進んでいないこと、再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していることなどを事実に基づいて主張し、勾留や観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。
このうち、再犯の可能性に関しては、家庭環境など少年が今後生活していく環境が良好か否かといった点も重要視されます。
そこで弁護士は、少年と家族の関係に問題があるようなら、関係の修復に動くなどの環境調整活動も行ったりします。
少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
また、逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、今後の手続の流れや予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。
道路交通法・自動車運転処罰法違反などの少年事件でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
少年が窃盗で逮捕
少年が窃盗で逮捕
宮城県東松島市に住む18歳のAさん。
地元の不良仲間と共に、民家に忍び込んで金目の物を盗む行為を繰り返していました。
市内で被害が続いたことから石巻警察署が捜査を続けた結果、Aさんらの犯行であることが判明。
Aさんらは同警察の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)
~少年たちに成立する犯罪~
Aさんらの行為には、住居侵入罪と窃盗罪の共同正犯が成立するでしょう。
刑法第130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
~少年事件の手続・家庭裁判所送致前~
20歳未満の少年による事件でも、逮捕・勾留により最大23日間の身体拘束がなされる可能性があることや、逮捕・勾留されずに在宅のまま手続が進む場合もあることは成人事件と同じです。
また、この期間の捜査の結果、犯罪をしていない(嫌疑なし)、あるいは犯罪をしたと言い切れない(嫌疑不十分)の場合には、手続が終了することも成人の場合と同じです。
一方で、犯罪をしたことは認められそうだという場合には、事件は家庭裁判所に送致され、成人事件と大きく異なる手続が進んでいきます。
~少年事件の手続~
逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。
その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。
なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。
~少年審判とは?~
調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。
そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判の内容としては以下のものが考えられます。
①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性がないような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)に近いものといえます。
②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。
③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。
④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。
⑤検察官送致(逆送)
これはまれですが、凶悪事件において、成人の場合と同じ刑罰を受けさせるべきと判断された場合などになされるもので、改めて成人と同じ刑事裁判を受ける流れになります。
~弁護士の活動~
弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。
たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、非行性が進んでいないこと、再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していることなどを事実に基づいて主張し、勾留や観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。
このうち再犯の可能性に関しては、家庭環境など少年が今後生活していく環境が良好か否かといった点も重要視されます。
そこで弁護士は、少年と家族の関係に問題があるようなら、関係の修復に動くなどの環境調整活動も行ったりします。
少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、今後の手続の流れや予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。
住居侵入窃盗などの少年事件でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
花火で過失傷害
花火で過失傷害
仙台市青葉区に住む19歳大学生のAさんとBさん。
サークル棟の部室で酒を飲み、酔った状態で部室のベランダで花火を始めました。
地面に置いて火花を散らせるタイプの花火を、ベランダの柵のヘリ部分に置いて火を付けるなど、危ない使い方をしていたAさんとBさん。
途中で火のついた状態の花火がベランダから落下してしまい、下を歩いていたVさんの頭部にやけどを負わせてしまいました。
救急車やパトカーが駆け付ける騒ぎとなり、AさんとBさんは仙台中央警察署の警察官に取調べを受けました。
彼らはどうなってしまうのでしょうか。
~成立する犯罪~
Aさん・Bさんの行為には過失傷害罪または重過失傷害罪の共同正犯が成立する可能性があります。
刑法第209条(過失傷害)
第1項
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第2項
前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第211条(業務上過失致死傷等)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
209条が過失傷害罪で、211条の2文目に重過失傷害罪が規定されています。
今回どちらが成立するかは微妙ですが、不安定なところに花火を置いていることから、落下して人にケガを負わせてしまうことも容易に予見できたとして、重過失傷害罪が成立する可能性もあるでしょう。
また、60条の共同正犯が成立すると、他の共犯者が行った行為についても責任を負う可能性が出てきます(一部実行全部責任の原則)。
たとえば、ベランダの柵のヘリに花火を置くという危険な行為をしたのがAさんであっても、BさんもVさんの傷害結果について責任を負う可能性があるということです。
なお、未成年なのに飲酒をしていた点について犯罪は成立しませんが、(重)過失傷害罪を犯してしまった経緯として、裁判官らが悪い方向に考慮する可能性は否定できません。
~少年事件の手続~
AさんとBさんは20歳未満ですので、少年事件の手続がとられることになります。
一般論としては、少年事件の場合も成人事件と同様に逮捕され、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受ける可能性があります。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。
その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。
なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。
~少年審判とは?~
調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。
そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
審判内容としては、不処分・保護観察・児童自立支援施設送致・少年院送致などが考えられます。
~不安点解消のため弁護士に相談を~
とはいえ、似たような行為をしてしまった場合に、どのような犯罪が成立するのか、どのような手続が進んでいくのか等々、わからない点が多く不安だと思います。
また、被害者の方に損害賠償をして示談締結をすることは、審判不開始になるかといった点に影響する可能性がありますが、実際にいくら賠償すればよいのか、示談交渉をどう行えばよいのかはわかりにくいところかと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっており、上記のような不安点や疑問点に対し、弁護士の見通しをお伝えいたします。
また、正式にご依頼いただければ、被害者の方と示談交渉を行ったり、審判不開始決定や軽い処分がなされるよう家庭裁判所の裁判官に働きかけたりといった活動を行います。
過失傷害、重過失傷害、少年事件などでお困りの方は、ぜひ一度ご相談下さい。
テレビ番組を違法アップロードして捜索差押え
テレビ番組を違法アップロードして捜索差押え
宮城県角田市に住むAさんは18歳の高校3年生。
遊ぶ金欲しさから、テレビ番組をYouTubeにアップロードして広告収入を稼いでいました。
何度かテレビ局から削除要請が出され、アップロードした動画が削除されたり、アカウントが凍結されたりしましたが、新たにアカウントを作り、アップロードする行為を繰り返していました。
ある日、Aさんと両親が住む家に宮城県警の警察官が訪れ、著作権法違反容疑での捜索差押令状を示されました。
両親は何のことかわからず、Aさん自身もこんなことになるとは予想していなかったので驚きを隠しきれない様子。
警察官たちは家の中を捜索し、Aさんのパソコン等を押収していきました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)
~違法アップロードは著作権法違反~
インターネットの動画サイトでは、多くの違法アップロード動画が公開されています。
そのすべてを取り締まるのは難しく、無法地帯ともいえる状況です。
しかし、警察も捜査を行っているので、Aさんのように事件化するケースもあります。
著作権法のうち、Aさんが該当しうる部分の一部を解説いたします。
テレビ番組は、テレビ局や制作会社、その他番組制作にかかわった者が著作権などの権利を有しており、テレビ放送やネット配信、DVD販売などをする権利を独占的に有しています。
著作権法
第23条第1項
著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
第2項
著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
第26条第1項
著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
第2項
著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。
したがって、第三者がその公開をするためには、これらの著作権者等に許可を得る必要があります。
許可なくアップロードした場合には、以下の罰則規定が適用される可能性があります。
第119条1項(一部省略)
著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者…は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
有罪となった場合にどの程度の量刑となるかは、被害の大きさや反省度合い、前科の有無等によりますが、条文上はかなり重い処罰もなされ得ることになっています。
~今後の手続の流れ~
警察は、押収したパソコンなどを分析するなどして証拠を集め、Aさんを逮捕せずに証拠一式や関係書類を検察官に送り(書類送検)、検察官はさらに取調べ等をした上で事件を家庭裁判所に送る(家裁送致する)ことが考えられます。
また、事件の内容等によってはAさんを逮捕し、最大23日間の身体拘束をして家裁送致することも、考えられなくはありません。
家庭裁判所に送致されると、今回の犯行についての調査の他、Aさんの性格や生い立ち、家庭環境などを調査し、どのような処分がAさんの今後にとって適切か判断します。
その結果、処分が必要ないとされれば少年審判(成人事件の刑事裁判に相当)が開始されずに事件終了となります(成人事件の不起訴に相当)。
一方、少年審判が開始されると、上記調査結果等を踏まえ、裁判官が少年の処分を決定します。
処分の内容としては一般に、不処分(無罪判決や不起訴に相当)、保護観察(執行猶予に相当)、児童自立支援施設等への送致、少年院送致などが考えられます。
~弁護士に相談を~
Aさんのような捜査を受けた場合、今後逮捕されるのか、少年審判が開始されるのか、開始されればどのような処分となるのか等々、多くの不安があると思います。
学校から退学や停学の処分を受けないか、進学や就職に影響しないかといったところも心配でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
万が一、すでに逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、上記のような不安点に対し、今後の見通しなどを説明させていただきます。
また、正式に弁護をご依頼いただいた際には、少しでも軽い処分になるよう、弁護活動を行ってまいります。
著作権法違反などで捜索差押えなどの捜査を受けた場合は、ぜひ一度ご相談ください。
少年の万引き
少年の万引き
仙台市泉区に住むAくんは17歳の高校2年生。
Aくんは1年ほど前から、本屋で漫画の万引きを繰り返していました。
ある日、いつものように店員の目を盗み漫画をカバンの中にいれ、店を出ようとしたところ、宮城県泉警察署の私服警官に呼び止められ、逃げようとしたところを現行犯逮捕されてしまいました。
連絡を受けたAくんの母親は、Aくんがどうなってしまうのか心配になり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
~窃盗罪が成立~
Aくんの行為には窃盗罪が成立します。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
被疑者が20歳以上の成人の事件では、最悪の場合、逮捕により最大3日間、勾留により最大20日間、合計で最大23日間の身柄拘束がされ、その後刑事裁判にかけられ、刑事裁判の間も身柄拘束が続き、判決が確定すれば懲役や罰金刑を受けるという流れになります。
もちろん事件の内容等によっては、身柄拘束されずに在宅のまま手続が進んだり、あるいは途中で釈放されたり、執行猶予が付いたりする可能性もあります。
軽微な事件では不起訴(起訴猶予)処分となり、刑事裁判を受けなくて済む場合もあります。
一方で、被疑者が20歳未満の少年の場合には、手続の流れが大きく異なります。
~少年事件の手続~
逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。
その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。
なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。
~少年審判とは?~
調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。
そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判の内容には以下のものが考えられます。
①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性がないような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。
②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。
③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。
④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。
⑤検察官送致(逆送)
これはまれですが、凶悪事件において、成人の場合と同じ刑罰を受けさせるべきと判断された場合などになされるもので、改めて成人と同じ刑事裁判を受ける流れになります。
~弁護士の活動~
弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。
たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、非行性が進んでいないこと、再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していることなどを事実に基づいて主張し、勾留や観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。
このうち再犯の可能性に関しては、家庭環境など少年が今後生活していく環境が良好か否かといった点も重要視されます。
そこで弁護士は、少年と家族の関係に問題があるようなら、関係の修復に動くなどの環境調整活動も行ったりします。
少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、今後の手続の流れや予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。
窃盗の少年事件などで逮捕された、捜査を受けた際は、ぜひ一度ご相談ください。
下着泥棒で少年事件に
下着泥棒で少年事件に
19歳専門学校生A君は、深夜に宮城県栗原市の女性Vさんの自宅のベランダに忍び込み、干してあったVさんの下着を盗みました。
Vさんが被害届を提出して宮城県若柳警察署が捜査をおこなった結果、A君が下着泥棒事件の容疑者として浮上しました。
宮城県若柳警察署から出頭要請を受けたA君は、出頭要請に応じて宮城県若柳警察署で窃盗罪と住居侵入罪の容疑で取調べを受けました。
しかし、下着泥棒をしたことを誰にも知られずに隠したいと思ったため、取調べでは「自分は下着泥棒をしていない。」と容疑を否認しました。
取調べを担当した警察官からは、「容疑を認めるなら早く認めたほうがいい。」と言われました。
A君は、逮捕されずに済み、帰宅を許されましたが、捜査が終わったわけではなく、今後も継続して捜査を受けることになると言われています。
このまま容疑を否認し続けない方がよいのか困ったA君は、一人で刑事事件専門の法律事務所に無料法律相談に行きました。
(フィクションです。)
~下着泥棒事件~
下着泥棒とは、他人の家(室内だけでなくベランダや庭も含む)やコインランドリーなどで、下着を盗む泥棒のことを言います。
下着泥棒は、「色情ねらい」とも呼ばれます。
今回の事例では、下着泥棒をしたとしてA君に窃盗罪と住居侵入罪の容疑がかけられています。
下着泥棒をした場合(例えば,他人の敷地内に立ち入り,下着を持ち去った場合など)には,他人の敷地内に立ち入った行為につき住居侵入罪が,下着を持ち去った行為については窃盗罪が成立します。
窃盗罪は他人の財物を窃取することで成立します。
住居侵入罪は、他人の家(住居)又はマンションやアパートなどの共同住宅に無断で侵入した場合などに成立する犯罪です。
住居侵入罪については、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が、窃盗罪については、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が、それぞれ法定刑として定められています。
今回の事例のA君は、下着泥棒の容疑で捜査を受けていますが、下着泥棒をしたことを誰にも知られずに隠したいと思ったため、警察署での取調べで否認しています。
性犯罪や下着泥棒のような目的が性的なものである事件の場合、自身の性癖も絡んだ事件となります。
そのため、素直に話せなかったり、家族や周囲に事件が発覚することをおそれたりして、容疑を否認してしまうケースがあります。
一方で、同じ理由から、警察官には容疑を認めたものの、両親などの家族に対しては否認してしまう、というケースもあります。
このような場合は、刑事事件・少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件の手続の流れ、今後の見通し、逮捕・勾留等の身体拘束をされた場合への対応方法、示談、その他、刑事事件・少年事件に関する不安や心配事、疑問点など何でもご相談いただけます。
第三者である弁護士だからこそ、家族や身内に言いづらい内容でも相談できますし、どうしたらよいか一緒に考えてもらうことができます。
また、今回の事例のA君は20歳未満の少年であるため、原則的には少年事件として扱われることになり、刑罰を受けることは基本的にはありません。
少年事件では少年の環境が更生に適しているかどうかが重視されます。
そのため、少年が信頼できて相談しやすい弁護士が少年の更生をサポートしていくことが重要です。
ただ、A君の年齢は19歳であるため、手続き途中に成人してしまい、刑事事件としての扱いに切り替わる可能性があります。
今回のA君のように19歳の方の少年事件では、弁護士は、下着泥棒という犯罪の性質を踏まえた活動はもちろん、少年事件としての付添人活動、刑事事件としての手続きに切り替わる可能性のある少年事件としての活動も意識しなければなりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も多く取り扱っており、犯罪の性質を踏まえた弁護活動、刑事事件・少年事件それぞれの特徴を踏まえた活動をおこなっています。
下着泥棒の少年事件等でお困りの方は、まずは弊所弁護士までご相談ください。
ご来所いただいての法律相談は初回無料です。
少年事件と家庭裁判所調査官
少年事件と家庭裁判所調査官
仙台市太白区在住17歳高校生Aさんは、同区内の書店においてDVD4本と漫画本3冊を万引きしたとして、宮城県仙台南警察署に窃盗罪の容疑で取調べ等を受けることになりました。
Aさんの両親は、仙台市内の少年事件・刑事事件専門の法律事務所の弁護士に、示談成立と審判不開始を目指した活動を依頼しました。
(フィクションです。)
~窃盗罪~
他人の財物を窃取すると刑法235条の窃盗罪になります。
時々、ポスターなどの標語として見かける通り、万引きは窃盗罪です。
少年による一般刑法犯の罪名別の検挙人員で最も多いのが窃盗罪です。
~家庭裁判所調査官への対応~
少年事件とは,20歳未満の者(=少年)が犯した犯罪に関する事件をいいます。
少年事件では、少年法が適用され、成人が受ける裁判とは違う特別な手続きが定められています。
14歳以上の少年が窃盗事件を起こした場合、警察の捜査を受けた後に、事件が検察庁に送致されます。
ここまでは成人の刑事事件と同じ手続きですが、以降は、少年事件特有の手続きとなります。その後、検察庁から家庭裁判所に事件が送致されます。
そして家庭裁判所に事件が送致されると、家庭裁判所の調査官が、少年を調査する事となります。
調査官は、様々な学問領域に精通しており、少年の家庭環境や生い立ち・生活環境等を調査します。
調査官による調査は、単なる事情聴取だけでなく、事件の背景にある問題に踏み込んで解決の方向性を探ったり、少年に内省を促したりする内容に及ぶこともあります。
調査官は、少年に対する調査を行い、資料を収集するとともに、少年の処遇についても意見を述べることができます(少年法8条、少年審判規則13条)。
調査官の調査結果と処遇意見を踏まえて、家庭裁判所の裁判官が少年の処遇を決定します。
裁判官は、調査官の調査結果と処遇意見を重視して少年に対する処遇を検討する傾向が強いです。
したがって、調査官の役割は非常に重要で、少年審判に大きな影響を与えると言えるでしょう。
少年事件に詳しい弁護士は、調査官対応の重要性を十分に心得ているため、積極的に調査官と面会するなどして、少年の問題点や処遇方針について協議します。
事例のAさんの事件は、在宅で捜査が行われているため、比較的軽微な事案として、処分が重くならないことが見込まれます。
そこで、少年事件に精通した弁護士であれば、Aさんの事件が審判不開始になるように、仮に審判が開始された場合でも不処分となるよう、積極的に調査官と面会や協議を繰り返し、被害者との間で示談の締結を目指すなどの活動を行います。
また、少年が調査官に対して心を開き、少年が言いたいことをしっかりと伝えられるように、調査官の調査の目的を丁寧に説明し、少年が調査官と信頼関係を築きやすくなるようにアドバイスすることもあります。
少年事件では、成人の刑事事件とは異なる特有の手続きが行われます。
少年事件で弁護士をお探しの場合は、やはり少年事件専門の弁護士に依頼することがお勧めです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も専門とする法律事務所です。
所属する弁護士は皆、少年事件の知識と経験を豊富に有し、少年の将来を見据えた活動をおこないます。
少年事件でお困りの場合は、24時間受付中の無料法律相談・初回接見サービスをご利用ください。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881までお電話またはお問い合わせフォームまで。
(宮城県仙台南警察署 初回接見費用:34,800円)
公然わいせつ罪の取調べ対応(少年事件)
公然わいせつ罪の取調べ対応(少年事件)
宮城県内の高校に通学する17歳Aさんは、衣類を何も身に着けない状態で雨合羽を羽織り、路上で女性が通るたびに雨合羽の前部分を開けて全裸を見せつけるという行動を繰り返していました。
ある日、Aさんは、目撃者からの通報を受けて駆け付けた宮城県大和警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
息子の身を案じたAさんの両親は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所の弁護士に相談し、弁護士に初回接見に行ってもらうことになりました。
初回接見を依頼された弁護士がAさんに面会に行くと、逮捕されたことでAさんは投げやりになっていました。
弁護士はAさんに辛抱強く向き合い、取調べや今後の手続きについての説明とアドバイスをしました。
(フィクションです。)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
「公然」とは,不特定又は多数の者が認識することができる状態をいいます。
「不特定又は多数の者」であればよいので、不特定であれば少数でも良く、多数であれば特定人の集まりでも構いません。
今回のAさんの行為は、路上を通りがかる女性という不特定の者を対象にしているため「公然と」行っているといえます。
「わいせつな行為」とは,判例では、「行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって,普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの」を指すとされています。
性器の露出や全裸を見せつける行為は、「わいせつな行為」の典型的なものです。
~公然わいせつ罪の取調べ~
公然わいせつ罪の場合、犯人が本件に限らず,これまでにも繰り返し同様のことを行ってきたか,つまり犯行の常習性が認められるかどうかが重要視されます。
よって,取調べでも,捜査官から執拗に「これまでも同じことをやってきたのだろう」などと常習性に関して聴取されることが予想されます。
しかし,取調べで捜査官の話に適当に乗せられてしまうと,その常習性に関し,自分の意に反する供述調書が作成され,その証拠を基に重い刑事処分・Aさんのような少年の場合は重い保護処分を科せられる恐れがあります。
特に、取調べを受けているのが少年である場合は、注意が必要です。
少年は一般に成人に比して未熟であり、表現力や理解力が成人よりも乏しいことから、取調べにおいて捜査官の暗示や暴言等をもって圧迫された場合には、自分の主張をはっきり示して貫くことが難しく、捜査官に迎合してしまう可能性が高いと言われています。
その結果、少年の意に反した供述調書が作成されてしまうと、その供述調書がそのまま裁判官等の事実認定の基礎となってしまう恐れがあり、ひいては冤罪を招くことにもなりかねません。
少年が逮捕・勾留されて取調べで厳しい追及を受けている場合、少年の助けとなれるのが弁護士です。
弁護士は少年に対して、捜査機関の取調べの実態や、供述調書の証拠としての意味や重要性を丁寧に説明し、取調べに対する具体的な対応策のアドバイスを行います。
その際は、逮捕・勾留されている少年に認められた以下の権利について丁寧に説明します。
・黙秘権:取調べの際に答えたくない質問には答えなくてよいこと
・署名押印拒否権:供述調書が自分の意に反する場合には署名に応じなくてもよいこと
・訂正申立権:自分の意に反する供述調書には訂正を求めることができること
弁護士のアドバイスを受けることで、取調べの際に意に反した調書が作成されることを防ぐことができ、ひいては、少年に対する適正な処遇、少年の真の更生につながることになります。
また、弁護士であれば、孤独で過酷な状況下にある少年に寄り添い、少年を安心させて味方になってあげることもできます。
今回の事例のAさんは、逮捕されたことで投げやりになっています。
少年が投げやりになっている場合でも、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、少年に辛抱強く真摯に向き合います。
ご依頼いただいた場合は、少年のご家族の理解と協力の下、少年の環境を整えて更生できるよう全力でサポートを行っていきます。
お子様が公然わいせつ罪などで逮捕されてお困りの場合は、まずは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
(初回接見費用はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)
少年の大麻所持で保護観察
少年の大麻所持で保護観察
宮城県色麻町内のあるコンビニエンスストアの店長は、店内に客が忘れていった財布を宮城県加美警察署に届け出ました。
警察官が財布内を調べたところ、乾燥大麻0.4グラム入りの袋を発見しました。
財布内の学生証から、町内に住む18歳専門学校生のAさんが財布の持ち主だとわかったため、宮城県加美警察署は、Aさんを大麻取締法違反(大麻所持)容疑で逮捕しました。
Aさんの母は、宮城県内で少年事件・刑事事件を専門に取り扱う法律事務所へ問い合わせの電話をかけました。
(フィクションです。)
~大麻所持事件~
大麻取締法は、許可を受けた者以外の大麻の栽培・輸出入・所持・譲り受け・譲り渡しを禁止しています。
大麻の個人使用目的での所持の場合の法定刑は、5年以下の懲役です。
営利目的での大麻所持の場合には、7年以下の懲役、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金と重くなります。
~薬物事件で保護観察処分になるために~
少年事件では、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります。
家庭裁判所に送致された後、調査官による調査が行われます。
調査官は、少年や保護者との面接や心理テスト等を通して、少年の非行の原因やどのようにして更生すべきかを判断し、少年に対してどのような措置をとるべきか家庭裁判所に意見を提出します。
家庭裁判所の少年審判では、裁判官は、調査官による調査結果等を参照し、少年の更生のためにはどのような手段が最適であるのかということを判断することになります。
少年審判の対象は「非行事実」と「要保護性」であるとされています。
「非行事実」は、刑事裁判でいう「公訴事実」に該当するもので、家裁送致にあたり検察官が送致書に記載した非行事実を犯したか否かが判断されます。
一方、「要保護性」とは、①少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること(再非行の危険性)、②保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性(矯正可能性)、③保護処分による保護が最も有効でかつ適切な処遇であること(保護相当性)、の3つの要素によって構成されていると考えられています。
少年の「要保護性」が解消されて、少年を家庭に置いたままでの更生が見込めると裁判官に納得させることが出来れば、少年院送致を回避して保護観察処分となる可能性を高めることができます。
少年による大麻所持事件で非行事実に争いがない場合、「要保護性」の解消に向けた弁護士の活動としては、以下の活動が考えられます。
(1)少年が薬物について正しい知識を持ち、薬物の危険性をしっかりと理解する
薬物に手を出してしまう少年の多くは、薬物に対して誤った認識を持っていることが多いです。
再非行防止のためには、薬物に対する正しい知識を持ち、危険性をしっかりと理解することが重要です。
(2)薬物の入手ルートを明らかにし、関係者と連絡がとれないようにする
薬物を完全に断つためには、薬物の入手先と連絡を取れないようにすることが不可欠です。
少年が友人から薬物を入手していた場合には、非行の原因となった交友関係を断つことも必要となります。
(3)専門家や家族のサポートを得て薬物への依存から立ち直らせる環境を整える
必要であれば、専門医・機関による治療を受けることも有効です。
付添人である弁護士は、上記のような再非行防止のための活動を行い、再び少年が非行を犯す可能性がなく、社会内での更生が可能であることを客観的な証拠に基づいて主張します。
事件内容や少年の性格・少年を取り巻く環境によって、どのような活動を行うかは異なりますので、少年の大麻所持事件でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
薬物事件の場合、少年が逮捕・勾留される可能性が高く、観護措置がとられる可能性も高いと言えます。
少年が身体拘束を受けている場合は、初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県加美警察署への初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)