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酒気帯び運転事件(道路交通法違反事件)

2021-09-14

酒気帯び運転事件(道路交通法違反事件)

酒気帯び運転事件道路交通法違反事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,宮城県多賀城市の市道において, 基準値(1リットル当たり0.15ミリグラム)を約2倍上回る状態で車を運転したとして,道路交通法違反酒気帯び運転)の容疑で逮捕されました。
Aさんは,宮城県塩釜警察署の警察官による取調べに対して,「飲酒したが、酒は抜けていると思った」と容疑を一部否認しているといいます。
(2021年8月9日に琉球日報に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【道路交通法違反(酒気帯び運転)とは】

道路交通法65条1項(酒気帯び運転等の禁止)
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3号:第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で,その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

酒気帯び運転による道路交通法違反の罪が成立するための要件は,「酒気を帯びて」「車両等を運転した者で,」「その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつた」ことです。

酒気帯び運転による道路交通法違反の罪は,身体に保有するアルコール量によって成否が決まることがポイントです。
具体的には,身体に保有するアルコールの程度が、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上,又は血液1ミリリットル中0.3ミリグラム以上の状態にあったことが酒気帯び運転による道路交通法違反の罪の成立要件となります。

【酒気帯び運転と酒酔い運転の違いとは】

道路交通法117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1号;第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。…)にあつたもの

酒酔い運転による道路交通法違反の罪が成立するための要件は,「酒気を帯びて」「車両等を運転した者で,」「その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。…)にあつた」ことです。

酒酔い運転による道路交通法違反の罪は,身体に保有するアルコール量によらないという点がポイントです。
具体的には,アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態にあったことが酒酔い運転による道路交通法違反の罪の成立要件となります。

また,酒気帯び運転による道路交通法違反事件を起こした場合の刑事罰は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し,酒酔い運転による道路交通法違反事件を起こした場合の刑事罰は「5年以下の懲役又は100万円」であり,酒気帯び運転なのか酒酔い運転なのかという違いは刑事罰の重さに関わってきます(飲酒運転について詳しく知りたい方は,こちらをご参照ください)。

【道路交通法違反事件(酒気帯び運転事件)を起こしたら】

酒気帯び運転による道路交通法違反事件を起こした場合,アルコール検査により,身体の保有するアルコール量が測定され,客観的証拠から酒気帯び運転による道路交通法違反が立証されてしまう可能性が高く,その場で現行犯逮捕されてしまうケースが多くみられます。

道路交通法違反事件酒気帯び運転事件)で逮捕されてしまった場合は,刑事弁護士を選任して,すみやかな身柄解放のための刑事弁護活動を受けましょう。
すみやかな身体解放がなされた場合,遅滞なく社会生活に復帰でき,失職や退学といった社会的不利益を回避することができる可能性があります。
その他,道路交通法違反事件酒気帯び運転事件)の被疑者の方の事情に応じて,アルコール依存症の治療のための通院を行うこと等がすぐにできるようになる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
酒気帯び運転事件道路交通法違反事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

薬局への建造物侵入・窃盗事件

2021-08-31

薬局への建造物侵入・窃盗事件

薬局への建造物侵入窃盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,以前勤務していた宮城県仙台市若林区内の薬局に侵入し、抗がん剤約100万円相当を盗んだとして,宮城県若林警察署の警察官により建造物侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,従業員を装って,卸会社に抗がん剤を注文して薬局に納品させた上,夜間に薬局に侵入し納品された抗がん剤を無断で持ち去ったといいます。
建造物侵入窃盗事件を起こした動機について,Aさんは,転売してローンに充当するつもりだったといいます。
(2021年8月2日にTBSNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【建造物侵入罪とは】

刑法130条
正当な理由がないのに,…人の看守する…建造物…に侵入した者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑事事件例の薬局は建造物侵入罪の要件である「人の看守する…建造物」に当たります。
Aさんは,その建造物侵入罪の「人の看守する…建造物」に無断で立ち入っており,ここに建造物侵入罪の要件である「侵入」が存在します。
よって,Aさんには建造物侵入罪が成立することになるでしょう。

【窃盗罪とは】

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

Aさんは,納品された抗がん剤を無断で持ち去っており,窃盗罪の「他人の財物を窃取した」という要件を満たします。
よって,Aさんには窃盗罪が成立することになるでしょう。

【建造物侵入・窃盗事件を起こしたらどうすればいいか】

建造物侵入窃盗事件を起こした場合,被害者の方と示談をするために,すぐに示談交渉を始めましょう。
建造物侵入窃盗事件の示談では,建造物侵入窃盗事件を起こしてしまったことへの謝罪,盗品の返還,盗品の返還に代わる被害弁償金の支払い,建造物への立ち入り禁止の誓約などを行うことが考えられます。
刑事事件例のように,転売目的で建造物侵入窃盗事件を起こし,すでに盗品を売り払ってしまったという場合は,盗品の返還に代わる被害弁償金の支払いをするというところがポイントとなります。
被害弁償金の金額は,盗品自体の金額のほか,慰謝料が含まれることになるのが通常です。

示談といっても,示談締結の内容は様々な態様があります。
例えば,単に示談金を受け取ることには了承する場合や,示談金を受け取ることに了承した上,建造物侵入窃盗事件の被疑者の方を許すことにするという場合などがあります。
この示談締結のレベル,程度というのは,まさに刑事弁護士のスキルによって左右され得るところですので,刑事事件に強い刑事弁護士に示談を任せることが重要です。

なお,刑事弁護士を付けずに,建造物侵入窃盗事件の被疑者の方,若しくはそのご家族の方自身で示談交渉を行うというのは十分に注意しなければなりません。
それは,刑事事件に関する知識がない一般の方が示談交渉をする場合,示談書の内容やその効力をよく知らないまま示談締結をしてしまい,後になって示談の内容が自身に不利であったり,望んでいた法的効果が得られる示談内容ではなかったりすることが容易に想定できるからです。
示談をする場合,やはりその道の専門家である刑事弁護士を付けるのが安全でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
薬局への建造物侵入窃盗事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください(初回接見契約については,こちらをご覧ください)。

宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件

2021-08-06

宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件

宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件について、あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

宮城県仙台市太白区在住のサイクリングが趣味のAさんは、フリマサイトにて、自分が欲しかった自転車ライトを見つけました。
このとき、Aさんは、この出品者Bさんが個人のアカウントであるにも関わらず、中古の自転車ライトを大量に出品していたことから、Bは盗んだ自転車ライトを大量出品しており、自分が欲しい自転車ライトも盗品の1つなのではないかと思っていました。
しかし、以前から欲しかった自転車ライトが相場価格よりも相当安く出品されていたことから、Bさんから自転車ライトを現金を支払って購入し、その後、自転車ライトはAさんのもとに配達されました。
後日、Aさんが購入した自転車ライトの本当の所有者Vさん(Aさんと同じく宮城県仙台市太白区在住)が仙台南警察署に盗品等有償譲り受け事件の被害届を出しました。
これを受けて盗品等有償譲り受け事件の捜査を開始した仙台南警察署の警察官から、Aさんに対して任意出頭に応じるよう連絡がきました
(この刑事事件例はフィクションです)。

【盗品等有償譲り受け罪とは】

刑法 256条

1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。

2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

刑法256条は、盗品等に関する複数の行為を処罰の対象にしています。
まず、刑法256条1項では、盗品等を無償で譲り受ける行為を処罰の対象にしています。
また、刑法256条2項では、盗品等を運搬、保管、有償で譲り受ける行為、有償処分のあっせんをする行為(あっせん行為それ自体は有償・無償を問いません)を、それぞれ処罰の対象にしています。

このうち、刑法256条2項に記載されている有償で譲り受ける行為が、盗品等有償譲り受け罪と呼ばれる犯罪です。
上で挙げた刑事事件例のAさんについては、この盗品等有償譲り受け罪の成立が問題になります。

この盗品等有償譲り受け罪が成立するためには、①「前項に規定する物を」、②「有償で譲り受け」るという要件を満たす必要があります。
また、盗品等有償譲り受け罪が定められている条文には記載されていませんが、③「前項に規定する物」が窃盗などの犯罪により取得された財物であることを認識していることが要件となります(この③の要件を、ここでは、「盗品性の認識」の要件と呼ぶことにしましょう。)。

以下で、これら盗品等有償譲り受け罪の成立要件について詳しく説明します。

【盗品等有償譲り受け罪の要件について】

①「前項に規定する物」=「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」
盗品等有償譲り受け罪を規定する刑法256条2項には、「前項に規定する物」との記述があります。
これは、刑法256条1項の「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」を意味しています。
そして、盗品等有償譲り受け罪の要件である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、具体的には、窃盗罪、強盗罪、詐欺罪、横領罪にあたる行為によって直接得た財物のことをいいます。

刑事事件例においては、Aさんが購入した自転車ライトはBさんが窃盗により得た財物であるので、この自転車ライトは、盗品等有償譲り受け罪の要件の1つである「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」と言えるでしょう。

②「有償で譲り受け」
盗品等有償譲り受け罪の2つ目の要件である「有償で譲り受け」とは、対価を払って、その財物を取得することをいいます。
また、「有償で譲り受け」たと言えるためには、その財物が実際に引き渡されていることを必要とします。

これを刑事事件例に即して説明すると、Aさんはフリマサイトで現金を支払って自転車ライトを購入し、この自転車ライトがAさんのもとに配達されていることから、盗品等有償譲り受け罪の「有償で譲り受け」という要件は満たされていると考えることができるでしょう。

③盗品性の認識
盗品等有償譲り受け罪が定められている条文には記載されていませんが、解釈上、盗品等有償譲り受け罪が成立するためには、その財物が窃盗罪などの何らかの犯罪行為により取得されたものであるという事情を認識していることが必要とされています。

刑事事件例では、Aさんは、Bさんが個人のアカウントで大量の自転車ライトを出品していたことから、自身が購入しようとしている自転車ライトが盗品であるとの疑いを持っています。
このことから、Aさんは、盗品等有償譲り受け罪の「盗品性の認識」要件を満たしているということができそうです。

以上より、刑事事件のAさんの行為は、刑法256条2項によって規定されている盗品等有償譲り受け罪に該当し、盗品等有償譲り受け罪で処罰される可能性があります。

【盗品等有償譲り受け罪を犯してしまったら…】

刑事事件例のように、盗品等有償譲り受け罪にあたる行為をしてしまったAさんは今後どのような対応をとればよいのでしょうか。

まず、任意の出頭に応じ、取調べに協力することが考えられます。
しかし、この際、どのような話を警察官にすればよいのかわからない、あるいは、警察官から厳しい盗品等有償譲り受け事件での取調べを受け、盗品等有償譲り受け罪の容疑での追及がなされるのが怖いといった、悩みや不安を持つことが通常でしょう。

こういった場合には、刑事事件に強い刑事弁護人に事前に相談することをお勧め致します。
刑事弁護人から、これまでの刑事事に関する知識や経験に基づいた適切な法的助言を事前に受けておけば、取調べについての悩みや不安を解消することができ、万全の状態で取調べに臨むことが期待できるでしょう。

また、刑事弁護人を早急に付けることにより、刑事弁護人を通して盗品等有償譲り受け事件の被害に遭われてしまった方に対して、被害の弁償をすることで、早期に事件を解決し、刑事上の責任を軽減する刑事弁護活動も考えられます。

【最後に】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件の加害者となってしまった方の刑事弁護を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件に関する豊富な経験を有する刑事弁護人が,盗品等有償譲り受け事件初回接見サービス初回無料法律相談を行うことができます。
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件でお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

公然わいせつ事件で捜査を受けた

2021-03-09

公然わいせつ事件で捜査を受けた

公然わいせつ事件捜査を受けた場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

愛知県仙台市青葉区に住むAさんは,同区内の大型書店において,参考書売り場付近に女子中学生(Vさん)がいるのを見つけ,下半身を露出しました。
後日,Vさんは両親に公然わいせつ事件を相談し,宮城県仙台中央警察署は公然わいせつ事件捜査を開始しました。
その後,Aさんは宮城県仙台中央警察署の警察官により,公然わいせつ罪の容疑で捜査を受けました。
(2021年3月3日にSTVNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【公然わいせつ罪とは】

刑法174条
公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪を犯した者には,6月以下の「懲役」若しくは30万円以下の「罰金」又は「拘留」若しくは「科料」が科せられます。

公然わいせつ罪で科され得る「懲役」とは,刑事施設に拘置し刑務作業に服させられることをいいます。
公然わいせつ罪で科され得る「罰金」とは,1万円以上の金銭を徴収されることをいいます。
公然わいせつ罪で科され得る「拘留」とは,1日以上30日未満の期間,刑事施設に拘留されることをいいます。
公然わいせつ罪で科され得る「科料」とは,1000円以上1万円未満の金銭を徴収されることをいいます。

【公然わいせつ罪の成立要件】

公然わいせつ罪は,「公然と」「わいせつな行為」をしたものに成立します。

公然わいせつ罪の「公然と」とは,わいせつな行為を不特定または多数人が認識できる状態をいいます。
また,現実に不特定又は多数の人が認識する必要はなく,その認識の可能性があれば,公然わいせつ罪の「公然と」という要件が満たされると考えられています。

刑事事件例では,Aさんは,不特定または多数の客が認識することができる可能性のある大型書店内において陰部を露出しています。
よって,Aさんのわいせつな行為を不特定または多数人が認識できる状態であったとして,公然わいせつ罪の「公然と」という要件が満たされると考えられます。

また,公然わいせつ罪の「わいせつな行為」とは,いたずらに性欲を興奮・刺激させ,かつ,一般人の正常な性的羞恥心を害し,性的道義観念に反する行為であると考えられています。

そして,刑事事件例のような殊更に陰部を露出する行為は,いたずらに性欲を興奮・刺激させ,かつ,一般人の正常な性的羞恥心を害し,性的道義観念に反する行為であるとして,公然わいせつ罪の「わいせつな行為」という要件が満たされると考えられます。

以上より,Aさんには公然わいせつ罪が成立すると考えられます。

【公然わいせつ事件の刑事弁護活動】

公然わいせつ事件で不起訴処分などの寛大な処分を獲得したい場合,公然わいせつ事件捜査する検察官に対して,二度と公然わいせつ事件を起こさないと誓い,その旨を伝えていくことが重要です。

ここで,公然わいせつ事件は再犯率の高い性犯罪事件であるため,例えば,メンタルクリニックに通い,専門医から診察やカウンセリングを受けたりして,医学的な観点から,公然わいせつ事件の再犯を起こさないための対策をすることができます。
刑事弁護士は,メンタルクリニックへの通院状況や結果を被疑者の方から聞き取り,それを書面化する等して,公然わいせつ事件を捜査する検察官に,再犯防止対策をしっかりしていることを伝えていくことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
公然わいせつ事件捜査を受けた場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

検察官送致を回避

2020-06-26

検察官送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
宮城県登米警察署は、宮城県登米市で起きた強盗致傷事件の容疑者として、少年Aくん(18歳)とBくん(18歳)を逮捕しました。
Aくんの母親は、警察からAくんについて事情を聴かれた際、悪ければ検察官送致もあり得ると言われ、対応に困っています。
(フィクションです。)

少年事件における終局決定

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると判断する場合、及び、犯罪の嫌疑はないが、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると判断する場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致します。
事件を受理した家庭裁判所は、当該少年の保護事件について少年審判を開始するか否かを判断します。
少年審判を開始するのが相当であると認めるときは、家庭裁判所は審判開始決定をしなければなりません。
その後、調査官による調査を経て、少年審判が開かれ、審理を終えると、少年に対して決定が言い渡されます。

家庭裁判所が行う決定には、「終局決定」と「中間決定」の2種類あります。

「終局決定」は、少年の最終的な処分を決める決定であり、「中間決定」は、終局決定前の中間的な措置としてなされる決定です。

「終局決定」には、①審判不開始、②不処分、③保護処分、④検察官送致、⑤都道府県知事または児童相談所長送致の5種類あります。

検察官送致

終局決定の1つである「検察官送致」とは、(1)調査あるいは審判の結果、少年が20歳以上であることが判明したとき、及び、(2)死刑、懲役または禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質および情状に照らして刑事処分相当と認めるときは、家庭裁判所は事件を検察官に送致する決定をしなければなりません。

(1)年齢超過を理由とする検察官送致

審判時に少年が20歳以上に達している場合、少年法の適用対象ではなくなるため、家庭裁判所は審判をすることも、保護処分をすることもできなくなります。
そのため、このような場合には、家庭裁判所は検察官送致の決定をしなければなりません。

(2)刑事処分相当を理由とする検察官送致

家庭裁判所は、「死刑、懲役又は禁固に当たる罪」を犯した少年について、「その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」は、検察官送致することができます。
また、行為時16歳以上の少年で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件の場合には、検察官送致の決定をしなければなりません。
ただし、そのような原則検察官送致となる事件であっても、「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は検察官送致以外の処分をすることができます。

検察官送致となれば、刑事手続に移行し、起訴された場合には公判審理を経て判決により刑罰が科される可能性があります。
判決までの間、保釈制度を利用して釈放されることはありますが、拘置所に勾留されることも多く、長期間に及ぶ身体拘束を強いられる場合もあります。
また、公判は公開審理であるため、少年のプライバシーが侵害されるおそれもあります。
公判の結果、少年に実刑が科された場合、少年は少年刑務所に収容されることになります。
少年刑務所は、刑罰を執行する行刑施設であり、矯正教育施設である少年院とは目的が異なるため、少年刑務所で行われる教育的処遇は不十分だと言われています。

少年が事件を起こした背景には様々な要因が複雑に絡み合っていることが多く、どのような処分が少年の更生に適するかをしっかりと検討していく必要があります。
少年の更生の支援者として、弁護人・付添人である弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。

お子様が事件を起こし対応にお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

万引きで常習累犯窃盗

2020-06-19

万引き常習累犯窃盗となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~

Aさんは、令和2年6月19日に、宮城県名取市のスーパーマーケット店内において、食料品5点を万引きしました。
Aさんには前科があり、窃盗の前科2つは、夜間に他人宅に工具を使用して忍び込み、現金を窃取するもので、1つはコンビニエンスストア内の万引きです。
Aさんは、店の通報を受けて駆け付けた宮城県岩沼警察署の警察官に、窃盗の容疑で逮捕されました。
しかし、その後の取調べでは、常習累犯窃盗に当たると取調官から言われ、厳しい処分が科されるのではないかと不安です。
(フィクションです。)

常習累犯窃盗とは

窃盗事件を起こした者を窃盗犯として検挙したが、その者が多数の類似の窃盗の前科があることが判明すると、窃盗罪ではなく、常習累犯窃盗罪が成立する可能性が出てきます。

常習累犯窃盗とは、窃盗罪や窃盗未遂罪にあたる行為を常習的に行う犯罪で、昭和5年施行の「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」(以下、「盗犯等防止法」といいます。)に規定されています。

第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル

とても古い法律ですので、なかなか読み辛いですね。

常習累犯窃盗は、常習として、窃盗罪、強盗罪、強盗利得罪、事後強盗罪、こん睡強盗罪、またはこれらの未遂罪を犯した者で、その行為の前の10年以内にそれらの罪またはこれらの罪と他の罪との併合罪で3回以上6月以上の懲役刑の執行を受けた、もしくはその執行を免除された場合に成立する罪です。

◇形式的要件◇

常習累犯窃盗の形式的要件は、「行為前の10年以内に、窃盗、窃盗未遂などについて、懲役6月以上の刑の執行を受けるなどしたことが3回以上あること」です。

「行為前の10年以内」というのは、窃取行為などが開始される前の10年以内という意味です。
Aさんは、令和2年6月19日にスーパーマーケット店内で万引きをしましたので、行為開始日は令和2年6月19日となり、「行為前の10年以内」は、平成22年6月19日以後ということになります。

「窃盗、窃盗未遂など」について、前科の内容として、幇助犯や教唆犯も含まれます。
また、窃盗、強盗、事後強盗、こん睡強盗の他に、常習累犯窃盗、強盗致死傷も含まれます。

「刑の執行を受け」たとは、10年以内の3回の刑のうち最初の刑の執行終了日が10年以内であれば足ります。
留意すべきは、懲役刑の執行猶予判決を受け、執行猶予期間を経過した場合や執行猶予期間中である場合には、刑の執行を受けたことにならず、執行の免除を受けたことにもならない点です。

◇実質的要件◇

常習累犯窃盗の実質的要件として、「常習として犯した」ことが必要です。
「常習として犯した」というのは、反復して窃盗罪などを犯す習癖を有するということです。
この要件については、行為者の前科前歴の内容、動機、手口や態様、犯行回数、性格などを総合的に考慮して判断されます。

常習累犯窃盗の実質的要件を満たしているかどうかを判断するにあたっては、前科の内容と本件犯行との間に手口や態様が類似している場合には、容易に常習性が肯定することができます。
しかし、手口や態様に類似性がない場合であっても、動機、犯行回数、犯行に及ぶ生活状況などを考慮し、窃盗の習癖に基づく犯行と認められれば、常習性が肯定されることになります。

Aさんの前科の内容について、2つは現金の侵入盗であるのに対して、本件犯行は店舗内での食料品の万引きです。
一見、その手口や態様において異なるように思えますが、容易に窃盗に及ぶ動機などが認められれば、本件犯行は窃盗を犯す習癖に基づくものと言えます。
また、Aさんには、コンビニエンスストアでの万引きの前科もあり、手口や様態も全く異なるものとは言えず、本件犯行が窃盗を犯す習癖に基づくものと認められるでしょう。

常習累犯窃盗の法定刑は、3年以上の有期懲役となっており、窃盗の法定刑よりも重くなっています。
常習性を否定する事情や被告人に有利な事情を収集し、出来る限り寛大な判決となるよう弁護活動する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が窃盗や常習累犯窃盗に問われお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881へお電話ください。

覚せい剤の再犯で一部執行猶予

2020-06-12

覚せい剤再犯一部執行猶予となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
Aさんは、3年前、仙台地方裁判所覚せい剤の使用および所持で懲役1年6月執行猶予3年が言い渡されました。
その後、Aさんは覚せい剤とは縁を切り、職にも就くことが出来ました。
しかし、職場の人間関係のトラブルから強いストレスを感じるようになったAさんは、再び覚せい剤に手を出すようになりました。
そして、Aさんは、宮城県仙台南警察署覚せい剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕されました。
Aさんは、再び覚せい剤に手を出してしまったことを大変後悔していますが、今度こそは実刑になるのではと不安でなりません。
(フィクションです。)

覚せい剤の使用および所持については、10年以下の懲役が法定刑となっています。

懲役刑というのは、刑務所に収容され、刑務作業を負う刑罰のことです。
懲役刑が執行されると、刑務所に収監されることになります。
ただ、刑の執行が猶予されると、直ちに刑務所に収監されることはなく、社会で通常の生活を起こることができます。
言い渡された刑の執行が猶予されることを「執行猶予」といいます。

執行猶予について

執行猶予は、判決で刑を言い渡すにあたり、一定の期間その刑の執行を猶予し、その猶予期間中罪を犯さず経過すれば、刑の言い渡しの効力を失わせる制度です。

執行猶予の要件

執行猶予には、刑の全部の執行猶予と刑の一部の執行猶予とがありますが、まずは前者の要件について説明します。

刑の全部の執行を猶予することができるのは、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、または、
②前に禁固以上の刑に処せられた者であっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑の処せられたことがない者
が、3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金の言い渡しがなされる場合です。

この場合、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間で刑の全部の執行を猶予することができます。

覚せい剤の使用・所持の法定刑は10年以下の懲役ですので、3年以下の懲役を言い渡すことは可能です。
初犯であれば、執行猶予が付くことが多いようです。

覚せい剤事件で再度の執行猶予の可能性は?

覚せい剤のような薬物事犯は、残念ながら再犯率が高いです。
上のケースのように、執行猶予期間中に再び薬物に手を出してしまう事案は少なくありません。
実は、執行猶予期間中に再び罪を犯してしまった場合でも、再度執行猶予となる可能性はあります。
それを「再度の執行猶予」といいます。

再度の執行猶予となるには、以下の要件を全て満たす必要があります。

①前に刑の全部の執行猶予が付された懲役または禁固の判決を受けていること。
執行猶予期間中に、1年以下の懲役または禁錮の判決を受けること。
③情状に特に酌量すべきものがあること。
④保護観察中に罪を犯したものでないこと。

覚せい剤事件では、初犯で懲役1年6月執行猶予3年となるのが相場となっています。
再犯の場合、1年以上の懲役の判決が言い渡される可能性が極めて高く、覚せい剤事件で、再度の執行猶予となる可能性はかなり低いと言えるでしょう。

一部執行猶予について

執行猶予期間中に覚せい剤再犯で有罪判決を受けた場合、実刑となる可能性は極めて高いです。
しかしながら、実刑の場合にも、刑の一部の執行を猶予することを目指すという選択肢もあります。

服役期間の一部の執行を猶予する「一部執行猶予制度」は、2016年6月から施行されています。
一部執行猶予を定めているのは、刑法と、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律です。

◇刑法上の一部執行猶予◇
(1)前科要件
・初めて刑に服する者。
・禁固以上の前科の執行終了または免除後、5年以内に禁固以上の刑に処せられていない者。
(2)宣告刑
3年以下の懲役または禁固。
(3)再犯防止の必要性・相当性
犯情の軽重及び犯人の境遇その他の事情を考慮して、再犯防止に必要かつ相当であること。

◇薬物法上の一部執行猶予◇
(1)前科要件
刑法、大麻取締法、毒物及び劇物取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法及びあへん法に定める薬物使用等の罪を犯した者。
(2)宣告刑
3年以下の懲役または禁錮。
(3)再犯防止の必要性・相当性
刑法上の要件に加えて、刑事施設内処遇に引き続き、薬物依存の改善に資する社会内処遇を実施する必要性があること。
こちらは、保護観察が必要的に付されます。

一部執行猶予は、全部実刑と比べると、刑務所に服する期間が短くなる等のメリットがあります。
他方、ほぼすべての一部執行猶予に保護観察が付されるため、全部実刑に比べ、服役期間と出所後の猶予期間の全体をみれば、公的機関の干渉を受ける期間は長い等といったデメリットもあります。

一部執行猶予を目指すべきか否かは、刑事事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚せい剤事件も含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

少年の在宅事件における弁護活動

2020-06-05

少年在宅事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
宮城県登米市に住む中学生のAくん(14歳)は、市内の商業施設で盗撮をしたとして、宮城県佐沼警察署から出頭要請を受けています。
AくんとAくんの両親は、今後の流れや取調べでどのように答えればよいのかわからず、不安で仕方ありません。
警察署に出頭する前に、少年事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

少年の在宅事件における弁護活動

あなたが何らかの罪を犯したとしましょう。
事件が捜査機関に発覚し、どうやらあなたが行ったと疑うに足りる証拠も出てきました。
捜査機関は、あなたを刑事事件の被疑者として取調べるようになります。
捜査を行うにあたって、あなたが逃亡したり、証拠を隠滅してしまうようなおそれがあると判断される場合には、捜査機関はあなたを逮捕することがあります。
しかし、逮捕の理由も必要性もないのであれば、捜査機関はあなたの身柄を拘束しないまま事件の捜査を続けます。
被疑者の身柄を拘束しないまま行う捜査を「在宅捜査」、在宅捜査となる事件を「在宅事件」と呼びます。

被疑者が少年であっても、成人の場合と同様に、逮捕されることもありますし、在宅事件となることもあります。

身柄が拘束されていない在宅事件といえども、捜査機関による取調べなどの捜査は行われます。
在宅事件の場合、身柄が拘束されていないことや、捜査の進みが身柄事件よりも遅いこともあり、少年も保護者も事の重大さを実感していないことも少なくありません。
しかし、捜査機関による違法・不当な取調べや、自己に不利な供述をしてしまうおそれもあります。
また、少年事件は、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されますので、捜査段階から環境調整を行う必要性もあります。

1.取調べ対応

少年であっても、被疑者として捜査機関から取調べを受けることになります。
そのため、黙秘権をはじめとする権利や供述調書の意味について、少年や保護者もしっかりと理解する必要があります。
例えば、作成された供述調書の内容を確認し、少年の供述内容と異なる供述調書が作成されていた場合には、署名押印を拒否すべきです。
基本的には、素直に取調べに応じるのが良いのですが、少年の意思に反した供述がとられることのないよう留意しなければなりません。
また、違法・不当な取調べを受けた場合には、捜査機関に対して毅然として争う必要があります。

2.逮捕の回避

出頭要請に応じていた場合でも、捜査の進展や取調べの状況などによって捜査機関が逮捕に踏み切ることもあります。
身体拘束によって少年が被る不利益は小さくありません。
逮捕の可能性が考えられる場合には、捜査機関に対して、逮捕の必要性がないことを説得的に主張し、逮捕の回避に努めなければなりません。

3.被害者対応

成人の刑事事件では、被害者への被害弁償や示談が成立している場合には、起訴猶予で事件が終了するということがあります。
しかし、少年事件では、そのような効果はなく、被害者対応をしている場合でも、捜査終了後には家庭裁判所に送致されます。
だからといって、被害者対応が少年事件において何の効果もないのかと言えばそうではありません。
近年、少年審判でも被害者の意向が重視される傾向にあります。
被害者への対応を行う中で、少年が如何に事件と向き合い、被害者の気持ちを理解しようと努めたのかといった点で重要であり、少年審判の審理対象でもある要保護性の解消との関係で重視されるのです。
ですので、捜査段階から、被害者対応に着手することが求められます。

4.環境調整活動

環境調整は、少年がきちんと更生することができるように少年の周囲の環境を整えることです。
環境調整は、少年審判で審理される要保護性の解消にも重要な役割を果たします。
少年の内省を促すことの他、被害者対応や家庭環境・学校環境の調整、交友関係の見直しなど行うことは多岐に渡ります。
家庭裁判所に送致された後からでは環境調整を行う十分な時間がないこともありますので、捜査段階から着手し、じっくり丁寧に環境調整活動を行うことは望ましいでしょう。

以上のような活動を、少年や保護者だけで行うことはそう容易なことではありません。
少年事件での対応にお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にぜひご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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親権者が娘に性交等をさせた場合②:児童福祉法違反

2020-05-29

親権者性交等をさせ児童福祉法違反が成立するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
宮城県多賀城市に住む会社員のAさんは、実の娘のVさんと同居していましたが、Vさんが幼い時から、口腔性交をさせており、Vさんにそれが当たり前のように思い込ませていました。
Vさんは、中学生になってもAさんから口腔性交を命じられ、それに応じていましたが、次第にそれが普通ではないことに気が付き、学校の先生に相談しました。
学校は、児童相談所に報告し、Vさんは保護されることになりました。
児童相談所からの連絡を受けたVさんは、「警察にも報告することになります。」と言われており、事実、その後、宮城県塩釜警察署から出頭要請の連絡が来ました。
Aさんは、自分の行為がどのような罪に当たるのか、今後どのような流れになるのか、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

上記の事例では、親権者であるAさんが、同居しているのVさんに対し口腔性交をさせていました。
それが、幼少時からの性的な支配関係の中で行われた場合、監護者性交等罪が成立する可能性があることを前回のブログで説明しましたが、監護者性交等罪と児童福祉法違反が成立し得るため、今回は児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)について解説します。

児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)とは

児童福祉法は、児童の福祉を保障するための法律です。

児童福祉法は、その34条1項6号において、児童に淫行をさせる行為を禁止しています。

◇犯行の主体◇

本罪の犯行の主体には特に制限はなく、誰でも行えます。

◇犯行の対象◇

本罪の犯行の対象は「児童」です。
児童福祉法における「児童」とは、18歳未満の者です。

◇行為◇

本罪の実行行為は「淫行」を「させる」ことです。
「淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交または性交類似行為であって、児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として取り扱っているとしか認められないような者を相手とする性交または性交類似行為を含みます。
性交・性交類似行為には、性交、手淫、口淫、素股、肛淫などを含みます。
また、判例では、バイブレーターを調達して児童に手渡し、自己の面前において、児童をしてこれを性器に挿入させる行為も該当するとしています。(東京高裁平成8年10月30日)
淫行を「させる」行為については、児童に働きかけて淫行をするよう仕向ける行為のことをいい、直接・間接を問わず、児童に対して事実上の影響力を及ぼして、児童が淫行をすることを助長し促進する行為を含みます。
強制や直接的な勧誘等がなくとも、雇用関係等があり、児童に対して影響力を及ぼしやすい場合には消極的な関与でも足り、特別な関係がない場合であっても、児童の淫行を容易にさせ、助長、促進する事実上の影響力がある行為があれば足ります。
また、自己を相手に性交等をさせる場合も、淫行を「させる」行為に当たります。

◇故意◇

対象が18歳未満であることの認識・認容がなくても、過失があれば、本罪は成立します。

これに対する罰則は、10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科です。

監護者性交等は、その保護法益を個人の性的自由とする犯罪であるのに対して、児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)のそれは、社会における児童の福祉であり、異なる犯罪類型ではありますが、その適用要件は近似しており、児童に淫行をさせる罪の方が適用できる範囲は広くなっています。

上の事例において、Aさんは、同居しているとの間で、経済的な依存・被依存の関係にあるだけでなく、幼少時から口腔性交をさせ、これを当たり前のように思い込ませ精神的に支配していたという影響力に基づいて、Vさんに口腔性交をさせています。
これより、Vさんは「現に監護される者」であり、かつ「児童」でもあり、経済的・精神的依存・被依存関係に基づく影響力によってVさんに口腔性交をさせているのため、「現に監護する者であることに乗じて」、かつ「事実上の影響力を行使して」性交等をしていると言え、Aさんは、監護者性交等罪と児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)の罪責を負うことになります。
この場合、両者は観念的競合(1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合)となり、処罰については、その最も重い刑により処断されることとなります。
つまり、5年以上の有期懲役の範囲内で刑が科されます。

以上のように、親権者性交等をさせた場合には、監護者性交等罪と児童福祉法違反の両方が成立することがあります。
その場合、両者は観念的競合となり、重い方の監護者性交等罪の法定刑の範囲内で刑罰が科されることになります。
非常に重い刑が科される可能性がありますので、容疑を認めている場合には、より軽い刑となるよう弁護する必要がありますし、えん罪であれば無罪を証明するため動くことになります。
どちらにせよ、早い段階から刑事事件に強い弁護士に相談・依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

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