Archive for the ‘暴力事件’ Category

ネット上での名誉毀損

2019-03-19

ネット上での名誉毀損

宮城県亘理町の会社に勤務するAさんは、以前から同僚のVさんとそりがあわないと感じていました。
Vさんを困らせてやろうと考えたAさんは、Vさんの顔写真と個人情報とともにインターネットの掲示板に「拡散希望。(同僚の名前)が会社の金を横領している。」等といったVさんの社会的信用を失墜させるような書き込みを複数回行いました。
Vさんが名誉毀損罪宮城県亘理警察署に告訴したと社内の噂で聞いたAさんは、宮城県内で刑事事件を専門とする弁護士無料法律相談しました。
(フィクションです。)

~名誉毀損罪~

名誉毀損罪という罪名を聞いたことのある方は多いと思います。
刑法第230条第1項には、「公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万以下の罰金に処する」と、名誉毀損罪が規定されています。 

「公然と事実を摘示」するとは、不特定又は多数人がその事実を認識しうる状態、もしくは、伝播して不特定多数の者が認識する可能性がある状態(=「公然と」)で、人の社会的評価を害するに足りる事実を告げる(=「摘示」する)ことをいいます。
摘示された事実の真偽は問わず、人の社会的評価を低下させるような具体的事実であれば足ります。
つまり、真実かどうか、周りに知られているものなのかどうか、現在のものなのか過去のものなのかは問われないということです。
「摘示」の方法について制限は特にないため、インターネットの掲示板に「拡散希望」などとつけて書き込む方法でも、人の多く集まる駅前で、拡声器を用いて大声で叫んで回るといった方法でも、「摘示」したと認められることになります。
また、「名誉を毀損」するとは、社会的評価(=「名誉」)を害するおそれがある状態を発生させればたりるとされています(大判昭13.2.28)。

上記の事案では、Aさんは、同僚Vさんのイメージを落とすような情報(=「事実」)を、多数人が閲覧する可能性のあるインターネットの掲示板に複数回書き込んでいます。
Aさんが書き込んだインターネットの掲示板が、誰でも閲覧可能な掲示板であれば、「事実」を「公然と」「摘示」したと言える可能性が高いでしょう。
Aさんの「摘示」した「事実」は、Vさんのイメージを低下させる具体的な事実であったので、Vの社会的評価を害するおそれのある状態を起こしているといえます。
つまり「名誉」を「毀損」したと言える可能性が高く、したがってAさんには名誉毀損罪が成立すると考えられます。
(なお、たとえVさんの名誉が実際に侵害されていなくとも、「毀損した」にあたり、名誉毀損罪となります。)

~ネット上の名誉毀損罪~

近年、ネット上での個人に対する誹謗中傷が社会問題化しており、警察には多数の相談が寄せられているそうです。

警察庁サイバー犯罪対策プロジェクトの『平成30年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について[H30.9.20掲載]』によると、
平成27年には10,398件、平成28年には11,136件、平成29年には11,749件の名誉毀損・誹謗中傷等に関する相談が寄せられているそうです。
実際に警察へあった名誉毀損・誹謗中傷等に関する相談事例として、 「掲示板サイトに個人情報を掲載されるとともに誹謗中傷する内容を書き込まれた。」という事例が掲載されています。

インターネットの書き込みは基本的に匿名であるため、普段よりも攻撃的になってしまう場合があります。
深く考えずにインターネット上に人の悪口にあたる内容の書き込みをした結果、被害者が名誉毀損罪で警察に相談に行き捜査が開始されたといった方もいらっしゃるので、インターネットに書き込む前に、自身が書き込もうとしている内容をよく考える必要があるでしょう。

名誉毀損罪は、親告罪といって、被害者やその代理人などによる告訴がなければ、検察官が起訴することができません。
そのため、弁護活動としては、告訴がまだされていない場合には、被害者に謝罪と被害弁償を尽くして告訴をしないと約束してもらうことを目指します。
すでに告訴されている場合は、告訴を取り下げてもらうことを目指して弁護活動が行われることになります。

刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、被害者との示談交渉や謝罪対応のための交渉を粘り強く行います。
名誉毀損罪などの親告罪で告訴された、または告訴されそうでお困りの方は、まずは無料法律相談をご利用ください。
(宮城県亘理警察署への初回接見費用:41,500円)

殺人未遂の少年事件で逆送回避

2019-03-12

殺人未遂の少年事件で逆送回避

宮城県石巻市に住む少年A(15歳)は、別の中学校に通う不良グループと諍いになり、Aはそのうちの1人少年Vを公園に呼び出した。
呼び出したVから侮蔑するような言動をされたと感じたAはカッとなり、持っていたカッターナイフでVの腹や腕、顔を数回切り付け、Vに加療約3週間の怪我を負わせた。
Aは、殺人未遂罪の容疑で宮城県石巻警察署に逮捕された。
殺人未遂罪の容疑でAが逮捕されたと聞いたA君の両親は、少年事件刑事事件専門の弁護士に相談することにした。
(フィクションです。)

~殺人未遂罪~

殺人未遂罪(刑法203条、199条)は、殺人の実行行為をしたが、殺害の結果が生じなかった場合に成立する犯罪です。
殺人の実行行為とは、「殺意を持って、人が死亡する危険性がある行為をすること」です。
つまり、殺人未遂罪となるのは、人を殺害しようとして、人を殺害する危険性のある行為をしたにもかかわらず、人を死に至らせなかった場合です。

~逆送~

少年事件では、通常の成人の刑事事件とは違い、全件家裁送致主義が採用され、全ての少年事件が家庭裁判所に送致されます。
もっとも、今回のような少年による殺人未遂事件の場合、逆送されることがあります。
逆送とは,家庭裁判所が送致された少年を調査した結果、保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であるとして検察に送致する決定を行います。
これが検察官送致決定であり,通常,「逆送」といわれています。
逆送された場合、成人と同じ刑事裁判を受け、刑事罰を受けるかどうか判断されることになります。  
刑事裁判を受ける、刑事罰を受けるか判断されるということは、少年にとっては負担が大きいものです。

逆送には,(1)年齢超過を理由とする場合と,(2)刑事処分相当を理由とする場合の2種類があります。

~刑事処分相当を理由とする場合の逆送~

家庭裁判所は,死刑,懲役または禁固に当たる罪の事件について,調査の結果,その罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認めるときは,事件を検察官に送致を決定しなければならないとされています(少年法20条)
この逆送は,刑事処分相当逆送と呼ばれています。
また、「16歳以上の少年の殺人事件」は原則として逆送されることになっています。

少年が殺人未遂事件のような重大な少年事件を起こしたような場合、審判において不処分や保護観察とされるのは珍しく、少年院送致や逆送等の決定になることが多いと言えます。

刑事処分相当を理由とする逆送を防ぐためには,裁判官に対して,刑事処分が相当ではないことを主張する必要があります。
「刑事処分が相当である」場合には,保護処分によっては少年の矯正改善の見込みがない場合「保護不能」のほか,事案の性質,社会感情,被害感情等から,保護処分に付すことが社会的に許容されない場合「保護不適」が含まれます。

逆送を防ぐためには,保護不能ではない、つまり当該少年は保護処分により更生できることを主張すること、保護不適ではない、つまり、事案の性質,社会感情,被害感情等から,保護処分に付すことが社会的にも許容されるということを,具体的な事情に即して主張すること必要になります。

たとえば、意見書を作成して調査官等と面談し、少年の更生可能性等を主張し保護処分が相当である旨の弁護活動を行うことが考えられます。
少年を取り巻く環境の調整や、被害者家族に対する示談など少年の真摯な反省を示す有利な証拠を家庭裁判所に提出することも考えられます。

逆送の可能性が考えられる重大な少年事件では、少年事件に精通した弁護士のサポートや力が少年の処遇を左右するでしょう。
お子様が殺人未遂罪の容疑で逮捕されたご家族は、少年事件刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご用命ください。
初回接見サービスは、フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
(宮城県石巻警察署までの初回接見費用 43,200円)

傷害致死罪の執行猶予

2019-03-06

傷害致死罪の執行猶予

仙台市太白区に住むAさんは、居酒屋で友人とお酒を飲んでいたところ、隣席の酔払いのサラリーマンVさんと口論になった末、Vさんの顔面を殴りつけました。
Vさんは転倒して店内の床に頭を強打し、その翌日に出血性ショックによって死亡してしまいました。
Aさんは、店主の通報で駆け付けた宮城県仙台南警察署の警察官に傷害罪で現行犯逮捕されましたが、その後、罪名が傷害致死罪に切り替わって勾留されました。
Aさんの家族は、執行猶予を獲得したいと考えて、刑事事件専門の弁護士を探しています。
(フィクションです。)

~傷害致死罪~

人を死亡させてしまった場合、成立する犯罪の候補はいくつかあります。
例えば、今回のAさんのような傷害致死罪、殺人罪、過失致死罪、保護責任者遺棄致死罪といった犯罪があげられます。
いずれの犯罪が成立するのかは、行為態様や故意の有無によります。

人を暴行して傷害した結果、人を死亡させたら傷害致死罪となります。

【傷害致死罪】
刑法第205条
身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,3年以上の有期懲役に処する。

人が死亡するという結果は、殺人罪と傷害致死罪で同じです。
この二つの犯罪の違いは、人を殺害する故意があったかどうかです。
殺人罪に「人を殺す故意」(=殺意)が必要とされているのに対して、傷害致死罪の成立には「暴行の故意」で足りるとされています。
ただし、「死ぬかもしれない。」という認識があって暴行していれば、結果を容認したとして未必の故意が認められて殺人罪となる場合もあるので注意が必要です。
人を殺害する故意は無く、ただ、人に暴行又は傷害の故意がありその結果死亡させてしまった場合には傷害致死罪となります。

傷害致死罪で逮捕・勾留された場合でも、のちに殺人罪に切り替えられて起訴されることがあるため、ご家族、ご友人が傷害致死罪で勾留されている場合は、できるだけ早く弁護士に依頼して対応を検討することが望ましいでしょう。

~傷害致死罪で執行猶予を目指す~

傷害致死罪は、人の死という結果の重大性、法定刑が「3年以上の有期懲役」とされる重い罪であることから、初犯であっても起訴されて刑務所に服役する可能性が高い犯罪と言えます。

事実内容を認めている傷害致死事件で公判が開かれた場合、情状を主張して執行猶予付判決を目指していくことが考えられます。
公判で被告人に有利に考慮される要素としては、
・犯行態様が悪質でない
・同情すべき事情がある
・計画的でなく偶発的犯行である
・被害者側に落ち度がある
等が挙げられます。
どのような事情をどのように主張すべきかは、個々の事案によって異なります。

~裁判員裁判~

傷害致死罪で起訴されて正式裁判となった場合、検察官と裁判官、弁護士が関わる通常の裁判ではなく、裁判員も参加する「裁判員裁判」となります。
裁判員裁判とは、平成21年から始まった刑事裁判の制度で、ある一定の重い罪の刑事裁判においては、裁判所によって無作為に選出された国民が、裁判に参加し、裁判官と共に被告人の処分を決定する裁判のことです。

重大犯罪が対象となる裁判員裁判では、捜査機関が作成している報告書や調書などといった証拠や資料が大量に存在します。
そのため、弁護士には、膨大な証拠を精査して取捨選択するための知識と経験が必要となります。
加えて、裁判員裁判においては、法的な知識を有しない裁判員に対して、効果的に主張をアピールするための法廷技術等も必要となります。
裁判員裁判の弁護活動は、刑事事件に精通した弁護士に依頼することがお勧めです。

傷害致死罪執行猶予を獲得したい、裁判員裁判の経験豊富な弁護士に刑事弁護を依頼したいという場合は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご用命ください。
まずは無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県仙台南警察署への初回接見費用:34,600円)

公務執行妨害罪で現行犯逮捕

2019-02-28

公務執行妨害罪で現行犯逮捕

30代男性Aさんは職場に向かおうと仙台市青葉区内を歩いていたところ、宮城県仙台中央警察署の警察官から職務質問を受けました。
出勤が遅れることを心配したAさんは、渋々応じて、手短に済ませてほしいと警察官に頼んだところ警察官も「時間はとらせない」と言いました。
しかし、Aさんに前科があることが判明すると、警察官の態度が変わり、鞄の中なども調べさせてほしいと言い出しました。
仕事に遅れそうでイライラしていたAさんは、「時間は取らせないと言ったのに、約束と違うじゃないか」等と警察官に怒鳴り、無理やり警察官を突き飛ばして去っていこうとして警察官を転倒させました。
この行為が暴行と捉えられ、その場でAさんは公務執行妨害罪の疑いで現行犯逮捕され、宮城県仙台中央警察署に引致されてしまいました。
逮捕の知らせを受けたAさんの妻は、刑事事件に強い弁護士初回接見を依頼して事件の詳細を聞くことにしました。

~公務執行妨害罪~

公務執行妨害罪は「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者」(刑法95条1項)に成立します。
警察官などの公務員に対して、その職務を行わせないように妨害しようとする行為などに対して成立します。
職務質問の際に、警察官に手を出してしまったなど、ひょんなことから公務執行妨害事件が発生することはよくあります。
公務員の職務を実際に妨害せずとも、暴行脅迫が行われて「妨害されそう」という危険があれば、公務執行妨害罪は成立すると解釈されているため、①職務中の公務員に対して②暴行又は脅迫を加えた場合にはおおよそ成立してしまいます。

公務執行妨害罪を定めた刑法95条1項には、「暴行」という言葉が出てきていますが、刑法の条文に出てくる「暴行」とは犯罪によって定義が異なります。

「暴行」というと、暴行罪(208条)が思い当たる方が多いと思います。
暴行罪にいう「暴行」とは、人の身体に対する有形力の行使を指します。
他に、「暴行」を成立要件の一つとしている犯罪には、強盗罪や強制性交等罪があります。
強盗罪や強制性交等罪にいう「暴行」とは、人の反抗を抑圧する程度のものである必要があります。
これに対して、公務執行妨害罪における「暴行」はかなり広く認められます。
公務員たる人に対する物理力の行使であれば足りるとされており、直接身体に向けられている必要すらないとされています。
最高裁判所の判例では、パトカーに石を投げるという行為が「暴行」に当たるとされて、公務執行妨害罪となった事例があります。
事例のAさんの場合、巡回している職務中の警察官に対して、突き飛ばすという暴行をはたらいているため、公務執行妨害罪となる可能性が高いです。

上記事例では、Aさんが職務質問中の警察官に対し、無理やり警察官を突き飛ばして去っていこうとして警察官を転倒させるという暴行を加えています。
このような行為は公務執行妨害罪に当たると考えられ、Aさんは「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」という法定刑で処罰を受ける恐れがあります。
上記事例のように、公務執行妨害罪は警察官の目前で行われるケースが非常によく見られます。
そのため、現行犯逮捕が比較的多いという特徴を備えています。

~逮捕の種類~

逮捕には、通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の3種類があります。
(1)通常逮捕
事前に発布された逮捕状を示されたうえで逮捕される方式です。
逮捕状は、警察官等が、事前に裁判官に資料を送り、資料を見た裁判官が逮捕しても構わないと考えた場合に発布されます。
逮捕をされる際には、逮捕状を見せられて、逮捕されることとなります。

(2)現行犯逮捕
逮捕状なく、その場で逮捕される場合を指します。
現行犯人とは、現に罪を行っている者、または罪を行い終わった者です(刑事訴訟法212条1項)。
現行犯人については、逮捕状によらずに誰でも逮捕をすることができます。
逮捕状なく逮捕ができると考えられている理由は、犯罪を行って間もなくに逮捕するので、逮捕される人物が犯人であることに間違いがなく、また、罪を犯したことも明白であるからと考えられています。

(3)緊急逮捕
緊急逮捕とは、重大事件で、逮捕状を取りに行く時間的余裕がない場合に、後で逮捕状の発布を求めることを条件として、まずは被疑者を逮捕する場合の逮捕手続きです。
緊急逮捕をした場合には、事後的に裁判官が本当に逮捕してよかったのかの判断をします。

現行犯逮捕された場合、家族を含む周囲の方は何が起こったのか分からないことが殆どです。
ご家族としては、逮捕後すぐにでも本人に面会に行って事件について知りたいと考えると思いますが、逮捕段階ではご家族の面会ができません。
そうした状況下で早期に事件の内容と流れを把握する手段として、弁護士による初回接見が挙げられます。
弁護士であれば、逮捕中の被疑者と詳細に事件の話をできるうえ、直接聞いた話をもとに事件の見通しをお話しすることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、24時間初回接見の受付をしています。
公務執行妨害罪で周囲の方が逮捕されたら、ぜひ早いうちから弊所の弁護士に初回接見をご依頼下さい。
(宮城県仙台中央警察署への初回接見費用:34,100円)

傷害罪の少年事件

2019-02-22

傷害罪の少年事件

宮城県柴田町の15歳中学生A君は、同じ中学校に通うVさんと喧嘩になり、Vさんに対して殴る蹴る等の暴行をして全治2か月の傷害を負わせる傷害事件を起こしました。 
激怒したVさんの両親が、宮城県柴田町を管轄する宮城県大河原警察署に被害届を出したことから、後日A君は、傷害罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~傷害罪~

傷害罪は、刑法204条に規定されている罪で、「人の身体を傷害した」場合に成立します。
「傷害」とは、人の生理的機能に障害を生じさせたことを意味します。
たとえば、骨折や切り傷・打撲等の怪我を負わせた場合には、生理的機能への障害が生じたといえます。
なお、判例・通説によると、暴行によって結果的に怪我を負わせてしまったケースでは、他人に怪我を負わせるつもりがなくても傷害罪が成立します。
暴行の意図があれば、傷害の意図(けがをさせるという認識)は不要とされているため、結果的にけがをさせてしまった場合でも傷害罪が成立します。
例えば、怪我をさせるつもりはなかったが殴って骨を折ってしまったというケースでは、骨を折ってやろう(けがをさせてやろう)という意図はありませんが、殴るという暴行については意図的に行っている(=暴行の意図がある)ものといえます。

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。
この法定刑は成人に適用されるものです。
今回のAさんは15歳であり、20歳未満ですから、少年法の定める「少年」にあたり、原則的には、懲役や罰金といった刑事処罰を受けることにはなりません。
逮捕又は捜査対象とされた方が「少年」である場合には、原則的に少年法が適用され成人の刑事事件とは異なる手続きで処分が決まります。
少年事件は、少年の保護・改善のために特別な制度となっている部分も多くあります。

~少年事件の目的と少年の更生~

少年法は、少年の更生を目的とした法律であり、少年法1条には次のようなことが書かれています。
「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う・・・ことを目的とする」
少年法では、非行のある少年に対して、成人のように刑罰ではなく、健全な成長・発達を促す働きかけが必要であるという考え方をとっています。
成人の刑事事件では、行った行為に対する制裁を主たる目的にしていますが、他方、少年事件の目的は、少年が再非行をしないようにするためにはどうすればよいのかという点になります。

そのため、少年事件において、保護処分を決める裁判官がもっとも重視するのは、少年の更生の未来が描けるか、ということになります。
少年の反省が見られ、再非行をする可能性がほとんど考えられないといったような場合には、家庭裁判所から処分をしないという「不処分」という決定を言い渡されることがあります。
このまま放置すれば再非行をするおそれが高いと判断された場合には、「少年院送致」(少年に矯正教育を授ける施設に収容する)という重い処分を受けることになります。

もちろん処分を決めるにあたって事件自体の重大性は考慮されますが、比較的法定刑の軽い罪の事件でも、素行や性格、環境などから、社会内での処遇では更生が望めず再非行の可能性が高いと判断されれば、少年院送致といった厳しい処分が下されることもあります。

少年事件では、少年に反省を促し、今回の問題点はどんなところにあったのか、再び同じような事を繰り返さないためにはどうすればよいのかを、早期の段階から考えることが大切です。
少年の保護者で少年を監督する立場であるご両親も、本人とともに今後どうすることが本人の更生や未来のためになるのかを考えることが大切です。
少年の今後の更生や成長の手助けとなるようにサポートと環境整備をするためのお手伝いをできるのが弁護士です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、少年にとって最善の解決となるよう尽力致します。

中学生のお子様が傷害事件を起こしてしまい警察に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご用命ください。
少年事件に強い弁護士のご相談は0120-631-881にお電話ください。
初回法律相談:無料
宮城県大河原警察署までの初回接見費用:41,600円

ネットへの投稿で脅迫罪

2019-02-15

ネットへの投稿で脅迫罪

30代男性Aさんは、会社の元同僚Vさんに対して、SNSアプリ上で、Vさんの名を挙げて「殺すぞ」等と複数回にわたり脅す文句を投稿しました。
投稿を目にしたVさんは怖がらなかったものの不快に思って、宮城県鳴子警察署被害届を提出しました。
その結果、Aさんは脅迫罪の疑いで宮城県鳴子警察署逮捕されました。
Aさんの家族はネット上で起きた刑事事件に強い弁護士にAさんの刑事弁護を依頼したいと思い、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部の初回接見サービスを利用しました。
(フィクションです。)

~インターネット上の投稿でも脅迫罪になる~

インターネット上で、他人に対して脅すような言葉を書き込むと、「脅迫罪」が成立する可能性があります。
近年は、掲示板やメール、ツイッター、LINEなどのSNSが発達し、ネット上で脅迫行為が行いやすい環境になっています。

~脅迫罪~

脅迫罪とは、対象者本人やその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に害悪を加えることを告知して、脅した場合に成立する犯罪です(刑法222条)。

脅迫罪 刑法222条
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

条文からわかる通り、脅迫の対象が生命・身体・自由・名誉・財産の5つに限定されています。

害悪の告知方法については、その手段・方法には特に制限はもうけられていません。
口頭、文書、態度などいずれの場合でも成立します。
直接言葉で告げた場合や脅迫文などの手紙を送付した場合に限らず、ネットを使った方法でも成立しえます。
例えば、自分や相手のSNSやブログへの投稿、掲示板への投稿、LINEやメールでの送信なども、相手を畏怖させるに足りるものであれば、「告知」にあたります。

加えて、自分のSNSやブログ、ネット掲示板などのように、相手に直接送られたものではなくても、相手を畏怖させるような投稿をした場合は脅迫罪が成立する可能性があります。

今回の事例では、投稿を目にしたVさんは、怖がらなかったものの不快に思って被害届を提出しています。
相手を脅そうと思ってメッセージを送ったものの相手が怖がらなかった場合でも、脅迫罪は成立するのでしょうか。

結論から言うと、脅迫罪の成立には、実際に恐怖心が起きたかどうかは関係がないとされています。
脅迫にあたるかどうかは、告知の内容、相手方の性別、年齢、周囲の状況等を考慮して決定すべきとされており、一般的客観的に判断されるため、相手方が害悪の告知を受けて実際に畏怖しなくても構いません。
つまり、相手が「怖い」と思わなくても、普通なら恐怖心を感じると言えるような内容であれば、脅迫罪になってしまいます。
事例のように、「殺す」と言われたら恐怖心を感じることがほとんどでしょうから、脅迫罪が成立する可能性が高いです。

なお、ネット上では、「殺す」という発言が気軽に使われてしまいがちですが、気軽に使われやすいからといって脅迫罪にならないというわけではありません。
ネット上でのやりとりの場合、口頭で言われた場合と比べて、口調や文脈、状況などから発言した人の真意を窺い知ることは難しいです。
「殺す」と言われた人が文字通りの意味で捉える可能性があることは、「殺す」と発言した人も想定し得るでしょう。
そのため、ネット上での「殺す」という発言でも脅迫罪が成立しえます。

~ネット上の脅迫で刑事事件に発展する可能性~

文面によらない脅迫罪の場合は、証拠が残らないケースが多いため、刑事事件にまで発展することは多くありません。
しかし、ネット上での脅迫行為の場合、投稿や送信した文面が記録(証拠)として残りますので、被害届も受理されやすい傾向があります。

ネット上での脅迫事件の場合、文面を消去してしまう方もいらっしゃいますが、消去されていても捜査機関はある程度復元できるそうです。
むしろ、消去などの証拠隠滅行為は、捜査機関や裁判官の心証に悪い影響を及ぼし、逮捕の可能性を高めてしまいかねません。
証拠隠滅行為は行わずに、早めに刑事事件専門の弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、脅迫罪でトラブルになっている方の無料法律相談を常時受け付けています。
まずはフリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。
初回法律相談:無料

介護職員の高齢者虐待で傷害罪2

2019-02-08

介護職員の高齢者虐待で傷害罪2

~前回からの続き~
宮城県登米市の特別養護老人ホームで介護職員として働く40代女性Aさんは、入所中のお年寄りに暴行し怪我をさせた傷害罪の疑いで、宮城県佐沼警察署逮捕されました。
同署によると、Aさんは、入所するお年寄りVさんに対して、叩く蹴るといった暴行を加えて、重傷を負わせたとされています。
Aさんは最近、Aさんの夫に対して「職員がどんどん辞めて人手不足で、業務の負担が大きくてつらい」と話していました。
Aさんの夫は、最近のニュースで、グループホームで入所者のお年寄りに暴行して傷害罪に問われていた介護職員が懲役2年の実刑判決を言い渡されたと耳にしたことから、刑事事件専門の弁護士にAさんの刑事弁護を依頼することにしました。
(フィクションです。)

高齢者を介護し守るべき養介護施設従事者等による虐待行為は全国各地で後を絶たず、増加傾向にあります。
厚生労働省によると、平成28年度の養介護施設従事者等による虐待については、相談・通報件数は 1,723 件、虐待判断件数は 452 件(前年度比44件増)と過去最悪を更新しているそうです。
介護職員でつくる労働組合が実施したアンケートでは、虐待の原因を尋ねる設問に対し、ほぼ半数が「業務の負担が大きい」「仕事上のストレス」と回答したそうです。
介護職員の離職率が全産業平均を上回るとの厚労省の調査結果もあり、要介護施設等の人材不足が過度な労働を招き、入所者への虐待の温床になっている可能性が指摘されています。

~実際に宮城県で起きた高齢者虐待事件~

先月15日、仙台市宮城野区のグループホームで入所者のお年寄りに暴行して重傷を負わせたとして傷害罪に問われていた介護職員に対し、仙台地方裁判所が懲役2年の実刑判決を言い渡しました。
判決によると、被告人は、勤務先のグループホームで入所する当時86歳の女性と当時90歳の2人の男性に殴るなどの暴行を加え、重傷を負わせたとされています。
裁判長は「入居者が安全、安心に過ごせるはずの施設で、このような犯行に立て続けに及んだことは極めて強い非難に値する」と指摘しました。
そのうえで、「不慣れな仕事によるストレスを背景として犯行に及んでいて、経緯や動機に酌むべきところはない」として、懲役2年6ヵ月の求刑に対し、懲役2年の実刑判決を言い渡したそうです。

~傷害罪~

実際に宮城県で起きた高齢者虐待事件と同様、今回のAさんも傷害罪の疑いをかけられています。
傷害罪は、刑法204条に定められている罪で、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
人の身体に暴行を加えるなどして傷害した場合に成立します。
一方、暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、暴行罪(法定刑:2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)になります。
傷害とは、人の生理的機能を害することとされており、殴る蹴るなどの行為により出血させたり骨折させたりするのが典型例です。
人を傷害させたかどうかが傷害罪と暴行罪の境となります。
なお、暴行について故意がある限り、傷害結果が生じれば傷害罪となるため、「怪我をさせるつもりはなかった」との言い訳は通用しないことになっています。

高齢者虐待事件の中には、虐待を受けた高齢者が死亡してしまい、暴行罪や傷害罪にとどまらないケースもあります。
2014年には川崎市の介護付き有料老人ホーム職員の男が、入所者3人を施設上階から庭に転落させて死亡させたとして、殺人罪で死刑判決(横浜地裁)を受けています。
昨年には、熊本市のグループホームで、職員の男が入所者を殴って死亡させ、傷害致死容疑で逮捕されています。

高齢者虐待で該当しうる罪としては、虐待の種類毎に
身体的虐待    暴行罪・傷害罪
性的虐待    強制わいせつ罪・強制性交等罪
心理的虐待    脅迫罪・侮辱罪
経済的虐待      横領罪・窃盗罪
介護や世話の放棄   保護責任者遺棄罪
虐待による高齢者死亡 傷害致死罪・殺人罪・保護責任者遺棄致死罪
などがあります。

高齢者虐待の事件内容によっては、起訴されて有罪となると、実刑が言い渡されて刑務所に服役しなければならなくなる可能性もあります。

養介護施設等の介護職員による高齢者虐待事件の場合、事件の報道や公表がなされることが考えられます。
マスコミなどによる事件の報道は、捜査機関からの情報提供を情報源としていることがほとんどです。
弁護士に依頼した場合、事件を報道・公表されることによって被る不利益などを丁寧に説明し、事件についての報道や公表がなされないように警察や検察に働きかけるといった活動を行うことが考えられます。
さらに、報道が避けられないような場合には、報道内容が過大なものとなっていないか、根拠のない不適切な内容となっていないかに注意を払い、報道機関に対して、報道内容の訂正や削除を求めることも考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪をはじめとする刑事事件を専門とする法律事務所です。
まずはお気軽にフリーダイヤル0120-631-881まで無料法律相談または初回接見サービスをお申込みください。

介護職員の高齢者虐待で傷害罪1

2019-02-07

介護職員の高齢者虐待で傷害罪1

宮城県登米市の特別養護老人ホームで介護職員として働く40代女性Aさんは、入所中のお年寄りに暴行し怪我をさせた傷害罪の疑いで、宮城県佐沼警察署逮捕されました。
同署によると、Aさんは、入所するお年寄りVさんに対して、叩く蹴るといった暴行を加えて、重傷を負わせたとされています。
警察官から「今日はまだAさんと面会できない」と言われたAさんの夫は、刑事事件専門の弁護士初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~高齢者虐待~

高齢化が進んで介護が身近なテーマになっている日本では、家庭や介護施設における高齢者に対する暴力、暴言、介護や世話の放棄、不当な財産の処分などの虐待が社会的な問題となっています。

2006年4月に施行された高齢者虐待防止法では、第2条4項及び5項で、高齢者虐待の定義をまとめています。

(1)身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴力を加えること
たたく、蹴る、つねる、といった行為だけでなく、ベッドに縛るといった身体的拘束、食事や飲み物を無理やり口に押し込む行為も含まれます。
高齢者虐待で最も多い類型で、身体的虐待は全体の6割超に上るそうです。
(2)介護・世話の放棄・放任:高齢者を衰弱させるような著しい減食、長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置など、養護を著しく怠ること
入浴させない、食事や水分を十分に与えない、劣悪な住環境の中で生活させる 、必要な介護・医療サービスを相応の理由なく制限したり使わせない 、同居人による高齢者虐待と同様の行為を放置することなどがあります。
(3)心理的虐待:高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
過度な暴言、無視、排泄の失敗を嘲笑する・失敗を人前で話すなどにより高齢者に恥をかかせるなどがあり、心理的虐待は身体的虐待の次に割合が多い虐待行為です。
(4)性的虐待 :本人との間で合意が形成されていない、あらゆる形態の性的な行為またはその強要。
キス、性器への接触や性行為の強要だけでなく、排泄失敗に対して懲罰的に下半身を裸にさせる行為なども含まれます。
(5)経済的虐待:養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること
日常生活に必要な金銭を渡さない・使わせない、本人の自宅等を本人に無断で売却する 、年金や預貯金を本人の意思・利益に反して使用するなどがあります。

高齢者虐待防止法では、虐待行為を行った者への罰則はなく、守秘義務を守らず職務上知り得た秘密を漏らす行為や立ち入り調査を拒んだり妨害する行為に対しての罰則が定められています。
高齢者へ虐待行為を行った者への罰則は高齢者虐待防止法にはありませんが、高齢者虐待防止法に罰則がないからと言って処罰されないというわけではありません。
高齢者へ虐待行為を行った場合は、刑法に定められている暴行罪や傷害罪、保護責任者遺棄罪、強制わいせつ罪、横領罪といった罪にあたるとして処罰される可能性があります。

~初回接見~

今回の事例では、Aさんの夫が警察官から「今日はまだAさんと面会できない」と言われて、刑事事件専門の弁護士初回接見を依頼しています。
勾留決定前の逮捕段階では、弁護士以外は、被疑者に会うことはできません。
ご家族が被疑者に会えずお困りの場合、弁護士法事あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
ご家族からの依頼を受けて弁護士が24時間以内に逮捕されている方のもとへ面会に伺います。
(宮城県佐沼警察署への初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)

車で轢いて殺人未遂罪

2019-01-31

車で轢いて殺人未遂罪

同僚の男性を自動車で轢いて殺害しようとしたとして、宮城県大郷町在住のAさんは、殺人未遂罪の疑いで宮城県大和警察署逮捕されました。
同署によると、Aさんは勤務する同町内の会社の敷地で、口論の末に同じ会社に勤めるVさんを轢いた疑いがもたれており、Vさんは命に別状はないものの手足を骨折するなど大怪我を負いました。
事件は当初、交通事故として調べられていましたが、現場の状況とAさんの説明のつじつまが合わないことから、さらに捜査したところ、取調べでAさんが「自分の意志で同僚をひいた」とVさんを轢いたことを認めました。
しかし、Aさんは「殺すつもりはなかった」と殺意については否定しています。
(今年1月に青森県で実際に起きた事件を基にしたフィクションです。)

事例のAさんは、「自分の意志で同僚をひいた」ことを認めていますが、「殺すつもりはなかった」と殺意については否認しています。
今回は、殺人未遂罪と殺意の否認について解説します。

~殺人未遂罪~

殺人未遂罪(刑法203条、199条)は、殺人の実行行為をしたが、殺害の結果が生じなかった場合に成立する犯罪です。
殺人の実行行為とは、「殺意を持って、人が死亡する危険性がある行為をすること」です。
つまり、殺人未遂罪となるのは、人を殺害しようとして、人を殺害する危険性のある行為をしたにもかかわらず、人を死に至らせなかった場合です。

今回の事例に関して考えると、自動車でVさんを轢くという行為は、人を死亡させる危険性のある行為と言えます。
しかし、Vさんは手足を骨折するなど大怪我を負うにとどまり命に別状はなかったため、Aさんは人を死に至らせてはいません。
したがって、Aさんが人を殺害しようとしたか否か、つまり殺意の有無により、殺人未遂罪の成否が変わってきます。

「殺意」というと、「殺してやる」と明確に思うことを想像するかもしれませんが、「殺意」は、「この行為をすれば相手は死んでしまうかもしれないが、それでもかまわない」と言う程度で認められます。
例えば、AさんがVさんを「殺してやる」と思っていた場合はもちろん、「(Vさんを)轢けば死ぬかもしれないが、それでもかまわない」と考えていた場合は、殺意を認定される可能性が高いということになります。

~殺意の否認と取調べ~

殺人罪や殺人未遂罪の成否の判断においては、殺意の有無が重要な要素となります。
本当に殺意があったか否かは,本人にしかわかりませんが、一般に殺人(未遂)事件では、事件時に本人がかなりの興奮状態にあることが多いため、本人も自分の心理状態を正確に認識していないことがよくあります。
しかし、殺人未遂罪のような重大事件で殺意を被疑者が否認している場合には、取調官が殺意を認めさせるために執拗かつ威圧的な取調べを行う危険性があります。
このような取調べに屈して殺意を認めてしまうと、後から取調べの違法性を証明することが容易ではないため、被告人の有罪・量刑を決める重要な証拠として採用されてしまう恐れがあります。

このような状況に対処するためには、弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。
弁護士に、被疑者の権利や厳しい取調べの対応方法を尋ねることができますし、執拗かつ威圧的な取調べが、違法もしくは不当である場合には、弁護士による抗議や取調べの違法性や不当性を主張することも考えられます。
殺人未遂罪などの重大事件や否認事件の場合は、刑事事件の専門知識を持った弁護士に依頼すると心強いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、数多くの相談が日々寄せられています。
まずは無料法律相談または初回接見サービスのご利用をご検討ください。
(宮城県大和警察署への初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)

傷害事件で審判不開始・不処分②

2019-01-25

傷害事件で審判不開始・不処分②

~前回からの続き~
宮城県七ヶ浜町の17歳高校生A君は、交際相手Vさんから別れ話を切り出された際、我を忘れてVさんを突き飛ばしてしまいました。
その結果、Vさんが加療1か月の怪我を負ってしまったため、A君は宮城県塩釜警察署傷害罪の容疑で取調べを受けており、いずれは事件が仙台家庭裁判所に送られると言われています。
A君は自分の行いを深く反省しています。
A君の両親が少年事件に詳しい弁護士に相談したところ、仙台家庭裁判所に事件が送られた後に審判不開始や不処分で事件が終結すれば、保護観察がつけられたり少年院に行ったりせずに済むと説明を受けました。
(フィクションです。)

前回は、「審判不開始」について解説しました。
今回は、「不処分」について解説します。
不処分決定の場合には,審判不開始決定と異なり,審判自体は開かれます。
不処分決定とは、家庭裁判所の調査の結果、少年院送致や保護観察などの保護処分には付さない旨の決定のことをいいます。
家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、又は保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければなりません(少年法23条2項)。
不処分決定となった場合、少年に対して訓戒を与えたうえで手続きは終了します。

「保護処分に付することができない」場合とは、

①非行なし:少年の非行事実の存在について蓋然性が認められない場合で成人事件における無罪に相当するもの

②所在不明等:少年に所在不明、死亡、海外居住、病気・心神喪失等の事情が生じた場合、

③審判が適法であるための条件を欠く場合

があります。

「保護処分に付する必要がないと認めるとき」とは以下のような場合です。
①保護的措置:調査・審判の過程で,調査官や裁判官、弁護士による働きかけにより、要保護性が解消し、もはや少年に再非行の可能性が認められなくなった場合
②別件保護中:他の事件について保護的措置や保護処分に付されているために,本件で処分をする必要がないと認められる場合
③事案軽微:非行事実が極めて軽微な場合。事案が軽微な場合は、審判不開始がなされることも多いです。

不処分となる多くの場合が,「保護処分に付するまでの必要がない場合」です。
保護処分に付するまでの必要がない場合として不処分を獲得するためには,審判までに少年に対して教育的な働きかけを行って少年の事件に対する反省を深めること,家庭環境・学校・職場など少年を受け入れる環境を整えることによって、あえて保護処分をする必要がない(要保護性がない)と判断されなければなりません。

少年の要保護性の解消のためには、保護者の協力も不可欠で、保護者が少年や自身の問題に向き合うとともに、生活環境や家庭環境を整えることも重要です。
少年が再非行に走らないため,少年本人がしっかりと非行について考えて今後の人生につなげていく必要もあり、そのためには付添人弁護士などの専門家の協力を得るのがよいでしょう。

少年事件に慣れた弁護士に依頼した場合は、保護者に対して、養育態度や親子関係の問題点を指摘し、必要なアドバイスや環境の調整をする等の措置を行うことができます。

傷害罪など少年事件でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご用命ください。
弊所は刑事事件少年事件を専門に取り扱っている法律事務所であり、少年事件に詳しい弁護士が多数所属しています。
傷害事件では、被害者への謝罪や被害弁償なども必要になります。
なるべく早期にご依頼いただくことで、より充実した活動を行うことができます。
まずは、お気軽に無料法律相談をご利用ください。
(宮城県警察塩釜警察署への初見接見費用:38,800円)

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