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【事例解説】道路に飛び出してきた人と接触し過失運転致傷罪、「自動車の運転上必要な注意」の定義

2025-01-21

【事例解説】道路に飛び出してきた人と接触し過失運転致傷罪、「自動車の運転上必要な注意」の定義

過失運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県刈田郡に住んでいる会社員のAさんは、ドライブに出かけました。
道路を走っていると、突然生垣から人が飛び出してきました。
Aさんは咄嗟にブレーキを踏みましたが、車は飛び出してきた人に接触してしまいました。
Aさんはすぐに救護と警察への報告をしました。
しばらくして白石警察署から警察官が駆け付け、Aさんから事故の状況を聞きました。
そしてAさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

過失運転致傷罪

自動車運転死傷処罰法自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に過失運転致傷罪は定められています。
自動車運転死傷処罰法第5条がその条文であり、内容は「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」となっています。
この場合、前方不注意や信号無視、居眠り運転などが過失運転になります。
参考事件の場合、Aさんがしっかり注意していれば防ぐことができた交通事故であれば、Aさんに過失運転致傷罪が適用されます。
前方を注意していれば生垣から人が出てくることを確認できたのであれば、Aさんは運転上必要な注意を怠ったと言えます。
しかしAさんが確認したとしても、生垣の中にいる人を見つけることが困難だったと判断されれば、Aさんに過失がなかったとして過失運転致傷罪は適用されません。
そして過失があったとしても、傷害の程度によっては過失運転致傷罪が成立しないこともあります。
このように交通事故を起こして人に怪我を負わせてしまった場合でも、状況次第では罪が成立しないケースもあります。

事情聴取

参考事件のようなケースでは、ドライブレコーダーの映像なども重要ですが、事情聴取の対応も重要です。
Aさんのように逮捕された場合、身体拘束を受けた状態で捜査機関から事情聴取を受けることになります。
この際の受け答えは供述調書としてまとめられて証拠になるため、慎重に行わなければなりません。
しかし、事情聴取で行うべき対応は事件の内容によって変わり、法的な専門知識がなければわからないことも多いです。
そのため事情聴取を受ける場合は、弁護士と相談して事前に供述する内容を整理し、対策を立てておくことがお勧めです。

過失運転致傷罪に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含めた刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回であれば無料の法律相談逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、24時間対応しています。
交通事件を起こしてしまった方、ご家族が過失運転致傷罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】無免許運転で交通事故を起こし危険運転致傷罪、「進行を制御する技能」とは

2025-01-06

【事例解説】無免許運転で交通事故を起こし危険運転致傷罪、「進行を制御する技能」とは

危険運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市に住んでいる大学生のAさんは、家族が持っている車に乗って友人の家に向かっていました。
Aさんは運転中に進路を変更する際、ウインカーを出さずに曲がりました。
そして別車線を走っていたVさんの車と交通事故を起こしました。
AさんはすぐにVさんの救護を行い、意識はあるが怪我をしていることに気付きました。
すぐに救急車を呼び、警察にも交通事故を報告しました。
警察官が来て運転免許証の提示を求められましたが、Aさんは免許をもっていないことを伝えました。
その後、Aさんは築館警察署危険運転致傷罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

自動車運転死傷処罰法

危険運転致傷罪は、自動車運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に定められています。
自動車運転死傷処罰法第2条には「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。」とあり、「人を死亡」させると危険運転致死罪で、「人を負傷」させると危険運転致傷罪が成立します。
次に掲げる行為」とは、第8号まで定められた項目のことで、これらの内どれか(または複数)に該当した運転で、人の怪我という結果が発生すれば危険運転致傷罪です。
項目には、アルコールや薬物の影響下で運転・通行を妨害する目的で他の車に著しく接近・通行禁止道路への侵入・赤信号の無視など、様々あります。
参考事件の場合、自動車運転死傷処罰法第2条第3号の「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」が該当すると考えられます。
進行を制御する技能」とはハンドル・ブレーキ等の運転装置を操作する初歩的な技能のことです。
Aさんは無免許運転であり、交通事故が発生したのもウインカーを出さなかったためであり、Aさんは「進行を制御する技能」を持っていなかったと考えられます。

無免許運転による加重

通常、無免許運転による危険運転致傷罪は、法定刑が重くなります。
しかし、自動車運転死傷処罰法第6条には「第2条(第3号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。」と定められています。
Aさんには第3号が適用されいるため、この場合は「6月以上の有期懲役」ではなく、「15年以下の懲役」が科せられることになります。
ちなみに、「進行を制御する技能を有しない」かどうかは、事故内容、運転状況、運転経験の有無などから考慮されるため、無免許運転が必ず「進行を制御する技能を有しない」と判断されるわけではありません。
危険運転致傷罪はその内容も様々で、どのような処分が下されるかは法的な専門知識がなければわかりません。
危険運転致傷罪になってしまった際は、まず弁護士に相談し、自身の置かれた状況を正しく認識することが重要です。

自動車運転死傷処罰法に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を中心に取り扱う律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談逮捕中の方のもとまで弁護士が直接伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは土・日・祝日も、24時間体制でご利用いただけます。
無免許運転をしてしまった、ご家族が危険運転致死傷罪の容疑で逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】自転車で飲酒運転をした場合の道路交通法違反、改正された条文を以前と比較

2024-12-19

【事例解説】自転車で飲酒運転をした場合の道路交通法違反、改正された条文を以前と比較

自転車の酒気帯び運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県登米市に住んでいる大学生のAさんは、友人に誘われて自転車で友人のもとに向かい、飲み会に参加しました。
Aさんは問題なく乗れると判断して自転車に乗りましたが、巡回していた警察官に声をかけられ呼気検査を受けることになりました。
検査を受けたところ、Aさんから基準値を上回るアルコールが検出されました。
そしてAさんは酒気帯び運転道路交通法違反の疑いで、後日登米警察署に呼び出されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

自転車での飲酒運転

酒を飲んで運転する道路交通法違反には酒酔い運転酒気帯び運転であり、メディアなどではこれらをまとめて飲酒運転と呼んでいます。
道路交通法第65条では「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。
酒酔い運転は「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」でこの条文に違反すると成立します。
そして酒気帯び運転は、正常な運転はできるが基準値以上のアルコールを飲んでいると成立します。
酒酔い運転は自転車も対象にしていましたが、以前の酒気帯び運転は自転車を対象にしていませんでした。
しかし、道路交通法は令和6年の11月に改正されました。
改正前の道路交通法117条の2の2第3号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」と定められていました。
しかし改正された酒気帯び運転の条文は、内容が「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(自転車以外の軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」に変更されました。
これにより酒気帯び運転にも、処罰対象に自転車が含まれるようになりました。
そのため自転車で正常な運転はできていたが、呼気検査で基準値以上のアルコールが検出されたAさんは、酒気帯び運転道路交通法違反となりました。

罰則

以前まではお酒を飲んで自転車を運転しても、酒酔い運転でなければ警察に注意をされて終わっていました。
しかし現在は自転車の酒気帯び運転でも道路交通法違反となり、場合によっては逮捕される可能性も考えられます。
酒気帯び運転の罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と非常に厳しくなっています。
酒酔い運転はさらに厳しく、「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せられます。
このように、今では自転車でも交通事件化しやすくなっているので、交通事件を起こしてしまった際は弁護士に相談し、自身の状況を把握することが大切です。

道路交通法に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含めた刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所は法律相談を、初回であれば無料で実施しております。
逮捕されてしまった場合でも、逮捕された方のもとまで弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」でご予約いただけますので、酒気帯び運転になってしまった、ご家族が道路交通法違反の疑いで逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

【事例解説】車で人に接触したにも関わらず、被害者の救護も警察への報告もせず逃げたひき逃げ事件

2024-12-01

【事例解説】車で人に接触したにも関わらず、被害者の救護も警察への報告もせず逃げたひき逃げ事件

ひき逃げの道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県牡鹿郡に住んでいる会社員のAさんは、車で旅行していました。
Aさんはその旅行の帰り道に、通行人にぶつかってしまいました。
事件を起こしたことで怖くなったAさんは、そのまま現場から逃走しました。
その後、事件は警察に通報され、石巻警察署の捜査で防犯カメラの映像などから、Aさんの身元が判明しました。
しばらくして、Aさんの自宅に警察官が訪れ、Aさんは道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

ひき逃げ事件

道路交通法には「ひき逃げ」という表現はなく、これはメディアなどで使われる俗称になります。
道路交通法第72条に違反した場合がひき逃げと呼ばれ、罪名としては道路交通法違反が正しい表現です。
この条文には「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第75条の23第1項及び第3項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。」とあります。
負傷者の救護などを怠った場合を救護義務違反と言い、警察官への報告を怠った場合を報告義務違反と言います。
交通事故があった時にこれらを行わないと、いわゆるひき逃げとなり、道路交通法違反が成立します。
罰則に関しては、道路交通法第117条第2項の規定により救護義務違反が「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、道路交通法第119条第1項第17号の規定により報告義務違反は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」となります。

示談

ひき逃げ事件は必ず被害者がいる事件であるため、重要なのは示談交渉をすることです。
示談の締結は減刑に効果的で、公判請求を避けることにもつながります。
被害者との示談交渉を考えの際は弁護士に相談しましょう。
示談交渉は保険会社に任せることもできますが、保険会社は弁護士と違い、刑事処罰を軽くする目的で示談交渉は行いません。
そのため裁判の回避、減刑を目指す際は弁護士への依頼をお勧めします。

ひき逃げ事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
初回無料の法律相談や、逮捕、勾留中の方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスを、当事務所では実施しています。
ご予約は土、日、祝日も含めた年中無休で承っておりますので、ひき逃げ事件を起こしてしまった方、ご家族が道路交通法違反の容疑で逮捕、勾留されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へご相談ください。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、ご連絡をお待ちしております。

【事例解説】最高速度を超えたスピードで運転し交通事故、危険運転致傷罪となる運転について

2024-11-15

【事例解説】最高速度を超えたスピードで運転し交通事故、危険運転致傷罪となる運転について

危険運転致傷罪と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県富谷市に住んでいる大学生のAさんは、最高速度が60キロの道路をその速度を大きく超えたスピードを出して運転していました。
その状態で湾曲した道路に差し掛かり、ハンドルを上手く切ることができずに、対向車線を走っていたVさんの車両に接触していました。
そしてVさんは怪我を負ってしまい、近くにいた通行人が事故のことを警察に通報しました。
ほどなくして大和警察署の警察官が現場に駆け付け、Aさんは危険運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

危険運転致傷罪

悪質かつ危険な一定の運転行為を取り締まる法律が、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、自動車運転処罰法と呼びます。)です。
自動車運転処罰法第2条に「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。」とあり、これが参考事件に適用された危険運転致傷罪(および危険運転致死罪)の条文です。
次に掲げる行為」は8つあり、その内容は飲酒運転に関するものや信号無視に関する物など様々です。
Aさんに適用されたのは第2号の「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」です。
この条文には具体的に何キロ以上と言った規定はされていませんが、判例によれば、「速度が速すぎるため自動車を道路の状況に応じて進行させることが困難な速度をいい、具体的には、そのような速度での走行を続ければ、道路の形状、路面の状況などの道路の状況、車両の構造、性能等の客観的事実に照らし、あるいは、ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって、自車を進路から逸脱させて事故を発生させることになるような速度をいうと解される。」としています(東京高等裁判所判決平成22年12月10日)。
Aさんの場合、最高速度を超えたスピードを出し、結果ハンドルを切ることができずに事故を起こしているため、「進行を制御することが困難な高速度」で車を運転したと判断できます。
そしてこの行為によってVさんは怪我を負っているため、Aさんには危険運転致傷罪が成立します。

示談交渉

危険運転致傷罪は交通事件の中でも罪が重く、罰金で済ませることはできません。
実刑を防ぐためには執行猶予を獲得する必要がありますが、その際に重要なのは示談交渉です。
しかし、参考事件のように悪質な運転によって負傷した被害者は、怒りから処罰感情が強くなり、示談交渉が上手くいかない可能性も考えられます。
スムーズに示談を締結するためには、法の専門家である弁護士を間に入れて示談交渉を進めることがお勧めです。
交通事件を起こしてしまったため、速やかに被害者と示談を締結したいとお考えの方は、刑事事件に詳しい弁護士に示談交渉の依頼をしましょう。

交通事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件、少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談の他、逮捕、勾留されている方のもとに弁護士が直接面会に伺う初回接見サービスのご予約を受け付けています。
フリーダイヤルは24時間体制で、土、日、祝日も対応可能です。
交通事件での示談交渉をお考えの方、または危険運転致傷罪の容疑でご家族が逮捕、勾留されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】飲酒運転が発覚することをおそれて逃走、警察による呼気検査を拒否した場合の罪

2024-09-25

【事例解説】飲酒運転が発覚することをおそれて逃走、警察による呼気検査を拒否した場合の罪

呼気検査拒否などの道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは、会社から帰る際に誘われて同僚と食事をしていました。
Aさんは車で会社に来ていたため、なるべく飲まないようにしていましたが、友人から勧められたこともあり1杯だけお酒を飲みました。
その帰り道、車を運転していたAさんは検問していた若柳警察署の警察官に止められました。
呼気検査を受ければ捕まると思ったAさんは、そのまま車で逃走を図りました。
しかし、結局警察に止められてしまい、Aさんは道路交通法違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

呼気検査拒否

Aさんは飲酒運転の発覚をおそれて逃走したため、現行犯逮捕されました。
しかし、Aさんが逮捕されたのは飲酒運転が発覚したからではなく、呼気検査を拒否したことが原因です。
そのため仮にAさんが酒を一切飲んでいなかったとしても、呼気検査を拒み逃走しようとすれば逮捕されます。
道路交通法には飲酒運転に関する条文もありますが、アルコール検査を拒否した場合にも成立する条文が載ってます。
それが、道路交通法第118条の2です。
この条文には「第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。
道路交通法第67条第3項には、飲酒運転のおそれがある場合、警察官はアルコール保有量の調査のため呼気検査を実施できることが規定されています。
そのため、飲酒運転の可能性があると思い、アルコールを身体に保有してないか調査しようとした警察官の呼気検査を拒み、その場から逃走しようとしたAさんは、呼気検査拒否道路交通法違反になりました。

道路交通法違反

飲酒運転道路交通法違反ですが、状況次第で適用される条文が変わります。
身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」で車を運転すると、酒気帯び運転として「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます(道路交通法117条の2の2第3号)。
アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車を運転すると、酒酔い運転となり「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処されます。
どちらも一般的には飲酒運転とまとめて呼ばれていますが、より危険度の高い酒酔い運転道路交通法違反の方が、刑罰が厳しくなっています。
また、参考事件では友人がAさんに飲酒をすすめています。
道路交通法第65条第3項では、「車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」としています。
そのためAさんの友人も道路交通法違反になる可能性がありますが、Aさんが車で帰宅することを知らずに飲酒をすすめたのであればこの条文には違反しません。
もちろん、Aさんが車で帰ることを知った上で「少量なら大丈夫」とすすめたのであれば道路交通法違反となります。
このように道路交通法違反では、一般的に知られていない条文が適用されることもあるため、交通事件を起こしてしまった場合は、すぐに法律事務所に相談しましょう。

道路交通法違反に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件、少年事件を中心に扱う法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
どちらのご予約も24時間体制で受け付けておりますので、交通事件の当事者となってしまった方、ご家族が道路交通法違反の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】スピード違反による反則金を支払わなかったことで逮捕、反則金と罰金の違い

2024-08-31

【事例解説】スピード違反による反則金を支払わなかったことで逮捕、反則金と罰金の違い

速度超過の道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県気仙沼市に住んでいる会社員のAさんは、制限速度を超えるスピードで自動車を運転していました。
その場面を巡回中のパトカーに見つかったため、Aさんは警察に止められました。
そしてAさんは速度超過によって、反則金を支払うことになりました。
しかし、Aさんは反則金を支払わず、忙しかったために出頭要請にも応じませんでした。
その後、Aさんの自宅に気仙沼警察署の警察官がやって来て、道路交通法違反の疑いでAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

スピード違反

速度超過は一般的にスピード違反と呼ばれますが、道路交通法にはこのような表現はなく、ただ道路交通法違反とされます。
速度超過について、道路交通法22条1項は「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。」と定めています。
この道路交通法違反に科せられる刑罰は「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」です(道路交通法118条1項1号)。
また、「過失により第1項第1号の罪を犯した者は、3月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処する。」と道路交通法118条3項は定めています。

反則金

参考事件でAさんは反則金を支払うことになりましたが、これは先述の道路交通法違反における罰金とは違うものです。
交通違反の場合、軽い違反であれば反則金を支払うことで刑罰を免れることができます。
この反則金は罰金とは違い前科にはなりませんが、違反点数は引かれることになります。
反則金は刑罰の代わりに支払うものです。
Aさんのように出頭要請に応じずに支払いをしないでいると、警察が動いて前科になる刑罰を科されてしまう可能性が高いです。
軽めの道路交通法違反でも逮捕されてしまうと身体拘束されることになり、警察から取調べを受けることになります。
逮捕、そして勾留されてしまうと会社も休まなければならず、失職のリスクも背負うことになります。
そのため逮捕されてしまった時は、釈放を求めるために弁護士と契約することが重要です。
弁護士がいれば、裁判所にはたらきかけることで早期に釈放を目指したり、取り調べを受ける時のアドバイスを受けたりすることができます。
Aさんのように反則金の納付をしなかったことで逮捕されたりした場合は、速やかに弁護士に依頼し、釈放のための弁護活動を行いましょう。

道路交通法違反の際はご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料の法律相談、そして逮捕されてしまった方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
どちらのご予約も土、日、祝日も含めて24時間受け付けております。
交通事件の当事者となってしまった、またはご家族が道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へご連絡ください。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、お電話をお待ちしております。

【事例解説】運転免許証を忘れて警察官に提示できなかった交通事件、運転免許証不携帯と無免許運転の刑罰

2024-08-10

【事例解説】運転免許証を忘れて警察官に提示できなかった交通事件、運転免許証不携帯と無免許運転の刑罰

運転免許証不携帯と無免許運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは、休日にドライブに出かけていました。
ドライブ中にAさんは路肩に乗り上げてしまい、減速しましたがそのまま電柱にぶつかってしまいました。
そして、通報を受けて現場に臨場した築館警察署の警察官から事情を話す際に、運転免許証の提示を求められました。
Aさんはポケットから財布を取り出し確認しましたが、いつもある免許証がなく、家に忘れてきたことに気付きました。
警察官に運転免許証を忘れたと報告し、その後Aさんは「運転免許証不携帯道路交通法違反でその内警察署に呼びますね」と警察官に言われました。
不安に思ったAさんは、弁護士に相談しようと法律相談を探すことにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

運転免許証不携帯

Aさんは免許を持っていなかったことで、警察から後ほど呼び出しを受けることになりました。
免許証無しで運転しているので、無免許運転ではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、運転免許証を受けた者が免許証を忘れている場合は、無免許運転ではなく運転免許証不携帯となります。
どちらにしても道路交通法を破ったことになりますが、同じ道路交通法違反でも内容が違うため刑罰は大きく異なります。
運転免許証不携帯には「免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯していなければならない。」と定められた道路交通法第95条が適用されます。
携帯とあるため免許証は身に付けている必要があります。
そのため、仮に車の中に免許証があったとしても、それは携帯していることにならないため、道路交通法違反となってしまう可能性が高いです。
運転免許証不携帯となった場合、刑罰は「2万円以下の罰金又は科料」となります(道路交通法第121条第1項第12号)。

無免許運転

そもそも運転免許証を取得していないのに運転した、または免停中に運転する、免許証を更新していないのに乗った等の場合が無免許運転になります。
無免許運転に適用される条文は道路交通法第64条であり、内容は「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」となっています。
無免許運転には道路交通法第117条の2の2が適用され、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が刑罰として科せられます。
このように同じ道路交通法違反でも、罪の重さがまったく違います。
特に無免許運転運転免許証不携帯と違い、刑務所へ服役する可能性がある非常に重い罪です。
両罪を同じものと間違えてしまう人も多いため、交通事件の際はAさんのように、すぐ弁護士を探してアドバイスを受けることが重要です。

交通事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む少年事件と刑事事件に特化している法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談の他、逮捕されている方のもとへ弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しています。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間お電話をお待ちしておりますので、無免許運転運転免許証不携帯で交通事件を起こしてしまった方、または道路交通法違反でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】バイクで人に接触してしまった際に適用される法律、交通事件で弁護士に依頼するメリット

2024-07-11

【事例解説】バイクで人に接触してしまった際に適用される法律、交通事件で弁護士に依頼するメリット

過失運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいる大学生のAさんは、大学からバイクに乗って帰っていました。
その途中で信号機がない横断歩道の前を通る際に、Aさんは一時停止することなく進もうとしました。
その際に横断歩道を歩いてくるVさんに気が付かず、AさんはVさんに接触しました。
Aさんと近くにいた通行人は怪我をしたVさんの救護と警察への報告をし、しばらくすると現場に白石警察署の警察官が現れました。
そしてAさんは過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律に定められています。
自動車運転処罰法と略されるこの法律の第5条は「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」とあり、これが過失運転致傷罪の条文です。
ほとんどの犯罪は故意犯(意図的に罪を犯す意思を持って実行した者)が処罰を受けることになりますが、過失運転致傷罪のように不注意によって事件を起こした過失犯を処罰する規定もあります。
参考事件のAさんは横断歩道の前で一時停止していません。
自動車の運転手は横断歩道の標識等がある場合、その直前で一時停止をして前方を注意し、歩行者の有無を確認する義務を負っています。
仮にAさんが横断歩道で歩行者が通るという結果を予見していれば、歩行者に接触する結果を回避できていたことから、Aさんは注意義務を怠ったと言えます。
その過失の結果Vさんは怪我を負ってしまったことから、Aさんには過失運転致傷罪が適用されました。
また、参考事件のような過失による交通事件で人の死亡という結果が出てしまった場合は、自動車運転処罰法第5条が適用されるのは同じですが、罪名は過失運転致死罪となり下される処罰もより重いものになってしまいます。

示談交渉

過失運転致傷罪は人の死傷が成立要件になっていることから、被害者が存在する交通事件です。
そのため刑罰を軽くするための弁護活動として、示談交渉が考えられます。
示談交渉は弁護士でなく、保険会社に任せるといったやり方もあります。
しかし、保険会社は減刑や不起訴処分を目的とした示談交渉を行うわけではないため、減刑や不起訴処分の獲得を目指すのであれば、弁護士に依頼する方が効果的と言えます。
過失運転致傷罪などの交通事件で、刑事処分も考えて示談交渉を行いたいのであれば、弁護士に示談交渉を依頼することがお勧めです。

交通事件と示談交渉に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談および逮捕された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を、24時間受け付けております。
交通事件の当事者となってしまった方、過失運転致傷罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】自動車で赤信号を無視して通行人に接触し、危険運転致傷罪となった交通事件を解説

2024-06-06

【事例解説】自動車で赤信号を無視して通行人に接触し、危険運転致傷罪となった交通事件を解説

危険運転致傷罪とひき逃げについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県加美郡に住んでいる会社員のAさんは、夜道を自動車で走っていました。
Aさんが進む先の信号が赤に変わりましたが、普段人通りがほぼない場所であることと急いでいたことから、そのまま止まらずに進もうとしました。
しかし、そこに通行人であるVさんが横断歩道を渡ってきました。
慌ててAさんはブレーキを踏みましたが、間に合わずVさんに接触してしまいました。
自動車を降りてVさんが怪我を負っていることを確認すると、Aさんは警察に「事故を起こした」と連絡しました。
しばらくして加美警察署のパトカーが駆け付け、その後警察はAさんを危険運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

危険運転致傷罪

悪質な運転や危険な運転を取り締まっているのが、自動車運転処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)です。
危険運転に関する条文は、自動車運転処罰法第2条に「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。」と定められています。
次に掲げる行為」は第1号から第8号まであり、内容は「薬やアルコールによって正常な運転が困難な状態で運転する。」、「制御することが困難な高速度で運転する。」、「通行禁止道路を危険が生じるような速度で運転する。」など様々です。
Aさんは赤信号を無視しして運転してしまいました。
この場合、Aさんに該当するのは、「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」と定めている第7号です。
この第7号に規定された行為を行い、Vさんに接触し怪我をさせたため、Aさんは危険運転致傷罪となり、逮捕されました。

ひき逃げ

Aさんは事故後すぐにVさんの容体を確認し、警察に連絡していますが、これを行わなかった場合、さらに別の罪に該当します。
道路交通法第72条は事故を起こした場合、運転手(および同乗者)は負傷者の救護と道路の危険防止のための措置を講じ、事故を警察に報告する義務があると定めています。
これらはそれぞれ救護義務報告義務と言われ、違反した場合の道路交通法違反となり、いわゆるひき逃げ事件となります。
参考事件の場合はすぐに救護も報告もしたため、道路交通法違反にはなりませんでしたが、仮にひき逃げもしてしまった場合は、罪はより重くなってしまうため注意しなければなりません。

交通事件で弁護士をお探しであれば

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤルでは、初回であれば無料で法律相談、および逮捕、勾留中の方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
平日はもちろん、土、日、祝日も、24時間お電話をお待ちしております。
道路交通法違反で事件を起こしてしまった、またはご家族が危険運転致傷罪の容疑で逮捕されてしまった、そういった際には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

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