Author Archive

【事例解説】毎日無免許で通勤していたことが発覚して逮捕、無免許運転の道路交通法違反

2025-02-09

【事例解説】毎日無免許で通勤していたことが発覚して逮捕、無免許運転の道路交通法違反

無免許運転の道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは、毎日車で会社に通勤していました。
ある日、Aさんは電話で友人と話している際に「まだ免許を失効したまま」と発言しており、それを会社の同僚が聞いていました。
Aさんが無免許運転をしていると知った同僚は、そのことを警察に通報しました。
その後、Aさんのもとに警察官が現れ、道路交通法違反の疑いでAさんは若柳警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

無免許運転

無免許運転という表現はメディアでよく使われる表現ですが、道路交通法に違反した場合の罪名は、どれも道路交通法違反が法的な表現になります。
道路交通法第64条は「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と定めています。
そのため公安委員会の運転免許を受けないで自動車等を運転すると、無免許運転道路交通法違反になります。
無免許運転は、これまで一度も運転免許証の交付を受けたことがないのに運転した場合だけでなく、免停中に自動車等を運転する場合、今回の事件のように運転免許を失効後に再取得しないで自動車等を運転した場合も含まれます。
運転免許証を受けてはいるものの、その免許では許可されていない車両を運転する場合も、免許外運転に当たり、無免許運転です。
この法律に違反した場合、道路交通法第117条の2の2第1項の規定により「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が刑罰として科せられます。

裁判の回避

無免許運転は初犯の場合、罰金処分になる可能性が高い事件です。
ただし、無免許運転で交通事故を起こしたり、他の道路交通法違反もあったりした場合は起訴されて裁判が開かれることもあります。
再犯の場合、前回からどれだけ時間が空いているか、常習性が高いかなどの要素を考量して起訴の判断がされます。
Aさんが免許を失効した状態で、長期間常習的に無免許運転を繰り返していたのであれば、前科がなくとも再び無免許運転をするかもしれないと判断され、起訴の可能性が高くなります。
しかし、弁護士に依頼すればその可能性を低くすることができます。
弁護士から再犯の危険がないことを主張する書面を提出するなど、公判請求を避ける弁護活動をすることが可能です。
無免許運転等で裁判の回避を目指す場合は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
ご予約は平日だけでなく、土、日、祝日も、24時間お電話を受け付けております。
無免許運転をしてしまった、道路交通法違反の疑いでご家族が逮捕されてしまった、そんな時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】中学生を自宅に誘ったことで面会要求罪の疑い、事件を否認していく際の注意点

2025-02-06

【事例解説】中学生を自宅に誘ったことで面会要求罪の疑い、事件を否認していく際の注意点

面会要求罪と否認について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県名取市に住んでいる大学生のAさんは、インターネット上で中学生のVさんと知り合いになりました。
趣味が合っていたことから、Aさんは自身が買った限定のグッズを見せるなどしました。
Vさんが「それ使いたい」と言ったため、Aさんが「じゃあ遊びに来なよ」とVさんを自宅に誘いました。
Vさんは旅行の準備をしていると、その場を両親に見つかってしまいました。
両親は事情を聞くと、騙されているんじゃないかと不安になり、警察に相談しました。
その後、Aさんの自宅に警察官が現れ、説明を求められたため、Aさんは事情を説明し、「単純に会って遊びたかっただけ」と説明しました。
しかし、Aさんは岩沼警察署面会要求罪の疑いで連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

面会要求罪

面会要求罪とは、刑法の第22章に定められた「16歳未満の者に対する面会要求等」を略したものです。
刑法第182条第1項には「わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」とあります。
そして「次の各号」は3つあり、第1号は「威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。」、第2号は「拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。」、第3号は「金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。」となっています。
参考事件の場合、Aさんは要求を拒まれても再度誘ったわけではなく、金銭などの利益を提供しようともしていません。
そのため第2号第3号には当てはまりませんが、「限定グッズに興味があることから甘言を用いて面会を要求している」と捉えることはできるため、第1号の適用が考えられます。

否認

Aさんは「単純に会って遊びたかっただけ」と説明し、わいせつの目的で面会を要求したことを否定しています。
これはいわゆる容疑を否認している状態です。
もちろんこれが本当のことであれば、否認することは問題ありません。
しかし容疑を否認すると、捜査機関は嘘を吐いている可能性を考慮して、逮捕を考えたり、逮捕後に勾留を付けたりすることが考えられます。
逮捕された場合、取調べを受けながら72時間は身柄を拘束される可能性があります。
そして逮捕後に勾留が付くと追加で10日間、さらに延長されれば20日間身体拘束が継続されます。
つまり、逮捕されてしまうと最大で23日間は身体拘束が続く可能性があります。
否認事件は身体拘束の可能性が高くなる傾向にありますが、弁護士がいれば否認の際のリスクを低くすることができます。
身元引受人を立てる、逮捕する必要性がないと弁護士を通して捜査機関に主張するなどして、逮捕を避けたり身体拘束の長期化を避けたりすることが考えられます。
刑事事件で否認をしていく場合はまず弁護士に相談し、弁護活動を依頼することがお勧めです。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、平日はもちろん、土、日、祝日も、24時間お電話を受け付けております。
刑事事件で否認を考えている方、面会要求罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】未成年者を自宅に泊める未成年者誘拐事件、親告罪の事件で重要になる示談の成立

2025-02-03

【事例解説】未成年者を自宅に泊める未成年者誘拐事件、親告罪の事件で重要になる示談の成立

未成年者誘拐罪と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県亘理郡に住んでいる大学生のAさんは、いつも同じゲームセンターで会う高校生のVさんと仲良くなりました。
話が盛り上がって夕方になってしまいましたが、Vさんが「明日は休みだからまだ話せる」と言ったため、「ゲーセン閉まるから家にどう」とAさんがVさんを誘いました。
そしてそのままAさんの自宅に行き、そのまま泊まりました。
しかし、Vさんは両親に泊まることを伝えていなかったため、心配した両親は警察に相談していました。
その後、朝になって駅周辺に来ていたAさんとVさんを亘理警察署の警察官が発見し、Aさんを未成年者誘拐罪の容疑で現行犯逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

未成年者誘拐罪

参考事件のAさんは誘拐をしているようには見えないかもしれませんが、刑法における「誘拐」の定義は一般の認識とは少し違います。
未成年者誘拐罪刑法第224条に「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」と定められています。
未成年者を略取」すると未成年者略取罪が成立し、「誘拐」すると未成年者誘拐罪が成立します。
ここでは「誘拐」を、欺罔、偽計、誘惑、甘言などを用いて未成年者(18歳未満の者)に誤った判断をさせ、現在置かれている生活環境から離脱させて自己、もしくは第三者の事実的支配下に置くことと定義しています。
参考事件はAさんの誘いによって、VさんがAさんの自宅に泊まるという誤った判断をしたことになります。
加えて親権者の保護監督権を侵害したかも重要であるため、両親の許可がとれていない場合は参考事件のように未成年者誘拐罪が成立します。
ちなみに、「略取」は暴行や脅迫などを用いて未成年者の意思を抑制することであるため、一般的な誘拐のイメージはむしろ未成年者略取罪に近いと言えます。

示談交渉

被害者が存在する事件では、示談交渉が弁護活動として考えられます。
未成年者誘拐罪親告罪と言って、検察官は被害者側からの告訴がない限り、起訴することができません。
示談の成立は減刑に最も効果的ですが、親告罪の事件の場合、告訴を取り下げることを示談で確約できれば、不起訴処分で事件を終わらせることができます。
そのため未成年者誘拐事件では示談の成立が重要になります。
この場合、未成年者の保護者(参考事件の場合はVさんの両親)と示談を進めていくことになりますが、子供が被害にあったことで被害者側は怒りの感情から示談を拒否する可能性もあります。
しかし示談を行う際弁護士を間に入れ、弁護士限りの連絡にしたことで示談交渉ができるようになったケースもあります。
そのため未成年者誘拐事件では、示談交渉の経験と知識が豊富な弁護士に依頼することが、示談を締結する鍵になります。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、平日はもちろん、土、日、祝日も、24時間お電話を受け付けております。
未成年者誘拐事件に加担してしまった方、未成年者誘拐罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】特殊詐欺事件で出し子を担い逮捕、詐欺罪ではなく窃盗罪が適用される理由について

2025-01-30

【事例解説】特殊詐欺事件で出し子を担い逮捕、詐欺罪ではなく窃盗罪が適用される理由について

特殊詐欺事件と窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

特殊詐欺事件

宮城県伊具郡に来ていた無職のAさんは、特殊詐欺の出し子を担当していました。
Aさんは受け子をしていた相手からキャッシュカードを受け取ると、コンビニのATMに行き現金を引き落としました。
ある日、Aさんの自宅に警察官が訪ねて来て、AさんがコンビニでATMを使用している写真を出して「これはあなたですか」と聞きました。
Aさんは自分であることを認めたため、角田警察署窃盗罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

特殊詐欺事件

電話やハガキなどの対面しない方法を使い、公的な組織などの信頼が置ける人物と装って被害者に接触し、現金などを不特定多数から騙し取る犯罪が特殊詐欺事件と呼ばれています。
特殊詐欺は単独犯ではなく、基本的に複数の犯人たちがそれぞれ役割を決めて実行されます。
有名なもので「受け子」があります。
受け子は被害者の自宅に直接行き、現金やキャッシュカードを被害者から受け取る役割です。
他には「架け子」があり、電話で被害者を騙す役割を担います。
Aさんが担当した「出し子」とは、ATMから現金を引き出す役割になっています。
架け子は顔を知られる可能性がほぼなく、逮捕リスクも少ないため主に指示役が担うことが多い役割です。
受け子は被害者と直接会うことから逮捕リスクも高く、末端が使い捨てとして担っていることがほとんどで、これは出し子も同じです。
ATMが設置されている場所には必ず防犯カメラも設置されており、ATM自体にも操作をする人の顔を撮影するカメラが設置されています。
そのためAさんのように、防犯カメラの映像から身元を特定されやすくなっています。

詐欺罪ではなく窃盗罪

Aさんは特殊詐欺に加担したのに、窃盗罪で逮捕されていることを不思議に思うかもしれません。
しかし、詐欺罪が成立するには犯行の過程に人を欺いている必要があります。
受け子や架け子は信頼できる人物を騙り、現金などを奪うと刑法詐欺罪が成立します。
出し子は人のキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出しますが、途中に人を騙す過程がないため詐欺罪になりません。
そのため出し子には刑法第235条に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められた窃盗罪が適用されます。
このように、一般的なイメージとは異なる罪が成立することもあるため、特殊詐欺事件に加担してしまった場合は、正しく自身の置かれた状況を把握するためにも、弁護士に相談することをお勧めします。

まずは弁護士に相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、平日はもちろん、土、日、祝日も、24時間お電話を受け付けております。
特殊詐欺事件に加担してしまった方、出し子をしてご家族が窃盗罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご相談ください。

【事例解説】バッグに入れていた覚醒剤を発見され覚醒剤取締法違反、事情聴取を受ける際には

2025-01-27

【事例解説】バッグに入れていた覚醒剤を発見され覚醒剤取締法違反、事情聴取を受ける際には

覚醒剤取締法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県角田市に住んでいる会社員のAさんは、日常的に覚醒剤を持ち歩いていました。
ある日、Aさんがバッグを開けっぱなしにしていたことで、同僚にバッグの中にある注射器を見られてしまいました。
その後、Aさんがたまに放心していたり異様にテンションが上がっていたりしているのは、薬物の影響ではないかと同僚は考え、上司に相談しました。
その後、事件が警察に通報されることになり、Aさんの自宅に警察がやってきました。
そしてAさんが覚醒剤を所持していたことが発覚し、Aさんは角田警察署覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

覚醒剤

覚醒剤は、フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類やそれと同種の覚醒作用を有する物、それらいずれかを含有する物と、覚醒剤取締法は定義しています。
そして覚醒剤取締法第14条第1項は「覚醒剤製造業者、覚醒剤施用機関の開設者及び管理者、覚醒剤施用機関において診療に従事する医師、覚醒剤研究者並びに覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者のほかは、何人も、覚醒剤を所持してはならない。」と定めています。
Aさんはこれらの覚醒剤に係わる業種ではなく、施用のため交付を受けた者でもありません。
そのためAさんは、覚醒剤所持による覚醒剤取締法違反にあたります。
加えてAさんは覚醒剤の使用もしています。
覚醒剤の使用も所持と同様に、特定の業種や許可を得て使用する場合を除き、「何人も、覚醒剤を使用してはならない。」と覚醒剤取締法第19条に定められています。
この場合の使用は、自分に対して使う場合に限定されません。
家畜に対して使う場合や、薬品製造のため使用することも含まれます。
使用および所持で覚醒剤取締法違反になった場合の刑罰は、適用される条文は違いますがどちらも「10年以下の懲役」になります。

事情聴取の対応

薬物事件は逮捕のリスクが高く、逮捕後の勾留も長引きやすい傾向があります。
その場合、身体拘束を受けながら捜査機関による事情聴取を受けることになりますが、ここでの対応は慎重に行う必要があります。
事情聴取で答えた内容は、全て供述調書にまとめられます。
供述調書はその後の捜査にも影響し、裁判の際は証拠にもなるため、事情聴取では適切な受け答えが求められます。
しかし、多くの人は初めて事情聴取を受けるため、適切な対応はまずできません。
そのため事情聴取を受ける前に弁護士に相談し、事前に対策を立てておくことが重要です。

覚醒剤取締法に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、平日はもちろん、土、日、祝日も、24時間お電話を承っております。
薬物事件を起こしてしまった方、覚醒剤取締法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】サークルの後輩に対して暴行を加え暴行罪で逮捕、逮捕された場合に考えられる不利益

2025-01-24

【事例解説】サークルの後輩に対して暴行を加え暴行罪で逮捕、逮捕された場合に考えられる不利益

暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいる大学生のAさんは、同じサークルの後輩であるVさんと仲が良くありませんでした。
ある日、AさんはVさんと街中で出会いましたが、Vさんはあいさつしませんでした。
Aさんはそのことに怒って、Vさんの腹を何回か殴りました。
近くにいた通行人がAさんを止め、警察に通報しました。
しばらくして白石警察署の警察官が駆け付け、暴行罪の容疑でAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴行

刑法において暴行は、条文によってその定義がかわります。
刑法第208条暴行罪を「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定めています。
この場合の「暴行」は、人の身体に対して不法な有形力を行使することと定義されています。
Aさんのように腹を殴る行為は典型的な暴行です。
この他、隣で楽器を大音量で鳴らすなどの行為も、暴行罪の要件を満たします。
また、相手の身体に対して触れていなくても、暴行となる可能性はあります。
過去には、いたずら目的で相手方に対して石を投げた場合、当てる気がなく石が相手の足元に落ちただけだったとしても、これは相手の身体に対して暴行を加えたことになります。
逆に接触があったとしても、故意がないのであれば暴行罪になりません。
例えば道を歩いている際、急に立ち止まり後ろを歩いていた人がぶつかって転倒してしまったとしても、暴行を加える気はなかったと判断できるため暴行罪にはなりません。
暴行によって相手を傷害するに至ってしまった(怪我をした)場合は、傷害罪が適用されます。
こちらも暴行の故意は必要ですが、傷害の故意がなくても相手に怪我をさせてしまうと傷害罪となります。
参考事件の場合、Aさんの暴行によってVさんが怪我をしていないため、暴行罪が適用されました。

逮捕後の対応

Aさんのように暴行事件を起こすなどして逮捕されてしまうと、捜査機関の下で最長72時間身柄拘束をされることになります。
さらに、検察が捜査のために身柄拘束を延長する必要性があると判断した場合、検察官は勾留請求することになります。
勾留請求が通ると、原則10日間、場合によっては追加で10日間、身柄拘束が継続されることになります。
その間は通勤や通学もできなくなるため、解雇リスクなどが生じます。
身柄拘束中も取調べはあるため、外部との連絡を制限された状態で取調べが続く日々は、精神的にも疲弊します。
こういった様々な不利益を回避するためには、弁護士による弁護活動が必要です。
弁護士がいれば検察官や裁判所に対して意見書を提出するなどし、身柄拘束しないように働きかけることができます。
勾留が決定される前に行動を起こす必要があるため、身柄拘束を回避したい場合は速やかに弁護士へ相談しましょう。

暴行罪に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、24時間対応しています。
暴行事件を起こしてしまった方、暴行罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】道路に飛び出してきた人と接触し過失運転致傷罪、「自動車の運転上必要な注意」の定義

2025-01-21

【事例解説】道路に飛び出してきた人と接触し過失運転致傷罪、「自動車の運転上必要な注意」の定義

過失運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県刈田郡に住んでいる会社員のAさんは、ドライブに出かけました。
道路を走っていると、突然生垣から人が飛び出してきました。
Aさんは咄嗟にブレーキを踏みましたが、車は飛び出してきた人に接触してしまいました。
Aさんはすぐに救護と警察への報告をしました。
しばらくして白石警察署から警察官が駆け付け、Aさんから事故の状況を聞きました。
そしてAさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

過失運転致傷罪

自動車運転死傷処罰法自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に過失運転致傷罪は定められています。
自動車運転死傷処罰法第5条がその条文であり、内容は「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」となっています。
この場合、前方不注意や信号無視、居眠り運転などが過失運転になります。
参考事件の場合、Aさんがしっかり注意していれば防ぐことができた交通事故であれば、Aさんに過失運転致傷罪が適用されます。
前方を注意していれば生垣から人が出てくることを確認できたのであれば、Aさんは運転上必要な注意を怠ったと言えます。
しかしAさんが確認したとしても、生垣の中にいる人を見つけることが困難だったと判断されれば、Aさんに過失がなかったとして過失運転致傷罪は適用されません。
そして過失があったとしても、傷害の程度によっては過失運転致傷罪が成立しないこともあります。
このように交通事故を起こして人に怪我を負わせてしまった場合でも、状況次第では罪が成立しないケースもあります。

事情聴取

参考事件のようなケースでは、ドライブレコーダーの映像なども重要ですが、事情聴取の対応も重要です。
Aさんのように逮捕された場合、身体拘束を受けた状態で捜査機関から事情聴取を受けることになります。
この際の受け答えは供述調書としてまとめられて証拠になるため、慎重に行わなければなりません。
しかし、事情聴取で行うべき対応は事件の内容によって変わり、法的な専門知識がなければわからないことも多いです。
そのため事情聴取を受ける場合は、弁護士と相談して事前に供述する内容を整理し、対策を立てておくことがお勧めです。

過失運転致傷罪に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含めた刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回であれば無料の法律相談逮捕されてしまった方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤルでご予約可能で、24時間対応しています。
交通事件を起こしてしまった方、ご家族が過失運転致傷罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

【事例解説】下半身を露出させた状態で自転車に乗った公然わいせつ事件、被害者がいない事件の弁護活動

2025-01-18

【事例解説】下半身を露出させた状態で自転車に乗った公然わいせつ事件、被害者がいない事件の弁護活動

公然わいせつ罪と贖罪寄付について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県柴田郡に住んでいる大学生のAさんは、夜中に下着を履かずに外に出て、自転車で移動しました。
ある程度移動すると、Aさんは自転車から降りてズボンを脱ぐと、自転車に再度乗って走り始めました。
しばらく走るとAさんは自転車を降り、ズボンを履き直して家に帰りました。
Aさんが下半身を露出して走っていた所は何人か目撃しており、事件は警察に通報されました。
その後警察の捜査によってAさんの身元が判明し、Aさんの自宅に警察官が訪ねてきました。
事件について聞かれたAさんは「ストレス発散の目的でやりました。」と認め、大河原警察署公然わいせつ罪の疑いでAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

公然わいせつ

刑法の第22章に公然わいせつ罪は定められています。
刑法第174条がその条文で、内容は「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」となっています。
公然」とありますが、これは不特定または多数の人が認識できる状態にあることを意味し、この公然性が公然わいせつ罪で重要です。
「認識している状態」ではなく、「認識できる状態」です。
つまり、実際に人に見られていたりする必要はなく、人に見られてしまう危険があるのであれば、公然性があると判断できます。
わいせつな行為」は性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものとされています。
Aさんは下半身を露出させており、この行為はわいせつな行為と判断されます。
そしてその状態で自転車に乗り、不特定多数の人に認識されました。
そのためAさんのした行為は、公然わいせつ罪に該当します。

贖罪寄付

公然わいせつ罪は直接の被害者がいない性犯罪です。
これはわいせつな行為が人に見られていなかったとしても、公然わいせつ罪は成立するからです。
特定の人物に対してわいせつな行為をした場合は、その人物を被害者に準ずるものとして扱うこともできますが、基本は被害者がいない事件であり、被害者がいないため示談交渉などの弁護活動はできない事件になっています。
被害者がいない場合の弁護活動として、贖罪寄付が考えられます。
贖罪寄付は、事件を起こしたことを反省しているという意思を示すため、公的な組織や団体などに対して行う寄付のことです。
交通事件や薬物事件などの被害者がいない事件で行うことができる弁護活動で、被害者がいるが示談の締結ができなかった場合にも行うことが考えられます。
贖罪寄付を受け入れている組織は、基本的に弁護士を通さなければ贖罪寄付をすることができません。
寄付する金額も事件によって変わり、減刑に効果的な金額は法的な知識がなければわかりません。
そのため公然わいせつ事件のように、被害者がいない事件で贖罪寄付をお考えの場合、弁護士に相談し、弁護活動を依頼しましょう。

贖罪寄付に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談および、逮捕、勾留されている方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは土、日、祝日も含め、24時間対応可能です。
公然わいせつ事件を起こしてしまった、ご家族が公然わいせつ罪の疑いで逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】酔っ払って建物の中に無断で入り建造物侵入罪、容疑の「否認」とそのリスク

2025-01-15

【事例解説】酔っ払って建物の中に無断で入り建造物侵入罪、容疑の「否認」とそのリスク

建造物侵入罪と否認事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県名取市に住んでいる会社員のAさんは、会社の飲み会に参加し、酔っ払った状態で家路につきました。
後日、Aさんは誰かに起こされて目が覚め、あたりを見るとスーパーマーケットの店内にいました。
Aさんを起こしたのは警察で、店員から話を聞くと、店を開けようとしたら店内で人が寝ていたため、警察を呼んだとのことでした。
Aさんは警察に事情を聞かれましたが、昨日は酔っていたため「わからない、覚えていない」と答えました。
そしてAさんは岩沼警察署に、建造物侵入罪の容疑で現行犯逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

建造物侵入罪

建造物侵入罪刑法に定められていますが、その条文には複数の罪を規定しています。
刑法第130条がその条文です。
内容は「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」となっており、後段は不退去罪を定め、前段がAさんに適用された建造物侵入罪を定めています。
刑法第130条前段は、「人の住居」に侵入すると住居侵入罪と言われ、「人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」に侵入すると建造物侵入罪になります。
この場合の「建造物」は、住居及び邸宅以外の建物のことです。
この「建造物」には建物だけでなく、堀や塀で建物を囲っている敷地(囲繞地)も含みます。
また、「住居」は起臥寝食のために日常的に使用されている、人の起居のための場所を指しています。
Aさんの場合、スーパーマーケットという建造物に無断で侵入しているため、建造物侵入罪が適用されました。

否認

Aさんは警察に対して「わからない、覚えていない」と答えおり、この受け答えは容疑を否認していると判断されます。
もちろん、覚えていないのであれば素直に答えて問題ありませんが、捜査機関は嘘を吐いている可能性を考えます。
否認すると、逃走や証拠隠滅を防ぐため逮捕したり、その後に勾留を付けたりすることが考えられます。
逮捕されると最長で72時間は身体拘束されてしまい、勾留が付くと追加で10日間、場合によっては20日間身体拘束が継続されます。
つまり、逮捕された場合の身体拘束は最長で23日間に及びます。
しかし、弁護士がいれば身元引受人を立て、逮捕の必要性がないと捜査機関に主張して、否認事件でも早期の釈放や身体拘束の長期化を防ぐ活動ができます。
否認事件は身体拘束の可能性が高くなるため、弁護士の存在は身体拘束を避けるのに欠かせません。
建造物侵入罪などで否認をする場合は、速やかに弁護士に相談し、身柄解放のための弁護活動を依頼することが重要です。

建造物侵入罪に強い法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談や、逮捕されている方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは24時間、365日対応可能です。
建造物侵入罪で刑事事件化してしまった、ご家族が建造物侵入罪の疑いで逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。

【事例解説】店員を切り付けて現金を奪い強盗傷人罪、裁判員裁判はどのような手続きをとるか

2025-01-12

【事例解説】店員を切り付けて現金を奪い強盗傷人罪、裁判員裁判はどのような手続きをとるか

強盗傷人罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県加美郡に住んでいる大学生のAさんは、夜にナイフを持って外に出ました。
店員以外に誰もいないコンビニを見つけると、商品棚にいた店員にナイフを出しながら「レジから金を出せ」と脅しました。
店員が断ったため、Aさんは店員の腕を切り付け、「本気だぞ」と店員を再度脅しました。
そして店員からレジにあった約15万円の現金を渡されると、Aさんはそのまま逃走しました。
その後、店員が事件を警察に通報し、加美警察署の捜査によってAさんの身元が特定されました。
ほどなくして、強盗傷人罪の容疑でAさんは逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗傷人罪

まず、通常の強盗罪刑法に定められた犯罪で、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」もしくは同じ方法で「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」に適用されます。
この場合、暴行又は脅迫に相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の強度が必要です。
ただし、反抗を抑圧する強度がない暴行・脅迫でも、恐喝罪は成立します。
Aさんはナイフを出して店員を脅迫しています。
凶器を見せての脅迫は反抗を抑圧するに足りる強度があると判断されます。
そして強盗罪は未遂でも罰せられるため、Aさんにはこの時点で強盗罪が成立しています。
しかしAさんは、店員に現金を出させるために腕を切り付けました。
刑法第240条には、「強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。」と強盗傷人罪が定められています。
強盗傷人罪の成立には、「人を負傷させたとき」に故意がある必要があります。
例えば参考事件で脅す際に店員を突き飛ばすなどして、転んだ結果擦り傷などの怪我を負ってしまった(怪我をさせる目的で暴行を加えたわけではない)場合は、適用される条文は同じですが強盗致傷罪と罪名が変わります。
Aさんの場合は店員にレジを開けさせるために、ナイフで怪我を負わせています。
そのためAさんには強盗傷人罪が成立し、刑罰も罪名が強盗致傷罪の時より重いものになります。

裁判員裁判

強盗傷人罪強盗致傷罪は「無期の懲役」が刑罰に含まれています。
裁判員裁判は、開かれる事件の条件の1つに「死刑若しくは無期の懲役又は禁錮に当たる罪」があるため、参考事件は裁判員裁判が開かれます。
裁判員裁判とは、国民がランダムに選ばれ裁判員になり、裁判官と一緒に裁判に参加する制度です。
この場合、通常の裁判にはない手続きがとられます。
例えば、裁判前に事件の争点を明確にする公判前整理手続をしたり、裁判員が公平な判断をするために裁判員の選任手続きに弁護士が立ち会ったりなどがあります。
そのため裁判員裁判が開かれる場合、これらの手続きにも詳しい弁護士が必要です。
強盗傷人罪で刑事事件になった際は、裁判員裁判に詳しい弁護士に依頼しましょう。

裁判員裁判に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは24時間・365日ご利用いただけます。
裁判員裁判が開かれることになってしまった、ご家族が強盗傷人罪の容疑で逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら