【事例解説】飲酒運転が発覚することをおそれて逃走、警察による呼気検査を拒否した場合の罪

【事例解説】飲酒運転が発覚することをおそれて逃走、警察による呼気検査を拒否した場合の罪

呼気検査拒否などの道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県栗原市に住んでいる会社員のAさんは、会社から帰る際に誘われて同僚と食事をしていました。
Aさんは車で会社に来ていたため、なるべく飲まないようにしていましたが、友人から勧められたこともあり1杯だけお酒を飲みました。
その帰り道、車を運転していたAさんは検問していた若柳警察署の警察官に止められました。
呼気検査を受ければ捕まると思ったAさんは、そのまま車で逃走を図りました。
しかし、結局警察に止められてしまい、Aさんは道路交通法違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

呼気検査拒否

Aさんは飲酒運転の発覚をおそれて逃走したため、現行犯逮捕されました。
しかし、Aさんが逮捕されたのは飲酒運転が発覚したからではなく、呼気検査を拒否したことが原因です。
そのため仮にAさんが酒を一切飲んでいなかったとしても、呼気検査を拒み逃走しようとすれば逮捕されます。
道路交通法には飲酒運転に関する条文もありますが、アルコール検査を拒否した場合にも成立する条文が載ってます。
それが、道路交通法第118条の2です。
この条文には「第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。
道路交通法第67条第3項には、飲酒運転のおそれがある場合、警察官はアルコール保有量の調査のため呼気検査を実施できることが規定されています。
そのため、飲酒運転の可能性があると思い、アルコールを身体に保有してないか調査しようとした警察官の呼気検査を拒み、その場から逃走しようとしたAさんは、呼気検査拒否道路交通法違反になりました。

道路交通法違反

飲酒運転道路交通法違反ですが、状況次第で適用される条文が変わります。
身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」で車を運転すると、酒気帯び運転として「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます(道路交通法117条の2の2第3号)。
アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車を運転すると、酒酔い運転となり「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処されます。
どちらも一般的には飲酒運転とまとめて呼ばれていますが、より危険度の高い酒酔い運転道路交通法違反の方が、刑罰が厳しくなっています。
また、参考事件では友人がAさんに飲酒をすすめています。
道路交通法第65条第3項では、「車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」としています。
そのためAさんの友人も道路交通法違反になる可能性がありますが、Aさんが車で帰宅することを知らずに飲酒をすすめたのであればこの条文には違反しません。
もちろん、Aさんが車で帰ることを知った上で「少量なら大丈夫」とすすめたのであれば道路交通法違反となります。
このように道路交通法違反では、一般的に知られていない条文が適用されることもあるため、交通事件を起こしてしまった場合は、すぐに法律事務所に相談しましょう。

道路交通法違反に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件、少年事件を中心に扱う法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
どちらのご予約も24時間体制で受け付けておりますので、交通事件の当事者となってしまった方、ご家族が道路交通法違反の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

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