【解決事例】盗撮の再犯で捜査されるも不起訴処分を獲得

宮城県仙台市の盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事案の概要】

Aさんは、ショッピングモールにて、女性のスカートの中を盗撮してしまいました。
Aさんは、3年ほど前から盗撮を繰り返しており、2年前に一度捜査の対象とされるも不起訴処分となった前歴があります。
店舗に発覚し、迷惑防止条例違反として連行された警察署での取調べを受けたAさんは、逮捕や勾留、起訴を回避すべく、弁護士に相談することにしました。

(※守秘義務との関係で、一部事実とは異なる点がございます。)

【弁護活動】

Aさんは逮捕こそされていないものの、通報を受けた警察が、既に捜査を開始している段階です。
逮捕・勾留は、起訴・不起訴の判断に向けた捜査のために一時的に身柄を拘束する手続にすぎないため、逮捕・勾留をせずに警察が捜査を行うことも少なくありません。
これを、在宅事件といいます。(一方、逮捕・勾留を行いつつ捜査を進める形式の事件を身柄事件といいます。)
もっとも、在宅事件であっても、警察は身柄拘束を行わないだけであり、取調べ等の捜査やその後の起訴・不起訴の判断については通常通り行われることとなります。
また、最初は在宅事件として取り扱われていた場合でも、捜査の状況によっては突然逮捕され、身柄事件へと切り替わることもありえます。
そして、取調べで話した内容は、全て供述調書として記録され裁判の証拠とされてしまうほか、これを後から覆すことは極めて困難です。
そのため、初動の段階で弁護士に相談し、どのようなことを話すかを方針立てておくかどうかによって、その後の処分が大きく左右されることとなります。
したがって、在宅事件であっても、弁護士に早期に相談できなかったがために逮捕・勾留されてしまったり、起訴処分となってしまったりするおそれがあるのです。
次々と連続して行われる刑事手続きの中で、事態の悪化を避けるためには、何よりもまず早期の段階で弁護士に相談・依頼し、適切な弁護活動のサポートを受けることが非常に重要です。

また、処分を軽くする上では、被害者に対する示談は極めて有効な手段となります。
被害者が加害者を許すことを意味する宥恕(ゆうじょ)を得た事実や、被害に対する弁償を済ませたといった事実は、処分を軽くするための強い事情となりうるのです。
もっとも、被害者は加害者に対し強い被害感情を抱いていることが通常であるため、本人自ら示談を行うことは極めて困難です。
そうした意味でも、示談交渉のプロフェッショナルである弁護士を客観的な第三者として介入させる必要があります。
無事に示談を奏功させる上では、早期の段階で弁護士に依頼する必要性が非常に高いといえるでしょう。

もっとも、今回のケースでは、被害者が「関わりたくない」との意思表示をしていたことから、示談をすることはできませんでした。
このような、被害者に弁償できない場合であっても、本来被害者に納める金銭を公的機関等に寄付する贖罪寄付という手段が有効です。
贖罪寄付をした事実によって、検察官に反省を示すことができ、これにより処分が軽くなることがあるのです。
本件でも、被害者との示談は困難と判断したことから、贖罪寄付ををすることをご提案させていただきました。

加えて、性犯罪等、再犯率が高いとされる犯罪の場合には、医療機関等でのカウンセリングを受けているという事実も、処分の軽減を目指す上での有効な手段となりえます。
カウンセリングを受け、適切な治療のもと再犯防止に努めているという姿勢をアピールすることにより、反省を示すことができるのです。
本件では、Aさんのが通っていた機関のカウンセラーの意見書を求めることができたことも、不起訴処分の決め手の一つになったのではないかと思われます。

総括すれば、本件は、再犯であり、起訴可能性は十分に高かったものと考えられます。
もっとも、早期の段階からの贖罪寄付やカウンセラーの意見書提出等の適切な弁護活動が功を奏し、不起訴処分を無事獲得することができたといえるでしょう。

【盗撮事件を起こしてしまったら】

以上のことからも分かる通り、刑事事件では、弁護士への早期相談が何よりも大切です。

本件は、事件発生直後からのご相談だったため、贖罪寄付をご提案でき、また起訴処分を回避することができました。

仮に逮捕されてしまった場合にも、早期の相談が大切であることには変わりありません。むしろ、逮捕・勾留・起訴…と、段階を追うごとに不利益が大きくなっていってしまうため、より迅速な対応が求められるとすらいえます。捜査機関によって供述調書などの証拠の収集が順次進められていくことにより、弁護士に早期に依頼していれば取り得た選択肢が既に失われているという事態も、決して少なくはありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門的に扱う法律事務所です。

宮城県仙台市の盗撮事件でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
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