飲酒運転で逮捕
宮城県大崎市に住むAさんは、知人との飲み会に車で向かいました。
飲み会後、運転代行を呼ぼうとしていましたが、かなり酔いが回り眠くなっていたので、駐車場に停めた車の中で寝てしまいました。
3時間ほどして目が覚めたAさん。
「少し寝たから大丈夫だろう」と考え、自ら運転して家に向かいました。
しかしアルコールは抜けておらず、途中で歩道に乗り上げ、歩行者をはねて大けがをさせてしまいました。
Aさんは駆け付けた古川警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)
~飲酒運転で成立する罪~
昔に比べれば少なくなったと思いますが、未だに飲酒運転はなくなりません。
飲酒運転をすると、軽い順に、以下のような罪が成立する可能性があります。
①酒気帯び運転の罪(道路交通法第65条1項、第117条の2の2第3号)
→3年以下の懲役または50万円以下の罰金
②酒酔い運転の罪(道路交通法65条1項、第117条の2第1号)
→5年以下の懲役または100万円以下の罰金
③過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)+①
→10年以下の懲役または150万円以下の罰金(※併合罪、刑法45条・47条・48条2項)
④過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)+②
→10年半以下の懲役または200万円以下の罰金(※併合罪)
⑤自動車運転処罰法3条1項の危険運転致死傷罪
→被害者負傷12年以下の懲役、被害者死亡15年以下の懲役
⑥自動車運転処罰法2条1号の危険運転致死傷罪
→被害者負傷15年以下の懲役、被害者死亡1年以上20年以下の懲役
①と②は事故を起こしていなくても成立します。
②はろれつが回らなかったり、千鳥足になっているなど、正常な運転が出来ないおそれがある場合で、そこまでではないがアルコール濃度が基準値以上となっている場合が①です。
さらに人をケガさせたり、死亡させた場合には、③④⑤⑥が成立する可能性が出てきます。
③と④は、飲酒運転をしているが、事故の直接の原因がアルコールの影響以外にある場合(たとえばわき見運転やスピード違反)などに成立します。
①酒気帯び運転と②酒酔い運転のどちらの状態だったのかによって、罰金額の上限が少し変わります。
⑤と⑥は事故の直接の原因が飲酒運転にある場合です。
⑤は正常な運転に支障が生じるおそれがあるにとどまる状態で運転をはじめ、やがて正常な運転が困難な状態に陥って事故を起こした場合です。
⑥は最初から正常な運転が困難な状態で運転した場合です。
もちろんこの他に、免許停止や免許取消し処分も受けることになります。
~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~
逮捕された場合、まずは最大で3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大で20日間の身体拘束がされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。
まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などの不利益を具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。
次に、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また、最高でも罰金にしかならない略式起訴という処分がなされることもあります。
そこで、被害者と示談が成立していること、本人が反省していること、会社を解雇され社会的制裁を受けていることや前科がないことなど、有利な事情があれば出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴にするよう検察官にお願いしていきます。
起訴されて未だ身体拘束が続いている場合には、釈放を目指して保釈申請を行います。
そして裁判においても、本人に有利な事情を主張し、執行猶予や罰金などの軽い判決で済むよう弁護していきます。
~弁護士に相談を~
逮捕された場合、どのような罪が成立するのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などに対してお答えいたします。
飲酒運転で逮捕された場合には、ぜひご相談ください。