買春で会社員が取調べ
仙台市泉区に住む会社員のAさん。
SNSで知り合った女性と性行為をするために会いました。
SNSに書かれたプロフィールでは、女性は成人しているはずでしたが、会ってみるとやや顔が幼いようにも感じたAさん。
年齢を確認したところ、女性は18歳と答えました。
安心したAさんは女性に口淫(フェラチオ)をしてもらいました
後日、Aさんの下に泉警察署から連絡があり、児童買春のことで話を聞きたいと言われました。
どうやら女性は17歳だったようです。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)
~児童買春の罰則~
売春防止法により相手が何歳であっても売買春は禁止されています。
売春防止法第3条
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。
ただし、この法律で禁止されているのは性交だけですし、そもそも売買春について罰則規定はありません。
しかし、18歳未満の者との買春は児童ポルノ規制法に罰則規定がある上、規制の対象は性交のみに限られません。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第2条
第1項
この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
第2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
第4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
性交に限らず、2条2項に記載されている性行為であれば、児童買春として処罰の対象となります。
Aさんのケースの口淫(フェラチオ)も、「児童に自己の性器等を触らせること」に該当します。
なお、2条2項2号・3号にあるように、買春の対価を児童本人ではなく、買春を周旋(斡旋)した者や、児童の保護者等に支払った場合も処罰の対象です。
罰則は4条にあるように5年以下の懲役または300万円以下の罰金ですので、Aさんもこれらの処罰を受ける可能性が出てきます。
~18歳未満と知らなかったのに処罰される?~
過失犯処罰がある場合を除き、犯罪は故意がなければ成立しません。
刑法38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
故意(上記条文の「罪を犯す意思」)とは、簡単に言うと「わざとやった」ということです。
ただし、もしかしたら犯罪に該当するかも、という程度でも故意があるものと扱われます(未必の故意があると言います)。
Aさんの場合、女性に対し年齢を確認し、18歳との回答を得ているので、まったく何も確認しなかった場合に比べれば、故意がないとして犯罪が成立しない可能性は高くなるでしょう。
しかし、女性が嘘をつくことも当然予想できますので、上記確認をしたからといって、ただちに故意がないということにはならないので注意が必要です。
~弁護士に相談を~
児童買春は、児童が積極的に被害を警察に申し出るということは少ないでしょう。
しかし、警察が買春に関するSNSの書き込みをサイバーパトロールにより探し出して事件が発覚したり、児童が他の買春等の事件で携帯電話を警察に押収されて内容を確認された結果発覚したり、児童の保護者が被害を警察に申出て発覚するといったことが考えられるでしょう。
Aさんのケースは既に警察に発覚していますが、現状発覚していない、あるいは発覚しているのかわからないケースもあり、今後処罰されるのか、されるとしたらどの程度の懲役・罰金になるのか、執行猶予が付くのか、逮捕されてしまうのか等々、不安点が多いかもしれません。
あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっており、上記のような不安点に対する見通しをお答えいたします。
買春を相手が18歳未満だったかもしれない、児童買春で捜査を受けた、といった方はぜひ一度ご相談ください。