ひき逃げ事件での執行猶予獲得
宮城県白石市に住む会社員Aさんは,勤務先から車を運転して帰宅する途中,交差点を右折する際に,歩行者の男性に接触して転倒させてしまいました。
Aさんは人身事故を起こしたことでパニックになり,警察や救急車を呼ぶことなく,車を発進させてその場から逃げてしまいました。
Aさんはその後も人身事故のことを誰にも言えずにいましたが,被害者の男性や通行人の目撃情報からAさんが特定され,事故から1週間後にAさんはひき逃げを理由に宮城県白石警察署に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)。
起訴の可能性も高いひき逃げ事件
いわゆるひき逃げとは,人身事故を起こした状態で,負傷者の救護や警察への通報を怠ることを指します。
より正確には,道路交通法117条2項がひき逃げの罪を定めていて,罰則の内容は「10以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」とされています。
設例のAさんのように,自分が起こした事故で負傷者がいるにも関わらず,救護や通報の義務を怠った場合が,まさにひき逃げの典型例になります。
また,ひき逃げはあくまで救護・報告の義務を怠ったことに対する罪であるため,被害者を負傷させた点は,別途,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」5条により,「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」が科せられます。
ひき逃げ事件の特徴として,逮捕やそれに引き続く勾留決定がされやすいということが挙げられます。
通常,単なる人身事故(過失運転致傷罪)では逮捕がされずに在宅捜査になることも多いですが,ひき逃げとなってしまうと話は別です。
なぜなら,逮捕やそれに続く勾留を行うかの判断事情として「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由(刑事訴訟法60条1項3号)」が考慮されますが,ひき逃げ事件の場合は文字どおり救護・報告義務を怠って逃走しているため,逮捕や勾留が非常に認められやすくなってしまうためです。
ひき逃げは罪としても重く,これまで前科がない,いわゆる初犯の犯行であっても,起訴されて正式裁判となってしまうことが少なくありません。
正式裁判になってしまうと,事実関係に争いがない限り,執行猶予がつかなければ実刑判決となって,刑務所に服役することになります。
ひき逃げという事件の性質上,必ず被害者が存在するわけですが,執行猶予の有無を左右する事情の一つに,被害者との示談の成立が挙げられます。
示談とは,加害者が被害者に対し,謝罪や被害の弁償を行うことを指します。
示談によって事後的に被害が回復し,被害者の処罰感情が緩和されることで,執行猶予がつきやすくなります。
ひき逃げ事件を含む交通事件の場合,他の刑事事件と異なる点として,保険会社の存在があります。
任意保険に加入している場合,被害弁償については保険会社が動いてくれます。
もっとも,保険会社が対応するのはあくまで保険金による被害弁償の面であり,被害者との謝罪対応までは行わないのが通常です。
保険金によって被害弁償はできても,適切に謝罪が行われなかったため,被害者の処罰感情が強いままであることも起こり得ます。
それゆえ,ひき逃げ事件を起こしてしまった場合,早急に交通関係の刑事事件に強い弁護士により示談交渉を始めていく必要性が高くなります。
また,ひき逃げ事件は起訴されやすい事件であるため,充実した裁判対応を行ううえでも,やはり弁護士に依頼をすることは大切になってきます。
ひき逃げ事件を起こしてしまった方,あるいはご家族がひき逃げ事件を起こして逮捕・勾留されてしまいお悩みの方は,刑事事件を専門に扱う弁護士事務所である,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談,初回接見サービスをご利用ください。
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(宮城県白石警察署への初回接見費用:41,120円)