20kmスピード違反で反則金を納めず逮捕!?

20kmスピード違反で反則金を納めず逮捕!?

宮城県名取市の会社員Aさんは、通勤途中に、名取市内において、20km/hの速度超過(スピード違反)をして宮城県岩沼警察署の警察官から青キップを渡されました。
しかし、忙しかったこと、お金が惜しくなったことから、反則金を納めず、警察署から電話に出ない、再三の呼び出しに応じないという対応をしていました。
ある日、宮城県岩沼警察署の警察官が自宅に来て、「警察署に出頭しなければ逮捕する」旨の通告を受けました。
スピード違反逮捕されるかもしれない事態になるとは思ってもみなかったAさんは、刑事事件交通事件に強い弁護士に相談しました。
(事実を基にしたフィクションです)

~20km/hのスピード違反で逮捕?~

20km/hのスピード違反で、「逮捕する」と警察に言われることは意外かもしれません。
どういう経緯で逮捕になるのかについてご説明していきます。
まず、スピード違反について、
スピード違反の正式な交通違反名は「速度超過違反」です。

・標識や標示で定められた最高速度
・標識や標示がない道路では政令で定める最高速度
を超過して走行する行為のことを言います。

その他標識や標示がない道路において政令で定められている最高速度は、「法定速度」と呼ばれます。
法定速度は、普通車では、一般道:60km/h、高速道路:100km/h です(道路交通法施行令 第11条)。

法律上は、1km/hでもオーバーするとスピード違反(速度超過違反)となり、取締りの対象となります。

~スピード違反の処分~

スピード違反は、交通違反の中でも多い違反類型で、処分に関しては、超過した速度によって異なります。
超過速度が一般道路で30㎞/h未満、高速道路で40㎞/h未満 : 交通反則通告制度が適用され、反則金が科されることになります。
一般道で時速にして30km/h以上、高速道路で40km/h以上超過 : 交通反則通告制度の適用がなく、刑事事件として刑事罰の対象となります。

「交通反則通告制度」とは、軽微な交通違反をした場合の手続を簡略化するための制度です。
交通違反事件は数があまりにも膨大で、すべてを検察庁や裁判所で処理することは不可能です。
国民にとっても、交通違反でいちいち裁判に応じなければならないとなると大変な負担です。
また,交通違反は比較的軽微でありながら罰金などの刑罰を科し,前科までつけさせることは不均衡で,国民が法律を守ろうとする意識の減退にも繋がるおそれがあると言われています。
そこで、道路交通法違反事件のうち程度が軽く危険性が少ないものについて「反則行為」として、反則金を納付すれば刑事事件として取り扱わないという「交通反則通告制度」が設けられているのです。
交通反則通告制度は、刑罰に先行する行政上の措置です。
反則金を支払えば、刑事事件として取り扱われず刑罰が科されることはないので、刑事裁判にかけられることもなく、前科も付きません。

交通反則通告制度が適用される「反則行為」は、明白かつ定型的な違反行為です。
具体的には、一時不停止、駐車違反、通行禁止違反、速度超過(一般道路:30キロ未満、高速自動車国道等:40キロ未満)、信号無視等が挙げられます。

「反則行為」となる軽微な交通違反では、警察から交通反則告知書と反則金仮納付書が渡されます。
この交通反則告知書が、いわゆる「青キップ」と呼ばれるものです。
(なお、「青キップ」を切られた場合に収めるお金は、一般的に「罰金」と呼ばれていますが、正しくは「反則金」という名称で、刑事処分である「罰金」とは別物です。)
ここで、反則金を支払えば、行政手続は終了となりますが、反則金が未納の場合には、正式に反則金を支払うように記載された「通告」を受けることなります。
それでも反則金を支払わない場合には、簡易裁判所や交通裁判所、検察庁などからの出頭要請が届き、それにも応じない場合、悪質な違反者として逮捕されることもあります。

また、交通反則通告制度が適用される違反行為でも、警察の処分に納得のいかない場合は、反則金を納付しないことによって刑事事件として裁判において争うことが可能です。
ただし、裁判で有罪となれば前科がつくことには注意が必要です。

反則金を納めずに出頭要請に応じないでいると、刑事事件として逮捕される、または、起訴される可能性もないわけではありません。
反則金を納めずにいて警察から出頭しなければ逮捕すると言われた場合や、「反則行為」となる交通違反を刑事事件として裁判で争いたいという場合は、交通事件刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
初回法律相談:無料

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